黄金の指紋 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 61
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041128176

作品紹介・あらすじ

「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」そう言って難破船の遭難者が死ぬ前に言付けた黒い箱。邦雄少年が中を開けて見ると、それは燦然と輝く黄金の燭台だった。思わず息をのみ慌ててしまおうとした時、彼は妙なことに気がついた。燭台の火皿に指紋が一つ焼きつけられていたのだ。邦雄は知らなかったが、これこそ一人の少女の運命を握る大切な証拠の品だったのである……。巧みな変装術と鮮やかな推理で事件の核心に迫る金田一耕助の活躍!

感想・レビュー・書評

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  • 「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」
    難破船の漂流者が邦雄少年に託した黒い箱。中には黄金の燭台が!その燭台を守るために奮闘する邦雄と金田一の冒険劇!

    乱歩の少年探偵団シリーズのような読み味のジュブナイルシリーズ。こちらの怪盗・怪獣男爵は容赦なく人を殺す恐ろしい怪物!さらに黄金の燭台やそれに関わる少女・小夜子を狙う者たちが入り乱れる大事件に。場面が二転三転していくスピード感はまさに冒険小説という仕上がりになっている。

    ひょんなことから事件の中心人物になった邦雄。彼の度胸こそまさに小林少年を彷彿とさせる。そこに変装術と推理によって敵を翻弄する金田一の活躍が楽しい。金田一と怪獣男爵の一進一退の攻防!「なぜ助かったのかは後で説明しよう」が何回も続くから、気になる!って乗せられてしまった(笑)

    ミステリというよりは探偵活劇なので、謎を解くよりもその場の展開に身を任せる楽しさがある。ただ、やっぱり乱歩の方が一枚上手だなと。金田一でやったらどうなるか?!っていう部分を楽しみに読むのがちょうどいいかも。

  • ジュブナイルなので、金田一先生が妙にかっこよくて物足りなかった笑。情けないけど飄々としてるいつもの金田一先生が恋しい。

  • 2022/07/31読了

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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