私たちの金曜日 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041132203

作品紹介・あらすじ

会社員、アイドル、パイロット、作家など……自分の思い通りに仕事をすることが叶わない社会のなかでも、懸命にしたたかに働く様子を描いた、読むと勇気づけられるアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 各女性の仕事についてのモチベーションや考え方、人間関係の見方など、当事者でない私も「こんな人いそうだな〜」とか「私には気づけない、もしくはそんな気持ちで働いてることが凄いな〜」と感心されられたりする小説だった。

  • 有川さんファンなので読んでみました。
    短編集は新規開拓という意味でも好きですが、今回はあまり好みではなく、うーんって感じでした。

  • 女性作家による、女性と仕事のアンソロジーだそうだ。

    二作目を読んでいて、発表年月を明示してほしいと思った。自らを醜女(なんと、しこめと打ったら変換が出なかった!)と自認する女性が、職場の華たる同僚に対する周りの男どもを好奇心満タンで観察していて、その視点から、あれこれが語られお話が進んでいく。どうやら1970年代の作品らしく、作は田辺聖子さん。この50年で変わったものと変わらないものに思いをはせた。

    綿矢りささんの、独り言がずらずらと出てくるような作品、面白い。私も、一人で台所でありあわせの物で何か作ってる時とか、ずらずら独り言が頭の中でぐるぐるまわったりする。かなり荒唐無稽な独り言だったりするけど、綿矢さんのはずっと色鮮やかだ。

    バラエティに富んでいて、解説までしっかり楽しめました。

  • 同時発売の『僕たちの月曜日』と並ぶ、仕事をテーマにしたアンソロジー

    『社畜』 山本文緒さん
    『美女山盛』田辺聖子さん
    『こたつのUFO』綿谷りささん
    『茶色の小壜』恩田陸さん
    『神様男』桐野夏生さん
    『おかきの袋のしごと』津村記久子さん
    『ファイターパイロットの君』有川ひろ
     
     ゲラゲラ面白かったのは田辺聖子さん。
    自称醜女のOLマメちゃんが、美人な同僚と、彼女達にニヤニヤ群がる男性たちの観察を楽しむお話し。1979年刊行の本に収録されてたお話なので、今とは色々違う点も面白い。

    マメちゃんの心の声を抜粋すると、
    美人社員の梢に浮かれる課長を見て
     「おもしれえなぁ。目尻下げてる男は面白い。」とオッサンみたいな言葉使ってたり、

    女性がたくさんいる前で、噂の美人はどこですか?と聞く取引先の社長には
    「こんな奴、死んでしまえばよい。」とキッパリ。

    田辺聖子さんの本、今年は読んでみよう。
    娘から源氏物語の現代語訳も含めて田辺聖子さんの本をお勧めされてるんでした。

     あと、物語として面白くて引き込まれたのは津村記久子さん。はじめて読みましたが、読みやすかった。おかき会社の派遣社員がおかきの袋の裏書に頭を悩ませる話で、なんてことなさそうなんだけど面白かった。

    綿谷りささんの『こたつのUFO』は、ぐうたらに生きてる30歳女性の独白みたいな感じでのめり込めなかったけど、最後の一節は素敵でした。
    「老いた証拠は身体にだけ残して、心は颯爽と、次の宇宙へ、べつの銀河へ。」

  • 大学院の知人の名前を見てびっくり。仕事をする女性というテーマに選出された昭和から平成までの短編小説、それぞれの内容も順番も良かった。

  • 仕事をする女性の短編集。最初の2篇を読んで驚いた。なんて作風がバラバラなんだろう。最後まで職場の切り取り方、仕事との向き合い方、時代、言葉遣い、全てがごった煮で目まぐるしく変化した。個人的には最後の有川ひろの「ファイターパイロットの君」の主人公がキュートで印象的だった。恋愛物は敬遠してきたけどたまには良いかも、と少しだけ思わせてくれた。

  • 女子のお仕事物語って仕事も恋愛も全力!みたいのが多いけど、ここにある作品は淡々と毎日をこなしたり、悩んだり、もっと近い感覚があってよかった。

  • それぞれの金曜日があって面白い。

  • アンソロジーは、はじめましての作家さんの作品も読めて良い。

    今作では津村記久子さんの「おかきの袋の仕事」、有川ひろさんの「ファイターパイロットの君」がおもしろかった。
    津村記久子さんの本は前から気になっていた作品があって、近いうちに手にしたいと思う。

  • 働く女性をテーマにしたアンソロジー。
    そうそうたる顔ぶれ!と思ったら、三宅香帆さんという書評家の方が、いろいろな短編集から集めた既出の作品とのことでした(それでも顔ぶれの豪華さは変わらないのでいいのですが)。

    そういうわけで、この本を手に取るきっかけになった津村記久子さんの作品は、すでに読んだことのあるものでしたが、やはり面白かった!
    おかきの袋の裏の文面とそのテーマを考える仕事の話という…。
    同じ作品を読み返すことを滅多にしないので、これはこれで新鮮でした。

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著者プロフィール

高知県出身。第10回電撃小説大賞『塩の街 wish on my precious』で2004年デビュー。2作目『空の中』が絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。『植物図鑑』『キケン』『県庁おもてなし課』『旅猫リポート』『三匹のおっさん』『阪急電車』『空飛ぶ広報室』『明日の子供たち』『イマジン?』など。2019年「有川浩」から「有川ひろ」に改名。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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