トゥモロー・ネヴァー・ノウズ

  • KADOKAWA (2023年4月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041136072

#SF

作品紹介・あらすじ

柞刈湯葉(SF作家)推薦
「一様で単純な災禍におそわれた、多様で複雑な人々の物語。」

三宅香帆(書評家)推薦
「“ありえない”奇異な日常を生きる、人間の本性を描き切った小説!」


◇◆


おめでとう! あなたたちに、明日はない。

永遠の「今日」を繰り返す新世界SF


私は、最愛の娘を凌辱した挙げ句に殺した犯人を――許せなかった。少年法に守られて、極刑にもならずに、今ものうのうと生きている、あの鬼畜、あの悪魔。娘のいない人生など、何の価値もなかった。私自身は、どうなってもよかった。だから包丁を握りしめ、メッタ刺しにして殺してやったのだ……、罪にふさわしい罰を与えてやったのだ……! しかし、我に返った私は復讐の決行を決意した瞬間まで引き戻されていた。何度殺しても、何度殺しても、時計は先に進まない――。


装幀/世古口敦志+清水朝美(coil)
装画/紺野真弓

みんなの感想まとめ

ある一日が永遠にループする新たな世界で、人々がどのように生きるのかを描いた物語で、視点が切り替わる構成が特徴的です。ループものの設定を核にした連作短編集であり、登場人物たちの行動原理は非日常的ながらも...

感想・レビュー・書評

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  • 本作『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』の感想を書く前に注意事項ですが、本作は過激な描写がしばしあるため、苦手な方はご注意下さい。

    皆さんは意図せず、『今日』が『毎日』繰り返されたら、どんな日常を過ごすと想像しますか?

    本作は、とある日を起点に一日をタイムリープする人が世界的に増えていった世の中を5話の短編で繋いでいるSF小説になります。
    作品の世界観はSFですが、どちらかというと、そんな世界で人は何を感じて、どう行動することが本質的なのか?という哲学的なメッセージも感じました。

    作中の引用(第三話)ですが、
    「明日が来る世界でも、(中略)。後悔しないためには夢中になれるものを全力でやればいい。」
    の言葉は痺れましたね。

    この作品の面白いところは、各話で登場する人物の印象が途中でガラッと変わる点でしたね。著者の宮野優さんのデビュー作ですが、次回作にも注目してみようと思います!!

  • 5話の連作短編集。この物語では、世界中の人間が「今日」を繰り返しており、「今日」を繰り返す5人の視点から描かれている。全て読み終えてみて、個人的には絶望することはない…と、思う。でも、希望を持てる自信もない。正直、諦めてしまうかもしれない。

    読み進める内にこの物語の世界のことが分かってくるのだが、「今日」には「始点」の時刻と「終点」の時刻がある。国によっては朝だったり夜だったりする。そして、どんなことがあっても「終点」を過ぎれば「始点」に戻るが、記憶だけは継承される。「今日」どんなことがあっても「始点」に戻る。つまり、ここは「取り返しがつかない世界」ではなく「取り返しがつく世界」。例え、自分が死んでも人を殺しても無かったことになる。ただし、記憶は残る。そんな記憶がある人たちはルーパーと呼ばれるようになる。そして、実は全員がルーパーではなく、「今日」を繰り返している記憶がない(自覚できない?)人もいる。そんな人たちはステイヤーと呼ばれるが、もちろんもれなく同じように「今日」をループしている。ルーパーの中にもズレはあり、例えば10週目でルーパーになった人もいれば、100週目でルーパーになった人もいる。いつから繰り返されているのか、いつまで繰り返すのか、何も詳しいことは分からない世界。

    「第1話 インフェルノ」
    娘が暴行を受け殺害された母親の物語。犯人が未成年だったため、数年後に社会に戻る。母親は復讐のために犯人を殺害する。やり遂げたことで残りの人生に望みはなく、おとなしく留置所に囚われる。目覚めてみると自室であり、「今日」だった。夢だと思い復讐を実行するが、ある時刻を過ぎるとまた「今日」だった。何度も何度も復讐を繰り返すが、ある時「今日はどうやって殺すんですか?」と聞いてくる男に出会う。自分以外に「今日」を繰り返しているものがいることを知る。

    「第2話」は女子高生、「第3話」はアメリカの格闘技世界王者、「第4話」はアフリカの貧しい集落で暮らす少年、「第5話」は日本に住んでいるある女性。それぞれの視点から描かれていくが、変わりきってしまった世界は人の欲望と悪意に満ちている。ただ、そんな中でも希望を感じさせる話になっていて、読んでいるこちらの心は少し穏やかになる。

    倫理や常識が抑止力になっていたことでも歯止めがきかなくなると、人はどうなるのか?明日が来る保証はない世界で、未来への希望を持ち続けることができるのか?全ての人が健常なわけではなく、進まない時間の中に閉じ込められてしまった時にどんなことを思うのか?

    人の本性がむき出しになり、精神の安定が難しい世界は、どんな災禍より恐ろしいのかもしれない。だからこそ、希望を持ち行動し続ける人は輝かしい。

  • 「やり直せたら上手くいく!? ループ小説」4選 - カクヨム
    https://kakuyomu.jp/features/16817139559025613445

    小説(宮野優) - カクヨム
    https://kakuyomu.jp/users/miyayou220810/works

    Mayumi Konno | Art
    https://www.mayumikonno.com/

    「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」宮野優 [文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322212000987/

  • ある一日が永遠にループするようになった世界で生きる人々の物語。
    登場人物の視点が切り替わりながら話が進み、構成や設定が面白かった。
    SFはあまり読まないので新鮮だった。

  • 23/08/27読了
    ループ設定を核にした連作短編集で、どれもおもしろかった。

  • ループものは一通り出尽くして、パロディの材料にも使われ、ループものと聞くだけで読む気が失せる程度には氾濫してしまったが、ここにきて真正面から堂々と「ループものです!」と言われると逆に読みたくなってくる。読んだ。

    ループものは、1人ないし2人、とにかく少数の人間がおなじ時間を繰り返す。そこから脱出しようとしたりしなかったりなわけだが、本書ではおなじ1日を繰り返す。違うのは人数と行動原理で、ループする対象は全人類であり、行動原理も非日常的でありながらもぎりぎり日常の範疇におさまるものだ。少なくともSF的な行動はしない。

    一読して誰でも思うのは、先のコロナ禍をヒントにして書かれたものであろうということ。本作では、ループする人間(ループしていることを自覚する人間)は感染するかのように増えていく。
    ループ初期は無秩序になり、その後ループ自体はなにも解決していないにもかかわらず、世界が秩序だっていく。

    コロナ禍を題材にした小説なり映画なりは、あまり出ないと思う。行動制限、人との接触を遠ざけるものだったコロナ禍は題材にしにくい。
    本書が100年後にも読まれてるかといえば、まず読まれていないだろうし、仮に読む人間がいたとしてもコロナ禍のことなんて頭に浮かんで読まないだろうけれど、コロナ禍を翻案した小説としては今のところいちばんだと思う。

  • 娘さんを殺されてしまった母親が犯人に復讐を果たすも、翌朝は訪れず、また復讐の日の朝に戻ってしまい、繰り返しのループ世界へ、、というお話(?)。

    ループの記憶を残したまま、次の日がやってこないと人間はどうするのか、人それぞれ。

    最初に(?)ループ世界に入った人間から、周囲でループ人間が増えていき、世界中でループが当たり前となっていく。

    登場人物それぞれの考え方があって、楽しかったです。
    広げたまま畳まない形もいいですが、翌日が来てしまった形の終わらせ方があってもよかったかと。

  • ごめん、理解できない

    表紙がなんかマンガチックと思ったのは、私がジジイだからだね。中身の理解できないのも同じ理由だろうな。わかんないよ。

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著者プロフィール

北海道在住。本作『トゥモロー・ネバー・ノウズ』をカクヨムで執筆し、デビュー。

「2023年 『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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