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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041134719
作品紹介・あらすじ
百物語なんかしていると、この世の業を集めますよ――。江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に、聞き手も一人。主人の次男・富次郎が聞いた話はけっして外には漏らさない。少年時代を木賃宿で過ごした老人が三島屋を訪れた。迷える魂の水先案内を務める不思議な水夫に出会ったことがあるという――。三島屋に嬉しい報せも舞い込み、ますます目が離せない宮部みゆき流の江戸怪談。
みんなの感想まとめ
多様な人間模様と魂の行く先を描く本作は、江戸の袋物屋・三島屋で繰り広げられる百物語を通じて、心の奥深くに触れる物語が展開されます。語り手の冨次郎は、聞き手として成長しながら、様々な人々の思いを受け止め...
感想・レビュー・書評
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暑うなりましたね。前回のレビューが22年7月ですから、実に丸1年が経ってしまいました。これからお話する“三島屋変調百物語”も、はや7冊目、巻末では話数を数えるようなりました。34話。3本指を立てれば一本指を仕まう迄になりました。これもそれも読者皆様方のご贔屓の賜物で御座います。
え?「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」他所に漏れるはずがない百物語が何故文庫本になって、あまつさえ身どもが皆様方にご紹介出来るのか?ですって。それは蛇の道は蛇、聞かぬが花で御座います。身共なぞは、単なる「物・語るシステム」の大きな歯車の一部品と見做して頂ければ幸いで御座います。
聞き手としての冨次郎も、次第と手馴れて参りました。火焔太鼓の一件などは、久しぶりのお武家様のお話で、山城である大加持(おおかじ)城に存する、火事を防ぐ太鼓のお話です。身共なぞは岡山県備中にある天空の城、松山の城下町を想定しながら話を聴きましたよ。これは、ホラーというよりも人情ものの妖怪話です。次の話は、ホラーというよりもテレパス譚でしょうか。最後も、ホラーというよりも幽霊アクションものというのでしょうか?総じて今回は「おそろしさ」は控えめだった様に感じます。
それで良いじゃないですか。
人の心は測りがたい。人の思いは変わりやすい。魂さんになっても、人は弱い。
でも、魂さんになっても、人は優しい。そのことだけ判れば、良いんです。
「おそろしさ」控えめなのは、小旦那冨次郎さんの人徳なのでしょうか?それとも、次のとびきり悲劇までの幕間なのでしょうか?そうなると、前の聞き役おちかのおめでたやら、最後に出てきたあやかしなどが、少し不気味なのですが‥‥。いやいや、もちのろん、身共は何も存じません。 -
三島屋変調百物語 第七弾
待ち望んでましたが…薄い( ・ὢ・ ) ムムッ
「火焔太鼓」
美丈夫な武士が語る火消し太鼓の秘密とは
「一途の念」
冨次郎が贔屓の屋台団子屋の娘が語る母親の悲しくも一途な思いとは
「魂手形」
表題作は粋で鯔背な老人が語る生き死にに纏わる話
成仏する者しない者…怨み怒りで彷徨う魂の行先は
なかなか腰の座らない冨次郎が自分のこれからを考える第七弾でした。
この冨次郎の緩さと優しさのせいか、持ち込まれる話の怖さがゆるむ( ̄▽ ̄)
謎の男が再び現れた!魂に関係あり⁇
意味深な言葉を残して消えました…
第八弾も文庫化まで待ちますけど、お願いだから思い切り怖くしてください笑
あ…単行本もう出てる。゚(゚´Д`゚)゚。
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2023/06/27
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2023/06/27
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2023/06/27
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またまた楽しめた一冊。
第三話「魂手形」。ただ恐ろしいとか、不可思議、怪異というだけではなく、人としての生き方、のようなものもなんとなく教えてくれるような物語でした。 -
『人の所業ではない。獣のやることでもない。人でなしだ。そうとしか言いようがない。』
人が一番怖い。人でなしになれるのは、人だけだ。ということを気づかせてくれる。
妖の話を通して、にんげんの業、心の弱さ、やるせなさ、自身の状態もわからぬ愚かさと危うさ、そんな中でも闇に囚われずに抱えながら生きることの勁さ。そんなものが随所に散りばめられている。
百物語としての流れと不穏な展開が想起される予言と。百の物語が語られるまで、作者が無事に創作できることを祈る。
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大好きなシリーズ 今回は三つの物語
読みなれているのもあってスルスルと読めた
今回も悲しかったり、怖かったり、冷たさを感じたりするのにどこか、可笑しみがある安定のシリーズ -
江戸時代の深川。馴染みの風情、人情が待ち受けてくれている。宮部みゆきさんの三島屋変調百物語。いつ訪れても、同じ雰囲気で迎えてくれる。
読み始めれば、すぐに江戸時代、深川の下町にある宮部ワールドへ足を踏み入れる。主人公の代替わりはしても、時間が少し過ぎているだけで同じ空間であることに変わりはない。
宮部さんのシリーズものも私が愛してやまない空間。いつでもストーリーの流れに乗ることができる。ほんの数分でも心は江戸時代へ。
昔から気に入ったシリーズものや長編小説・エッセイはこういった安心感のある流れが好きだ。百物語のシリーズは江戸時代を背景とした怪談の世界。これが、また確かに怖い話なのだけれど、思わず頭の中に江戸時代が広がっていくような印象があり、とても味わい深いのだ。
今回の作品は三つのストーリーからできており、いずれも人の怨念とか不遇な生い立ち等を織り交ぜながら、現代社会における思考では判断が難しいストーリーが展開されていく。
宮部さんは、これだけの話をよく考えつくものだと感心する。
本作品の最後の締めくくりがとても憎らしく、そのあとが気になって仕方ない。続きを待つしかない。 -
第一話『火焔太鼓』
火の神様の力が宿る火焔太鼓のお話し。
火事場で打ち鳴らせばどんな炎も吸い込んで収めてくれるけど、火の気のないところで打ち鳴らしてしまうと逆に炎が吹き出す扱いの難しい太鼓。この太鼓を守ってきた人々と、火の神様の正体、、、このお話も切なかった。
第二話『一途の念』
お団子屋台のおみよのお母さん お夏のお話し。
病弱な旦那さんの高価な薬を買う為に、大好きな旦那さんとの生活を守る為に仕事を頑張るお夏。子宝にも恵まれて、幸せだけどますます生活は厳しくなり、家族のために辛い仕事にまで手を出すお夏。家族のために、旦那さんのために選んだ道だけど、好きだからこそ罪悪感を感じて、、、って切ないお話でした。
第三話『魂手形』
木賃宿の息子、吉富さんのお話し。
吉富さんが子どもの頃に来た泊まり客、魂案内人のの七之助さんとおばけの水面(みなも)さん。水面さんにどんな思いを残してるのか思い出させ、成仏させてあげるのが七之助さんのお仕事。吉富さんも縁あってお手伝い。吉富さんと継母お竹さんとの関係性が素敵だったな。
いつもは図書館で文庫本を借りてるんですが、今回はハードカバーを借りてみました。三好愛さんのかわいいイラストがたくさん載ってるし、装丁は美しいし、全巻ハードカバーで読み返したいくらい。 -
聞き手が三島屋の次男、富次郎になってから2作目。絵心のある富次郎は聞いた話を白墨で絵にして「あやかし草紙」と名付けた箱に封じ込め聞き捨てる。
「火焔太鼓」「一途の念」「魂手形」の三篇収録、シリーズ7作目。→
今回はどの話も「不思議感」が増していて怖いというよりしんみりする感じ。「あやかし」側の気持ちになるとよりしんみり。
魂手形が特に良かった。水面、好きだなぁ。お竹も好き。宮部さんが描く大人と子供の交流が大好物なんで、ほんとほっこりしながらじーんとなった。→
そしてラストにはおちかの時からのアレ。これ、次巻はまたもは波瀾万丈では?読むのが楽しみすぎる!!
新刊も出たし、まだまだ楽しめると思うと嬉しいなぁ。 -
オーディブルにて。
団子屋を営む娘からのお話、「一途の念」が印象的だった。お団子も美味しそう。
余談だが、同じ時代のあやかしを描いた小説を読んで、比べてみると改めて宮部みゆきの上手さが引き立った。ゾクッとさせる怖さ、悲しみや温かみの描写が沁みる。 -
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三島屋変調百物語七之続。三篇の挿話をおさめるが、好みはやはりお団子の描写が魅力的な「一途の念」か。全体的に恐怖感は控えめながら、最後の最後で例の謎の裸足男が登場して、挿話以外の部分で恐怖感を盛り上げる。
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語り手1人、聴き手も1人のちょっと変わった百物語を行う三島屋。
語られる物語が描かれているのですが、こちらは続編で7作目でした。
1作目は『おそろし』。聞いたことはありますが、未読でした。いきなり続編から読み始めましたがそれでも問題なく楽しめました。過去のエピソードが少し出てきますので、回収したくて1作目から読んでみたくなりました。
当たり前のように妖怪やらお化けがでてきます。流石宮部みゆきさんで全く違和感なく受け入れられる世界観でした。分かりやすいホラーではなくほんのり薄暗い…行燈のついた部屋にいるような雰囲気でした。 -
宮部みゆきの魂手形を読みました。
三島屋変調百物語七之続でした。
そうかこのシリーズももう7冊目なんですね。
今回は3つの物語が語られます。
それぞれ怖く面白い物語でしたが、konnokは火焔太鼓の物語が気に入りました。
山間の城にある火消しの太鼓の物語でした。
火消しの太鼓は実は火山に棲む火の神様の妖力で作られていたのでした。
この太鼓を盗もうとした盗賊と城の衛士たちの間で戦いが起こり、語り手の兄は深手を負ってしまいます。
兄は嫂の実家に身を寄せます。そして...
富次郎が物語を聞いて書いた絵が心に残りました。 -
三島屋シリーズ七作目。前作の最終話がかなりハードで、なおかつ特殊な設定の話だったのですが、今回収録の三作は宮部さんの時代物の王道をいく三編だったと思います。
愛や誰かを思う心が、必ずしもハッピーエンドを迎えるわけでもなく、時には悲劇を招いたり、なんとも言えない苦みのようなものが残る話も、多かったと思います。
それでも、それぞれの作品に読後感の悪さというものは覚えませんでした。語り手それぞれの人生と感情が伝わり、静謐さを覚える。怖さ以上に哀感が心を打つお話ばかりで、改めて三島屋シリーズの底の深さを感じます。
個人的に最も印象的だったのは「一途の念」
貧困や病気など悲運が続く夫婦と、その子どもたちの奇妙な顛末を描いた短編。
夫婦の愛情や思いの強さと、そして消したい過去。短い話ながらも、そうした人の情念を織り込むストーリーだからこそ、この話が見せた“幻”は、荒唐無稽な絵空事に思えませんでした。
むしろ真実味を持って聞こえてさえきます。
そしてその真実味が、改めて愛の強さと悲劇を読み手である自分に伝えてくるのです。
怪談や忌憚を人の情と絡め、そして怖さ以上に、哀感へ昇華する。三島屋シリーズだからできる業を今回も堪能できる三編だったと思います。
そして、シリーズ全体を通してみると、この巻でめでたいこともあり、一方でちょっと不穏な雰囲気も感じるところもありました。
シリーズを読んでいて少し前から思っていたことですが、こういうお話をおちかや富次郎が聞き集めることは、何か〈魔〉を引き寄せることにもつながらないだろうか、と心配していました。
作中で言われているように簡単に「聞き捨て」できるようなものなのだろうか、と。
心理カウンセラーの人だって、下手すると相談者の悩みに引っ張り込まれることだってあると言うし。
富次郎はそれを絵に変えることでうまく付き合えている気もしているのですが、おちかの場合はどうだったのだろうか、とちょっと考えたりもしてしまいます。
今後どのような話を富次郎は迎えるのか、そしてシリーズ全体として三島屋の面々はどう変わっていくのか。
今後とも、楽しみも不安も尽きないシリーズとなっていきそうです。 -
三島屋シリーズ7作目という事を知らずに読み始めたが、初めから最後まで大変面白かった!登場するキャラクターが皆とても魅力的。また江戸の賑やかさや活気ある粋な雰囲気が読んでいて楽しかった。1作目の「おそろし」から読み通したいと思います!
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長く続くと色褪せる作品もあるが、今回も十分な読み応えと人間の切なさを堪能した。
「脳は嘘つき」という。
目に見えるモノよりも、目に見えないモノの方が大事で厄介なのかもしれない。
人の心とか、ね。 -
三島屋変調百物語シリーズの文庫最新刊。
この作品集でのお気に入りは「一途の念」。考えようによっては、怪物譚などよりも荒唐無稽な物語なのだが、怪異の背景が哀しすぎて、「そういうこともあるのかな」と思わされてしまった。
また、表題作「魂手形」の最後には、富次郎やおちかに迫る何者かが登場する。夢だったことにはなっているが、早くも続きが読みたくて仕方がない。 -
比較的薄めの第七巻は、怖くて悲しくて切ないけど不思議で面白い物語ばかりだった。
『火焰太鼓』では散々ハラハラさせられてやっと一息ついたと思ったところに、まさかの真実が待ち受けていて思わず泣いた。
『一途の念』も悲しくて不憫な話だったな…で終わらずにあっと驚く展開が用意されている。
表題作も《迷える魂を導く水夫》が登場する時点で期待しかないし、期待以上だった。
こういう不可思議な話って何から着想を得ているのかとても気になる。
それとも宮部さんの完全な創作なのかな。
この巻に限らず、どの物語も面白いって凄いよね。
著者プロフィール
宮部みゆきの作品
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感想 :

たまげた……。
たまげった……。
たまてがった……。
魂手形(かなり苦しいのは認めよ...
たまげた……。
たまげった……。
たまてがった……。
魂手形(かなり苦しいのは認めよう)
「もちのろん」て……何年ぶりに聞いただろうか♪
「身共」もいいですね~^^
みんなが見る前に「前回は20年7月にレビューした。...
みんなが見る前に「前回は20年7月にレビューした。丸3年ぶり」って書いていて、アップして15分ぐらいしてハッと気がついて直した(お嫁入表紙が前回だと勘違いしていた)ということは、土瓶さんと私だけの秘密ですよ(^ ^)。だから、本当は今回の薄さは、次回の大きな出来事のための助走編だと「推測」していたわけです。「もちのろん」なんて、思わせぶり書いたのは、そこのあたりに「根拠」があったわけです。もちのろん、この根拠は崩れて、内心アタフタしております‥‥。