魔女と過ごした七日間

  • KADOKAWA (2023年3月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784041132258

作品紹介・あらすじ

AIによる監視システムが強化された日本。
指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。
「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」
不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる。

少年の冒険×警察ミステリ×空想科学
記念すべき著作100作目、圧巻の傑作誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 7日間の中で、何が起きるのだろう。どんな登場人物が活躍するのだろう。興味と期待を膨らませながら、ページをめくっていった。7日間の出来事だが、400ページを超える作品で、読み応えがあった。ラストに向かって、どきどきしながら真相に迫っていく感覚が楽しかった。

    中心人物は、中学3年生の月沢陸真と円華。物語の始まりは、陸真がエレベーターに乗って、閉じるボタンを押した後の不思議な出来事から始まる。この出来事がタイトルともつながり、陸真と円華の出会いの場面ともなっていた。東野さんの作品における伏線の構成に魅力を味わいつつ読み進めた。

    次の場面では、中心人物の一人、脇坂拓郎、警視庁捜査一課の刑事が登場する。7月13日、場所は、S市立第3中学校。その3日前の7月10日、田園調布の南側、多摩川の河川敷で遺体が発見された。その遺体は月沢克司と判明。克司は、S市立第3中学校に通っている中学3年、月沢陸真の父親だった。脇坂は、克司の唯一の家族で同居人の陸真に会いにきた。陸真の母親は、6歳の時に亡くなっていた。つまり、唯一の遺族ということだ。いきなり辛い場面が始まったなと悲しい思いが湧いてきた。克司は2年前まで警視庁の警察官だった。この警察官だったということも、影響してくるのだろうなと想像しながら、興味を持って読み進めた。

    次に登場するのは宮前純也、中学3年生。陸真とは中学2年からの付き合い。父を亡くした陸真にとって、純也の存在は大きかった。しかし、こういう状況での陸真の心中を想像することが難しい。辛いを通り越している感じがするから。陸真が純也に父親のことを話す。それは、克司が見当たり捜査員だったということ。全国に指名手配をされている人物を街中で見つけ出す職務。その職務が脅かされることになる。それはAIの出現からだった。人員削減により、克司は新たな職に就く。それが警備保障会社の潜入監視員だった。聞きなれない仕事が次々と出てくる。その都度、この先の展開への想像がどんどん広がっていく。東野さんの作品世界にどんどんハマっていく感覚がある。

    潜入捜査員の仕事は、防犯カメラの視界を補う内容だった。それは、身体にカメラを装着し、一般の人々を撮影していくといったもの。もちろん、指名手配犯や不審人物は、その人を狙って撮影していく。その元となるのはAIによる感知。今の時代に合わせた内容にどきりとしながらも、現実世界へと想像を広げていくと、こういった仕事もありうるのかもなと思う。

    陸真は脇坂から克司の持ち物を調べるように依頼されていた。そこから、犯行の手がかりを見つけようと考えていた。見つけたのは克司作成の1冊のノート。内容は指名手配犯の顔写真と人物についてのメモが記されていたものだった。このノートの存在は、現実にもありそうで、元警察官ならではなのかもしれないな。

    さらに、物語の展開が開けていく、もう一つ重要なものが出てくる。それは、医療に関わる書類。患者は永江照菜、7歳の女児。医師名、永原全太朗。依頼科は脳神経外科。病院名は開明大学病院。領収書は月沢克司宛、診察代として。新たな登場人物への誘いを感じながら、一体どういう関係なのだろうと想像した。

    場面は展開されて、捜査会議。ここでの新たな登場人物は、係長の高倉、警察庁科学警察支援局の伊庭、脇坂の先輩、茂上。ここで新たな部局として科学警察支援局が登場する。この部局は、DNAを照合する役割を担っていたが、警察内部でもその内容はベールに包まれていた。いわば秘密部局のようなものを想像した。デジタル化が進む社会の中で、警察の捜査も進化しているのだろうな。DNA鑑定をした結果から事件の顛末が判明していくことはあるだろうから。ただ、この謎の部局の存在は、この物語の想像世界に影響を与えていくのだろうと、この部局の正体を気にしながら読み進めていった。

    脇坂は陸真に会いにいく。要件は克司の携帯の発信履歴にあった永江多貴子の存在についての確認だった。ここで、克司が保管していた医療の領収書に記載されていた永江照菜と結びつくこととなっていく。さらに、克師が作成した顔写真入りのノートを見ながら、陸真はあることを思い出し、語り始める。それは、氏名欄に新島史郎と書かれている写真だった。新島は、T町一家3人強盗殺人事件の犯人。事件は17年前に起こり迷宮入りしていたが、数年前位に解決したと記載されていた。陸真が思い出したのは克司がこの写真は他の写真と違い人生を感じさせるものがないといったものだった。陸真も脇坂も、その意味は理解できなかった。しかし、あえてその写真や新島という人物が出てきたことに、胸がざわついた。何かが起こりそうだな、そんな予感を持ちながら新島に関わる出来事に注目しながら読み進めていった。

    陸真と純也は、永江多貴子を探しに数理学研究所を訪れる。ここで陸真は冒頭のシーンで出会った円華と再会する。名前は羽原円華だと知る。そして、円華の口から衝撃の事実が語られる。それは、永江照菜の父親は、克司であり、その母親は多貴子であるということ。つまり、陸真と照菜は兄妹であると。陸真のざわつく心中を想像する。そして陸真と純也は永江親子に会う。克司と多貴子の出会いは、末期癌の患者との接し方がテーマのセミナーだった。克司の妻、陸真の母は、当時末期の乳がんだった。多貴子はセミナースタッフとして働いていた。そのような中で、克司の妻、陸真の母は亡くなった。そこから、克司と多貴子の付き合いが始まったということ。このことは、陸真は知らなかったし、克司も伝えなかった。そこには、克司なりの心遣いがあった。結果的には、このようなことをきっかけにして、陸真が知ることになるとは、克司も思っていなかっただろうな。多貴子は克司との付き合いについて、丁寧に陸真に伝えた。陸真の心中は複雑だろうけれど、克司と多貴子は互いを尊重しながら、陸真や照菜のことを大切に考えていたことは伝わってくる。どうしようもない状況ではあるけれど。

    そして、話は数理学研究室という施設についての説明に移っていく。ここでは、円華の説明に。研究内容の一つにエクスチェッドがあった。それは、脳神経に疾患を持っている子供において特殊能力を備えていることが多いということを研究しているとのことだった。つまり、照菜もその一人ということ。特殊能力を備えていることは、円華にも当たるのかなとも想像できる。照菜は、一度見たものを完全に記憶できる、一方で、声が出せない。困難な状態だなと想像する。そして、照菜の手術に係る費用が高額で、克司が援助していたということが分かった。冒頭の領収書は、この費用だったということ。そして、その金の出どころは、通帳の記載により、2人の名前が明らかになっている。その2人の名前は、克司のノートに記載されていたと照菜が反応する。そのノートは脇坂が陸真から借り、多貴子と照菜に見せていたということだった。一瞬にして、照菜は記憶していたということ。ここから、この照菜の特殊能力が物語に大きく影響していく予感を持った。この照菜が見つけた2人の情報を脇坂に伝えることにする。その見返りとして、円華が脇坂に情報提供を申し出る。それは、克司の遺体発見に係る正確な日時と場所だった。やむなく伝える脇坂。この辺のやりとりは、現実にはありえないだろうなと思いながら、登場人物の個性も感じられ楽しくもある。

    次の日、円華は陸真と純也を誘って、脇坂から聞いた遺体発見現場を訪れる。克司の死因は溺死。円華は克司が行方不明になった日にちや身長、体重、遺体発見までにかかった日数、地形から状況を整理しながら、河岸を自転車で移動する。途中、警察が捜索している現場を通り過ぎる。そこではないという円華の判断が面白いし、それだけの能力を備えているのが円華だという魅力も感じる。そして、ついに円華は犯行の現場を特定する。辺りを捜索する中で、円華の推測を裏付けるかのように、克司が使っていた虫眼鏡を見つける。

    場面は捜査本部に変わって、茂上は、克司が潜入捜査員として映していた映像を、見当たり捜査員の小倉に見てもらおうと連絡を取る。小倉は克司とかつて同じ課で勤めていて、今も現役の見当たり捜査員。そこで、小倉は映像以外にも克司が作成していたノートを見る。そこで、新たな事実が判明する。小倉のノートにはない人物が克司のノートにあるという。それが、新島史郎だった。新島史郎という人物がクローズアップされていく。重要な人物となることが物語の中で焦点化していく。この辺りの東野さんの展開にハラハラしながらも、犯行の全容が知りたいという気持ちが高まっていく。新島は船に乗っていたところを、警察官に追いかけられ、海に飛び込んだという。なので、に飯島の逮捕には至っていないということ。亡くなっているのだろうか、それとも…想像が広がる。そして、写真の新島について、小倉は、克司が言っていた人生を感じないということが分かるという、さらに色がないとも。さらに、写真は犯行前の年齢に感じるとも。私の中でも情報が絡まって、新島という存在がわからなくなってきた。一体どうしてこのようになっていくのだろう。これも東野さんの作品世界と考えればそうなのだろうな。

    場面変わって、陸真の家。円華と純也が訪れている。理由は、克司の持ち物のチェック。3人で探していると、円華は抽斗から古いスマートフォンを見つける。克司のものだという。純也が、克司のスーツの上着のポケットから、カジノのチップを見つける。この2つが、これからの展開にどう影響していくのかが気になる。少しずつ犯行の詳細に近づいていく感覚になる。東野さんの作品の面白さであり、魅力であると感じる。

    次の展開では、新たな人物が登場する。タケオ、7年前まで円華のボディガードをしていた。円華がタケオを訪ねたのは理由があった。それは、例のチップの正体を知りたかったから。克司を殺害した犯人を捕まえたかったから。克司の娘である照菜にそのことを約束したから。タケオの情報網とつながりでチップのことを知っているかもしれない人物との接触ができることになる。その人物は石黒。そこでのやりとりで、チップを使っていた闇カジノのことは分かったが、その店はすでに存在しなかった。しかし、新たな情報として闇カジノに通じる店、銀座の「ブルースター」のことを知る。そこには、ジャンケット、闇カジノにつなげる紹介者がいるという。徐々にではあるが、犯行の真実へ近づくとともに、犯人へ近づいている感じが強くなる。ドキドキしながらも読むことが楽しくなっていく。ブルースターを訪れるのは、円華、陸真、タケオ。円華の案で、円華と陸真は銀座のホステスに扮装することになる。陸真は女装ということ。ここでのやり取りは楽しい。一方で中学生の陸真の心中を想像する。ただ、父親を殺害した犯人をつきとめたいという真っ直ぐな思いが、大胆な行動にもなりふり構わず飛び込んでいけるのだろうな。タケオは円華と陸真がいる店の常連という設定。いよいよ、銀座のブルースターに乗り込む。ここで円華は切り札を使う。店員に「月沢」という名前を話題にし、同時に持ってきた「チップ」を見せる。このやり取りは軽快で心地よい、真相を明らかにしたいという覚悟が、堂々と振る舞う円華の姿を連想させる。ここで、新たな人物が登場する。赤木ダリア、銀座ブルースターのオーナー。客からはマダムと呼ばれている。赤木にも「月沢」という名前についての心当たりを訊き、「チップ」を見せる。円華の大胆な言動は続く。覚悟の強さが伝わってくる。この言動が、この後の展開に影響していく。緊張感が高まる。確実に真相に近づいていると感じる。円華の覚悟が功を奏していると特殊能力の高さだけでなく凄みすら感じる。

    場面変わって、新たな人物が登場する。フリーライターの津野知子。T町一家3人強盗殺人事件を調べていた。それは、犯人が新島史郎であることの疑念を感じていたから。このことに興味を持った脇坂は色々とやり取りをする。ここで明らかになったのは、新島が犯人であるとした根拠自体が怪しいということ。つまり、警察関係者による策略ではないかという疑念。これには、なるほどと思わず唸ってしまう。確証はないけれど可能性はあるだろうなと読みながら共感する。

    場面変わって、陸真の自宅。純也が訪れていて、ブルースターを訪れた際の顛末を、陸真は純也に話していた。そこに、脇坂から電話がかかる。会って話したいことがあるという。陸真と純也がいるところに脇坂がやってくる。ブルースターでの出来事には触れないように、脇坂と会話をする二人。現状を共有して脇坂は陸真の自宅から出ていく。しかし、脇坂は帰ってはいなかった。純也が陸真の自宅から出てきたところを捕まえ、喫茶に行こうと促す。ここからは、脇坂の警察官らしい洞察力と尋問により、中学3年の純也はブルースターでの出来事を伝えていくことになる。それは、逆に陸真と円華を守りたかったからではあるのだが。この状況なら、純也の対応も仕方ないだろうな。それでも、脇坂の方は、純也の気持ちを汲んで捜査本部に伝えなかったところが面白い。脇坂の誠実で真摯な内面を想像する。

    場面変わって、闇カジノへ潜入する。しかも、円華と陸真だけで。相手の要求だったため。前の場面でのやり取りで、円華はカジノで店側が儲ける提案をしていた。ルーレットのディーラー役を任せてみないかというものだった。円華は自分の能力で、思った数字にボールを操ることができたのだ。そんなことはできなだろうなと思うからこそ、その能力の魅力も感じている。それが円華自身の魅力にもなっている。一方で、円華と陸真には狙いがあった。隠しカメラで店内を録画し、持ち帰って、克司の残していたノートの写真と比較し、同一人物を炙り出そうというもの。物語が佳境に入っていて、緊張感が高まるとともに、いよいよ犯人が明らかになるだろうという期待が高まる。円華は、見事に店側に利益をもたらしたが、隠しカメラを使っていた陸真はそのことがバレてしまい、没収される。しかし、円華はさらに上をいっていた。別の方法で映像を撮ることができたのだ。それが巧妙で円華の賢さに唸ってしまっていた。映像とノートの写真の比較では、照菜の特殊能力の力が発揮され、ついにある人物へ焦点化される。それは、ノートの写真ではなく、克司のスマートフォンに残っていた映像との照合だった。ここからは、怒涛の展開で犯人に迫っていく、それは、なぜか円華と脇坂のコンビ。そこまでのやり取りで自然な展開には感じるけれど、面白いなこの組み合わせ。ラストに向かって危険な目に遭う二人。そこに登場する陸真。そこにも陸真と円華ならではの関係性とやりとりがあった。すっかり互いを信頼していることが伝わってくる。互いに嬉しいだろうな。そして、その展開の中で明らかになる事件の背景と警察の闇。そんなことはないだろうと思う気持ちと、いやありうるかもしれないと思う気持ちが交錯する。いずれにしても、陸真にとっても照菜と多貴子にとっても、円華にとっても、純也にとっても、犯行の全容が解明され犯人が判明したことは何よりだったな。犯行の理由は納得できるものではないし、悔しい思いは消えないだろうけれど。

    ラストシーンは、中学3年の陸真と純也のやり取り。なんだかいいな。切なくやるせない思いも持ちながらも、二人の関係や互いを思い合う気持ちに包まれながら、穏やかに読了した。東野さんの作品に出てくる登場人物の魅力を味わいながら、伏線を絡ませながら展開していきラストで加速していく展開にドキドキが高まっていた。展開の巧妙さにも圧倒される。次の東野さんの作品がますます楽しみになる作品と出会えて嬉しかった。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      東野圭吾さん、好きな作家さんのお一人なんだけど、なかなかタイミングが合わない…。
      「いいね」ありがとうございます。

      東野圭吾さん、好きな作家さんのお一人なんだけど、なかなかタイミングが合わない…。
      2025/08/10
  • 金曜日は春分の日の振り替えで会社がお休みだった。

    最近手荒れが酷い為、朝から皮膚科に並び、その後腰痛改善の為に整骨院。。。

    腰痛の痛みが凄すぎて、腰には触れず、整骨院の先生は肩の可動域を調整してくれた。
    あー腰は痛いままかぁ。。。とガッカリして帰宅するも、不思議なことに腰の痛みが時間と共にどんどん改善されていく。
    整骨院の先生、マジすごいわぁ。。。


    ちょっと疲れたので夜から読書。
    疲れた日は東野圭吾先生が良いですねー(*^ω^*)

    読みやすいし、サクサク物語が進んでいって全く飽きない。

    この物語はラプラスの魔女シリーズ。
    前作は勿論読んでいるのだが、円華という名前は記憶しているも、細かいところは忘れてしまっていた。
    でもやっぱり楽しめる(*^^*)


    指名手配の写真から、犯人を見つける見あたり捜査員。陸真の父親はかつて見あたり捜査員だったが、AIにその立場を追われ、転職していた。
    ある日陸真の父親が殺される。

    陸真と友人の純也は2人で犯人探しを始める。
    その時、以前偶然出会った円華と出会い、円華と共に事件の真相に迫ることに。

    流石東野圭吾先生。
    相変わらず面白いし、AIやらゲノムモンタージュやら、また興味を引くような話題が盛りだくさんだった(*^^*)

    どこまでが真実かわからないのだが、Nシステムも進化してるのね。
    悪いことはできまへんなぁ( ̄▽ ̄)

    • bmakiさん
      ひま師匠

      マジっすか!
      今野さんが言うなら間違い無いっスね。
      じゃ、サボらず通います!
      今年は休まず続けます( ̄^ ̄)ゞ
      ひま師匠

      マジっすか!
      今野さんが言うなら間違い無いっスね。
      じゃ、サボらず通います!
      今年は休まず続けます( ̄^ ̄)ゞ
      2024/03/23
    • shintak5555さん
      シンタロウと申します!
      以後お見知りおきを!

      肩を調整して腰を治す!
      そうです!実は関節痛の多くは関節が痛いのではなく、その関節骨にくっつ...
      シンタロウと申します!
      以後お見知りおきを!

      肩を調整して腰を治す!
      そうです!実は関節痛の多くは関節が痛いのではなく、その関節骨にくっついている筋の接着面の炎症です。
      即ち、痛みのもとになっている筋がどこからどう繋がっているかで治療が変わる!
      肩から来てる筋をほぐす事で腰骨の接着面が緩和されたんでしょう!
      柔道整復師(国家資格)の施術です!

      毎朝毎晩、テニス前後、水泳前後、自転車前後のストレッチは時間をかけてやっている高齢者ジジイです!

      そうそう!
      ラプラスは良いですね!( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
      2024/03/24
    • bmakiさん
      シンタロウさん

      コメントありがとうございます∩^ω^∩

      正にその通りで、私の先生、柔道整復師さんです。
      時間をかけてストレッチ...
      シンタロウさん

      コメントありがとうございます∩^ω^∩

      正にその通りで、私の先生、柔道整復師さんです。
      時間をかけてストレッチすることで、体の不具合が起きにくくなるんでしょうね。
      私も見習わないと。。。

      昨日は腰の調子が良かったのですが、今日はまた悪くなり。。。
      明日から仕事なので、また悪化しそうです。
      次の施術の日まで、一生懸命ストレッチして、なんとか歩けるレベルをキープせねば。。。

      ラプラスは良いですね(๑˃̵ᴗ˂̵)
      2024/03/24
  • AIと人間の力、魔女から見えた我々の未来は… ラプラスの魔女シリーズ第三弾 #魔女と過ごした七日間

    ■きっと読みたくなるレビュー
    本作のテーマは明確にAIですね。もはや日本一のミステリー作家にも関わらず、意欲的に最新の話題を取り込んでくる。AIと魔女の力をうまく融合させながら物語に組み込み、しかもエンタメ感抜群な長編に仕上げてくる。まぁ間違いない面白さです。

    東野先生の強みであるストーリーテリングが存分に発揮され、これまでラプラスの魔女シリーズを読んできた人は必読です。ただ本作はあくまで魔女は脇役、詳しく背景は語られませんので、未読の方はシリーズ一作目から読むことをおすすめします。

    本作の読みどころは、AI社会と付き合いを深めていく人間たちの問題性。技術の進歩を合理的に利用しつつも、無秩序に使われかねない危険性を描いています。もちろんフィクションですが、すでに実現化されているようで怖いよね。

    今回の主人公は男子高校生なんですが、これが上手に書けてるのよ。まだ少年の彼が大人の世界に踏み込む冒険小説にもなっていて、展開に目が離せなくなる。友人とのやり取りも純粋で可愛く、思わず応援しちゃいたくなるんですよね。

    また警察内部の人間関係、微妙な駆け引きも丁寧に描けてるんです。しっかり物語を楽しく読ませていく進行はプロの技で、本当にストレスがない。どのキャラクターも魅力たっぷりなんで、ぜひ映画化されてほしい。

    そして円華の冷静さと優しさ、意思の強さ、正義感は健在。相変わらずカッコイイ!今回は高校生たちが大活躍ですが、勝手な想いとしては、できれば円華自身が成長していくような物語も読みたいな~。次回作も期待しております!

    ■きっと共感できる書評
    本作では様々なシーンでAI技術の描写がされており、考えられる近未来の世界。AIと人間の力、魔女からは未来はどう見えているでしょう。

    めざましい科学技術の進歩と、それに振り回される我々人間。家族を失い一人になっても、立ち向かっていった本作の主人公のように、我々も個々ひとりひとりが問題に対して考え、行動をしていかねばなりません。

    昨今の文章生成AI、すごく便利で利用もさせてもらってますが、所詮はありものから高速処理しているだけとも言える。0から1を生み出す人間の可能性を信じ続け、これからも私なりに本のレビューを書き続けたいと思いました。

  • AIによる監視システムが強化された日本。
    指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。
    不思議な女性・円華に導かれ、
    父を亡くした少年と親友の冒険が始まる。

    新作のために徹夜で読んだ前作ラプラスシリーズ。
    本当に面白かったです!
    ですが本書はなんだかしっくりこなさすぎて
    感想すら書くことを放置しておりました。。

    作品の勢いとしては「ラプラスの魔女」と「魔力の胎動」の間という感じ。
    スピード感があるような無いような。。

    円華の成長を感じつつ、
    少年たちの夏の7日間を追いかけます。

    ラプラスの魔女はしっかり新たなジャンルで
    かつ、かなりドロドロした東野圭吾サスペンス
    という感じでとても楽しめたのですが。
    本書はライトすぎるような。。
    まぁタイトルがまず可愛らしいですし
    ラプラスシリーズというには少し物足りない。

    決定的な部分や伏線回収が弱すぎる箇所もあり
    うーん。。

    感想はビミョーな感じになってしまいましたが
    これをシリーズとして続けてくれているのは嬉しい!

    いつも思うのですが、
    東野圭吾さんは少し先の未来を読むのが上手。
    かなり前の作品でもジェンダーの内容など
    10年後くらいに話題になっていそうなことを
    しっかり盛り込んでくる。
    なさそうであり得そうな設定なので引き込まれます。

    毎度異常なスピードで新作を読ませてくれる
    東野圭吾さんに感謝です。

    • SHIORIさん
      shintak5555さん、コメントありがとうございます^_^
      参考とは畏れ多いです。。
      もしラプラスの魔女を読まれていないのであれば個人的...
      shintak5555さん、コメントありがとうございます^_^
      参考とは畏れ多いです。。
      もしラプラスの魔女を読まれていないのであれば個人的にはそちらを先に読むことをオススメします!
      本書を最初に読んでいたら私は今後もこのシリーズに興味を持っていないかも。笑
      やはり東野圭吾さんということでどうしても期待値上がっちゃいますよね〜
      shintak5555さんの感想がアップされるのを楽しみにしています♪
      2023/05/19
    • shintak5555さん
      ラプラスシリーズは大好きで、七日間もいち早く図書館予約したんですが、まだ未読です。
      ほどほどの期待で読むべし!というアドバイスと受け取ってい...
      ラプラスシリーズは大好きで、七日間もいち早く図書館予約したんですが、まだ未読です。
      ほどほどの期待で読むべし!というアドバイスと受け取っています。笑笑
      どちらにせよ楽しみです。
      2023/05/19
    • SHIORIさん
      shintak5555さん、
      なるほど!本棚にラプラスシリーズがなかったので未読なのかと思ってしまいました〜(-。-;
      早く順番が来ますよう...
      shintak5555さん、
      なるほど!本棚にラプラスシリーズがなかったので未読なのかと思ってしまいました〜(-。-;
      早く順番が来ますように♪
      2023/05/20
  • 3.8

    物理現象の予測に長けた円華(ラプラスの魔女)が主人公。今回は元刑事の父親を殺害された少年 陸真を助け、真相を暴いていく。テーマは重いが、途中のストーリー展開が薄っぺらかった。
    シリーズの第1弾が良かったので期待しましたが、…。15歳少年の夏の冒険譚と考えれば、良かったかな。もう一人のラプラスの悪魔の再登場を期待します。

  • 魔女の推理と魔女の行動力に引き込まれました。自分の可能性を諦めないで自分の頭で考えるとい強い信念をもっている円香。陸真の父を殺した犯人を最後見つけてスッキリ!

  • 近未来の世界と魔女が出て来る不思議な作品。魔女は続編だったことを読み終わった後に知る。
    日本人のDNAが知らない内に採取され、街頭のカメラと組み合わされて犯人の検挙率が飛躍的に上がる時代。40年以上前の学生時代にアルバイト先に事務所荒らしが入り、掌紋や指紋を取られた事を思い出す。あのデータが残っているような気がして、悪いことがしづらい(^^;
    不思議な能力を駆使する魔女だが、能力の秘密が明かされていないのが気になる。
    中学生の少年の父親が殺された事から始まるが、魔女の力を発揮し、この中学生を巻き込んで事件に立ち向かって行く。躊躇無く敵方に乗り込んでいくので、疾走感が凄い。次々と場面が変わっていくので、どんどん引き込まれてしまう。
    組織が絡むと結論がぼやけて仕舞うのが残念。闇に紛れてしまったようだ。

  • ラプラスの魔女シリーズの3作品目


    読んだ内容をすぐ忘れてしまうタイプなので
    ラプラスの魔女のみ読み返してから
    こちらを手に取りました(^^)


    やっぱりほとんど覚えてなかったので
    読み返してよかったです笑


    さて、本作品はラプラスの魔女から7年?くらい経過しているようで、ほんのちょっと未来の話でした。


    元警察官の父が殺され
    その犯人を追う話です


    途中円華と出会い、事件は進展していきます

    円華も相変わらずのところを残したまま
    成長している姿を見られたのも嬉しいです


    円華の能力あっての事件解明ですが
    少年の目線で描かれていて爽やかでしたー
    中学生の2人がいいですね(^^)
    友情に胸が熱くなります


    途中警察の闇についても描かれています
    監視、管理されていく私たち
    怖いけど、メリットもあるという台詞には
    思わず頷いてしまいました…
    これから私たちの世の中は
    どうなっていくんでしょうね
    何も知らされないまま、
    管理されていくんでしょうか


    あと妹や恋人の存在は
    なんだか腑に落ちないまま過ぎてしまいました
    腑に落ちないというか、
    物語に描かれている父親の姿と
    なんとなく一致しないというか、
    最後にはなんか裏があるのかなと思ってたけど
    何もなかったなー

    私だけかな


    でも読みやすい作品でした(^^)

  • 陸真の父親は、AIによる監視システムが強化された結果、指名手配犯捜しのスペシャリストだったが、人員削減され、警備保障会社に再就職していた。

    そんな父親が、何者かに殺害された。

    陸真は、親友の純也と、自称「魔女」と言う不思議な能力を持つ女性・羽原円華とで、犯人探しをすることになった。

    映画化されたら、魔女はどの女優さんが演じるかな?陸真は?と、
    愚にもつかないことを考えた。

    顔認証システムやゲノム・モンタージュなど、数年経てば、当たり前になるのか。
    今は、スマホの顔認証が働かなく、イライラすることが度々あるが、それくらいが、ちょうど良い。

  • ラプラスシリーズ3作目。
    羽原円華が立派な大人の女性に成長してる!
    これまで、運転は桐宮女史。
    ボディーガードにタケオが付いていた。
    今作では、自分でピンクの車を運転し
    ひとりで自由に事件解決のため駆け回る。

    円華の不思議な力にはさらに磨きがかかり、
    父親を亡くした少年と少女のため
    危ない世界での交渉をやってのける。
    さらに、警察内部の闇にも迫ることに…。
    ミステリー要素満載の一作でした。

    東野圭吾さん、この作品で
    大きく二つの問題を投げかけているのでは?

    ひとつは、国家によるデータ管理の問題。
    DNAやマイナンバー、監視カメラ映像など。
    国の都合の良いように情報管理をされていないか。
    「法律は国家にとって都合のいいように作られている。
    何が正しいかは、自分で考えなきゃいけない」
    これは円華が少年たちに言った言葉です。

    もうひとつは、AI社会に対する警告。
    「人間の可能性をもっと信じるべきです。
    AIを相手に卑屈になってどうする」と。
    そして、複雑に絡み合う事件の鍵は
    まさに『AI vs 人間の能力』にありました。

    今、話題のチャットGPT。
    産業革命以来の大発明だと言う人もいます。
    学習能力の高さには唖然とさせられますが
    使うのは人間の方で、
    けっして使われてはいけないですよね。

    次々に繰り広げられる新たな展開。
    読者を わくわくドキドキ させながらも
    現代の問題点を鋭く突いてくるところ、
    さすがです。

    最後にふたつ。
    円華さんのピンクのニット帽、
    表紙の絵に描いてほしかったな。
    そして、最終章の陸真の引越し。
    段ボール箱二つだけの持ち出し荷物。
    なぜそれを? ちょっと不思議。
    もしかしたら、次作の伏線になるのかな?

  • 中学生の陸真が、図書館で出会った女性との不思議な記憶を残したその夜、父の帰宅が遅くなると連絡が入ったまま数日後に亡くなったことを知る。

    陸真の父は、以前警視庁の刑事であり見当たり捜査員をしていた。
    だがAIに取って代わられ、転職をして警備保障会社の潜入監視員をしていた。
    父の死について警視庁捜査一課の脇坂刑事が聞きに来てから部屋の中から見覚えのないものを発見していく。
    陸真は友人の純也と父親のことを知るべく動き出す。
    そうして再会した女性が、図書館で出会った円華だった。
    行動力のある彼女とともに事件を探る。
    その結末は、やはり…と


    AIの発展も目覚ましいが、DNA解析による復顔術などそれらのシステムばかりに踊らされて、真実を見極める力を無くしてはいないか、間違った使い方をして別物とすり替えてはないか、などと思った。

    今の時代、進化していくのは喜ばしいが、見失ってはいけないこともあると感じた。

    中学生2人の夏の冒険は、ちょっと過激ではあったが充分に友情を確認できただろう。
    彼らが大人になる頃は、もっと変わっているのだろうか。


  • 途中から、これからどうなるのーって、ドキドキして心臓がバクバクしていた。
    最近は刑事ドラマを見てると、Nシステム
    はよく登場しているけど、ナンバーカードやDNAなど、いつの間にか私達は国の監視下におかれつつある。もう指紋とかのレベルじゃない時代が来たんだなと思う。
    悪いことばかりじゃないように思うけど、自分で考えて行動する能力が必要だと、作者は書いている。
    シリーズ三作目とのこと、前の二作もいつか読みたい

  • 「ラプラスの魔女」から数年後の話。

    街ゆく人々の顔を見てその中から指名手配犯を見つけ出す見当たり捜査員をしていた過去がある月沢克司が川で遺体となって発見された。殺害されたと見られる。今回の主人公はその息子である陸真。母親をすでに亡くしているので、独り身になってしまった。父親の遺品整理をしてる時、通帳にある女性の名前を見つける。女性がいると思われる場所を訪ねると、そこには羽原円華がいた。円華は陸真から話を聞き、彼の父親の死の真相を探ると決める。調べていくうちに、事件の背後には警察を巻き込む巨大な闇があり…。という話。

    興味が惹かれたのはゲノム・モンタージュの話。遠くない未来には、すべての人の顔とDNAが紐づけられ、管理されることになるのだろうか?単なるディストピアとはいえない世界。もちろん反対意見は多数出るだろうが、最終的に国民はメリットを取る選択をするのかもしれない。

  • 「ラプラスの魔女」に登場していた羽原円華は17歳だった。
    あれから七年、彼女は24歳になり、今は数理学研究所の職員をしている。

     七月十日、多摩川に人が浮いていると通報があった。警察の調べによると男性の氏名は月沢克司で、帰宅しない父親を心配して行方不明届を出したのは、唯一の同居家族である中学三年生の息子月沢陸真である。

     月沢克司は、二年前まで警視庁に籍を置いていた警察官だった。亡くなる前の勤務先は『PASTA』という警備保障会社である。
    彼は退官後も、警察の未解決事件の犯人を追っていた。

     陸真は、所轄署の刑事脇坂拓郎から、家の中で、亡父の持ち物を整理(確認)するよう依頼され、リビングボードの中から、「検査詳細情報」を見つけた。『患者氏名・永江照菜七歳、女性・依頼医『羽原全太郎』依頼科「脳神経外科」となっており「開明大学病院」と記された書類を見つけた。診察代は月沢克司が支払っていた。同時に克司の預金通帳を見ると、多額のお金が振込まれ、翌日には「永江多貴子」に振替えられていた。どういうことか?陸真の友達、宮前純也と共に真相を探るべく、謎を追っていく。そして事態は思わぬ展開を繰り広げる。

     円華は陸真の目前で、信じられない光景を見せる。タネも仕掛けもない。何故、そういうことが出来るの?と尋ねると、「わたしにもわからない。ただ私は魔女だからよ」と。

     推理が出来ないミステリーに思えるが、伏線は外していない。
    犯人だと思っていた人物像が全く見えてこない。
    目まぐるしく展開する攻防に手に汗を握り読み切った。

    著者は、この作品で訴えたかったのは、○○に対する危機感ではなかろうか。国家が国民を管理する功罪を問う。

    読書は楽しい。

    物語の展開に関係なく、円華は研究のため渡米する。
    モンスター級の竜巻の研究か?
    それとも行方不明の「ラプラスの魔女」に登場した彼を捜しにいくのかな?
    円華の行動が読めないw だって魔女だもの!

  • さすがです東野さん。
    圧巻の筆致。
    ハラハラドキドキのストーリー。
    捜査方法も最新の技術。
    そして警察の闇。
    どこからどこまでがフィクションなのか分からない。
    それくらい信憑性高く描けているということなのでしょう。
    衰えることのない東野ワールド。
    前二作のことすっかり忘れちゃったから、読み返したくなった。

  • AI監視システムが進んだ日本を舞台に魔女こと羽原円華と父親を殺された中学生が、犯人に迫って行きます。

    大人になった円華ですが、相変わらず周囲を振り回す様子があり、前作から空いてしまいましたが、すんなりストーリーに戻ってこれました。

    父親を殺された陸真は中学生にしては本当に落ち着いています。様々な真実が明らかになる中でも立ち直りながら前に進んでいる姿を応援したくなります。

    超能力のようなことを次々出していく円華は前回と一緒。すぐに引き込まれます。

    次回はどんなバディと組んで事件を解決していくのか楽しみです。

  • 陸真の父が殺された。
    親子ふたり暮らしから陸真は突然ひとりぼっちに。

    魔女との出会い
    銀行口座の怪しい履歴
    父の恋人
    腹違いの妹…
    目の当たりにする新事実に戸惑いながらも、親友の純也と2人で真相解明へと足を踏み入れていく。

    今年初読みはこれ。
    東野圭吾さんの100冊目とのことだけれど、私にとっては48冊目?かな??

    例えば目あたり捜査員をしていた陸真の父、例えば生まれながらに特殊能力を持ったエクスチェッドたちはAIよりも優れているのか?
    DNAと写真付きIDカードで国民の情報を管理することは善なのか悪なのか。
    今後社会に蔓延するであろうデジタル化への警鐘ともいえるこの作品。
    中3の陸真と純也の目に映る大人の社会とは…

    東野圭吾さんの著作にはミステリーの中に時折ファンタジックとも思える要素が入ってくる。
    社会の闇が織り込まれた作品ながら、中3の2人の爽やかさとミステリアスな円華によって不思議な読了感をもたらす。

  • さすがに読ませる力、引き込む力はやっぱり大したものですね!
    一気呵成に読了 です笑
    なにかと騒がしいAI進化やマイナカードやに警鐘を鳴らしながらのエンタメ作品でありました♪
    このシリーズでは著者も楽しみながら書けるのでしょうか?けっこう笑える要素をあちこちにばら撒いていて気楽に楽しむことが出来るものになっています。
    しかしながら後半ではリアリティーから離れ過ぎて劇画調になってしまいザンネンでした。

  • 『ラプラスの魔女』シリーズ第三弾。

    “見当たり捜査員“という、指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事の死体が多摩川で発見されます。
    父を亡くした中学生の陸真は、不思議な能力を持つ女性・円華と出会い、ひょんな事から彼女や親友の純也と共に、事件の真相を追う事になって・・・。

    少年の冒険×警察ミステリ×空想科学=はい、エンタメ要素てんこ盛りでございます。
    個人的には“ラプラス・・”シリーズの中でも一番楽しく読めました。

    “ラプラス・・”の魔女・羽原円華が大人になって登場。
    その特異な“能力”は相変わらずで、加えて迷いのない行動力と切れ味の良い発言(多分、ひ〇ゆきを凌駕する論破王もとい女王かとww)、しかも美人!ときては、男子中学生二人でなくても“ついていきます!”って言いたくなってしまいます。
    そう、この物語を楽しくしているのは、二人の少年の友情なんですよね。
    本当、陸真の親友・純也がめっちゃいいヤツで(純也の家族もいい人達)、彼が登場する場面では癒されていました。
    あと、“ラプラス・・”で円華のボディーガードをしていた、いぶし銀キャラ・タケオさんも登場します~。
    肝心のミステリ要素も、過去の一家斬殺事件と警察の闇を絡めてきてグイグイ読ませる手腕は、流石東野さんですね。
    話は、陸真の視点と並行して事件を追う脇坂刑事の視点が交互に展開する構成になっておりまして、後半で、円華と脇坂刑事が大ピンチになるのですが、個人的にはそこがハイライトで、彼らを救った“ヒーロー”達に思わず拍手の私でした。
    そして、本書の肝は、AIやDNAデータベースといった、行き過ぎた監視&管理社会への警鐘というテーマが根底にあるのかなと思います。その辺も考えさせられるものがありましたね。

    因みに、脇坂刑事が日本橋にある“所轄の刑事”から教えてもらった定食屋で食事をする場面があるのですが、その“所轄の刑事”が“あの人”に関係するのかも・・?と勘繰ってしまった次第です。

  • ラプラスからの続編。実写の影響で円華を「広瀬すず」に変換して読ませていただきました。所々に登場する円華の能力が「あるべき事象」として物語に溶け込まれて描かれてる件が痛快で気持ち良かったですね。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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