欺瞞の殺意 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2023年2月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041133187

作品紹介・あらすじ

昭和41年。地方の資産家楡家の当主がゴルフ中に心筋梗塞64才で逝去。親族しかいない法要が屋敷で執り行われるがそこで殺人事件が起こる。長女と孫(早死にした長男の子)がヒ素で死んだのだ。調査を進めると、殺された長女の婿養子の弁護士のポケットから、ヒ素をいれたチョコレートの紙片が発見された。
「わたしは犯人ではありません。あなたはそれを知っているはずです――。」
無実にもかかわらず「自白」して無期懲役となったその弁護士は、事件関係者と「往復書簡」を交わすことに。「毒入りチョコレート」の真犯人をめぐる推理合戦は往復書簡の中で繰り広げられ――、やがて思わぬ方向へ「真相」が導いていく――。「このミステリーがすごい!」2021年版 国内編(宝島社)と「2021年本格ミステリベスト10」国内ランキング(原書房)で堂々7位のW受賞作品。A.バークリーの『毒入りチョコレート事件』をオマージュとした本格ミステリ長編。

みんなの感想まとめ

本作は、昭和41年の地方の資産家一家を舞台に、法要中に発生した殺人事件を描いた本格ミステリです。長女と孫がヒ素で命を落とし、無実の弁護士が自白して無期懲役となる中、彼は事件関係者との往復書簡を通じて真...

感想・レビュー・書評

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  • 地方の資産家・楡家の当主が逝去。屋敷で親族だけの法要が行われるが、そこで長女と孫が死亡する殺人事件が起き、殺された長女の婿養子の弁護士のポケットから、ヒ素の付着したチョコレートの銀紙が発見された。
    自白し、無期懲役となったその弁護士は、事件関係者と「往復書簡」を交わすことに。
    「わたしは犯人ではありません」。
    往復書簡の中で繰り広げられる「毒入りチョコレート」の真犯人をめぐる推理合戦の行方と真相は……。


    A.バークリーの『毒入りチョコレート事件』オマージュの、往復書簡×多重解決ミステリです。
    往復書簡で推理合戦を繰り広げながら、少しずつ明らかになっていく真相は、いたるところに伏線が散りばめられており、一度読んでからタイトルを再確認してから再読しても楽しそう。
    派手さはないですが、丁寧なミステリという感じです。

    一昔前の名家を舞台にしていて、終始時代がかった固く重苦しい雰囲気で進むため、読みやすくはないですが、上流階級を感じさせる上品な言い回しが美しくて好きでした。

  • まさにタイトルの通りなんですが、欺瞞に満ちたお話です。40年以上前の殺人事件と、その関係者間の往復書簡。回りくどいと感じてしまうほどに多方面に伏線が張り巡らされています。
    素の状態で1度読んで、欺瞞に満ちていることを意識してもう1回読むと、より面白いかも。1回しか読んでないけど。

  • 往復書簡で多重解決の本格ミステリ、そのまんま毒入りチョコレート事件も意識してるらしいが未読。多重解決の末に一体何の話をしてるんだ、という程クルクルひっくり返してくる。タイトル通りの欺瞞発見に繋がる見つけ易い伏線もあったが、気付かなかった。読み進め易いとは言い難いが、やはり緻密で丁寧ないつもの深木章子作品。

  • 読めない漢字が多すぎて調べつつ読んでいたから普段より時間がかかってしまったけど、品のある女性に憧れるから調べてて楽しかった

    手紙のやり取りを書いていることが多い作品なのだけど、映像も無いのに所作が綺麗なのだろうなと伝わってきた…!
    作者さんも普段から所作が綺麗なのかなあ、すごいなあ

    深木章子さんの作品また読みたいな〜

  • 面白かった。「毒入りチョコレート事件」をモチーフにした作品。資産家の家で長女とその養子の息子が毒殺される。犯人として捕まった夫が、仮出所中に関係者である次女に手紙を送り、あの時の犯人を書簡上で追究するという話。
    最初にあっさりと事件が起きて人が死に、逮捕までも終わる。そして無実の犯人である治重が燈子へと自分の推理を書簡で送るところから話が始まる。書簡上のやりとりを終えた後、二人は心中したかと思われる死を遂げる。
    書簡上で犯人の推理が二転三転する様が面白かった。探偵の犯人指摘パートがずっと続いているような感覚だった。しかしそれぞれの説には無理があり、その無理な部分を除いていった先に見える結末がまた面白かった。
    心中の先にある、あの書簡の5通目は後々に用意されたもので、書簡のやりとりさえもが治重が仕組んだトリックのひとつだったというオチは面白かった。すべては燈子への復讐と、自身の名誉回復のため。しかしその書簡の内容には気づける人は気づける瑕疵があり……という話の締め方もよかった。
    治重と燈子の書簡での推理合戦と、そこから連なる心中の先の書簡を扱ったからこそのトリックが面白く、するすると読めた。

  • トリックも結末もあまり新鮮味はない。往復書簡の形式は大好物だけど、この形式なら同じ作者の『敗者の告白』が数段上。あちらと比べると、衝撃も余韻も全然物足りない。

  • 往復書簡のやりとりで殺人事件の真相に迫っていくストーリー。
    じわじわと進んでいくから、最後は重苦しい雰囲気のまま読まされた。
    最後は結構スッキリさせてくれた。

  • 妻と親族の子を殺したとして四〇年を獄中で過ごした元弁護士と、妻の妹でかつての恋人が、書簡を通じて推理合戦を繰り広げると言った筋立て。妻に毒入りのカップを取らせ、弁護士のスーツに偽の証拠を仕込むことは一種の不可能犯罪で、これをどのようにしてなしうるかについて、物理トリック、想定外の容疑者、非ミステリ的な力業、意外すぎる動機と、これで短編が一本書けそうなアイデアが、次々と繰り出される。一つの謎に何通りの回答を用意できるかを競っているかのようで、これは愉しい。ひねりすぎない結末の付け方もクール。

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著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目の作家。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』『ミネルヴァの報復』『消えた断章』『罠』など多数。

「2023年 『欺瞞の殺意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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