火喰鳥を、喰う (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2022年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041127445

作品紹介・あらすじ

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

不穏なホラー感とミステリ要素が巧みに融合した物語が展開されます。信州での不可解な出来事を背景に、死者の日記が引き起こす超常現象が、読み手を次々と驚きの世界へと誘います。物語はホラーから始まり、次第にS...

感想・レビュー・書評

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  • ある日、久喜家の墓が何者かに壊されていた。時を同じく、太平洋戦争で戦死した大伯父の日記が、新聞記者によって久喜 雄司の元に届けられる。その日記を読んだ日から、悪夢の連続と不可解な出来事が立て続けに起こり始める。

    多くの書評にも出ていますが、ミステリーであり、ホラーであり、SFであり、恋愛もあり、歴史もあり。
    いろいろな思いとエキスがジトーっと夏の草いきれと古い日記に染み込んでいる感じでした。
    たくさん謎の答えが、悪夢の中で掴みきれない、恐怖で思考停止してしまうもどかしさを感じながら読みました。
    最後は相容れない生が残るためには、また自分の幸せを追求したら、この結果になることにゾッとしました。

    「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」
    「お前の死は私の生」
    この言葉が恐ろしい。

  • 不穏なホラー感が満載の前半から、一気に流れが変わるSF要素も含んだ後半。
    まさかこんな結末になるとは。。
    いやー、面白かったです。
    ジャンルはなんていえばいいんだろう。大満足の一冊でした。

    手が勝手に動く。。
    「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」

  • まだまだ続く積読消化の六冊目でごんす。

    ごんす?(笑)

    癖ですが、本を買うときはまとめて買ってしまうことがあります。
    さすがに単行本ではありませんが、重量的にキツいので、文庫だとついやっちゃいますねー。
    一冊だけのつもりがついでにあれもこれもと。堰きを切ったように。


    本書はそんな中の一冊。
    ほぼ表紙&タイトル買いでした。

    第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作とのこと。

    ならばハズレはしないだろうと思った俺はまだまだ甘かった。
    人というのは自分のことは見えてないということですなー(/_;)クスン

    太平洋戦争、南方で戦士した大伯父の手帳が届けられ………。
    そこから始まる恐怖の物語。

    怒涛の展開。悪夢。
    でも……、怖くなかったなー。

    なんだか軽くて薄い。
    ポンポンポーンって感じ?
    起こる怪異に説得力を感じなかったのが敗因かな。
    そんなふうにはならんだろうって思ってしまったらダメよな。

    井上夢人さんの「メドゥサ、鏡をごらん」を思い出す嫌な読後感。
    あと米澤穂信さんの「ボトルネック」も。
    足して7くらいで割った感じ。

    それでもゾクッとしたのは凄惨な場面とかじゃなくて、母親に認知されなくなったところでした。
    だってもしも自分の母親に笑顔で「どちら様ですか?」なんて聞かれたらゾワゾワするわ。
    足元揺らいで立ってられんわ。

    んー。それにしてもこれを映画化かぁ。凄いなー(棒読み)
    観終わったあと、みんなポカーンならないかな?
    「え? どういうこと?」って。








    どうでもいいっちゃいいけど、タイトルの読点っている?
    「火喰鳥を喰う」
    「火喰鳥を、喰う」
    一拍開けて強調するような効果だろうか。
    いらんと思うけどなー。邪魔くさい。表記するときなんかどっちだったか迷うのもめんどくさい。

    • 土瓶さん
      ガメラは「回転飛行巨大亀」だと……。
      火は吹いたんだっけ?
      ガメラは「回転飛行巨大亀」だと……。
      火は吹いたんだっけ?
      2026/01/21
    • kuma0504さん
      火を吹いて回転しながら飛んでゆくんですよね。それも、火を十分に吸い込んでいないと飛べない。

      知らなかったけど、国籍不明機(ソ連機であること...
      火を吹いて回転しながら飛んでゆくんですよね。それも、火を十分に吸い込んでいないと飛べない。

      知らなかったけど、国籍不明機(ソ連機であることは明らか)の墜落による原爆の爆発で目覚めた古代の怪獣という扱いで、ゴジラみたいに反原発ではなく、どちらかと言うと「反文明」という気がしました。
      原発を襲うのではなくて、地熱発電所を襲って炎を吸い取るのが目的。最初から少年を助けたりして、ゴジラとは一線を画しています。

      しかも、最後は火星行きロケットに乗せられて宇宙へ行くという。どうやって帰ってきたんだろ。ごめんね。「火喰い」に反応しただけなんです。
      2026/01/21
    • 土瓶さん
      かまわんで~(´▽`*)
      かまわんで~(´▽`*)
      2026/01/21
  • ものすごく奇妙な読書体験でした。
    どっちかというとホラーよりかはSFな気がする。でも、読者をしっかり恐怖に陥れてくる。そりゃ大賞受賞するよな、と思った。これがデビュー作とか、期待大やん!読んで良かった!是非考察しながら読んで欲しい。でも、パラレルワールドとか、非現実的な物語が苦手な人は合わないかも?

    物語は全十日間、起きている時間と、夢を見ている時間に分けられる。
    大伯父の墓が荒らされた所から物語が始まるのだが、そこから不可解な現象が起き始める。怨念的なものが作用しているのか、もしくは誰かのイタズラか、主人公たちは原因を探っていく。


    【中盤までのネタバレ注意】

    この本を読む上で重要なカギを握るのが夢の存在だ。全十日間に夢を見る描写があり、これがまた読者を混乱させる要因でもある。
    主人公の身の回りに起きていることに関係する悪夢を見る。悪夢は様々な形となって主人公を襲う。起きている時も悲惨で残酷な現実に押しつぶされそうになるのに、夢の中も安心はない。
    だが、読み進めていくうちに、読者側に対して曖昧な伏線を残す。そしてこれが考察するヒントとなり、読み進める手が止まらないほどの面白さを引き起こしている。
    主人公は勿論、夢から覚める。悪夢の中に少しだけだが事件を紐解くヒントが隠されていた。だが、主人公は目覚めると夢の内容を忘れてしまう。ここが凄くもどかしい。


    【ラストまでのネタバレ注意】

    ラストはとても衝撃的だった。こんなに怖い締め方は知らない。
    物語でちょくちょく出てくる千弥子という人がいるが、ここがどうもわからなかった。もう少し掘り下げて欲しかったなぁ。

    現実世界ではなくて別世界の話なのか、主人公は問題を解決出来たのか多くは語られなかったが、私はあることに気づいてしまいましたよ!
    起きている時から夢を見る時に変わる時は必ず、● このマークが付けられていますよね。ラストはヒクイドリの顔をした貞市を追い詰めました。そのあとに●があるんです。つまり、起きている時の物語は追い詰めた所で終了しているのです。そして夢パートに移る。夕里子と新婚旅行に行くのは主人公ではなく、北斗。しかも笑っている。とても不気味な終わり方です。でも、夢の中ということは、夢オチになるのではないのでしょうか。違うかもしれないけど(汗)
    結局、起きている時の結末が明瞭としていないから、単純に夢オチでよかったねとも言えないのが怖い要素。
    夕里子の結婚相手は主人公ではなく北斗、という夢を見るのも、「夕里子が無事なら私はどうなっても良い」という考え方から来たのか、北斗に焼かれた夕里子の悲惨な姿を見た主人公がトラウマとなって生み出したのか………うーんよくわからない!みんなの考察教えて!

  • 生への執着
    ある人への執着
    凄まじい
    人の執着心でそんなことできる?
    北斗が主人公ってことで良いかしら?笑

  •  ホラーは殆ど読まないけれど、ミステリ要素があるためにとても読み易かった。横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作恐るべし。
     ミステリかと思えばホラー。ホラーかと思えばミステリ。ジャンル超えの謎解きと怖さが面白くてページを捲る手が止まらない。
     ストーリーが進むごとにどんどん怪異のギアが上がっていって、終いには全身が絡め取られてしまうような感覚に囚われた。

     怪異の根源となる「籠り」の設定が効いていて、筋は通っているのに理不尽なのが恐ろしい。終始ドキドキしっぱなしだった。
     思念の強さが現実を変える。この世界と別の世界の生存競争、みたいな表現が気に入った。ハッとする結末までイッキ読みした。
     この結末をハッピーエンドととるか、バッドエンドととるか、読む人によって解釈が変わりそう。私はバッドエンド派だ。

  • なかなか面白かった!
    ホラー要素強め。
    最後がなんかちょっと呆気なかった感じあるけど、面白くて一気読みだった

  • 映画化して気になっていたけど、ホラー映画は心臓を悪くするから小説で。
    ホラーサスペンス?なる展開の中、結局あの火喰鳥はなんだったのか北斗が何をしたのかさっぱりわからず終了。
    最後は主人公が存在せず代わりに貞市が生存ルート。
    そして北斗と夕里子が結ばれる世界線になったというなんとも不可解な幕引き。
    北斗の執着恐ろしいわ!夕里子のために現実を捻じ曲げたってこと?
    戦争の話も終始暗くて辛いものばかりか、夢と現実、今どちらを読んでいるのかわからなくなる展開もずっとモヤモヤ。うーん…なんともよくわからない最後。
    映画で見れば少しは理解できるのこれ?

    映画キャストを見てから読んでしまったためか脳内の北斗はずっと舘様で再生されてしまったくらいはまり役では?普段のロイヤル感が北斗の胡散臭さにマッチしてた。

    • よっぴーさん
      なつさん
      僕は、原作を読まずに映画を先に見ました。

      映画も設定が分かりずらくて、ラストは結局どうしてこうなったのと、思ってしまって最後まで...
      なつさん
      僕は、原作を読まずに映画を先に見ました。

      映画も設定が分かりずらくて、ラストは結局どうしてこうなったのと、思ってしまって最後までモヤモヤ感が出てきて面白くなかったです。

      火喰鶏の雰囲気とか、ホラーシーン等は、怖い感じで八つ墓村や、ゲゲゲの鬼太郎誕生と同じ雰囲気があって良かったです。
      2025/11/03
    • なつさん
      よっぴーさん
      コメントありがとうございます。映画見れないので情報助かります!
      映画のほうでもモヤモヤ感が残る最後なのですね…原作に忠実と...
      よっぴーさん
      コメントありがとうございます。映画見れないので情報助かります!
      映画のほうでもモヤモヤ感が残る最後なのですね…原作に忠実といえば忠実。しかしこれを晴らそうと鑑賞後、原作を読んだ方の心中お察しします。
      ゲゲゲの鬼太郎誕生はそんなに怖くないだろうと映画館で観ましたがびっくり。これ子供がみたら泣くよと思うくらいのグロとホラー感満載で、鑑賞後の疲労感がすごかったことを覚えています。これと同類の薄気味悪さですが。
      例えなども含めていただき解像度がまた上がりました!よっぴーさんありがとうございました!
      2025/11/03
  • 戦争で亡くなったはずの大叔父の日記が見つかったことから始まる、怪異に怯える1週間。
    死んだはずのものの、生への執着が現世にまで影響を及ぼし始め、やがて辻褄の合わないことが起こり始める。
    悪夢であったり、それが現実になっていったりと変化する状況がホラーでもあり、謎めいた部分がミステリーでもあるので、一体着地点はどこなのよ、と先の気になる展開なのが良かった。
    読み進めていくとSFっぽい部分もあるのだけれど…構成としては終わりが割と好きなので、あまり読まないジャンルだったけどゾワゾワを楽しみながら読めたかな。

  • 夢なのか現実なのか境目がよくわからなくなった。雄司と保の存在する世界、千弥子と貞市の存在する世界。2つの世界が浸食しあい、結局は北斗総一郎の願った現実に書き換えられてしまう。貞市の手帳に込められた思念と北斗の執念がこの有り得ない現象を起こしてしまった。
    「ヒクイドリヲクウ ヤムヲエズ」こわーい!!

  • おそらくオーディブルで初ホラー。
    原浩さんの作品で前評判が高そうだったので
    拝聴。

    火喰鳥を喰う、美味なり
    という言葉を端緒に謎が広がり、怪現象が立て続けに起きる。
    最後は存在をかけて…
    と、どんどん怖くなっていくストーリーで、怪現象が現実味があるから、いい感じでこの恐怖の世界観に漬かれました。
    ホラーもいいですね!
    夏にピッタリ!

  • 人気のようなので図書館で予約して手元に届いて初めて気付く。。これ、ホラーなんですね。ホラー苦手なんです。いい歳してなんですが、しばらく夜におトイレに行けなくなるので、読むべきか悩みつつも人気のようだし…とドキドキしながら読み進めました。

    思ったより?ソフトなホラーでホッとしました。
    ネタバレにしてるから書いて平気ですかね?並行世界的なお話ですね。でも共存は出来ないという。結局は北斗さんがトリガーで始まったんですかね??どこがきっかけとなる分岐点だったのかよく分からず。最初、貞市さんが亡者みたいな感じの悪者なのかと思ったらそうでなくてよかったです。戦地で苦労されてさらに並行世界で悪者にされたらお気の毒すぎる。。ついでに火喰い鳥も気の毒です。

    映画化もされたようで、映画で見る方が本で読むより怖そうです。ダテ様がどう怪演するのか見てみたいところもあるので悩ましいです。

  • 劇場公開が間近な本作だが、表紙が好みで前から気になっていた作品だ。
    バイト先で借りる事が出来たので有難く拝読した。

    戦死した大伯父の戦時中の日記を発見した事により、1週間も怪異と戦う羽目になる。
    火喰鳥を喰う。美味なり。
    何気ない一文だがこれだけで不穏な空気を感じ取れる。

    主人公の北斗も夢か現実か分からない怪異に見舞われる事になるが、読んでいるこちらも何処までが夢で何処までが現実か混乱してくるような作りになっている。

    ジャンルとしてはホラーなのだが、これも幻想奇譚の括りに入るのではないだろうか。
    これまで読んで来た現代ホラーとは様相が違う。
    恒川光太郎が好きな読者ならば本作も気に入るのでは無いかと思う。

    最後に関しては読み手により賛否の別れる所だと思うが、考察する楽しみもあるので上手く映像化されていればまた売れるのではないだろうか。
    映像化により本が売れるのは読書家としては嬉しい限りだが、制作側も話題を作ろうと必死のようだ。

    単発バイトのサイトで、本作の制作側から謎のバイト募集があがった。
    友人から、こんなノリの話なのだろうかと写真が送られてきたのだが、バイト内容の詳細は一切伏せてあり「思念を送るだけ!」と書かれてあった。
    2時間か3時間で日給12000円程だったと思う。
    しかもバイト募集なのに抽選だ。

    本書を読んでみて思ったのだが、このような話題作りはこの作品の持つ雰囲気に全く合っていない。
    本も売れなくなっている、邦画も今旬の芸能人や話題性で客足の見込める作品にしか金を使わせて貰えない。
    エンタメ業界も大変である。

    話が大いに逸れたが、このような話を書ける作家は貴重なので、これからも活躍を続けて欲しい。

    • atsu007さん
      ウルトラマンさん
      リゼ編の宣伝観ましたけどめっちゃ良さそうでしたわ。
      ウルトラマンさん
      リゼ編の宣伝観ましたけどめっちゃ良さそうでしたわ。
      2025/09/19
    • bmakiさん
      アガサも江戸川乱歩も、時計館も読んでいなかったです。゚(゚´ω`゚)゚。
      アクロイド殺しと時計館はブクログでも評価高いですね!
      ゲット出来た...
      アガサも江戸川乱歩も、時計館も読んでいなかったです。゚(゚´ω`゚)゚。
      アクロイド殺しと時計館はブクログでも評価高いですね!
      ゲット出来たら読んでみます♪(*´꒳`*)
      ありがとうございますm(_ _)m
      2025/09/19
    • atsu007さん
      マキお姉様
      今から楽しめますね、安く買えたら是非どうぞ。
      時計塔はそのまま読んでもええみたいですが、シリーズが間にあってそれ読んでる方が面白...
      マキお姉様
      今から楽しめますね、安く買えたら是非どうぞ。
      時計塔はそのまま読んでもええみたいですが、シリーズが間にあってそれ読んでる方が面白いんやそうです。何冊やったかな、4冊程でしたかね。また機会あればユキにでも聞いてみて下さいね。
      2025/09/19
  • 読めば読むほど何が本当なのか分からなくなってくる。ずっと夢の中をさまよっているような、信じて歩いてきた道がガラガラ崩れてくような不思議な感覚。霊的な怖さじゃなくてどこに向かえばいいのか不安になる怖さ。
    北斗の夕里子への執念も怖かった。スピード感はあるが、ちょっと早すぎて着いて行けない部分が多かったなあ。
    火食鳥という名前をこの本で初めて知ったけど青くて綺麗な鳥なんですね。あれが夜中後ろにいたらと想像するとぞわってする。

  • 映画化されたと聞き、読んでみました。
    あらすじさえ読まずに読み始めたので、最初は何の話なのかわからず、読み進めてもジャンル分けが出来ないようなお話しで、そう来たかというエンディングの意外性も楽しめ、舘さまの演技にも期待しつつ、映画も観たいと思いました。

  •  戦争で亡くなった大伯父の戦時中の日記が発見され、相前後してその大伯父が生き延びたかのような怪異が少しずつ現れ、やがて主人公たちをはじめ、関わった者に恐怖と不幸が訪れる…

     途中から面白くなって一気読み。「籠り」という人の情念で時空を超えた生死をかけた闘いとなる、というSF的な発想が面白い。
     生きたい、幸せになりたい、という気持ちを強く持たないと負けてしまう、ってメッセージでもあるのかな。

     少しわかりにくいところもあったけど、解説を読んでから、少し読み直してみて、なるほどよくできると改めて思った。

  • 時々、サスペンスかホラーかミステリーか…
    夢か現実か…
    混同して、個人的には難しかったです。

    久喜雄司が日記をきっかけに夢を見る度、火喰い鳥と出会い、自分だけでなく出会う人・家族の現実と未来を不穏にさせるもので、「これからどんな不幸な事が起きてしまうのか」と不安を掻き立てられる不思議な物語でした。

    貞一の存在が恐ろしく、歯痒く感じました。

  • 主人公の久喜雄司が水上恒司くん、妻夕里子が山下美月ちゃん、そして謎の男北斗を舘様で映画化されるということで、脳内では三人のイメージで。戦死した大叔父の日記の中に書かれていた『ヒクイドリヲクウ ビミナリ』がどう展開していくのか、戦時中で食料がない故の・・かな?と思いきや、全く予想もしていなかった方向へ着地。主人公のキャラが弱いのがちょっと残念。

  • 火喰鳥を喰うことは可能なのか?
    映画が公開され、鑑賞前に原作は読了する派なので、読んでおいた。
    ホラーかミステリーかのどちらかと言えば、ミステリー色の方が強いと感じた。

    太平洋戦争末期に戦死した大叔父の残した日記を読んでから10日間の出来事を、その日に見た夢とセットで語られる。
    日に日に増す日常を蝕む怪異に、立ち向かう手段はオカルトなのか、物理的手段なのか。
    登場人物たちの敵は一体なんなのか。
    最後まで読めばなんとなくわかるが、並行世界が同時進行で現実と幻想が入り混じるため、理解するのが難しい。
    映像化されれば理解しやすくなるのだろうか。

    火喰鳥とはなんなのか。
    それは生き抜くために必須な手段だったのだと思う。
    喰うか、喰われるか。
    現実と幻想が入り混じる物語に飲み込まれてしまった私たち読者は、きっと火喰鳥に喰われてしまったのだろう。

  • 久喜雄司の大叔父・貞市は、太平洋戦争末期に南方で戦死した。
    彼が最期の時まで綴っていた従軍日記が、長い年月を経て手元に届けられた。親族でそれを読んでからというもの、雄司の周りでは不可思議な事が起き始めた。貞市の名が墓石から削り取られ、日記の記述は変化した。この怪異の先に見えるものとは…。

    前半の独特な雰囲気が好み。
    太平洋戦争戦争末期、南方戦線は過酷だ。マラリアが蔓延り、食料は底をつき、戦死よりも、餓死や病死の方が多かったほどであるという。そんな極限状態で綴られた貞市の日記は、熱帯雨林の湿度や兵隊たちの饐えた体臭まで非常にリアルに想起させる。そこに追い討ちをかけるように「ヒクイドリヲ クウ ビミ ナリ」だ。圧倒的不気味さ、これぞホラーって感じだ。玄田記者がマラリアにかかるあたりの絶望感、心震えるお行儀の良いホラー小説だと思った。

    概念的な話がよく理解しきれなかった。
    久喜貞市が生きている世界線と、死んでいる世界線が境界をなくしだす物語後半。何が現実で何が夢なのか読了後の今をもってもクリアに判別は不可能。物語の本意を掴みきれているのか甚だ心配である。与沢記者とカーレースして車が崖下に転落からのゾンビ与沢(幻影?)が醸し出すB級ホラー感。これまでのお行儀の良い静の恐怖からの脱却に気持ちがついていかず、何となく置いていかれてしまった。あの辺からよくわかんなくなるんだよなあ。

    北斗総一郎が執着するほどいい女か?
    蓋を開けてみれば、北斗による横恋慕。正直、そんな事のために雄司は歴史から消え失せたのか。オカルティックな奪い合いのヒロイン役にしては、夕里子は地味じゃないか。私が雄司なら、夕里子と別れるので歴史から消さないでと懇願したいところだ。世界を消滅させる規模で取り合うような女性であるとは思えないのだが…、、、(笑)

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著者プロフィール

1974年生まれ。長野県出身。「火喰鳥」で、2020年、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・大賞を受賞。同作を改題した『火喰鳥を、喰う』でデビュー。

「2022年 『火喰鳥を、喰う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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