彼女たち

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  • KADOKAWA (2023年10月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (56ページ) / ISBN・EAN: 9784041126530

作品紹介・あらすじ

NHK北海道、RSK山陽放送…各種メディアで紹介されて注目の写真絵本。
SNSでも話題に!
---
直木賞作家と人気写真家が贈る
心に寄り添うフォトストーリー
---

・みんなさまざまな「いま」を乗り越え、「よく生きる」道を歩んでいるのです。五十代の私もそんな『彼女たち』のひとりなんだ。今日を楽しみ、笑って明日を迎えたらいい―。(おーちゃん)
・今、入院生活を送っています。天井を見上げる日々のなか、何気ない日常の匂いを思い出し、優しい気持ちになりました。元気をくれたこの本を、誰かにプレゼントしたい。そんな優しさの連鎖が続くといいな(あおい)

人間関係につまずいたイチコ。ある人のことばに背中を押されて生き方の舵を切り直した彼女は、一匹の猫との出会いで新たな感情を手に入れる。イチコ、モネ、ケイ。年齢も生い立ちも異なる三人の物語。それぞれやっかいごとを抱える彼女たちの人生は、とある喫茶店でかすかに交わる。店でひととき過ごしたあと訪れる、ささやかだけれどたしかな変化とは。 ひたむきに、今を生きるあなたへの一冊。読んだあと誰かに贈りたくなります。



中川さんの作品集をはじめて開いたとき、「きれいな空をもった人だな」と感じました。空に誘われ、大切な友人を想いながら書いていたら、贈りたい人の顔がたくさん浮かぶ一冊になりました。私も光を求めて生きる「彼女」のひとりでした。 
(桜木紫乃)

紫乃さんの切り取る「彼女たち」の日々。それぞれの目に映る色や光を思いました。今日も赤く暮れていく空の下、彼女たちは自分の歩幅で進んでいるのでしょう。わたしは、どんなふうに歩いていこうか。今日をどう、始めようか。気づけばわたしも「マサコ」として、この物語の中で息をしていました。
(中川正子)

感想・レビュー・書評

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  •  これは、とても丁寧な作り方をされている本だなと感じられ、単行本サイズの広々とスペースを取った写真と、メッセージとも受け取れる、一ページ毎に間隔を空けた、少ない文体で手軽に読める短篇小説とのバランスも絶妙な、桜木紫乃さんにとって、『Our Stories』な物語は、今を精一杯生きている、そんな『彼女たち』に贈る、新たな視点をそっと教えてくれるフォトストーリーです。


    『なつかしいものなんて、ひとつもないの』

    『だまって言うことをきいていたら、胸が苦しくなってくる。
    本音と建前が透けて見えるのは、つらいんだ』

     三つある内の、一つ目の物語は、誰も彼女の心の中に興味の無い環境で暮らしてきた、ひとりぼっちの彼女が、そんな彼女に目を留めた人のアドバイスにより、『なんのために?』でも『誰のために?』でもなく『自分のために』生きる自由を手に入れ、その後、同じくひとりぼっちの猫と出会うことで、彼女の心の内に芽生えたのは、果たして・・・。

    『どんなでこぼこ道も、ひとりで歩く。
    喜びも失敗も、ぜんぶ自分のものだ』


    二つ目の物語は、『今しかできないこと』に囚われた彼女の物語。

    『楽しいことを考えるのが苦手になったのは、子育てのせいじゃない。
    わかってる』

    『仕事も恋も結婚も、
    今しかできないことを選びつづけてきたのに。
    どうしてこんなに疲れているんだろう』

    『「助けて」なんて言えない』

     何年間も、ただ通り過ぎるだけだったお店にふと入ってみたくなった。

     そして、いつもと違うことをやってみることで、心にちょっとした余裕が芽生え、これまでに無かった別の見方が頭の中に浮かび上がってきた。

    『今しかできないこと──いいえ』

    『今したいことは、なに?』


     最後の物語は、七十歳の誕生日を迎え、最愛の人に先立たれた彼女は、現実の過酷さに必死なあまり、甘えられない彼女たちにささやかな、言葉は無くとも確かに伝わる、心の休息をそっと与え続けてゆく。まるで、それが彼女自身の心にも与え続けていることを、彼女自身、実感しているかのように。

    『だいじょうぶよ。
    あなたたちにはいまを乗り越える力があること、
    わたしは知っているの』


     中川正子さんの写真は、まるで温度が手に伝わってくるような、ほのかに差し込む光の温かさが心地好く、普段、目にしている光景よりも抑えた色調には、思わずハッとさせられるものがあり、それは、あなたが普段見ている変わらない景色も、その時の心境によって、変わって見えることもあるんだよと言われているようで、そこには、心に余裕を持ちたくても、とてもじゃないが、そんな余裕なんか持てないと感じている、『彼女たち』に向けて、そっと差し出して共に寄り添ってくれるような、これまで閉じかけていた視界がパーッと開けていく、そんな新たな世界を写真から感じさせられた、ありふれた日常の光景は、こんなにも美しかったのだということであり、それは、『彼女たち』も同様だという素晴らしさへと変わってゆく。

     そして、最後の『Our Stories Continue』に込めた桜木さんの思い、彼女たちの物語は、当然、これから先もずっと続いていくということであり、ものの見方に正解なんてないということを、心に留めて、これから先もずっと生きていってほしい。

    • koalajさん
      たださん、こんにちは。
      レビューに惹かれて手にとりました。
      素敵なフォトストーリーでした。
      ほっとするような優しい文章と光が心地よい写真。
      ...
      たださん、こんにちは。
      レビューに惹かれて手にとりました。
      素敵なフォトストーリーでした。
      ほっとするような優しい文章と光が心地よい写真。
      あぁ〜なんか力が抜けていく…
      ステキな本を紹介してくださってありがとうございました♪
      2024/01/17
    • たださん
      koalajさん、こんばんは♪
      すみません、先にタイムラインをチェックしたので、こちらのコメントに気付かずに、koalajさんのレビューにコ...
      koalajさん、こんばんは♪
      すみません、先にタイムラインをチェックしたので、こちらのコメントに気付かずに、koalajさんのレビューにコメント送ってしまいました。
      ですから、(おそらく)は素で書いているので、気になさらないで下さいね。
      koalajさんの『光が心地よい写真』、同感です。
      あんな写真も撮れるのだなと、感動したことを思い出しました。
      こちらこそ、素敵なレビューをありがとうございます(^-^)
      2024/01/17
  • ブク友さんの「今を精一杯生きている、そんな『彼女たち』に贈る、新たな視点をそっと教えてくれるフォトストーリー」というレビューに惹かれて手にとりました。ありがとうございます♪

    優しくそばに寄り添ってくれるような文章
    明るい光線が明日への希望を感じさせる写真。
    ほっと力が抜けていくよう。

    「今しかできないこと…いいえ。
    今したいことは、なに?
    画集の底に沈み込んで、
    思い描いてきた自分を掘り下げる。
    「わたし」という本。
    自分のページをめくる。
    深呼吸をする。」

    • たださん
      koalajさん、こんばんは。

      (おそらく)私のレビューがきっかけで読んで下さったこと、とても嬉しいです♪
      ありがとうございます(*'▽'...
      koalajさん、こんばんは。

      (おそらく)私のレビューがきっかけで読んで下さったこと、とても嬉しいです♪
      ありがとうございます(*'▽'*)

      桜木さんの物語の素晴らしさは勿論ですが、中川さんの柔らかい写真が合わさることで、更に感慨深くなる様には、それぞれが違った眼差しで佇み、寄り添ってくれているようで、それまでのモヤモヤした気持ちから、そっと生きる希望が湧いてくるような、さり気なく前を向かせてくれる感じが、いいなと思いました。
      2024/01/17
    • koalajさん
      たださん、おはようございます♪
      両方にコメントありがとうございます!

      たださんの写真に対する感想…
      「まるで温度が手に伝わってくるような」...
      たださん、おはようございます♪
      両方にコメントありがとうございます!

      たださんの写真に対する感想…
      「まるで温度が手に伝わってくるような」
      「普段の景色もその時の心境によって変わってみえるのもいいんだよと言われているような」
      が、すごくいいなぁと思って。

      何かに迷って立ち止まりたいとき
      こういう本が助けてくれる気がします。
      今まさに、私そういう時なので。
      出会えてよかったです!
      2024/01/18
  • 彼女たち | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4041126533/

    作家・桜木紫乃さんの新たな挑戦 | NHK北海道(2023年11月6日)
    https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n8f5224bb71a4/

    届けたい女性たちの物語 文・桜木紫乃さん、写真・中川正子さん 音楽のように、コラボ本出版:北海道新聞デジタル(会員限定記事2023年11月4日)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/936179/

    写真は"真を写す"から、私にとっての本当を。わたしの「写真と、ちょっといい暮らし。」写真家・中川正子さん 前編 | 写真と、ちょっといい暮らし。 - “写真を飾る”を楽しむWEBマガジン
    https://kurashi.fujifilm.com/category/interview/327.html

    中川正子 – 検索結果: – 北欧、暮らしの道具店
    https://onl.sc/n3WVnSS

    Masako Nakagawa Photography | 写真家 中川正子
    https://masakonakagawa.com/

    「彼女たち」桜木紫乃 [文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322202001265/

  • 本を開くと
    細い枯れ枝の向こうに広がる青空
    そして”そで”には力強くて優しい言葉。
    『だいじょうぶ。
    あななたちにはいまを乗り越える力があること、
    わたしは知っているの』

    「写真絵本」というのがぴったりな一冊。
    軟らかい日差し、温もりを感じる写真と
    桜木さんのことば。
    優しく背中を撫でてくれているようで
    そっと背中を押してくれているようで…

    こころに残るフレーズを2つ。

    今しかできないことー、いいえ。
    今したたいことは、なに?

    つよく生きる彼女が、思い出と連れそう日々と
    上手に手をつなげますように。
    いつか「つよく」から「つ」が抜けて、
    「よく生きる」になります。

  • 学生のころから大好きな中川正子さんの写真に釣られて図書館で。ナカマサさんの写真を拝見していると、誰かが生きている、誰かのどんな日常にも、必ずどこかに光はあるような気がして、私もどうせ生きるならこんなふうに世界を見てみたいと思った。桜木さんの言葉にも励まされて、借りるだけじゃなくて、購入して、いつも手元に置いておきたい本だった。

  • イチコ、モネ、ケイ…3人の「彼女たち」を描いたフォトストーリー。
    普段のディープな桜木さんの小説をイメージして読むと若干物足りなく思うかもしれないけど…とことん削ぎ落としたシンプルな物語ながら、芯の部分が桜木さんだなぁ、と感じる。確実に心に刺さってくるのだ。そして、中川正子さんの写真の美しさよ!日々の風景を切り取った写真が、何気ない一瞬なのに印象的。
    本書を買ったとき、我慢できなくて電車で全部読んでしまったのだが、まず一話目で涙腺がヤバかった。どの話も、エピソードとしては、誰もが経験するかもしれないこと。だからこそ、沁みる。そして、ミルクコーヒーが飲みたくなる。(カフェオレではなく、あえてミルクコーヒーと表現しているのがいいなぁと。)
    心が少し曇り気味なとき、何度も読み返す。光と澄んだ空気を感じられる写真、短いながら力強く、真摯なストーリー。切なく苦しく、凝った思いも昇華できるような…そんな一冊だ。

  • 綺麗な本です。
    この本を読む時は、安心感が手の届く先にある時が良いかな。

    例えば、心許せる人の隣りで。飛行機の中でも、電車でも、部屋でも。

    自身の弱さと、でも、なんとかなるかって、
    そんなバランスが感じられたりするかな

  • 三つめのお話が
    一番切なかったです。

    〈今日、楽しかったことはなんですか。
    なにか面白いことは、ありましたか。
    今日食べた、おいしいものを教えてください。
    初めて聴いた曲はありましたか。

    どうか明日も、笑ってください〉

  • 3人の女性とミルクコーヒー。人生の苦味とやわらかな甘味が溶け合う。あたたかい。彩りを添えるなんでもない風景写真がじんわりと心に沁み入る。切り取り方の巧さ!写真家さんのことが気になりインスタ見に行くと、とても美しい人でした。

  • 写真が素敵。写真に合わせてテキストを考えたのでしょうか?こういうテイストの本好きです。好きな人が多いのでは。
    更には桜木さんがこういうテイストの物語をつけるということもちょっと意外性があって良かった。素敵な温かい物語を紡ぎながらもピリッとするところや切なくなるところ苦みの効いたところを感じられるのが桜木調というか「らしさ」を感じて嬉しくなりました。
    本書の写真家の方と桜木さんの対談?の記事をナニカで読みましたが、写真家の方のコメントが自信が透けすぎてて正直言うとちょっと嫌な感じだなぁと思ったんですが、本書の写真を見ると自信家なのもさもありなんと思わされてしまうセンスを感じました。言うだけのことはあるといいますか、むしろ芸術家というのはそのくらいでないと世に名を馳せられないものかもしれないとも。
    元気が欲しい時、手元においてゆっくりまた味わいたい一冊でした。

  • 今回始めて、フォトストーリーというジャンルに対して、自由なイメージ創出を阻害して楽しみが半減するのではないか、との疑問がわいてしまった。確かめるために読みたい

    #彼女たち
    #桜木紫乃
    #中川正子
    23/10/13出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3M0RMFB

  • 風が吹いた…

  • 写真から音が聞こえる気がした

  • 人間関係につまづいたイチコ、
    家事、仕事、育児に追われるモネ、
    最愛のパートナーとの離別を経験したケイ。
    彼女たちを照らす光とは――。(本の帯より)

    写真とショートストーリーがピッタリな1冊。
    眺めながら読み終わる、
    ほっと一息、甘いミルクコーヒーとともに……。


    P44のつよく生きる彼女が、
    思い出と連れそう日々と上手に手をつなげますように。いつか「つよく」から「つ」が抜けて、
    「よく生きる」になります。←この文章が素敵。(,,>᎑<,,)

  • 透き通る気がする^_^

  • 疲れた時に読むといいかも

  •  心に澄みわたる、文章と写真。心が落ち着きます。

    (本文より)
     今日、楽しかったことはなんですか。
     なにかオモシロイことは、ありましたか。
     今日食べた、おいしいものを教えてください。
     初めて聴いた曲は、ありましたか。
     どうか明日も、笑っていてください。

  • 文字数がすごく少なく、写真が沢山。
    疲れた時にも負担なく読めそうでした。

    シンプルで無駄なものがない感じがして、
    すごく好きな雰囲気でした。

    凛とした うつくしい文章に
    つかの間癒されたい時に開く本になりそうです。

  • この作者は読みやすく、言葉が丁寧なので手に取りました。 ページ数も少なく、写真も入っているので30分もかからず読めました。 なかなかお洒落な本でしたが、写真と文の内容が合ってなく、少し残念かな

  • きれいな写真にやさしい文書。
    あっという間に読めてしまうのですが、心が軽くなる癒し本でした。


    [NDC] 913.6
    [情報入手先] 学校図書館
    [テーマ]フリーテーマ

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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