- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041128138
作品紹介・あらすじ
鬱蒼とした森に覆われた謎の施設で、何不自由ない生活を送っていたサブロウ。
ある日彼は、自分が何者であるかの記憶すらないことに気づく。
監獄のような施設からの脱出は事実上不可能、奇妙な職員は対話もできず、どこか不気味なロボットのようで……。
サブロウは諜報担当のエリザ、戦略家のドック、メカニックのミッチと協力し脱出計画を立ち上げる。
脱走劇の末に彼が直面する、驚愕の真実とは?
鬼才・小林泰三の遺作となった脱獄SFミステリ。
感想・レビュー・書評
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主人公のサブロウは何不自由の無い生活を送っていたのだがある日気がつく
『このスポーツの映像は昔の録画では無いか?』
サブロウの中で疑問は渦を巻き自分が置かれている状況と自分の記憶にも疑いを持ち始めた時、サブロウはメッセージを発見する・・・
“このメッセージに気付いたら、慎重に行動せよ。気付いている事を気付かれるな。ここは監獄だ、逃げるためにヒントはあちこちにある。ピースを集めよ”
100歳前後の老人達の施設脱出サバイバル!
悠々自適の施設暮らしを捨て、老人達は真の自由を掴み取れるのか!!?
自分は悠々自適の生活と自由を天秤にかけたら悠々自適な生活を選択すると思います。
隣の芝生と空の色は青く見えるだけ・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
至れり尽くせりの福祉施設(のような所)からの脱出を目指す老人たちの話。前半は状況が見えずに少しモヤモヤとしますが、主人公が脱出に成功して以降はなかなかに壮大なお話になります。最後ちょっと尻切れ感はあるかも。
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「殺人鬼にまつわる備忘録」のSF版…と思いきや、ラストでぐるりと印象が変わる。確かにホラーだ。
相変わらずの思考実験めいた会話が楽しい。 -
自分がなぜ「施設」にいるのか記憶のないサブロウ。「施設」から脱出を計ろうと仲間を見つけて実行するが…
第2章から怒涛の展開。
相変わらずの小林泰三ワールド。SFなのに本当にそういう未来が起こるんじゃないか、起こりつつあるんじゃないかという気になるし。
小林さんの作品に特徴的な会話の応酬も、軽く脳が麻痺するような感じで好き。 -
中盤から話が怒涛のように進む。小林泰三ワールドに引き込まれてしまった。また読もう。
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はぁ面白かった。久しぶりに一気読み。どんでんどんでんどんでん返し。ドッグの賢さが好き
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絶好調 小林節!!
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913-K
文庫 -
ちゃんぽんSF。設定はよく出来てるのに、いろんな要素を欲張り詰め込みすぎ&ストーリー駆け足&コメディだかなんだか判断しかねる軽いノリのせいで安っぽく見えてしまって勿体ない感……。話の大半が会話なので読みやすいことは読みやすいのですが、特に「脱出」後の世界についてはほぼ概略説明で済ませてしまっているので、もっとページを割いて丁寧に描写してほしかったかも。
生成AIやらデザイナーベビーやら、近年流行の話題や技術ネタもふんだんに散りばめられているのですが、散りばめ過ぎてひとつひとつが浅い印象を受けてしまうのも残念でした。
車椅子でのもどかしい移動や記憶力との戦いなど、ご老体×SFらしいおとぼけ感は楽しめましたが、「老人と宇宙」や「スペースカウボーイ」ほどには揺さぶられませんでした……。
あとなんか、表紙イラストの「コレジャナイ」感も凄まじかったです。コレジャナイ……。 -
外界から隔離されたサンクチュアリ。管理された生活からの脱出。そこで知った世界の真相とは…
よくあるプロットかもしれませんが、小林泰三の描く物語はちょっとばかり異質。少しずつでも前進ある終わり方だと信じたい。