- KADOKAWA (2022年8月26日発売)
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感想 : 57件
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784041128329
作品紹介・あらすじ
高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。
みんなの感想まとめ
特殊能力を持つ主人公が、普通の高校生活を送る中で直面する葛藤や成長を描いた物語。時間を止める能力を持つ彼は、能力者としての差別や偏見に耐えながら、仲間との関係や真犯人を探す事件を通じて自らの立ち位置を...
感想・レビュー・書評
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若くチャレンジした小説だなと思います
特殊能力を持つヒトが遺伝的あるいは後天的に現れるという世界観
能力持ちの高校生達が、普通の高校生と学園生活を過ごす
特殊能力は時間を止めたり、瞬間移動したりと 有効的な設定
しかし少数派の能力者を弱者として描き、普通のヒトの街で同じように生きたいとする
そこに差別偏見を受け入れる理不尽
能力は有能であっても押さえ込まれたマイノリティとして扱われる
弱くない者を弱い立場に表現したところが新しいですね -
タイトルの比喩が好みで手に取った1冊。
「四角い窓に、夜を眠らせて閉じ込めた。」
「息を止めた暗闇が、絵画のように張り付いておる。」
(3ページ)
「それでも、刻一刻と時間は進んでいって、俺を置いて勝手に朝になろうとしている。」
(28ページ)
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主人公の冴木は、時間を止める超能力を持った高校生。
冴木通う高校には、他にも2人、超能力者がいて、毎週土曜日にロングホームルームに集められる。
ある朝、登校した生徒たちは、花壇の異様な光景に啞然とする。
なぜならそこに、100を超えるくらいの数の机が、バラバラと積み上がっていたからだ…
一体誰が…?
そして周囲の疑いの目はおのずと、能力者たちである冴木へと注がれる…
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冒頭から、詩のような比喩の文が差し込まれてきて、一文一文にうっとりした。
しかし小説として考えると、特に冒頭部に比喩量が多いことで場面の説明がなかなか頭に入ってこず、話に入り込むのにかなり苦戦した。
ひとつひとつはすごく気になる比喩でも、物語の中においては配置場所や量のバランスがとても大事なんだな…としみじみおもった。
ミステリ?超能力メインのSF??とおもったが、読み進めるうちにこれは青春小説なんだなとわかった。
最初はミステリかとおもって読んでいたので、事件の真相よりも周囲の状況の方に重きをおかれた進み方とテンポが合わず、読めば読むほど知りたいのはそこじゃない感が強くなってしまった。
しかし後半のほうでやっと「これは青春小説なのか…!」とやっと気づいてからは、割り切って読み切れた。
超能力者という設定も、劣等感や疎外感をわかりやすく見せるためのファクターだった。
主人公が抱く葛藤は、超能力がなくても共感できるものだったし、特に主人公とおなじ年代の人にとっては、同時代性を感じられるお話だとおもう。
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けして青春小説がキライなわけではないのだが、青春よりはミステリのほうが好きなのと、この話では冒頭からどんな物語かつかめないまま読んでいた時間が長かったため、消化不良気味になってしまった。
また、タイトルの「夜がうたた寝してる間に」という表現自体はとても好みだったが、ではそのタイトルと物語の内容が噛み合っているか?と考えると、そうとは言いきれない気がした。
こんなお話かな??という読む前の想像・期待が大きすぎたため、読みながらそのズレを修正できなかった。
【まったくの余談】
https://kadobun.jp/feature/talks/3niki01sdokk.html
本書を読み終えたあとに、君嶋彼方氏×浅倉秋成氏の対談を、偶然見つけてしまった。
なんと、2人の生年月日は全くおなじらしい…!
対談では「夜がうたた寝してる間に」について語られていたが、タイトルを見て君嶋氏の友人が言ったひとこととか、本作ではミステリは深堀りしなくていいかもという点とか、全然この対談の内容を知らずに書いた自分の感想と、君嶋氏の思惑が結構近かったのでびっくりした。 -
君嶋彼方さんの作品は今回初めて読みました。
タイトルからはどんな内容なんだろうかと想像はつかなかったのですが、異能力を持つ高校生の青春小説で、異能力を持っていることが公に認知されていると言う世界観が斬新でした。
また、異能力を持つ者がマイノリティとして描かれていて、その中での悩みとか葛藤を通じて成長していく主人公の姿が『若いっていいなぁ』と思えました。
本作は君嶋彼方さんの2作目ということだったので、またデビュー作も読みたいなと思ってはいるのですが、読みたい本ややりたいことが長期休暇の高速道路並みに渋滞しているのでまだまだ先になりそうです。 -
前作のインパクトと世界観が好みだったため、本作も手に取りました。特殊能力というSFチックな設定ではあるものの、能力を使う描写をほとんど入れず、特殊能力を持った人たちが抱える社会的マイノリティ性を書こうとしていた挑戦が見えつつも、王道青春モノとしてまとまった作品だったと感じました。
中でもこの作品に出てくる登場人物たちが抱える「特別でありたい」という気持ちと、「普通でありたい」という気持ちにはとても共感できましたし、社会で生きていくうえで他人の目を、どうしても意識せざるを得ないのだなぁと感じました。
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君嶋彼方さん3冊目。読むたびに、普通はそういう設定はしないでしょ、そういう流れで進めないでしょという当たり前・普通を覆してくるなあと思います。今回もそうでした。前回読んだのが「君の顔では泣けない」で、そちらの方がインパクトがあったと思いましたが今回も十分あったなと思いました。毎回、普通や当たり前を覆してくれるので読んでて楽しいです。ちょっと今回は犯人はこの人だろうなぁと予想がついてしまってその通りになってしまったのが残念な気はしましたがそれでもすごく面白かったです。
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1万人に1人が特殊能力を持つ世界。
といっても能力者は圧倒的にマイノリティで、普通の人たちから羨まれて暮らしているのかと思いきや、能力を悪用しているのではと疑われ、肩身の狭い思いをしている。
まわりから疎外され、いろんなことを諦めて絶望すれすれのところで生きている姿に、意外なほど説得力がありました。
特殊能力をめぐる物語だけれど、結局、人の感情を読み取ったりコントロールすることは能力者でもそうでなくても難しい。
自分自身の感情でさえわからなかったりどうにもできなかったりするのだから。
人と人との関わりのあたたかさをじんわり見せてくれる、すてきな物語でした! -
設定は良かったがあまり活かしきれていないように感じた。もうちょっと一人一人の背景や過去を掘り下げて欲しかった。著者と同世代ということもあり手に取ってみたが、他の作品に期待したいと思いました。星は3つです。
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君嶋彼方さんの2作目。「君の顔で泣けない」がすごく良かったので新作を楽しみにしてた。今作もとてもよかった!特殊能力をもつ高校生が主人公で、学校を舞台にした作品なのだけど、誰にでも当てはまる、共感できる物語だと思う。本当に何も考えずに生きてる人なんていないよね。誰もが誰かのために、自分のために、必死になって生きてることを教えてくれる登場人物たちがとても愛しく思えました。
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Amazonの紹介より
高校二年の冴木旭には、時間を止めるという特殊能力がある。だが旭にとって一番大事なのは、普通の場所で、普通の人と同じように生きていくことだ。異質な存在に向けられる無遠慮な視線や偏見に耐え、必死で笑顔をつくっていた旭だったが、大量の机が教室の窓から投げ捨てられるという怪事件が起こり、能力者が犯人ではないかと疑われる。旭は真犯人を見つけて疑いを晴らそうとするも、悩みをわかり合えると思っていた能力者仲間の篠宮と我妻にも距離を置かれてしまう。焦りを覚えていたところに、また新たな事件が起きて……。
前作「君の顔では泣けない」では、ありがちな男女入れ替えの物語かと思いきや、ずっと元に戻る事なく、それぞれが自身を受け入れていくという物語に衝撃を受けました。
今回の作品では、ある人達にだけ特殊能力を持つという世界。SFな設定ながらも、あまり特殊能力を使った描写はなく、特殊能力を持つ人と持たない人、それぞれの立場での葛藤や嫉妬など赤裸々に表現されていました。
個人的に特殊能力を持っているというだけで、すごい憧れを持つのですが、あったらあったで、様々な弊害や苦悩が描かれていて、色々考えさせられました。
心理描写もあるないに関わらず、共感した部分もあり、共生していくことの難しさを感じました。
なんとか平穏な暮らしをしていた矢先に起きた怪事件。ミステリーな要素も加わりますが、事件を解明していく面白さよりも、その事件に翻弄される特殊能力を持っている人達の心理描写を重点的に描かれています。
本当に事件に関わっていないのか?疑心暗鬼される「普通」の人達。その苦悩に胸が痛いばかりでした。
好きで特殊能力を持ったわけではないのに、「持っている」というだけで差別されるという状況は、現実でも似ている部分もあるなと思いました。
憧れがある一方で、自分にないから嫉妬するといった心の陰な部分も描写されていて、正直自分もそういった意味では共感する部分もあり、広い心を持たなければいけないなと思いました。
前作もそうですが、斬新なストーリーなのに若者達の心理描写がとても丁寧で現実的に捉えられているので、とても心に響きました。
事件の方ですが、なんとなくわかるかもしれませんが、意外な展開でした。犯人の「表」と「裏」の顔が曝け出された時の瞬間は、ショックがデカかったです。
これで物語は終わりかと思いきや、ラストの展開がとても印象深かったです。表紙の絵に繋がっていると思いますが、主人公の一生懸命さが伝わり、ミステリー要素があったのに結果として、青春小説として終わりを迎えたかのような清々しさがありました。
「その人」との仲が、良い方向へ向きますように。 -
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特殊能力系のストーリーだけど能力バトルとかは一切無くて本質は内面に。
新鮮な切り口でした -
能力者に共感できず、理解できなかった。
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主人公は、その場の空気に合わせてしゃべり、楽しくなくても笑顔を貼り付け、普通のクラスメイトに溶け込むことに腐心している。誰がどう見ても充実した学校生活を送って見えるように。それは、自分が特殊能力を持った人間であるということを、隠したいから。といって、隠せるわけはなく、それとわかるバッチをつけ、学校全員に周知されていて、週一回、特別教室での授業が義務付けられている。そういう能力を持った生徒が、彼のほかに二人いる。そんな学校である日、教室の中の机が全部グラウンドに放り出されているという事件が起こる。一般生徒たちの疑いの目は、特殊能力を持った彼らに向けられ、主人公は、真犯人を探すべく残りの二人に協力を頼む。
特殊能力を持った高校生たちの青春小説、という、前情報で読んでみたけれど、思ってたのと違った。時間を止める、人の心を読む、瞬間移動できる、そんな能力をつかって、悪を暴く的な痛快なやつだと勝手に思っていたけれど、特殊能力を持っていることはこの話の中ではマイナスでしかなく、副作用もあるし、一般の人に距離を置かれる存在。大人になったら、特地区という、能力者ばかりが住むところで守られて生きる道が用意されていて、主人公たちは、そこへ行くべきか否か悩んでいる。真犯人が机を放り出した理由も、自分のせいでイジメられた子の復讐をするためだったけれど、それが転じて、能力者が疑われるかもしれない、昔自分を頼っていたくせ、ずっと強くなってしまった主人公に、思い知らせてやれるかもしれない、などという、ずいぶんとこじれた理屈だった。ううーん。今の子って、繊細なんだなあ。 -
時間停止能力を持つ高校生は静かに暮らしたい、のに学校で起きた事件で能力者が疑わてしまい、、、というお話(?)。
学生らしい青春感と友人関係など、青々としているなぁ、と思いました。ただ能力が能力として機能していないのが残念でしたな。
せっかくの能力もただの風景かのようにしか存在していないような、使い所がないような、なんなら能力があってもなくても変わらないような。ラストもまとまりつかないからほっぽってしまったかの印象。 -
とりあえず、この方は、超能力的な特殊能力を持った人が、今の日本の世界に存在していて、その方たちが苦悩する世界を描いてるようだ。
シーンの描写がとても映像的で綺麗。
主人公の悩みは、特殊能力を持った人だからこその悩みではなく、とても共感できる。
犯人探しは、協調路線だったけど、そんなことは、どうでもいいんだろうね。 -
特殊能力バチバチではなく
ちょい味付けに使った感じ。
犯人はまぁそうだろうな、だけど
体力と根気あるな。 -
特殊能力設定はあるものの、気持ち良い青春小説。机投げるってかなりうるさいと思うけどバレなかったのね。
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時間を止める能力を持つ主人公。
能力者という存在が社会に知られている設定が斬新。一般社会において確実にマイノリティ。
「普通に幸せな人生を送る」ことを目指し、いつからか自分を繕うようになった彼。
まだ高校生なのに、複雑な立場で見えない何かと常に戦っている。
友達と真剣に向き合い、自分を繕ってでも相手の欲しい言葉をかけようとするの、寧ろかっこいい。
著者プロフィール
君嶋彼方の作品

この作家さん気になっていたので
タイトル洒落ているし
装丁に出版社の気合いが感じるよね
この作家さん気になっていたので
タイトル洒落ているし
装丁に出版社の気合いが感じるよね