オカシナ記念病院 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2022年12月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041128114

作品紹介・あらすじ

離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。ところが先輩医師や看護師たちはどこかやる気がなく、患者が求めなければ重症でも治療を施そうとしない。反発心を抱いた一良は在宅医療やがん検診、認知症外来など積極的な医療を院長の岡品に提案するが、様々な問題が浮き彫りになっていき――。現代医療の問題点を通して、生とは何か、死とは何かを問いかける、著者渾身の医療エンタメ!

みんなの感想まとめ

医療の本質や現代の問題点に鋭く迫る作品で、研修医の新実一良が南の島の病院で直面する様々な課題を描いています。彼は高い向上心を持ちながら、患者のニーズに応じた医療が行われない現実に驚愕します。過剰な検査...

感想・レビュー・書評

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  • 南の島の病院に、医療レベルが最高峰と言われる病院から若い研修医(新実一良)が赴任してきた。彼は高い向上心を持ってやる気満々だが、この島の病院(院長の方針)が、住民が求めている医療が自分の追い求めているものとは何か違う事に気付き始める。
    予防検診の効果、検査漬け、薬漬けのモラル、終末期医療のあり方、しいては安楽死の問題にまで…。
    そしてとうとう祈祷による医療まで登場する。それぞれが持つ死生観で正しいとされる医療が変わってくるのかもしれない。
    現代医療の問題点(?)が(ブラック)ユーモアを持って書かれていく。深く心に刺さる。

  • 久坂部羊『オカシナ記念病院』角川文庫。

    医療とは何かを考えさせる少しコミカルな小説。

    確かに今の医療は過剰とも思われる検査や予防医療と延命治療など、やり過ぎの部分があると思う。まるで病院は製薬会社や医療機器メーカーと手を組んで患者や国から多額の医療報酬を搾取しようとしているかのようだ。

    その結果、高齢者が激増し、高齢者施設は順番待ちの大行列で、死んだ頃にやっと施設に空きが出たと連絡が来るという笑うに笑えない状況。余りにも高齢者が増加したので、政府は高齢者の医療負担や介護負担を増やすというが、もはや焼石に水。待機児童ならぬ待機老人であふれた今の日本に未来は無い。

    南国の南沖平島にある岡品記念病院に医療研修で赴任して来た若き医師の新美一良は、病院と患者との関係や病院の医療方針に驚愕する。最新設備を備えた裕福な病院なのだが、過酷な治療や検査を止め、患者の要求のままに投薬などの安易な治療と経過観察だけを行っていた。やる気に燃えた新美はショックを受けながらも2年間の医療研修を全うする。

    本体価格740円
    ★★★★

  • 本作は久坂部医師の作品の中では、比較的楽しく読める作品でした。医療行為とは?改めて考えさせられました。

  • 久坂部羊さんの作品はいつも考えさせられます。
    今回もそうでした。
    何が本当にいいのか分からなくなります。
    けど、健診受けちゃいます。(笑)

  • 赴任/臨終/自由/検診/青年/嫌煙/縮命/離任

    あぁ おもしろかった。命とは、医療とは、さて私は?
    患者の立場、医師の立場、個人の思い……
    それらが絡み合い渦巻いて思わない方へ進むこともあって、へぇーとかふむふむとか、えぇっ!とかブツブツ言いながらいろいろ考えながらラストへ。一良君 大丈夫??が最後の感想でした(笑)

  • 新実一良(にいみ いちろう)は、研修医期間の最初の二年を東京の、白塔(はくとう)大学病院で務めた後、離島の病院に赴任した。
    院長以下のゆるい医療体制に唖然とし、積極的に色々な提案をしては当たって砕ける。
    岡品院長は、自分のやり方に異を唱える人たちの意見にも、「お試しで」やってみましょうとあっさり同意する。
    上手くいかないことは予測済みの『お試し作戦』は「やらずに悔やむより、やって後悔する方がいい」という方針である。

    大病院の医療が「生存日数を延ばすこと」に特化されていることに対しての問題定義である。
    本人はもう死なせてくれと思っているのに病院と家族が許さない。
    自分はどう死にたいのか考えておかなくてはいけないと思った。
    自分の希望と担当医師の考え方が合えばラッキーなのだけど・・・

    深刻な問題を扱っているが、キャラクターは皆個性的に事件はコメディタッチで描かれ、テンポ良く面白く読める。
    最後のオチが・・・!
    一良のその後をぜひ見てみたい。

    『Episode 1 赴任』
    一良は内科の外来を担当するが、患者が皆自由すぎ、医師の指示に従わないのでびっくり。
    『Episode 2 臨終』
    一良が夜勤を務める深夜、末期がん患者の脈が止まり、家族の到着を待つ間に救命措置を行う。
    『Episode 3 自由』
    一良は、病院に来られない患者のために訪問診療を始める。重い糖尿病患者の詩人は、自由を優先する。
    『Episode 4 検診』
    患者の家族であった製糖会社の重役から、検査に積極的でない岡品院長のやり方を批判され、がん検診を行うが・・・
    『Episode 5 青年』
    研究医になりたい孫と、スーパー外科医になってもらいたい祖父。
    『Episode 6 嫌煙』
    東京から、一良の叔母が来る。エッセイストでコメンテーターの有名人。病院に喫煙コーナーがあることに抗議し、やがて大きな騒ぎに発展する。
    『Episode 7 縮命』
    「延命治療」の対義語は「縮命治療」
    『Episode 8 離任』
    一良の後期研修期間が終了する。岡品院長は、研修医は一良で最初で最後にするという。一良に掻き回されて懲りてしまったのだろうか?

  • 帯が全てを物語る。
    舞台は離島。設備は整っている、そこそこの病院だ。
    積極的な検査や治療は実施しない。
    患者が求める治療を行う。
    死を間近にしても、それは変わらない。
    患者の家族もまたそれを望む。

    離島という環境も大きく関わっているのだが、院長の意向でもあるというから東京からやってきた研修医が混乱するのも無理はない。

    患者を救いたいから検査をする、治療を施す。
    その当たり前が通用しない。
    早期発見、早期治療が当然の謳い文句の世の中にあって、両極だ。

    研修医が旗振り役となってお試し健康診断を実施する件では、検査の意義だとか医療機関の儲けの構図のようなものが浮かび上がって、なるほどなーと。

    登場する病院の様に利益に執着せずとも運営していける仕組みが一般的になったなら、この究極の医療が普通となる世の中が到来する可能性もあるんだろうか。

    現場で働く人達からすれば絵空事だろう。
    けど、医師も患者も心穏やかに病と向き合えるなら、究極の医療も悪くないと私は思う。

  • 久坂部氏の主張は一貫してる。
    一良の影響されやすさと突っ走りすぎが微笑ましい。
    患者としては岡品記念病院で是非看取っていただきたい。

  • パラダイムシフトが起こりました❗

  • うーんそうかもしれない!

    私も死ぬ時は こういう病院にかかりたい!

    現代の病院が忘れてしまったこと

    自分が死ぬ時 どんな病院にかかりたいかということを

    考えさせられました。

  • ほどよい医療

    身体が無事でも脳が壊れたら、私は生きたくない。

    微妙なエンディングは、どう理解したら良いのかな。やはりオカシナ病院はオカシイと理解したけど。

  • 今の医療はなんだろうかと疑問を思ったときに読む本

  • 今までモヤモヤしてたものはコレだった⁈と気づかせてくれた本。現代の医療をネタに楽しく教えていただきました。ありがとう!

  • 山田詠美さんが久坂部先生のことを「こんなにおもしろいテーマで、こんなにつまらない小説が書けるなんて」と酷評されていたという逸話を知り、どんなにおもしろくてつまらないのかが気になって手に取りました。

    たしかに・・詠美さん、言い得て妙すぎてすごい!

    読み終わったというか、、、たしかにつまらないなと思って途中で挫折。リアルを感じたいならこちらの作品のほうもいいのかもだけれど、小説として読むなら断然「ディアドクター」のほうが響く。

  • 桃山学院大学附属図書館電子ブックへのリンク↓
    https://web.d-library.jp/momoyama1040/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD202305000607

    M-Portで事前登録が必要です。
    ◆学認からログインしてください。

  • まあ普通

  • 途中までそこそこちゃんと読んでたが
    病院でタバコ吸うところがあるとかクレーム入れるオバはんが出た時点で胸糞悪いから読むのやめた
    かんべんしろ

  • 久坂部先生のいつもの医療に対する意見がたくさん入っている

    末期の患者に積極治療を強いることは患者にとって尊厳のない最期を迎えることになる

    医者と家族の自己満足になってはいけない

    いかに自然に寿命を迎えることが難しいか

    こんな沖縄の病院のような緩和病棟が増えるといい

  • 都会の大病院での研修を終えた主人公が、今度は離島での研修のため、岡品病院へ赴任する。若く使命感に燃える主人公は、島民のために前の病院でやってきた通り、老人に延命治療を施したり、訪問医療やがん検診を積極的に提案する。

    昨日、テレビでがん検診を推奨するような番組を見たし、私の会社でもがん検診を受けるようにいわれているので、がん検診のくだりはなかなか考えさせる内容だった。

  • 医療について考えさせられた。
    延命治療や過度な検査は歳を重ねると、
    本当に良い事なのか。
    自分はどのような医療行為を今後求めたいのか。
    何となく手に取った小説でこんなに考えることになるとは思わなかった。
    周りに医療関係の知り合いがおらず、実際の医療と乖離するところはあるのかも知れないが大切にしたい価値観を知ることができた。

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著者プロフィール

久坂部 羊(くさかべ・よう):1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院にて外科および麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、2003年『廃用身』で作家デビュー。2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞。小説作品に『破裂』『無痛』『神の手』(幻冬舎文庫)、『老乱』(朝日文庫)ほか。新書作品に『医療幻想』(ちくま新書)、『日本人の死に時』『人間の死に方』(幻冬舎新書)、『人はどう死ぬのか』『人はどう老いるのか』『人はどう悩むのか』(講談社現代新書)ほか。小説、エッセイともに著書多数。

「2026年 『医人の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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