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本 ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784041127933
作品紹介・あらすじ
ゼロから改革モデルを創造し、不振事業を再生する
危機の現場「死の谷」から独自の戦略を生み出した男。
その軌跡と「実戦」手法を初めて全公開する。
シリーズ累計約100万部、不朽の名著が一新!
独創的な戦略経営者は日本でいかに生まれたか?
経営者の仕事で最も難しいのは不振事業の再生である。約50年間、その難業に取り組み続けてきたのが著者だ。
常に現場で「戦略」と「論理に支えられた腕力」を磨き続け、日本企業の再生手法を編み出すことに尽くしてきた。しかし、その軌跡のすべては明らかにされていなかった。
シリーズ第1巻の本書では、まだ何ものでもない20代の若者が経営者を志して歩き始め、30代早々に「戦略経営者」の初陣に撃って出る。
そこで味わった成功と失敗を赤裸々に描いた唯一無二の経営戦略書+人生論である。
――戦略プロフェッショナルを目指す、すべての人々に捧げる。
【目次】
プロローグ
第一章 経営者になりたい
第一節 自立の志
第二節 戦略コンサルタントへの挑戦
第二章 国際レベル人材を目指す
第一節 太陽がいっぱいの大学キャンパス
第二節 米国経営者の懐に入る
第三章 経営者への第一ステップ
第一節 人生の岐路に立つ
第二節 「全体俯瞰」で見る
第四章 決断と行動の時
第五章 飛躍への妙案
第六章 本陣を直撃せよ
第七章 戦いに勝つ
第八章 戦略経営者の初陣を終える
エピローグ 世界の事業革新のメガトレンド 論考八~九
※本書は、ダイヤモンド社より2013年6月に刊行された『戦略プロフェッショナル[増補改訂版]』を全面的にノンフィクションの書き下ろしに改め、さらに新章をはじめ大幅な加筆をした決定版です。
感想・レビュー・書評
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この本は非常に実践的で分かりやすい内容だと思う。
触れ込みとしては、著者が実際に取り組んできた不振事業の再生に関する実践的な手法と経験をまとめたものとして、改革モデルを創造し、独自の戦略を生み出した軌跡が詳細に記されるというもの。小説仕立てで、若い頃から経営者を志し、戦略コンサルタントとしての挑戦や国際レベルの人材を目指す過程が描かれる。
ただ、既に事業の立て直しや創業、コンサル系なので実践している人にとっては、そもそも認識しているべきセオリーだという気もする。よく言えば実践的で的を射ているのだが、悪く言えば、目新しい事はない。それほどまでに、基本に忠実であることが、有効な戦略なのだとも言える。問題はユニークな状況での個別対応に宿るのかもしれない。
とは言いながら、関心のある分野で一点学びがあった。価格のセンシティビティ分析、価格感応性分析について。値付けの妥当性、適正価格についてどのように判断すべきかというのは、多様な考え方があるので悩みどころ。コストアプローチかマーケットアプローチかという所だが、後者で競合価格も気にして設定するのが通常だと思う。セオリーを知らなくても感覚的にできてしまう分野に対し、ある程度は参考にできそうなセオリーがあるという事を知ったという意味で、収穫だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
事業再生プロフェッショナルの要諦が、わかりやすい文体で書かれており頭にすーっと入りやすかった。時に辛辣な言葉でリーダー、経営者に必要な覚悟を感じ、論理性と情熱を2軸に、座学にてしっかりと戦略フレームワークを学ぶ事とリアルではシンプルな戦略、目標の達成にとことんこだわる実行力が大事なんだと学んだ。
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この本は、旧版から数えれば、私が社会人になった20年前から何度も何度も手に取って読み返している。
主人公はMBAを持った30代半ばのビジネスマンで、まさに戦略を武器にして、停滞したビジネスに風穴を開け、大成功を勝ち取っていく。私が本書を最初に手に取った頃はまだ新人で、いつかはこんなかっこいい仕事ができるようになりたいと思いながら仕事をしていた。
いつの間にか、自分も40半ばになり、この本の主人公の年齢を遥かに超えてしまった。実力はどうだろう? -
・日本人でBCGの黎明期に参画した人の伝記。結局大成する人、結果を残す人はリスクを取っている。覚悟が違う。「たとえ失敗してもその時は惨めな思いをするが、
実は同時にも学びを得ており、それが後の人生で役立つ可能性が高い。」「勝負を続けている者になりたい。」「平日夜も週末も働き続けた」
・朝から夜まで一日中、一年365日、時間を見つけては自分を英語漬けにした。
・どんなにつまらない仕事でも一生懸命やる、手抜きしない。上司から求められたものには必ず100%で返した。出来れば120%で返した。この20%の差がアマかプロの差。
・コンサルは高い⇒内部で専門の戦略ブレーン(経営直轄)を置くと、社内でその部署が自己主張を始める。理屈も口も達者な人たちに、他の幹部や現場の長(=部長)は勝てない。そうなれば、事業部は戦略を実行する者という役割に成り下がる。
・粗利益が低いのは、単にコストに比べて高い価格を付けられないから。競争の中で顧客が認めてくれる商品価値がそれだけであるということ。
・自社の説明をするときには、業績⇒市場の規模・成長率⇒競合⇒当社の強みの順。
・その気になってみれば、情報は目の前にたくさんあるもの。それに意味をつけて発信してくれるやつがいるかどうか。
・改革者に対して、幹部たちの素直さは変革の成否を分ける。幹部たちが政治性を発揮した際に、改革者も政治性で対抗してはいけない。あくまで頼りにするのは論理の力。
・まなぬるい会社に共通しているのは、社員のエネルギーが内向していること。客と競合に対する意識が薄い。
・その事業の良し悪しは競合と比べてどうか。社内だけみて良いからではなく、いくらダメでも競合よりはましではあれば、勝っている。
・成長戦略のポイントは絞りと集中。どんな小さな市場セグメントでもいいから、#1になること。集中するためには、組織に無理を強いる、不安を感じさせることもある。そのためにはリーダーあある程度の強引さを感じさせる必要ある。社内の大勢が初めから安らかに受け入れる戦略はダメ。誰もやったことない戦略をやるのだから、リスクはつきもの。夜はグーっと寝れるくらいキモが座っている必要あり。
・価格戦略として、原価に一定%を上乗せして自動的に価格を決めるのはコストプラス方式は、それが対競合戦略として有効かを考えない非戦略的手法。
・将来経営人材を目指すなら、なるべく早く人の上に立つ経験を始めた方が良い。
・事業戦略は実行できなければ意味がない。なので、事業戦略はその組織能力に見合ったものでなければならない。 -
350Pほど
読了。
社会人・1人の人間としてエネルギーを与えてくれる本だと思う。戦略プロフェッショナルというタイトルではあるが、この言葉に惑わされず、まずは手にとって読んでみてほしい。
繰り返し読みたい1冊だと思った。
一つの物語としてだけではなく、各ノートのところで、重要な思考・考えがまとめられていて、何か実行に移したい、移せるようになっている。
もう一回読んで振り返りたい。 -
三枝氏の自叙伝。
戦略のノウハウを書かれているというよりも、自分の実態経験談なので、あまり参考にはならない。いわゆる成功体験談。 -
とにかく主人公の黒岩(=三枝さん)が有能。同じ社会人・サラリーマンとして大いに刺激を受けられる。
これまで研修や勉強会で戦略フレームワークは何度か学んだが、ここまで実践に即しながら学べる教材はなかなかない。実業務で使ってこそのフレームワークなんだと再認識した。
特に、セグメンテーションで顧客のターゲティングが明確になっていくプロセスは、実に鮮やかで見事だと感じた。
戦略は誰でも理解できるようなシンプルであること、絞りを効かせること、それを全社に落とし込んでいくこと、どれも非常に勉強になった。 -
セグメントの切り口、営業組織の動かし方。
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ビジネス版半沢直樹。経営状況が芳しくない企業の再生が描かれているが、再生に用いられるフレームワークや組織の動かし方などか非常に参考になる。組織を束ねる立場の方にはおすすめの一冊
著者プロフィール
三枝匡の作品





