小戸森さんちはこの坂道の上 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年5月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041129524

作品紹介・あらすじ

29歳のフリーデザイナー・小戸森乃々香は、福井の海沿いの町、急勾配の坂の上に建つ祖母宅の管理を頼まれ、思い切って引っ越すことに。
この町には、昔住んでいた。「不倫の子」だなんだと、口さがないことを言われまくって、あまりいい思い出はないけれど――。

心機一転、快適な一人暮らしを満喫しようと思っていた矢先、幼馴染の清志郎が、ふたりの子どもを連れて家にやってきた!
しかも祖母からは「一緒に住んでもいい」と許可を得ていると言い出し、なし崩し的に謎の同居生活が始まってしまう……。
嫌な人とはかかわらず、ストレスフリーな生活をしてきた乃々香は、大いに困惑し振り回されるが――!?

「とりあえず。この坂道をわざわざ登ってやってきた相手くらいは、一度迎え入れてみたら?」
人生が変わる。世界が変わる。心がぐぐっとまた、動き出す。
あんまりありふれていない日常が、あなたの心に嵐とときめきを巻き起こす、大人の青春物語。

みんなの感想まとめ

人との関わりを避けてきた主人公が、急勾配の坂道を登り、祖母の家で幼馴染やその子どもたちと共同生活を始めることで、心の変化を遂げていく物語です。過去の辛い経験を抱える乃々香は、同居人たちとの関係を通じて...

感想・レビュー・書評

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  • うーん。
    うちの田舎も坂の上
    今や歩いて上がるのは息が上がるけど、ずっと帰り道にその坂を上がると1日が整理されてく気がしてた。
    そんな感じかな、と本を手にとりましたが、ちょっと違った(笑)
    でも、最後の
    スキップ気分ってありかな。
    大丈夫だからってやりたくないことは必要ないだろ、やらなくていいならその方がいいに決まってる
    の清志郎の言葉は突き刺さった

  • ののかは、すごいと思う。
    不倫の子としてやな思いをたくさん味わってきたと思うけど、母の愛情は疑ってない所がまず凄い。母のせいにしてないところが凄いですよね。
    それもそうだし、
    人と関わらない方が、無感情になる方が楽。よくわかる。
    祖母の家で他人と共同生活することになった戸惑いが凄い共感。私もそうなるよな。と思う。ましてやこども2人も。それでも
    だんだん順応してくように大丈夫になっていく。

    恋心のままならなさにやきもきしながらも
    振り回されながらも救われ、
    少しずつ自分の気持ちや感情を取り戻していく過程がいいです。ののかの芯の強さが、心の声から言葉や時に行動力になるかんじがよきと思う。

    恋してる幼馴染みや、なに考えてるかわかんなそうなイケメンと同居というのは設定上
    ファンタジー感溢れているけど、成長ものがとはいえままならない感じが妙にリアル。



  • 世の中にはほんとにいろんなわけわからん人がいるなと、Yahoo!ニュースを見てると思うわけです。(SNSもしかり)

    たとえば『世間が許さない』を多用する人がいるけれど、あれは世間を代表する立派な人でもなんでもなくて単純に『自分が』許せないだけだし、『あなたのため』という気持ち悪い修飾語で自分の思い通りに事を進めようという鬱陶しい人もたくさんいるし、よく知りもしない人間をコケ落としたり、何の意味もない正論を武器にしたり…とにかく世の中にはいろんな人がいる。

    そんななかで、そういう人の放つ言葉や思考全部に『うるせえ、黙ってろ』と言うのがわたしの友人、櫻いいよなわけです。

    乃々香は不倫の末に誕生した子として、生まれる前から罪の証のように言われ、清志郎は血の繋がりのない連れ子を2人連れていて、漸は育ち方ゆえに他人と食事をするのを厭う。なんだかへんてこな5人が坂の上の家で同居してるうちに、それぞれがちょっとずつ自分の意思で成長していく。
    なんて書いたら薄っぺらく聞こえてしまうけれど、それはわたしの語彙力の問題であって作品のせいではない。とにかく読んでほしい。

    相手が誰であっても、自分の常識というなんの保証もないもので相手を縛ってはいけない。決めつけてはいけない。
    子どものしたことだからとなめてはいけない。
    過去にされたことをいつか許さないといけないなんてことはない。許さなくてもいい。
    楽な場所が居場所なわけでもない。窮屈でも自分が生きたいと思える場所で、存分に生きたらいい。
    そして、モラハラ野郎にはワインをかけましょう(とても重要)

    誰も彼もを心に受け入れられるわけではない。でも勾配のきつい坂道を登り切って訪れた人には、少しくらいは開いてもいいのかもしれない。

    家族未満のひとつ屋根の下に暮らす5人がわたしはいとおしいし、漸のつくったごはんをいっしょに食べて明日を笑って生きてほしいと思う。

    いわゆる『世間』の言葉なんぞに耳を貸すことなく、そして時に『うるせえよバーカ!』と吼えたりしつつ、強かにしなやかに生きていきたいものです。


  • 主人公の乃々香は過去の経験から自分の本当の感情を抑えつけて、人ともできるだけ距離をとって過ごしてきましたが、清志郎やその子供たち、漸と生活するうちに、頑なだった心が少しずつほどけていきます。

    母の恋人に会う場面で、それが顕在化し、思い切った行動に出ます。さらに母親も乃々香に続いて恋人の頭にワインを注ぎ、痛快極まりない思いがしました。

    大人だから、いつもいつも感情をむき出しにはできませんが、私もできるだけ、自分の心に嘘をつかずに上手く感情を解き放っていくことができればいいなと思いました。

  • 母親の自由奔放な生活と祖母の厳格な生活のせいで、色々と不遇な子供時代を過ごしてきたフリーデザイナーの小戸森乃々香、1年間旅をするので留守番をしろという祖母のいいつけで不遇な子供時代を過ごした福井の家で住むことになったが、ある日小学校時代の失恋相手清志郎が2人子連れでやってきて居候を決め込む…。

    疑似家族テーマの小説、恋愛模様も描いているが、所謂ハッピーエンドとしては、どの恋愛は成就しない。むしろ成就しない環境下にあってどう生活していくのか、どう人間関係を築いていくのか、どう幸せを感じていくのか?という、実はうまくいく恋愛よりよほどそっちの方が大事なんとちゃうか?という部分を掘り下げている小説。

    誰かに依存しないと幸せになれない人、裏切られるのがイヤだから一人で生きていきたい人、心のままにアドリブで人生の舵を取りたい人、人には美味しく食べて欲しいが自分は人と飯を食うのがイヤな人…それぞれの幸せをそれぞれが味わえる世の中であってほしい。

    子育てが終わった俺、もはや誰かのために良かれと思っての言動など必要なくなったので、これからは自分のためだけに自分が幸せになる行動をして生きていこうとひそかに心に誓ったのだった。

  • 「蝉とやってきた同居希望者」
    頼まれて住んだはずが。
    自分で手一杯な状態だからこそ必要なのかもしれないが、心の準備もなしに勝手にされたら憂鬱でしかないだろ。

    「直撃したのは恋か愛か嵐か」
    音沙汰のなかった一月。
    何故なのか考える時間をもらったとはいえ、今まで一緒にいただろうにパタリと連絡が途絶えたら終わりだろう。

    「勇者の傷痕は勲章なんかじゃない」
    一人で全て抱え込んで。
    自分が嫌々向き合っていた現実である過去と、何か変わったかもしれないと期待したのなら無駄な時間だったろ。

    「守られるよりも守りたい」
    予期せぬ客は知らぬ人。
    もし元の暮らしの方がいいと思って嫌々いるのであれば、来た瞬間に笑顔で飛びついて二つ返事で帰ってただろ。

    「帰宅は坂道をスキップで」
    可哀想だから自分なら。
    余計な言葉を口にして優しい僕に酔っているのであれば、即座に考えを改めて言ったこと全て取り消すべきだろ。

  • 本屋で帯に惹かれて図書館で借りてみたけど、最初の展開にわけわからなくなってずっと放置してた。返却期限が迫ってきて慌ててまた読み始めたがやっぱり面白くない。パンチがないというか、起承転結がない。

  • 対人関係が苦手な乃々香にちょっと強制してる感があるのはどうかなと思うのですが、色々含めて閉じていた状態が開いてきて、本人幸せそうなので良かったのかなと思います。大勢との同居ですがそのおかげで家族っぽくなっていて、居心地がよさそう。

  • はぁーいやだねぇ。世の中いやな人がいっぱいいるねぇ。
    乃々香は事実だ、仕方ないってすっかり諦めてたけど、ほんっと胸糞悪い。
    特に生徒会長と和香の両親かな。漸がいい仕事してた。

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著者プロフィール

2015年、スターツ出版文庫創刊を飾った『君が落とした青空』が22年に実写映画化。また17年からロングヒットの「交換ウソ日記」シリーズは累計40万部を突破し、10代女子を中心に人気を博している。他著に『わたしは告白ができない。』『世界は「」で沈んでいく』『世界は「」で満ちている』など人気作多数。

「2023年 『小戸森さんちはこの坂道の上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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