薬喰 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 151
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041127490

作品紹介・あらすじ

ジビエで町おこしを狙うU県北篠市二桃地区には伝説がある。二桃山の安永桃神社から上に行った子供は神隠しに会うという。伝説の神隠しを取材しに同地を訪れた作家・籠目(かごめ)周(あまね)は、近くの小学生が行方不明になっている事件を聞かされる。その山での散策の途上、包丁を振りおろし一心不乱に何かをしている男と遭遇。気圧されて後退さった先に転がっていたのは、誰かの小さな「右手」だった――。
驚異的な舌(味覚)を持つ名探偵と直感(だけ)が冴えるイケメン作家、相性最悪のコンビが現実の殺人事件と伝説の裏に隠された事件の謎を追う! 痛快民俗学ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 二人組がそれなりにお互いを理解するまでに時間がかかるので、そこが鬱陶しいなと思ったら読み続けるのは苦になるかもしれないなと。二人ともくせがありすぎるというか、お互い様な部分があって、タヌキ先生よりもカゴメ先生の卑屈な語りや受け止め方に慣れるのに少し時間がかかったかも。
    神隠しの謎解きが複数パターン示される下りも良かったし、タイトルがきちんと話に絡んでくるのは流石の絡ませ方だなと思いました。
    筆者がこだわっているかどうかはわからないのですが、ところどころにある言葉の使い方、表現方法が好みです。渋さを感じます。
    奇譚蒐集のシリーズもそうですが、犯人側の都合が常人に理解し難い背景や理由出会っても、読み手側にそちら側の切実さが伝わるように丁寧に描かれるのも素敵だなと思っています。
    オカルト要素が欲しい方には物足りないかもしれませんが、民俗学的な要素や食文化の絡ませ方など面白かったです!

  • 実は巷で人気の文化人類学者だか民俗学者教授を主人公にしたミステリーをさほど面白いと思えず、表紙からこれもそんな感じだろうと想像していました。そうしたら、こっちのほうが適度に重く適度に軽くて断然面白い。

    内藤了が好きな人ならこれもイケるだろうな〜と思いながら読んでいたら、まさかの“おもてうら交番”に通じる展開のうえに、内藤さんの新シリーズ“警察庁特捜地域潜入班”に続くかのような神隠しの物語でビックリ。このおふたりはネタ合わせしているのではと疑いました(笑)。

    自覚なく勘の鋭いアマネとタヌキ先生のコンビ、好きだ。

  • 清水さんの新刊だわーい!と即ポチしました。
    詳細を絵にして脳内再生するとうげえと吐きそうな真相なのですが、これが小説のいいところで、文字で追うだけなら淡々と読めちゃうんですよねえええ。

    犯人は途中からこいつ変じゃね??と気がつくのだけれど、犯人がどうこうよりもこの胸糞悪い真相が肝なので、たのしめました。
    何度も言いますが真相はほんとに胸糞悪くてえげつないので、デリケートなハートの持ち主と、文字を脳内映像化して読む癖のある人は、御覚悟の上お読みくださいませ。

    個人的にはとてもおもしろかったので、またタヌキ先生とカゴメ先生に会いたいものです。

  • タイトルにひかれて読みました。
    面白かったです。

  •  なるほどなあ、登場人物のキャラクターは、二重丸。
    いやはやタイトルをきちんと読んでなかったなあ。
     2作目もみたい。

  • 猟奇殺人がテーマで、かなりいい動機だと思うんだけど、肝心の膵癌の描写がふわっとしすぎ。ただの致死率が高い癌として使っただけなら残念。遺伝性のものもあるし、それなら母親があそこまで庇うのも分かる。「数値が悪化」って便利な言葉だなぁ。
    そこさえしっかりしてれば、今まで読んだことない切実な動機で、日本の民間療法の暗部にも触れるめちゃくちゃいいテーマなのに。

  • 驚異的な舌を持つ名探偵×駆け出しのイケメン作家のバディが事件の謎を追う恩田陸絶賛の「奇譚蒐集録」シリーズで注目を集める清水朔!期待の大型新人書き下ろしの民俗学ミステリー!(e-honより)

  • 猟奇殺人グロ系ミステリーで、一気読みでした

    神隠しの民俗学と小説ネタと行方不明事件が絡み合って、最初から伏線はあるのにソレと気付かせない上手さに、騙されたー!悔しいー!

  • 「神遊び」の清水朔さんの作品。なかなか面白かった。シリーズ化するかな?

  • 旅行のお供に本屋で購入。
    帯で京極先生が推してらっしゃる!!
    買うしかない!!
    そしてバディものミステリが好きなので選びました。
    味覚がすごい探偵とイケメン作家。
    読んでみるとちょっと思ってたのとは違うバディでしたが、相性サイアクな2人がだんだんお互いを認めあっていく
    そして事件解決するのはやっぱり気持ちいい。

    犯人はなんとなく途中から目星がついてしまったが、動機がなかなかピンと来ず、後から「いやいやいや、タイトルで言うてるやん!」となりました。
    あとこういう話や関係性の真嶋さんのポジっていいですよね……
    シリーズ化したらいつか父も出てきそう。

    ジビエ全く興味なかったし
    カニバリズム的なのも苦手だったけど
    読みやすかったし歴史や蘊蓄も重すぎず(京極堂比)良かった。

    ラスト、「冷凍焼け」に対する「嘘つき」
    からの
    「恐竜と人肉以外は~」の件、
    もしかしなくてもタヌキ先生過去人肉食べているのでは……((;゚Д゚))あ…ありそうううーー!!

    シリーズ化するんだろうか
    内容的に難しーかな?

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著者プロフィール

唐津市生れ。2017(平成29)年『奇譚蒐集録一弔い少女の鎮魂歌‐』(2018年11月 新潮文庫nex)が日本ファンタジーノベル大賞最終候補に。同シリーズに『奇譚蒐集録一北の大地のイコンヌプー』(2020年7月 新潮文庫nex)、他の著書に『神遊び』(2003年2月 コバルト文庫/2021年7月 集英社文庫 表題作にて2001年度ノベル大賞と同賞の読者大賞を受賞)がある。

「2022年 『薬喰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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