人獣細工 (角川ホラー文庫)

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  • KADOKAWA (2023年4月24日発売)
3.10
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041132159

作品紹介・あらすじ

先天性の病気が理由で、生後まもなくからブタの臓器を全身に移植され続けてきた少女・夕霞。
専門医であった父の死をきっかけに、彼女は父との触れ合いを求め自らが受けた手術の記録を調べ始める。
しかし父の部屋に残されていたのは、ブタと人間の生命を弄ぶ非道な実験記録の数々だった……。
絶望の中で彼女が辿り着いた、あまりにおぞましい真実とは(「人獣細工」)。

読む者を恐怖の底へ突き落とす、『玩具修理者』に続く第2作品集。

みんなの感想まとめ

先天性の病気を抱える少女の物語を中心に、倫理観や自己認識を問いかけるホラー短編集です。少女はブタの臓器を移植され続ける中で、亡き父の実験記録を調べ、恐ろしい真実に直面します。また、吸血鬼から従姉を守る...

感想・レビュー・書評

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  • 表題作の『人獣細工』
    先天性の病気が理由で生後間もなく
    ブタの臓器を全身に移植され続けてきた少女の話
    何故こんな事をしたのか
    亡き父の記録を調べていくうちに
    彼女が辿り着く真実は、、
    倫理観を問う話だった

    2作目の『吸血狩り』
    ちょっぴりエロティックな
    ノスタルジーを感じさせる田舎が舞台で
    吸血鬼から従姉を護る少年の話、、

    3作目の『本』
    どこかリングを感じさせた

    どれも短編なのに、とても完成度が高い
    久々のホラー作品で、初読みの作家さんだけど
    良かった

  • どの作品も凄いなぁ!

    個人的には吸血狩りが好きですね。あえて答えを出していないところが素敵♪

    本もすごいし、どうして、こうした作家がどうして早逝されてしまうんだろうなぁ。

  • 「人獣細工」「吸血狩り」「本」の3作収録の短編集。

    オチるまでがつまらなすぎる。
    これは「吸血狩り」「本」にて顕著である。2作とも、工夫が盛られた仕掛けでオチをつけてくるのだが、そこに至るまでに興味がダレてしまっていたので、疲労含みの「あっそ…」の一言となってしまった。
    特に「本」の仕掛けは、物語の根幹が全部ひっくり返るような大仕掛で結構驚いたのだが、いかんせんそれまでがだらだらとつまらなかったので、大オチに辿り着く頃には性も根も尽き果てていた。本の呪いで芸術的に狂っていく人々の描写が常軌を逸しすぎていて、もはやギャグだった。ちょっと笑った。

    物語の骨子は悪くなさそうなのに、何でこんなにつまらないのだろう。
    「アリス殺し」や「玩具修理者」など何作かこの作者の作品は拝読したのだが、いずれも評価は奮わなかった。大オチまでに、いまいち理解の及ばない表現が多く、読書に乗り切れないのだ。相性が悪いのかもしれない。文章の良し悪しもさることながら、この文章のリズムとの相性は、明確に存在すると思う。驚くほどするすると先へ先へと進んでいける作品とそうでない作品。本質的な文章の巧拙に留まらない評価軸がそこにはあると思う。

  • 3部作の短編集。
    どれも衝撃的なお話でした!
    最後の『本』は、自分自身もその中に入って体験してるかのような描写があったりと、それに限らず3部作とも濃い内容でした!

  • 【短評】
    早逝の天才・小林泰三によるホラー短編集。
    昔々『酔歩する男』という作品に大層感銘を受けたことを良く覚えている。本作を読んでも感じたが、この人の作品には「自己認識」という領域に対する偏執的とも言える関心が垣間見える。
    「私とは何か?」「私は本当に正しいのか?」「私に作用するものとは?」
    異なるアプローチに基づくスタンドアロンな作品達の根底に、何故だか同じ衝動を感じさせるのは穿ち過ぎというものだろうか。短編集は各話の好き嫌いが発生するため、総合的な点数が伸び悩む傾向にあるが、トリを飾る『本』は図抜けた傑作だと感じた。この一本に出会えただけでも手に取った価値は十二分にあろう。

    ①人獣細工 ★★★☆☆
    先天性の疾患ゆえに、生後間もなくから種々の臓器をブタの臓器に置換・移植した少女の物語。代謝に起因する自己の連続性への疑念というのは、午後の思索に丁度良い高尚なテーマだが、これをブタでやるとは思わなかった。果てしなくキモくて忌まわしい。『魍魎の匣』を思い起こさせた。テーマは大好物だが、着地点がやや安直かなと思ったので三点評価とした。

    ②吸血狩り ★★★☆☆
    少年が吸血鬼を退治せんと奮闘するお話。非常に厭な読後感を齎す作品なのだが「非常に厭な読後感を齎そうとしているな」と早い段階で当たりがついてしまった作品。予期した着地点に淡々と着地した印象が先行したため、評価は振るわなかった。

    ③本 ★★★★★
    本作品集のベスト。有り体に言えばこの作品だけはレベルが違う。端的に言えば、奇っ怪な内容の本を送りつけられた人々が発狂する的なお話なのだが、人を発狂せしめるメカニズムが実にユニークだった。「芸術」である。芸術が如何にして人間の精神に作用し、伝播していくかを「論」という形式を以て叙述する手法が実に気味が悪い。また、本の内容が幻想文学としても一級であり、「鼻血を啜り上げる男」とか「名付けることが禁じられた土地、ゲリル」といった奇妙としか言い様のないモチーフが嫌でも脳に刻みつけられる。インストールに失敗した人の振る舞いを含め、不気味で仕方がなかった。

    『本』という奇貨を与えてくれた出会いに感謝したい。
    また、盤外の感想で恐縮だが、呂后による「人豚」の逸話が取り上げられた作品を二作品連続で読むこととなった。読書を長く続けていると、こういう出会いもあるものである。感慨深いものだ。

    • bookmania1105さん
      小林泰三さんのような稀有な作家が早世されるのは、本当に勿体ない事です。もっともっと、作品を読みたかったです。合掌
      小林泰三さんのような稀有な作家が早世されるのは、本当に勿体ない事です。もっともっと、作品を読みたかったです。合掌
      2026/03/07
  • 短編3話。ホラー系?なのかな?

    最初の話が面白かった。狂気は感じるけどお父さんは天才すぎたのかな?真実を知っても受け止められないよね…

    最後の話が難しかった。

  • 友人の家にあった本を借りて読んでみた
    説明的すぎる文章が好きになれず、P数が少ないながら読了に時間がかかってしまった。
    怖いものは苦手でホラーに余り手を出さないのだが、本作はそこまで恐怖も感じず、ふ~んという感じで終わってしまった。
    怖いながらも読む手が止まらない、、、みたいな話を期待したが…

    ■人獣細工
    どこからが豚でどこからが人間かという話を延々としており、話進んでる?
    まぁオチも何となくそうだよね、という感想…

    ■本
    ネウロの電子ドラッグみたいな話

    後になって読みたいリストに入れている『アリス殺し』の作家さんと知り…
    同じような文体であれば肌に合わないのでやめておこう…

  • これは面白かった!
    ブタの臓器を移植され続けてきた少女、吸血鬼を殺そうとする少年、本による狂気に巻き込まれた女性の3編を収録。
    どことなくクトゥルフ神話を想起させるように感じた。
    特に第3作『本』には「名状しがたきもの」という表現もあるし、クトゥルフ好きにはニヤリとさせられると思う。
    邪悪で狂気に満ちた短編集だが、クトゥルフという狂気に染まっている自分としては、なかなか楽しませてくれるような小説だった。

  • この作家の本は初めて読んだ。
    「人獣細工」、「吸血狩り」、「本」の三篇を収録。
    どれも読み終わった後の後味が悪かった。
    「人獣細工」は狂った医学者が自分の娘に豚の臓器を次々と移植するお話。
    プロットの設定としては、有りがちかもしれないが、最後のどんでん返しが気持ち悪い。

    「吸血狩り」は、ホラーによくある設定の吸血鬼が出てくる。
    吸血鬼と対峙するのは、大人ではなく、子供だ。
    最後には子供が吸血鬼を滅ぼすが、その意外などんでん返しに、後味が悪い。

    「本」は、あのホラーの傑作、リングと同じ感じ。
    リングはビデオを見ると呪われるが、本作では「本」を読むと呪われる。
    「本」に記述してある内容は、あまり意味がない。
    「本」には芸術論や共生体のことが書いてある。
    パソコンのハードウェアやソフトウェアについても書いてある。
    意味不明の記述もある。

    最後に読んだ「本」は、私には意味が良くわからなかった。
    映画の「マトリックス」のような、仮想現実を表したかったのか?

  • 途中でやめようと思いながら 最後まで読んじゃった。ホラー系は 先が気になってねー。
    臓器移植云々かぁ〜。作者のこと 全く知らなくて 何気なく手に取って 読んじゃった。好き嫌いがあるから どうとも言えないけど この読後感は「人間椅子」を読んだ時に近いなぁ〜。はまりそうで ギリギリのところで 踏み止まっている、そんな感想ですみません。


  • 『アリス殺し』〜関連は面白く読んだんですが、
    この『人獣細工』と『本』はわたしにはエグさと
    グロさのハードルがかなり高かった。

    一口にホラーで括るには歪み方が違うというか、
    何といったら良いのか…。

    好きな人はハマるんでしょうかね。

    心身の具合が良い時に再トライできればいいかな。

  • 3つの短編が収録されています。グロテスクな表現はありますが、それよりも読んだ後の後味の悪さを感じました。

    最初の人獣細工は、臓器移植といった現実にある事が含まれていますが…。主人公の私はいったい何者なのか?という哲学的な考えの揺らぎを感じました。あとは主人公の父親の倫理観を疑ってしまいます。

    2つ目の吸血狩りは、いとこのお姉さんを吸血鬼から救おうとする少年の話です。が、少年が倒したのは本当に吸血鬼なのでしょうか?結末はどちらでも捉えられます。吸血鬼ではなかった場合だと少年はこの後さらに何人か倒していることが冒頭で示唆されていますので… 後味が悪いです。

    3つ目の本については、同級生から送られてきた本がきっかけで展開されていく物語です。読んだものを支配し奇怪な行動に走らせるのは、クトゥルフ要素を感じられます。果たしてこの同級生は実際に存在するのでしょうか?

  • 表紙買いならぬ
    タイトル買いならぬ
    帯買いです。
    帯にYouTuberけんご氏激推し
    って書いてあったもので。

    小林泰三先生の作品は
    「玩具修理者」以来です。
    表題「人獣細工」「吸血狩り」「本」の3篇。

    個人的には「玩具修理者」の方が刺さりました。

  • んんん〜イマイチ感満載ですね♪
    ラストは『やっぱり、そのオチか』って予想できたかなぁ…全体的にはやってること意味不明でしたー

  • 短編が3作品収録されている。
    表題の人獣細工が一番好みだった。
    史記の人彘(ひとぶた)とは違う人彘。
    しかし、人の手によって細工されて歪な存在にされてしまった事は同じ。つくり手はそれに愉しみを感じていた事も。
    この冒涜的で気味の悪い雰囲気が、ゾクッとして良い。
    自分の愉しみの為に、他人の尊厳を踏み潰す事を厭わない、否むしろそれさえも歓びなのかもしれない。
    汚いもの、悪いもの、残酷なものに何故か惹かれる人は読んでみるのも良いかもしれない。

  • 個人的にこの人の作品が好きというせいもあるかもしれないけれど、小林泰三の作品は期待を裏切らない面白さと読了感がある。
    文の中で全てを語らずに、それでいてちゃんとその物語の違和感に気づかせるのが抜群に上手く、読んでいて楽しい。
    自分がいる「現実」や「世界」に、いとも簡単に疑問と不安を生じさせる(現実について、自己について考えざるを得ない)作風は、今回も私に思考の機会を与えてくれた。

  • 何だか独特の世界観と個性的な文章。
    3部作になってます。
    外国文学の様な、古典文学の様な文章に
    ホラーの様なSF作品。
    不思議な違和感の世界に引き込まれる。
    好き嫌いは別れると思います。
    映画になったらB級の面白いホラーになりそう。
    ただし、監督が優秀でないと
    痛い作品になるでしょう。

  • 『人獣細工』は、単なるホラーを超えた、どこか不気味で後味の悪い世界観が印象的な作品集です。タイトルにもなっている「人獣細工」は、人間と獣の境界が曖昧になる恐怖を描き出しており、その独特の気持ち悪さがじわじわと心に残ります。

    三編収録されている本作は、どれも強烈な恐怖を前面に押し出すというよりは、読後に「なんとなく気持ち悪い」という感覚を残すタイプの作品で、ホラーの持つ不快感や違和感を巧みに操っています。人によって好みが分かれるかもしれませんが、その不穏な雰囲気や異様な設定が印象深く、好きな人にはたまらない魅力があると思います。

  • 人獣細工。人体実験の末に生まれた愛も何もないオモチャのような存在。吸血狩り。吸血鬼だと思っていたけど本当はただの人間だったのでは?ともとれるこの2作はラストの「本」に関しては読みづらく、何が書きたいのかもわからないまま本を閉じた。

  • 奇書であると思う。難しく、気味が悪い本でした。(ほめています)

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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