ゲゲゲの娘日記 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 30
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041127520

作品紹介・あらすじ

大漫画家であると同時に二人の娘の父であった水木しげる。その姿は、次女からどう見えていたのか!?
幼少期の思い出から、父・逝去後まで……娘としてずっと傍で”お父ちゃん”を支えてきたからこそ書ける、水木サンの魅力的な素顔に迫るエッセイ集。
家族のこと、仕事のこと、すきな食べ物のことなど、家族でしかしならいレアエピソード満載。
貴重な写真の数々も収録。生誕100周年の記念文庫化にあわせて、悦子さんの書下ろしエッセイを収録。

感想・レビュー・書評

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  • 今年はマンガ家水木しげる氏の生誕百周年になるらしい。

     水木氏の次女悦子さんのエッセイ集。主に水木氏の晩年のエピソードが描かれているが、著者の子供時代の思い出も描かれている。
     「父と心配」、「父と虫」、「父と戦争、そして鬼太郎」の各エピソードには、特に惹かれるものがあった。特に最後あげたエピソード、戦場を片腕を失いながらも生き延びた人の言葉には重みがある。

  • 大好きな鬼太郎の水木しげる先生のお話。
    先生の人柄が面白い。
    家族は大変だと思うが、その大変さを娘さんは表に出さないし、すごい。
    私なら我慢できずに喧嘩しちゃいそう。

    左手がない状態で、どうやって自転車に乗ったのか気になった…
    今じゃ片手で運転したら怒られそうだが…

    貧乏な時に、お金が入ったら
    まず兄家族に渡す…
    これはね、絶対に怒ってしまうと思う。
    自分たちでさえ、満足な生活してない時にそんなことされたら…
    でも、家族だからと言う先生の優しさは間違ってない。当事者でないから、そう思えるが当事者だと頭にくるだろーに。

    先生の最後
    大変だったんだな。
    病院側がマスコミに漏らすのも勘弁してほしい。
    個人情報もない…

  • 漫画家・水木しげるの次女・悦子さんによるエッセイ。時期は『ゲゲゲの女房』刊行前年の2008年から、水木氏が亡くなる2015年まで。当時の話題だけではなく、悦子さんの幼少期や学生時代の思い出、悦子さん生前の水木氏の戦争体験や結婚直後の貧乏時代といったファンにはお馴染みの回想も多く含まれる。全26篇で各篇末尾にテーマと関連する写真数点も掲載されている。

    内容の多くは「父と○○」と題されている通り、悦子氏から見た父・しげるの趣味嗜好、行動パターンを記したとりとめのない話題が多数を占めている。特にその食欲の旺盛さを示すエピソードにはこと欠かず、飲食に関連するテーマは多い。並んで、妻・布枝さんとの仲睦まじい様子と、水木氏の布枝さんへの愛着の強さもたびたび覗える。他の関連著書になかったところでは、水木家の猫遍歴を記した「父と猫」が貴重だった。

    その素朴な文体もあって全体的に呑気で楽天的なエッセイ集だが、終盤にある「父と戦争、そして鬼太郎」と、最晩年に幾度かの入院と回復を経て死に至るまでの過程を描いた「お疲れさまお父ちゃん(1~3)」は色調が異なることもあって、本書のなかではとくに強い印象を残った。「お疲れさまお父ちゃん」では病と回復の経過を刻々と記し、水木氏と家族の心境の変化が伝わる。「父と戦争、そして鬼太郎」は、水木氏の戦争体験から受けた友人観と作風への影響に、悦子さんの小学生時代のいじめ問題を絡めて訴えかけるところが大きく、本書随一と思えた。

    「作り話の世界であっても、お父ちゃんは相手が死ぬところは見たくないわけなんだよ」

    実は今回、次女・悦子さんではなく長女・尚子さんによる著書だと勘違いして読み始めた。悦子さんによる著書はいくつかあるが、尚子さんによるものはおそらく存在しないのではないだろうか。できれば、尚子さんから見た水木氏や水木家に関する文章も一度は読んでみたい。

  • 水木しげるさんの「友だちは作らない」という心情にすごいな、と思った。
    彼はつくづく人間がでかい人なんだなあ。

  • 偶々手に取った新刊。とても面白いエッセイだった。水木しげるさん初め、そのご家族の個性も際立ち。
    ちょっとさくらももこさんのエッセイを彷彿とさせるようなタッチでもあった(これは個人的な感想)。
    しかし、最後は思いもよらず泣かされた。

  • 面白い。
    すごく素敵な人だな〜と。
    戦争経験がそうさせるのかもしれない。

  • 今年2022年に生誕100年を迎えた昭和の漫画界の巨星・水木しげるの次女が書いたエッセイ。水木の妻・布枝さんが著した「ゲゲゲの女房」は、NHKの朝ドラや映画にもなった大ヒットで有名だが、娘が著した「父親」像、「家族」像は新鮮で、最初から最後まで興味深く読めた。
    しかし、いやはや本当に、大正生まれの戦争サバイバーの方々はお強い!!!
    現代を生きる我々昭和・平成の人間がまるでひ弱な新人類に思えるほど。90歳を超えてもなお健啖・剛健でおられた水木の日々の様子がイキイキと描かれる。
    中でも圧巻は、水木の晩年から不運な最期までを記した最終盤。最後まで奇跡を信じる著者や家族のアツい想いが気の毒でもあり、神々しくもある。
    戦争で片手を失い、極貧を味わい、様々な苦労を重ねて来られながらも、希望を失わず、並外れた好奇心と柔らかなユーモアで、我が人生を楽しみつくしたスバラシイ一生だったこと、間違いない。その意味で、実に爽やかでウラヤマシイ方なのだ。

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著者プロフィール

漫画家・水木しげるの次女。水木プロダクション勤務。

「2022年 『ゲゲゲの娘日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水木悦子の作品

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