カナリア外来へようこそ (角川文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • KADOKAWA (2024年4月25日発売)
3.57
  • (27)
  • (62)
  • (91)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 769
感想 : 65
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041133088

作品紹介・あらすじ

街の片隅にある小さな医院、保泉クリニック。院長の代替わりを機に始まったのは、過敏症の人向けの特別外来だ。
特定のにおいで頭痛が起こるWEBデザイナー、早期退職した夫との時間が増えた途端、体調を崩しがちになった主婦、ある日突然味覚障害になった料理人……。
様々な悩みを抱える患者たちを出迎えるのは、仏頂面で不愛想な女性医師と、優しいけれどおっちょこちょいな男性看護師という、ちょっと変わった2人だった。
心温まる新感覚医療小説、開幕!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 過敏外来。
    他の人からはあまり分かってもらえない辛さを診てくれます。

  • 仙川環さん初読み。仙川さんは医学系研究科の大学院を出たあと、新聞社で記者として医療技術系の記事を担当していたとのこと。本書では化学物質過敏症や香害に悩まされる患者専門の外来を設ける町のクリニックを舞台とした5編の短編が収められている。大柄な女医とイケメン男性看護師のコンビが患者を迎える。その構成に、奧田英朗さんの伊良部医師シリーズが一瞬頭をよぎったが、本書にコメディ要素はない。愛想がなく大柄なため、受診した患者がみな最初は面喰らっていたが、この女医さんが患者に寄り添い、解決に導くことのできるとんでもない名医だった。5編とも、それぞれの患者の日常生活と共に描かれており、それぞれが持つ症状に応じ、生活や仕事に支障が出てしまっている様子はつらかったが、女医さんの誠実な診断に、他人から理解の得難い症状で苦しむ患者さんたちはとても救われているだろう。

  • 過敏症の人のための外来を訪れる人たちの、様々な症状にまつわるお話し。
    過敏なものには、匂いだったり、音だったり、夫だったり??
    わたしは一体何の影響でこんなにつらいんだろう?と悩める各ストーリーの主人公たちが、このクリニックに訪れます。迎えるのは、背が高くて無愛想、仏頂面の女医さんと、美形だけど声はしわがれていて、おっちょこちょいな男性看護師。
    なんて個性的なキャラ設定。
    でもこのお2人、2人ともがとても優しくて。もし続編が出るのであればまた読みたいな。

  • 過敏症向けのクリニックのお話
    私もどちらかというとアレルギー体質なので、「原因が分からない」「ストレスでは」とか適当なことをいわれる辛さはよく分かる。
    こういう親身になって聞いてくれる外来があったらいいなと思うが、すぐパンクしちゃうだろうなとも思ったり。
    話の方は、解決するものと、うやむやな感じになるものと両方あって、いまいち"爽快感"はなかったかも。

  • ’25年5月2日、読了KindleUnlimitedで。仙川環さんの小説、初です。

    様々な過敏症に苦しむ患者さん達、そして医師と看護士のお話し。さすがに名前位は知っている、様々な過敏症…幸い、僕は今迄症状が出たことは無いので、実感としては経験ありませんが、大変なのがわかりました。周囲の人達の、「知る」ということも、大切なのですね。

    小説としては、面白く読み進めました。他の小説も、読んでみたいです。

  • 2025.09.02〜09.04

    病は辛い。特に、内科系や神経系は見えないが故に、人にわかってもらえない。だから、本当に辛い。病は気から、なんて良く言われるけど、その都度思う。「お前が同じ目にあったら、私もそう言ってやるわ。」
    そんな人たちに寄り添ってくれる、保泉先生は神だと思う。巡り会えてよかったね。

    健太とはどうなったのか、気になる。

  • 過敏症の人に向けた特別外来を描いた話
    香害や化学物質過敏症は知識としておぼろげに知っていたけど、普段の生活がままならない人もいるとは知らなかった
    自分がいい匂いとして使っている洗剤なども誰かの健康を損ねる恐れがあるってことだろうな〜

    今や国民病と言われる花粉症だけど、はっきりと原因がわかるまでこういう扱いだったのかもなと思った…
    (春になるとくしゃみと鼻水がすごいんだよね〜気のせいだろ〜的な…)
    そこにある何かで自分がままならないのに、ただ気のせいや神経質だな〜と簡単に片付けられるのはあまりにも辛い
    保泉先生は態度はあんまり良くないけど、誰よりも患者に寄り添っていてすごく良かった

  • 過敏症の方の専門外来。有毒ガスに敏感なカナリアに準え、カナリア外来というネーミング。

    過敏症は周囲の理解が欠かせない。
    着眼点が面白いと思った。
    啓発系ジャンルとして、レインツリーの国も思い出した。

    こんなお医者さんと巡り会えたら幸せだろうなあ。人として寄り添ってくれることは、確かに何よりの処方箋かもしれない。

    ブックカフェで目をひいて購入した。

  • 過敏症をテーマにした連作短編。医療ミステリーっぽさもあり、さくっと面白く読める。先生や登場人物のキャラもよい。

  • 仙川環のカナリア外来へようこそを読みました。
    化学物質過敏症などの他人には理解されにくい症状をテーマにした小説でした。

    物語はそのような症例の紹介で終わってしまっているので、ミステリ的なもうひとひねりがほしいと思いました。

  • ◆きっかけ
     職場の緑化委員長が お盆前に貸してくr
     活字に枯渇しないように って 有り難や

    ◆内容
     カナリア外来 過敏症の外来
     保泉医師 仏頂面 ぶっきらぼう
     におい 低周波 シックハウス等
     5章

    ◆感想
     夫源病(フゲンビョウ)ってコトバ
     知らなかった
     2章・松崎和歌子みたいな症状で
     トビイリ受診する方 いっぱい居る
     本人は大変なんだろうにな
     保泉先生みたいに対応できる医者って
     いないべなぁ〜

  • いきなりの文庫化が勿体ないほど面白かった。

    無愛想な女医とイケメン看護師がいる保泉クリニックには過敏症向けの特別外来がある。

    本作では香害に悩む女性、夫源病を疑う主婦、味覚障害の男性、娘のアレルギーに悩む夫婦、シックハウス症候群に向き合う男性など5つの症例が描かれる。

    私も香水や柔軟剤のキツイ香り、煙草の匂いが苦手で、低周波音にも悩まされているので、患者達の気持ちに共感出来た。

    原因が意外な所にあったり推理小説の味わいもあって楽しい。

    足組み&不愛想な所はいただけないが、患者の苦しみに真摯に向き合う姿勢が胸を打つ。

  • 各章の登場人物、病院の先生らにまったく魅力を感じず…話も特に印象に残るものはなかった。

  • 過敏症はつらい。
    他の人は何も感じないことが多いから、なかなか分かってもらえないので、二次的につらい。
    けれど、今は症状が出ていないだけで、だんだんコップの中に水が溜まり続けると、ある日突然あふれ出るようにあなたも過敏症になるかもしれない。
    そんな危機をいち早く察知してくれるのが過敏症の人たち・・・つまり「炭鉱のカナリア」
    原因が分からないうちは病院に行っても嫌な思いをしたり、自分であれこれ疑って、周りの人たちともギクシャクしたり。
    今はインターネットでなんでも調べられて、便利な点もあるけれど、思い込みで間違った方向に進んでしまうこともある。
    看護師のレンくんが言った「情報過敏症」という言葉も、言い得て妙でしたね。
    仏頂面だけど、分からなかったことは素直に謝り(お医者さんはこれ、あまりできない)、一緒に原因を探してくれる、保泉則子医師に好感を抱きます。
    先生にも大変なドラマがあって。
    4章の、母親に洗脳されている妻はなかなか強烈でした。

  • ぶっきらぼうな先生の奥にある優しさは温かいなぁと思いました。周りになかなか理解されにくい症状があり困ってるとき、こんな先生がいてくれたら心強いと思いました。

  • 過敏症向けの特別外来と、風変わりな先生、いいキャラの看護師さん、寄り添う医療という視点で描かれていて、よくある小難しい医療用語が並ぶ感じではない作品なので、スッと読み進むことができました。
    皆が一様に物事を感じるわけではなく、また身体も一様に反応するわけではない。
    当たり前のことなのに、じゃあ、それを前提に周りの人に接することができるかというと、それは当たり前にできることではなくて。
    そういうことを考えて、ちょっと成長させられた作品でした。

  • 「化学物質過敏症」の患者さんを“炭鉱のカナリア”に見立てている「カナリア外来」。
    そこへ助けを求めてやってくる患者たちを描いた連作短編集です。

    私は化学物質過敏症というほどではありませんが、1話目の花奈さんのように、きつい香水や特定の柔軟剤で頭痛が起こる体質です。
    読みながら、そうなんだよね~と頷いていました。
    相手が悪いわけではないと知っていても、自分にとって実害があるので相手を避けてしまったり、無意識下で嫌ってしまうこと、(私は強い香りの人とすれ違うときに息を止めたりもしています)外の空気を吸いたくなることなどなど。

    話の中で「一部の人への配慮が必要なのはわかるけれど、そのせいで大多数の人間が大変な不便を強いられるのは……」と言われるくだりがありますが、世間的な反応はそんなものだよな、と思いました。
    (「大多数の不便って何ですか?」と私なら尋ね返してしまいそう)

    世界から化学物質すべてを失くすことなんてできないし、そんなことは現実的ではありません。
    ただ、少しだけ気に留めてくれる人が世の中に増えたら、苦しむ人は減るのかもしれないと思いました。

    この本を読んでいていいなと思ったのは、「誰も悪者にしていない」こと。
    「困らせられている被害者 vs 困らせている相手」ではなく、「悪気なくしていることが誰かを苦しめてしまっていることがありますよ」と示してくれているように感じました。
    ネットでよく揶揄される「配慮の押しつけ」になっていないところが、素敵だと思いました。

  • ある日突然過敏症になったりするし、体質なんて十人十色。でも自分だけかもしれないと思ったときにこういう風に寄り添ってくれる人がいるのはとてもいいなと感じた。

  • 嗅覚過敏とか化学物質アレルギーとか知識としては知っていて、大変そうだなぁとは思っていたけど、そうした人たちを炭鉱のカナリアのような存在、ととらえていることに「なるほど!」と感心した。
    患者さん本人はもしかしたらカナリアに例えられることにいい気持ちはしないかもしれないけど、ほんの少数とはいえ人に健康被害を与える物質は他の人にも悪影響を与える可能性が高いと思うので、カナリアは言いえて妙だなと。

    ただ、お医者さんが一生懸命になるあまり話し方がぶっきらぼうになる、というのはどうだろう。患者様を敬え!と言う気はないけど、初めて会った人に対して「今日はどうした?」という声かけは適当じゃない気がした。

  • 化学物質過敏症...この本に出会えていなかったらこの先も気にすることなく生活し続けていたかも...。もちろん色んな人がいて、症状も人それぞれで、むしろ制汗剤とか使う人の理由もそれぞれあるわけで全部駄目だなんて誰も言えないけれど、どこかで苦しいと思ってる人が居るかもなと知っているかどうかは大きな違いだと思う。
    過敏症だからではなくても、苦しみに対してこんな風に寄り添ってくれる先生や身の回りの人が増えると救われる人はかなり居ると思うし心の負担も軽くなる。寄り添うこと、一緒に考えることの重要さを感じながら読了。
    読んでよかった。

全52件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仙川環の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×