准教授・高槻彰良の推察9 境界に立つもの (角川文庫)
- KADOKAWA (2023年3月22日発売)
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感想 : 88件
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041129517
作品紹介・あらすじ
4月。尚哉は3年生に進級し、友人の難波と共に晴れて高槻ゼミの一員となった。
尚哉と難波は、初回ゼミのあと、数少ない男子学生どうし5人で仲良くなり、学期中に行われるグループでの研究発表を一緒にやろうと話す。
動画サイトで話題の「幽霊トンネル」を題材にしようと取材に赴くが、帰り際、尚哉は耳元で「どうして」という女の声を聞き――!?(「第一章 トンネルの中には」)
高槻が講義で、口裂け女やかまいたちといった「鎌」が絡む怪異について話したところ、大学の演劇サークルの代表から相談が。
先日、夜道を一緒に歩いていた次の舞台の主演女優の髪が、まるでかまいたちの仕業かのように、ばっさりと切られてしまったのだという。
高槻と尚哉は調査のため、サークルを訪れる。部員に一通り聞き込みをし、いざ帰ろうとした瞬間、高槻の従弟・優斗から着信が。なんと、高槻の父が刺され、病院に運ばれたという。
一緒に病院へ行こうと言う優斗に、高槻は「僕は行かない方がいいと思う」と呟き……。(「第二章 黒髪の女」)
高槻から「難波くんと何かあった?」と聞かれた尚哉。実はある理由で、難波との関係がぎくしゃくしているのだ。
悶々とする尚哉に高槻は「気分転換に旅行に行こう」と提案。運転免許を取り終わった尚哉の練習も兼ねて、桜を見に箱根に行こうという。
しかし宿の従業員から、桜の隠れ名所である、旅館の向かいにある山には鬼が出る、と言われ――?(「第三章 桜の鬼」)
己の「耳」の、己の「過去」の謎と向き合うふたりに、異界の魔の手が迫る――?
高槻をマークしている警視庁捜査一課・異質事件捜査係(通称:異捜)の動きも不穏さを増し……!?
高槻と尚哉、それぞれに試練が訪れる、目が離せないシリーズ第9弾!
イラスト/鈴木次郎
みんなの感想まとめ
テーマは怪異と人間関係の複雑さで、物語は高槻ゼミの新たなメンバーとなった尚哉と難波の成長を描きます。彼らは大学生活を通じて様々な事件に直面し、特に「トンネルの中には」では悲劇的な過去と向き合うことにな...
感想・レビュー・書評
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尚哉と難波くんは高槻ゼミにはいり、3回生スタートです。「トンネルの中には」は悲しいお話。事件があった場所に供えられるお花。それを供えている人にとっては決して忘れられないこと。だけど多くの人にとっては、時間が経つにつれてもう忘れてしまいたい出来事。悪気はないのだろうけど、立場が違うとこんなにも捉え方が違うのだなと考えさせられました。
「桜の鬼」はついに難波くんに耳の秘密を知られてしまい、悩んでいる尚哉を気分転換で旅行に連れ出した彰良と健ちゃん。和気あいあいな3人が楽しそうな反面、最後には異捜の山路が出てきて不穏な感じに。
何とも先が気になる終わり方でした。
巻末のお話の舞台は丸岡食堂。大学生の彰良のお話です。
あっという間にこのシリーズも9作目。まだまだ続いてほしいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
気づいたらもう9弾。
尚哉は3年生になり、高槻ゼミの一員となったところから話が進みます。
きちんと季節が進んでいるんですね。
異捜も徐々に近づいてきていて、やや不穏な感じがします。
難波くんは本当にいい奴でよかった。10巻も楽しみです。 -
難波くん、存在感増してきた!高槻先生にとってのけんちゃんのような身体的な逞しさはないけど、精神的な逞しさは感じる。
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シリーズ第9弾です。
再読。audibleにて。
今回は本編3編に番外編1編。
大学3年生になり、高槻ゼミを受講する、尚哉と難波、グループ研究にトンネルの怪談を選び‥。
ゼミの男子5人で殺人事件のあったトンネルに行ってみるが‥。
難波との仲が深まる巻です。
3話目には難波の人間の大きさに感動します。
あと3話目のもう1人の高槻がいなくなった尚哉に気がつき、佐々倉を蹴り起こして「ボウズがいない」と教えるのもなんかツボです笑
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シリーズ9の一冊。
今作も良かった、濃かった。
トンネル、かまいたち、サトリの怪異、旅行、友情、extraと盛りだくさん。
トンネルが境界という解釈には納得感。
箱根旅行は笑いと桜と怪異と…楽しかったな。
みんなそれぞれちょっとした壁にぶち当たっていたけれど、やっぱりこの絆なら何があっても大丈夫と信じられちゃう。
アキラ先生を一人にしたくない尚哉のサポートも良き、難波くんもほんと良き。
尚哉の進路も固まりつつあるかな…と思いきや、まさかのあの人に目をつけられていたとは。
"もう一人"もやっぱり謎。
善か悪か、境界ゆらゆら。 -
2023年3月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ9作目。トンネルの中には、黒髪の女、桜の鬼、それはかつての日の話Ⅲ、の4つの連作短編。異捜の山路に誘われた深町の話も興味深いが、友人の難波に異能力感づかれた話も面白い。物語りは佳境にはいった感がある。どこに着地するのか?次回が楽しみ。
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難波くんに秘密を知られて悩んでいたがそのまま逃げずに告白。難波くんは物怖じせずに面白がるのは純粋な子でウソをつく必要のない生き方をしていたのだろうなぁ
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高槻と深町それぞれに試練が訪れる?!民俗学ミステリ第9弾!
深町も大学3年生になり、難波とともに高槻ゼミの一員として活動することに!しかもゼミは20人近くの大所帯!怪異の謎に加えて、深町は人波を乗り切れるのか?!
幽霊トンネル、口裂け女、かまいたち、サトリなどがテーマになる9巻。怪談の歴史を絡めたミステリは安定の面白さがある。その一方で、高槻は家族と再会、深町は耳の秘密がバレる?!という節目もあり、ここから先の展開が楽しみになる一冊。気になってたあの人もついに登場?!
以下、各話の感想を。
『第一章 トンネルの中には』
深町は難波も含めた高槻ゼミの男子5人でグループ発表をすることになった。動画サイトで話題の「幽霊トンネル」を題材に選んで調査へ向かう。その場所は昨年6月に女性が刺殺された現場だった。昼間は異常なさそうだったが、帰り際に「どうして」という女の声を聞き──。
よくあるトンネルの怪談がどんな歴史を潜り抜けてきたのか。高槻先生の講義内容が相変わらず面白い。今の形の怪談になった由来がそこだとは知らなかった。そして、メディアの役割も大きいよね。昔は心霊番組が多かったし、ホラー映画なども増えてきて、怪談に対する向き合い方が一変してしまったんだなと。そういう社会だからこそ、超えてはならない倫理という境界が必要なんだろうね。
『第二章 黒髪の女』
演劇サークル「エッグ」代表・堀田大智(ほっただいち)から、サークル内で起きた髪が切られる事件を相談された高槻。主演女優・月村まどかの髪が、強風によって切断されたという。さらに、高槻の父・智彰が誰もいないところで腹を刺されたという報せも入り──。
口裂け女の解説から派生して、凶器として持つ鎌の呪具的な意味合い、かまいたちのことなども語られて興味深かった。かまいたちや風切鎌の話は『かまいたちの夜2』で出たところだ!ってウキウキしてた(2はかなり伝奇ホラー寄りのゲーム)。そこからの、まるでかまいたちが発生したかのような二つの不可解な事件。その謎もさることながら、高槻が家族と顔を合わせたシーンは、こちらの心臓も押し潰されそうな緊張感が伝わってきた。家が異界になってしまったとしても、深町や佐々倉との生活はまぎれもない日常なのだ。戻る場所はここにあると高槻が信じられるようになれたらいいな。
『第三章 桜の鬼』
深町の耳の秘密がバレてしまった?!その戸惑いを見抜いた高槻は、彼と佐々倉を誘って桜を見に行く計画を立てる。箱根まで桜を見に行く楽しい旅行だったはずが、旅館で山に人の心を読む鬼がいるという噂を聞いて雲行きが怪しくなり──。
旅行へ行くと事件に巻き込まれる体質になりつつある高槻たち。人の心を読む鬼と自分を重ね合わせて、異界へと迷い込む深町にはハラハラした。嘘を聞き分ける能力については、さらなる揺さぶりが投げかけられる。だが、そんな深町を日常へと連れ戻してくれる人はすぐ傍にいるのだ。彼を窮地から助け出したやさしい嘘が素敵だった。自分が大切にしたいものを選ぶ勇気を彼は持っている。
p.18
怪異というのは、日常性からの逸脱だ。ゆえに、イレギュラーな行動によって引き起こされるものなのかもしれない。予定外の行動を取ったがために、留まるべき日常からはみ出していってしまうのだ。
p.29
「けれど、『境界』も『異界』も、固定されたものではありません。そのとき僕達が世界をどう見ているかで、たやすくそれは変化する。今この教室の中にいる僕達にとって、廊下に立つ人は『あちら側』の存在です。あの扉は『境界』ですね。でも、チャイムが鳴れば、僕達は皆、『あちら側』に出て行くんです。廊下に出てしまえば、誰もいなくなったこの教室は『異界』と化す。……だから結局は、立ち位置の問題でしかないのかもしれませんね。何を『異界』と見なし、どこを『境界』とするかというのは」 -
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色々な意味で、物語のターニングポイントになる巻だった。嘘を見抜く能力を知られても、何一つ変わらずに傍に居続けてくれる親友(難波)が尚哉にいてくれて、本当に良かったと心から思う。作中の「他人の僕達にはただの『物語』でも、そこにいる人達からすれば『事件』であり『記憶』であり『傷』」という高槻先生の言葉は、怪談に限らず現実の人間関係にも通じる。他人の心に触れるときは忘れないよう、私も肝に銘じたい。
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久々に読んだから、忘れてた部分を思い出しながら楽しんだ。神奈川県が沢山出てくる。逗子のお化けトンネルが懐かしい。
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なんだかんだで、9巻まで一気に読んでしまいました。高槻彰良准教授の過去の事件について早く知りたいです。
次の巻が出るまで気になって眠れそうもないです。 -
尚哉は3年になり、高槻ゼミへ。難波君も倍率勝ち抜いて同じゼミへ。グループ発表などの必要から数少ない男子学生が集まって幽霊トンネルに現地取材しに行ったらなんと殺された女性らしき声が聞こえて…。
二章は学内演劇サークルの代表が、高槻の授業でかまいたちの話を聞き、ゼミ室に相談に来る。主演女性の髪が突然何かに切られたと…。同時に高槻の父も何かに襲われる。いったい何が起こっているのか?
最後はGWに箱根へ高槻、佐々倉と三人で旅行に行き、異界に近づいてしまい、異捜とも近づいてしまい、難波にもついに気付かれる…。おまけで高槻の大学時代のエピソード。
うん、今回も大変面白かったです。異界と民俗学と現実の話のバランスがとても良い。続きが楽しみです。 -
このシリーズは人との繋がりというのはなんと温かで柔らかなのかを教えてくれる。
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深町君がついに高槻ゼミに!しかも難波君も一緒!
安心感がすごい。
今作もなかなかに濃い1冊でした。
これからどうなるの!?っていう種がたくさん撒かれた回だった気がする。
これから本当にどうなるんだろう……
著者プロフィール
澤村御影の作品
