火狩りの王 〈外伝〉野ノ日々 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 186
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041128923

作品紹介・あらすじ

混沌のなかで祈り、立ち向かい、打ちひしがれながら野に生きる者たち――。「火狩りの王」本編の登場人物をはじめとした様々な人物の人生を描いた6つの短編と、最終戦争末期を舞台にした「旧世界」を収録したシリーズ外伝。

感想・レビュー・書評

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  • 随分と忘れてしまったので、こんな人いたなぁという程度でしか認識できず。
    なんとなくどの話も中途半端に感じてしまった。

  • 外伝というと物語のその後、希望に満ちた後日談を想像してしまうのですが、さすがこのシリーズはそうはさせてくれません。灯子や煌四によって変わったこの世界がよくなっているのかすら分かりません。旧世界の話しもとても辛いです。しかしそれがあってこの火狩りの王の物語につながるのだなと思います。自分の希望的想像と違うこの物語の、「未来」を読まなければよかった。いや読んでなお世界観が広まったと思える、他者とは一線を画す外伝です。

  • 人を中心に描いてくれていて、外伝が一番面白かった
    まだ世界に明らかな救いは無いけれど、なんとなく、どの話も光明が見える
    そんな短編集

  • 本編読見終わった後、気になっていたことがちらほらと短編になっています。

    旧世界の物語が1冊を通して4回に分けて書かれ、その中に短編が混じってます。


    第一話 光る虫
    ほたるちゃん、幸せに暮らしてるかな?
    と気になっていたけど、そうだよね、甘くない。
    そんな中ほたるちゃん自身は「友達ができて幸せ」と暮らしていたというのは、ほたるちゃんらしいなと、本編に増してほたるちゃんの人柄が見えた。
    灯子ともまた会えてよかったな。


    第二話 入らずの庭
    油百七がなぜ、親族は血液が苦手だと知ってるのか、本編で疑問に感じてました。ここにその答えが。
    この短編主人公になる丹百の「百」の数字がすごく脳内に残りながら読みましたが、やっぱり繋がりましたね。


    第三話 花狩り人
    〈揺るる火〉が誕生した時の話。
    本編では振り返りでしか登場しなかった、常花姫が登場します。
    手揺姫・〈揺るる火〉は、自分のすべきと言われることを純粋にそれだけ考えて、無垢な子供さがあったけれど、
    常花姫は、また違う純真かつ天真爛漫で奔放な子どもらしさを感じる、もう少しだけお姉さんらしさある子供さの姫に思いました。
    なんとなく、神族の中では1番人間に近い感覚じゃないかなあなんて感想です。
    蜘蛛になる前の火の氏族である陽炎も登場し、常花姫が陽炎に対して「今度、お前の虫を見せてよ」と話しかけるだけしか、蜘蛛を彷彿とさせることは描かれてなかったので、そこから蜘蛛になってくる様子も読みたい!


    第四話 欠ける月
    明楽の話。
    お兄さんを失い、火狩りにならんとしている時の話。本編でもその時のことをチラリと話してはいましたが、そこの深掘りです。
    本編でなんとなく十二国記の陽子っぽいって思ったけど、この話でますます陽子っぽい!


    第五話 ほのほ
    多分本編読んだ読書が一番読みたかった、本編数ヶ月後の話。
    本編では火穂もたくさん登場したし、投げやりだった火穂が灯子の影響で強くなっていったところも見て、それでも火穂は本編の物語ではできることというものは少なくて歯痒い思いをしていた。
    本編での火穂の気持ちを思うと、読者としても火穂の「自分も何かしたいのに」って気持ちも共感できるし、いや火穂はそのままでいいんだよって気持ちもあるし、そのことで火穂が「自分は何もできないやつだ」なんて価値を見出せないままの人物になってしまうのは嫌だななんて思ってました。
    よかった!『ほのほ』!
    火穂の強さというのは『ほのほ』に込められていたんだな

    第六話 渦の祭り
    本編終了後、村に火狩りがいるのが当たり前になった世界。
    回収車から火を買うだけではなく、村で火狩りを育てることに対して、
    「この呪いじみた仕組みはーー火狩りの王が世を治めているせいだと、そう言う者たちもいる。狩りを好む王が、人々にも炎魔を狩らせるようにしむけたのだ、と。」
    と書かれています。
    そっか、そういう視点もあるんだ。と、本編を読んだ読者は思うけれど、確かにどんな事情にも、賛成もあれば反対もある。
    本来の意味ではない意味として受け取られることもある。
    『村に火狩りがいる世界になってよかったね』で単純に終わらせていないところが、すごく現実的。


    本編読んでいた時も思ったけど、
    著者は何を伝えたいんだろう?
    真っ白なところに、創作していく、その縦横無尽さだけを感じた『火狩りの王』

    〈外伝〉ではその答え合わせや、補助をしてくれるのかとも思ったけど、それもなく。
    やっぱり縦横無尽。

    1つ、自分の解釈で答え合わせするのであれば、日向理恵子さんが書きたかったのは「混沌」なのではないかな。

    第六話での海でのシーンを読んで思ったよ。

  • 本編登場人物(?)の後日談、または過去談。
    世界観にどっぷりはまります。
    これは、本編をちゃんと読んでから読むべき本です。

  • 第一話はいかにも村の話という感じで読むのが辛いところがあったけど、気付いたら引き込まれていた。後日談の第五話、第六話は必読。

  • とりあえず全巻読んでからと思い読み終えた。
    いちばん気になったところは、人の死の描写だった。現実では息をひきとると言うように息をはききって無くなることはない様に思うけれど、この物語では息をはいて亡くなっている。人が全く変容している事を表しているのだろうが、それにしては歴史が浅く感じてしまう。私個人としてはせっかくの山田さんのイラストも統一感が感じられず、ナウシカの世界とファムの世界がチラついてしまったので、オリジナル観も薄く感じてしまった。

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著者プロフィール

1984年、兵庫県生まれ。児童文学作家、日本児童文学者協会員。「雨ふる本屋」シリーズなど児童書のジャンルで活躍する中、2018年に冒険ファンタジー『火狩りの王〈一〉 春ノ火』を刊行、同作は全5作のシリーズとなりのちにアニメ化するなど大きな話題となる。他の著書に「すすめ!図書くらぶ」シリーズ、『魔法の庭へ』『日曜日の王国』など多数。

「2023年 『ネバーブルーの伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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