ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 V 信頼できない語り手 (角川文庫)
- KADOKAWA (2022年6月10日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041127414
作品紹介・あらすじ
日本小説家協会の懇親会会場で起きた大規模火災。小説家をはじめ多くの出版関係者が亡くなった。生存者はわずか2名。現場には放火の痕跡が残されていたため、大御所作家を狙った犯行説が持ち上がる。ネット上では“疑惑の業界人一覧”なるサイトが話題になり、その中には李奈の名前も。放火犯はいるのか? ベストセラー作家・櫻木沙友理と「万能鑑定士Q」莉子の登場で、前代未聞の事件の真相が明らかに……!
感想・レビュー・書評
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表紙を見て、この人が誰か分かった人は、著者の作品をよく読んでいる人に違いない。
そう、万能鑑定士Qこと、凛田莉子だ!
登場する際、「ちょっとふっくらしていて、もう少し痩せていたらモデルのような美女だったろう」、というのは正直余計なお世話で、(著者に対して)ムッとしたが…。
この、それぞれのシリーズ世界がクロスする手法は嬉しい。
内輪受け、あるいは自己宣伝(NHKみたいな…)と受け取ることもできるだろうが、ずっと読み続けている身としては、単純に喜ばしい。
さて、本題に戻ろう。
本作は文学界の大惨事から始まる。
こんなことがあったら、と思うと恐ろしい。
そして謎解きについて。
本作では副題にあるように「信頼できない語り手」が登場する。
初めから信頼出来ない語り手の目処は立った。
だが、私は目星をつけても、その理由や、どこが怪しいとまでは答えられなかった。
どこに見落としが…破れたサイン本のトリックも分からずじまいで答え合わせ。
こんなこと、できるの?
あとがきから読む人には朗報、答えは後書きにはありません。
ピースは散らしてある、とのことだがパズルの縁は作れても、内側が埋められるか、いや、そもそもその縁はあっているのか?
謎解きも十分楽しめる一作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
星3.5
死んだ人の数に比べて、
あまりにも動機が弱い気がする
218人死んでいるんだよ…
まあ、万能鑑定士Qの莉子ちゃんが出たので、
評価は少しオマケ -
タイトルの「信頼できない語り手」で最初から犯人を公言しているようなものであったのに、それが却ってひっかけかもしれないと妄想させながら、最後のネタバラシまで一気に引っ張ってくれたのは、流石としかいいようがない。
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日本小説家協会の懇親会会場で大規模火災が発生した。生存者はわずか2名。現場に放火の痕跡が残っており、大御所作家を狙った犯行説が持ち上がる。ネット上では「疑惑の業界人」の一覧なるサイトが立ち上がり、その中に李奈の名前もあり…
「万能鑑定士Q」の莉子が登場でかなりテンション上がりました。小笠原が出ないのは残念でしたが、かなり出世したみたいで驚きました。白金に住んでるとは!Qのラストの桜は莉子顔負けな感じの鑑定眼でしたが、今は何だか大人しくなってしまいましたね。
ベストセラー作家の櫻木沙友理が莉子と知り合いだったのも意外でした。そして、緩々のセキュリティ会社とクリーニング会社にはゾッとしました。ありえない話ではないのが怖い。
李奈が少しずつ探偵の素質が備わってきて、莉子との出会いが李奈の成長を促した様で今後も期待しています。
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火事というシリアスな場面があったものの、莉子も出てきて名前だけなら他のキャラも出てきて、主人公の成長も見れてよかった。
そして内容も、面白かった。
ちゃんとミステリーだし、キャラクターの個性も際立ってるし、トリックも良かった。 -
主人公の本の知識が相変わらず凄い!
小説の一部を引用して話しをしたり、里見八犬伝の版元まで知っているのはすごいと思った。引いていえば、作者も知識が豊富にあるということだと思います。
細かな伏線が張り巡らせてあり、私のように鈍感なタイプには伏線だと気づかない部分があり、少し戻って読み返してみて「あぁ~~そうだったのか」と思いました。ノートにメモをとりながら読み進めました。とても面白かったです。 -
気持ちよく騙されることには定評があります
読んでいない巻で大作家と友達になったらし
い、いつの間にか凛田莉子(小笠原と結婚済)
も登場させるし、会話中であるが特級添乗員
まで出てくるので楽しい(*´▽`*)
・・・ラスト、ひっくり返る -
5作目なのに冒頭からぐいぐい引き込まれました。今回はいつもの作家友達ではなく、3作目との絡みで進んでいったのもまた違った感じで良かった。主人公の推論に対する迷いや怖れ、それでも信念を突き通すべきだと己を奮い立たせる姿が今まで以上に迫ってきました。
スマホが作中でとても自然に使われていることや、業界の話の分かりやすさには作者の力量を感じずにはいられません。フィクションなのに、リアリティがすごい。 -
莉子がでてきたのは嬉しかったし、内容は楽しめた。でも、事件が大きすぎて最後いい感じに終わられても…って感じでモヤモヤが残る。
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「信頼できない語り手」という副題ですが、本来の意味とはちょっと違うものですね
言ってしまえば、嘘つきは誰だです
本巻では、3巻の登場人物と親交を深め、万能鑑定士が登場します(これも著者の得意技)
話を聞く人物と都合よく知り合えていくのは、ご愛嬌
ミステリーとしては割と正統な感じですが、「出版業界の事情」を知らないと絶対に解けないトリックです
著者プロフィール
松岡圭祐の作品






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