- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041126769
作品紹介・あらすじ
天体や海洋への鋭敏な感性、孤島の生活、琉球神道とマレビト、古代神話と月、入墨の文化。民俗学や民芸運動の先駆者たちが、戦禍を越え「沖縄学」を打ち立てた珠玉の15編。詳細な注釈・解説で読み解く。
感想・レビュー・書評
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【沖縄文化論の草分け論集】
明治政府による廃藩置県で琉球王国が滅亡し沖縄県とされたのは、1879年である。日本で沖縄文化研究の本格的な気運をつくったのは民俗学の創始者の柳田国男だった。柳田は南島こそ日本文化の源流と見ていたのだ。柳田の『海南小記』に刺激されて、折口信夫も沖縄を訪ね、『琉球の宗教』を書く。他方、民芸運動の主唱者柳宗悦は、沖縄における「民衆芸術」の営みを愛でた。
本書は、柳田、折口、柳をはじめとする沖縄文化論の草分けの論考が詳細な注記とともに読みやすい形で提供されている。返還50周年を機に、沖縄の文化を見つめ直すのに格好な本である。
柳田「日を経て南の風の吹く頃には、遙かなる常夏の国から、椰子の実が流れてくる」。折口「内地の古神道と近い琉球神道は、組織だった巫女教の姿を現に保っている」。柳「伝統的な純正な和語を最も多量に含有するのは東北の土語と沖縄語である」。「詩歌と音楽と舞踊とが、まだこの島では一体になっている」。
(門倉)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022年8月読了。
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著者プロフィール
柳田国男の作品





