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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784041130063
作品紹介・あらすじ
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。
薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。
しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。
手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。
――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。
薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。
そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。
「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。
それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。
この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。
稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
幕末の激動を背景に、運命に翻弄される二人の物語が描かれています。青垣鏡子と岡元伊織は、時代の波に抗えず、ひたすら報われない愛に苦しむ姿が印象的です。歴史上の実在人物と架空のキャラクターが巧みに織り交ぜ...
感想・レビュー・書評
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須賀様安定に素晴らしかった。
須賀様の歴史物は第二次世界大戦絡みの作品がほとんどだったけど、こちらは幕末のお話。
カタカナだらけの登場人物よりはわかりやすいけど、歴史の知識が自分にあまりになさすぎて難しかった。
須賀様お得意の、実在する人物と架空の人物が織り交ぜられているところはさすがでした。
薩摩藩士の言葉はちょっと字面だと読みにくいけど、頭で音声に置き換えると納得。
青垣(森名)鏡子と、岡元伊織の運命が、時代の波とともに書かれている。ひたすら報われない2人。いや、最後は報われたって言ってもいいのかな。
読みごたえバッチリ。会津についてもっと勉強したくなる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
潔い女性と女々しい武士の話でした。読解力不足のため、「ばけもの」という概念が最後までよく理解できないまま終わってしまい残念に思います。私も伊織と同じで心がありません。情が薄いと感じます。さすが須賀さん、良く分かっていらっしゃると思いました。会津は以前は私にとって尊敬する存在でしたが最近の思いは全く異なります。時代錯誤の御家訓に囚われ、自ら滅びた会津藩。容保も昭和天皇と同じで、負け戦の責任を取らずのうのう生き延びて部下や庶民は皆殺し。悲劇ではありますが男性の家臣たちは自業自得としか思えません。
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これを読んでいるときちょうど大河ドラマの「篤姫」の再放送を録画してたのを観てたので、時代背景がかぶりよくわかった。
普通のラブストーリーでも歴史小説でもなかった。
読み終わって、私がこの時代の会津に生まれてたらどうだったかな?とか考えしまう。
やはり幕末の激動の荒波に飲み込まれてただろうか?
おかしい、間違ってると疑問を持てただろうか?
また今という時代に今私は流されてるところもあるのだろうか?
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須賀しのぶさんの作品はいつも、私のことを呑み込み、苦しめて苦しめて胸を鷲掴みしてくる
苦しいと分かっているのに何度も読んでしまうのは、きっと、作品に出てくる人物の生き様が、正しく、真っ直ぐで、美しいからだ
今作も、これ以上ない美しいラストだった
切なさがまだ私の全身に充満している
幕末についての知識不足で読むのに大変苦労した
勉強して、改めて読み直したい
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薩摩の男と会津の女、激動の幕末にあって結ばれるはずのない男女、薩摩隼人と会津婦人の恋を描いた作品だ。歴史の重み、家の重み、人としての情念、あらゆる柵を振り捨てた時は死。この作品、好みが分かれるなと感じた。
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幕末の会津藩が好きなので読みました。
会津藩士の娘と薩摩隼人
幕末という時代、結ばれることの許されない関係にある2人が出会い、自分たちが周りとは別のいきものであることに気付き、知らず知らずのうちに互いを求めてしまう。
最期まで御家訓の呪いに縛られて滅びゆく会津を悟る鏡子と、新時代へと向かう薩摩の中でその熱に最期まで染まれなかった伊織がどちらも悲しくて美しかったです。
ただの切ないラブストーリーじゃないもっと重くて怖さみたいなものを感じた、とても読み応えのある作品。
結末をハッピーエンドと言えるかはわからないけれどあの終わり方が私はとても好きです -
コバルト。
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文庫になるのを楽しみに待っていました。発売日に届いて一気読み。
好みが分かれるテーマ、ストーリーだと感じます。明るいとか楽しいとかいう話ではないですが、私は大好きです。
何と言えば良いのか…自分の行動を、もう一人の自分が少し離れた所から眺めているような感覚を持った事がある人なら、主人公たちに近い気持ちで読めるのではないでしょうか。
的確な言葉が今は見つかりませんが…
滅びの美学?深淵を覗いてみたい?
はたまた、世を醒めた目で斜めから見ている感じ?あるいは推しにハマる友人を羨ましく思う気持ち?
…私の感覚では、そんな感じが近い気がします。ピンと来たらぜひ読んで下さい(笑)
作者の書く文章は凛としていて、清廉な美しさを感じます。
その上いつも知らなかった歴史を教えてくれて、知的好奇心も刺激されます。
今作で私が最も唸らされた知識は「猿叫が聞こえたそうだから」と示現流について書かれた部分です。
打ち込みの映像を見た事がありますが、あの声をそう呼ぶんですね…。武道に詳しい方には当然の知識なんでしょうか。初めて見た単語で、即座に検索して調べてしまいました。
史実に創作を織り込む手腕が、毎回見事です。歴史というパーツをどう組み立てたらこんな話が書けるんだろうと感嘆。今後も新作を楽しみにしています。
著者プロフィール
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