七人怪談

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041127636

作品紹介・あらすじ

「これは、わたしが小学校の、高学年だった頃の話です」――少女が雑誌に寄稿した、ある家族を襲った不気味な怪異の記録。悪化していく一方の父の怪我、何者かに乗っ取られ不気味な笑い声をあげる妹。そして親類たちの死。霊能者“マツシタサヤ”によって怪異は鎮められ、記録は締めくくられる。だが、この投稿を皮切りに、マツシタサヤを巡る不可解な記録が世に溢れはじめ……(澤村伊智「サヤさん」)。
 同窓会をきっかけに、故郷の実家に泊まることになった「私」。すでに実家には誰も住んでおらず、何も無い家に過ぎないはずなのに、「私」以外の何者かの気配が段々と濃くなっていく。居間にたたずむ邪悪な笑みをたたえた阿弥陀如来像、座敷の布団の中で蠢くモノ、そして――。忌まわしい記憶とともに、何かが迫ってくる(三津田信三「何も無い家」)
ホラー界の巨星、三津田信三が、屈指のホラー小説の名手七人それぞれに相応しいテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を」と依頼して編まれた戦慄のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 凉をどうぞ、の一冊。

    七人の作家さんからどうぞと差し出された、凉のお中元のような七話。

    みなさん、さすがです。

    澤村伊智さんはストーリーの運び方といい、らしさ全開。
    実話なのか虚構なのか曖昧な境界線に読み手を留まらせ、不安感で包み込む加門七海さんも絶品。

    会社系怪談、異界と時代劇風怪談は好みは分かれそう。

    初読み霜島さんは田舎の古い家屋で雰囲気抜群。禁忌がたまらなく恐い。

    発起人三津田さんも間取り図つき家屋の怪。そこにたしかに居る、その恐怖が良い。

    日本家屋×怪異って最恐、最高。
    夏はやっぱりジャパニーズホラーが一番効く。

  • 個人の趣味嗜好に左右されるのではと思いますが、やはり澤村さんの作品がドンピシャでした。
    他は正直な所、怖くもなく、左から右への状態。

  • 2023年6月角川書店刊。書き下ろし。澤村伊智:サヤさん、加門七海:貝田川、名梁和泉:燃頭のいた町、菊地秀行:旅の武士、霜島ケイ:魔々、福澤徹三:会社奇譚、三津田信三:何も無い家、の7つのホラー短編。菊池さん以外は初読み作家さんでした。菊池さんの怪談は怖いといえば怖い話だが、不条理ものというか因果もなにもわからない展開でケムに巻かれたような感じが残る。霊能者怪談だとあとがきにあった「サヤさん」が二転三転の展開になっていて面白かった。ホラーというより、認識がくるくると代わっていくトリッキーな話の楽しさが良い。他もホラーだったが、あまり楽しめませんでした。

  • 自分のこのみになってしまいますが
    読みやすい話や、さっと流してしまう話
    がありました

    でも、色々な作家さんの話が読めてよかった

  • このアンソロジーを一言で表すなら、「とても怖い」。とにかく怖い描写や不気味な描写が多い。
    澤村伊智『サヤさん』ある霊能者に出会った小学生の話。前半の怪異に襲われる不気味さ、不条理さと、後半の物語の真相、謎の残るラスト。どれをとっても怖い。『予言の島』を事前に読んでおくとなお良い。
    加門七海『貝田川』実話の様な怪談、その真偽は不明。フィクションだと思っているのに、そうだと断言することが出来ない。
    名梁和泉『燃頭のいた町』「現世」と「異界」の境界が曖昧になり、いつしか怪異に襲われる。だが、この話は怪異より人間のほうが怖いと思う。
    菊地秀行『旅の武士』旅をする武士を中心として語られる時代劇怪談。連続殺人事件の真相は不明。ラストに謎が残る。
    霜島ケイ『魔々』人間の怨み、呪いの力は恐ろしい。大きく膨れ上がって、人やものに被害をもたらす。やはり人間は怖い。
    福澤徹三『会社奇譚』色々な会社で起こった奇妙な出来事。ただの偶然か、それとも何らかの因果によるものか。原因がわからない怪異が一番怖い。
    三津田信三『何も無い家』その家には「何も無い」が「何か」がいる。特に怪異は出てこないが、闇の中に何かがいるような錯覚に囚われる。いや、実際に「何か」はいるのかもしれない。ラストもとても不気味である。

  • 怪談界?では“間違いない!”作家さんの集まったアンソロジーです。
    別の本でも読んだような…既視感はありつつ、楽しめました!

  • 一篇一篇を読み終わる度に、さすがだ、とニンマリしてしまった。皆さん、特にこのメンバーに依頼をした三津田さん、お見事としか言いようがありません。


  • 三津田信三の元にホラー界屈指の作家6人が
    集まり、各々、テーマ別の怪談を描く……(; ´⊙Д⊙)ゾワッ

    バラエティーに飛んだ7作品でした!
    個人的に面白かったのが、

    『サヤさん』澤村伊智
    新居に越してきた家族に起こる祟り
    そしてあの!霊能者が現る!!

    いや〜まさかねあの人が出るとわ笑笑
    内容もぼきわんが来るみたいな感じで面白かった!!

    『燃頭のいた町』名梁和泉
    ひょろひょろな長身にフラフラな足取り
    見たものを震え上がらせるという亡者
    その名も……燃頭!

    サイレントヒルの様な話だった
    燃頭が追っかけてくるーーー!
    いや〜中々面白かったぁ〜('▽')ヨカッタ

    『魔々』霜島ケイ
    ひょんなことから咲希は亡くなった祖母に家に
    住むことにしかし…夜な夜な天井から物音が…

    物音の真相からラストの展開がめちゃ怖い
    やっぱり民俗学はたまらね〜
    1番好きな作品でした!

    以上3作品が自分好みでとても良かったです!

    他にまだ4作品あるのですが
    正直…あまり好みではなかったですwww(¯―¯٥)

    テーマ別に描かれているので好みが分かれると思いました。
    なので自分好みの怪談を探しながら読んでみるのはいかがでしょうかな?笑笑
    怖さもあまり怖くないので苦手な人でも読めると思います!

  •  ベテランから新人(でもないけど)まで、7人の作家が与えられたテーマで綴った怪談アンソロジー。


     図書館本。
     文庫化を待っていたが、図書館に入っていたので借りてみた。
     残念ながら、期待したほど良くはなかった。一番楽しみにしていた三津田作品がイマイチだったのが痛い。

     普段読まない作家の作品を読むことが出来た点は、非常に良かったと思う。
     特に霧島ケイはホワイトハートのイメージが強すぎて、単独の本にはまず手を出さなかっただろうから。


    ◆澤村伊智「サヤさん」
     父が怪我をして以来、次々と不幸が降りかかる。痩せこける一方の父、顔面がひきつってしまった母、不気味に笑う妹……。呪われた一家の行く末は?
     ある霊能者と出会った少女の体験談や、“サヤさん”に関する話などを、メディアへの投稿の抜き書きという形式で綴ったホラー。

     全然怖くないよ?と思ったら、終盤、なるほどね、って感じ。都市伝説的というか、◯ちゃんねるの怖い話系統というか。
     これが怖いかどうかは、人によりけりなんだろうなあ。私はこの手のは、あまり怖いと感じない方で……。面白かったけどね。


    ◆加門七海「貝田川」
     とある神社を訪れた筆者。境内を流れる川が気になったが道が無く、探索を断念。その時撮った写真を見ると、妙なものが……。

     こういう話は……つい粗探ししてしまうんだよなあ。考え方が真逆なんだろうか。

    ・写真に光の泡のような集合体が!
      →デジカメだからでしょ。解像度なんぼ?
    ・写真に写った木立の奥が暗すぎる……
      →露出不足っしょ。デジカメあるある。
    ・目を閉じているのに白い光が。連れて来ちゃった?
      →網膜剥離とかじゃないよね?!眼科行ったら?

     いわゆる“視える人”の考え方が少しわかって面白くはあったけど、全く相容れない世界だわ……。


    ◆名梁和泉「燃頭のいた町」
     捕まったら骨まで焼かれてしまうという化物、『燃頭』。その正体は焼身自殺した受験生だという噂だ。同級生が突然姿を消したのは、燃頭のせいなのだろうか?
     30年後、心を病んで実家へ戻った“僕”の前に、消えた同級生が住んでいた団地が姿を現す……。

     なんかまるっきり、◯ちゃんねるの怖い話。
     最初のうちはまだ良かったんだけど、途中から回想と現在が入り交じってきて読みにくくなる。
     雰囲気の盛り上げ方は悪くないだけに、今時のネット上にあふれる都市伝説系に終始しているのが残念。今後に期待。


    ◆菊地秀行「旅の武士」
     深編笠で顔を隠した旅の武士。その行く先々で奇妙な人死にが発生する。彼が北国の某藩に至った時、過去の因縁が呼び覚まされる。

     菊地秀行らしい雰囲気の話だが……全然怖くない! てか、菊地ホラーって別に怖くないよね? 霧だの黄昏だの、じわじわ来る怪奇小説的な風情の描写を楽しむものだと思ってたんだけど。
     この作品が初・菊地秀行っていう人は、ポカーンとなるかもしれない。魔界都市や妖魔、D、その他単発作品などから数冊読んで、作風を知ってから読む方が良さそうな気がする。
     で、個人的には、菊地秀行はやっぱり洋風の方が良いと思う……。


    ◆霧島ケイ「魔々」
     不仲の母親から逃れるため、亡くなった祖母の家に住み始めた咲希。ところが、夜になるとひどい家鳴りのような音が。野生動物の侵入を疑い業者に調べてもらうと、壁の向こうに屋根裏への階段があると判明。そして、屋根裏には小さな祠のようなものがしまわれていた。

     わりと正統派の和風ホラー。しかし、その実態は……? 妖怪や祟り神などよりも怖いものがあるというお話。
     民俗学怪談担当とのことだが、これって最終的には◯◯◯ホラーなのでは?


    ◆福澤徹三「会社奇譚」
     筆者の職業遍歴と、その職場であった怪異譚。
     怪しいものがトイレに立てこもった(?)クラブ、幽霊の出るピンサロ、心霊写真ばかり撮ってしまうカメラマン、墓地に建てたデパートで起こる怪異など、実体験に基づいた怪談集。

     まあ普通の実話怪談。
     I峠だのSデパートだのとイニシャル表記しているけど、どこなのか丸わかり。わざとやってる?
     

    ◆三津田信三「何も無い家」
     数十年ぶりの同窓会。長らく音信不通だった友人の瑞口と、同窓会の前に“私”の実家に泊まることにしたのだが、当日、瑞口は姿を現さない。今は誰もいない実家を、暗い思いを抱えながら“私”は一人きりで見て回る。出来ればホテルにでも泊まりたい、この家から出て行きたい……。

     筆者による聞き書きという体裁。
     いつもの三津田節とはやや趣が異なるというか、なんだか大人しい。戦前~戦後あたりの怪奇幻想作家の作品みたいな雰囲気。
     でかでかと家の見取り図を載せているわりに、あまり本筋には関係ない感じで、終わり方も消化不良。
     家の構造がなんか変なのにそこには触れなかったり、仏間の北側の扉は何なんだとか、そこら辺も気になる……。

  • 7人の作家によるホラーアンソロジー。
    編者の三津田信三が、それぞれのテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を書いて下さい」とお願いして出来上がった一冊。
    澤村伊智「霊能者怪談」
    加門七海「実話系怪談」
    名梁和泉「異界系怪談」
    菊地秀行「時代劇怪談」
    霜島ケイ「民俗学怪談」
    福澤徹三「社会系怪談」
    三津田信三「建物系怪談」
    霜島ケイ「魔々」と名梁和泉「燃頭のいた町」が面白かった。
    「魔々」田舎の古い家に一時的に住むことになった主人公が夜な夜な天井や壁からの異音に悩まされ、リフォーム業者に調べてもらうと、塗りつぶされた壁の向こうに階段があり、屋根裏には白い布が被さった神棚が…怪しさ満点。民俗学怪談好きです。
    「燃頭」は異界系怪談であり、都市伝説系怪談でもあり、頭がマッチみたいに燃えた怪物が追いかけてくるとか視覚的にも怖い。
    三津田信三「何も無い家」安定の建物怪談。見取り図のあるホラーとかミステリってテンション上がる。
    「自分が最も怖いと思う怪談」という割にはそんなにか?と思うものも多かった。作家の皆さんにはなかなかハードルの高いお題だったのでは。とはいえ色んなタイプの怪談が楽しめる一冊でした。
    三津田さんに「見取り図系怪談アンソロジー」企画してほしい!

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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