ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VI 見立て殺人は芥川 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041129852

作品紹介・あらすじ

都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。被害者2人のうち1人の胸の上に芥川龍之介の「桃太郎」が小冊子に綴じられて置かれていた。これまで文学に関わる難事件を解決してきた李奈は、刑事の要請で今回も捜査に協力することに。一方で本業の小説執筆ははかばかしくなかった。加えて母の愛美が三重から上京。気持ちが落ち着かずにいた。謎めいた事件と停滞気味の自分。李奈はこの2つの問題を乗り越えられるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 見立て殺人は芥川?
    使う物語は『藪の中』とか『蜘蛛の糸』かな…なんておもったら、『桃太郎』???
    恥ずかしながら芥川が桃太郎を描いていたなんてしらなかった。
    『蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇』は読んだことがあるはずなのだが…

    そしてこの芥川桃太郎は、不思議なおわり方をする。
    本作でも言及されているが、執筆当時の時代背景を考えないといけない。
    それにしても、本作は新興宗教だとか、親子の関係だとか、戦争だとか、どうも最近の事情を入れ込んでいるように感じてしまう。
    だとしたらすごい執筆スピード。
    プロは違う。
    なお、好みの問題を言えば、本作、いままでの杉浦李奈シリーズの中では一番好きだ。
    李奈自身の家族の問題、被害者の家庭の問題など、本当に丁寧に描写される。
    誰もがこれは私のことかなと思わせる内容だ。
    また、知識も自然と増え、よみつづけたら知性のあるひとかどの人物になれそうな気がする。
    次は、何かなー

  • 星3.5

    前作が大袈裟だったので、
    これくらいの事件がちょうどいい。

    見立て殺人って、
    本人の思惑とは別の解釈になるかも
    知れないという事ですねー

    以降ネタバレ




    犯人は、毒親のため、
    ここまで屈折してしまうのか…
    幸い、毒親では無かったので、
    その辺はよくわからない

    李奈と母親との確執が
    少し溶けた記念で星をオマケ

  • 絡め方がすごかった!
    「桃太郎」に大きく絡めていながら
    愛友心望の信条「蜘蛛の糸」
    館野氏にまつわる証言がいちいち食い違う「藪の中」
    さらに、作品にまつわる小ネタもたくさん。
    序盤のゲームブックやテクスト論までもが最後にきれいに絡まって、見事な終わり方でした。
    図書館で予約待ちしている次作も、また楽しみ。

  • 今回は見立て殺人か・・・
    それにしても、芥川版「桃太郎」なんて知ってる人どのくらいいるんだろ?
    そして毒親って誰?ってか

  • ミステリーとは言え、まさかの設定と犯人、そして動機に驚きました。若い女性の気持ちをこの作家さんは、何で解るのでしょうか?それがミステリーでは。

  • テンポが早く、サクサク読めるのに内容はしっかりしていて、読んでいて引き込まれる。
    しかもしっかりキャラクターの成長まで書いていて、ラストも驚きがあり、すごいと思う。
    あと本に関する知識が少し増えるのも嬉しい。

  • ゲームブックが懐かしすぎて目を見開いた。母親にイラつく感じも共感。松岡さん何者…。

  • 母親と分かり合えて良かった。

  • 主人公杉浦李奈、ラノベ作家で対談相手岩崎翔吾の事件を解決し、経緯をノンフィクションにした方面ばかり有名になり、文学界のトラブルシューターとして①剽窃事件②孤島殺人③文壇大量殺人を解決するが・・・売れない作家としてコンビニバイトをしつつ作家生活を送る(バイトは思わぬ効を奏す)
    本書も文学の読み方が事件解決に繋がるが、トーシローの読者は李奈の推理をニコニコと聞いていれば良い(*´▽`*)

  • 杉浦李奈の推論第六弾。今回は芥川龍之介の短編「桃太郎」が見立て殺人の現場にあったことから謎が解き明かされていった。「桃太郎」は以前に読んで衝撃を受けたことを思い出したのだが、最初の桃の木、最後の天才の解釈が考えてもみなかったので冒頭に出ていた「蜜柑」と一緒にもう一度読み直してみた。このシリーズはいろんな小説が出てくるのが楽しい。もちろん、拳銃のトリックも驚いたし、李奈の成長も楽しみだ。それにしても松岡さんの筆の速さにはいつもながらに驚いてしまう。他の本に浮気をしてると追いつかなくなる。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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