- KADOKAWA (2024年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784041136348
作品紹介・あらすじ
霞山大学の法学部から、同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成。古城が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)は、自称助手の経済学部四年、戸賀夏倫と、法学部四年、矢野綾芽を交わえ、持ち込まれた法律が関わる事件を解決する自主ゼミである。
密室状況にある模擬法廷の証言台の前で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件、2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎、官庁訪問の会場で相談された雪山での遭難事件などの経験を通じて、古城たちは少しずつ、法の真理と人間への洞察を深めていく。
みんなの感想まとめ
法律をテーマにした軽妙なミステリーが展開される本作は、大学のサークル活動を舞台に、法律相談を通じて様々な事件を解決するストーリーです。連作短編形式で、登場人物たちの日常や成長が描かれ、特に主要キャラの...
感想・レビュー・書評
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元気で悩める学生たちが、法律学を駆使してモダンな事件に挑む! 無法律シリーズ第二弾 #密室法典
■あらすじ
法科大学院の無料法律相談ゼミ、通称「無法律」の面々が、様々な法律問題に挑む青春リーガルミステリー。前作『六法推理』に続く第二弾で、今回も元気で悩める学生たちがキュートな作品。
■きっと読みたくなるレビュー
待ってました!無法律シリーズの続編。読み終わってすぐに既に次のストーリーも読みたくなってくるという、世にも恐ろしい作品。このままだと文芸誌の野生時代まで追いかねない、ヤバい。
さて本作の圧倒的強みは、身近に起こりうる法律問題について、古城、夏倫をはじめ愛らしいキャラクター達が軽快かつ厚みのあるストーリーで楽しませてくれるところ。法律って小難しくて敬遠しがちなんですが、親しみやすく書かれているので、どなたにもおすすめできるシリーズなんですよね。
ちなみに本シリーズは連作短編になっています。本作からでも楽しめますが、できれば前作も読んでおいたほうがベターですね。
●密室法典
模擬法廷で傷害事件が発生。現場は密室状態で、さらに被害者は恐竜の被り物をしていて…
いきなりハンムラビ法典を持ち出してくるあたりが大好き。ここが現役弁護士の五十嵐先生らしいところで、既存のリーガルミステリーにはない、法律学を組み入れたミステリーなんすよね。謎解きも背景にある動機も現代的で目から鱗。短編なのに思った以上に深みがありましたね。
●今際言伝
会社法のゼミ、ペアワークのパートナーとなった伊織が相続問題について相談され…
相続に関連するミステリーは数あれど、遺言の矛盾と法定相続にまで突っ込んだお話は読んだことがない。なるほどしっかりと社会問題性を提起してきており、全く知りませんでした… 自分自身だったらどういう判断するか、悩ましくなる作品です。
●閉鎖官庁
おもろい!本編が一番好きですね。あまり省庁の就職試験の現場を知ることがなく、めっちゃ楽しめました。
想像もしなかったキャラクターが登場してビビった。そして将来を悩める綾芽が、ほんの少し成長する姿が鬼カッコよかったです。
●毒入誕生祭
コンカフェでの誕生日パーティー、シャンパンタワーに毒物が混入されてしまい…
まさしく現代の舞台背景、恵まれず必死に生きている女子たちの一幕。フィクションなのはわかってますが、こんな未来世代の現実を突きつけられると、大人としては胸が苦しくなってしまいますね。何かに依存してしまったり、上手くいかないこともあるでしょうが、前向きに歩んで欲しいです。
■ぜっさん推しポイント
実は私も法学部出身、ただ中退したという半端モノです。しかし本作を読んでいると、若かりし学生時代を思い出してしまいますね。
仲間たちとワイワイと馬鹿騒ぎつつも、ひとりになると友人たちと自分を比較しちゃって、将来を憂いで悶々とする。友人の行動力や責任感、能力を羨ましく思ったものです。
誰にでもある青春のメランコリックな記憶を思い起こさせてくれる素敵な作品。是非このままドラマ化しちゃってほしい! 今後にも期待しています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「無法律」は「無料法律相談所」の略称であり、霞山大学法学部の自主ゼミ、いわゆるサークルだ。
部長はこの春ロースクールに進んだ古城行成。勉強家で法律の知識は申し分ないが、非社交的でコミュニケーション能力に乏しいところがある。そんな古城をカバーして余りある2人の女子部員、戸賀夏倫と矢野綾芽。ともに4回生だ。
持ち込まれた相談を受け、無法律の3人が謎を解く連作短編リーガルミステリー。シリーズ2作目。
◇
「ハンムラビは、『おじさんは偉大である』という意味なんだよ」
ここは霞山大学ロースクールの教室で、今は刑事模擬裁判の講義中だ。教壇で意気揚々と語るのは現職裁判官の古城英治客員教授。僕、古城行成の父親である。
講義時間の後半は模擬法廷に移動しなければならないのに、父はにこやかに3800年前の法典についての雑学を披露するばかりだ。
一向に本題に入る気配がない講義にハラハラしていたが、父は「目には目を …… 」の有名な文句から現代の刑事裁判及び民事裁判へと繋げていき、スムーズに今日のテーマに移っていった。さすが法制史オタクだと感心しているうちに説明も終わり、僕たちは模擬法廷に移動した。
ところが法廷まで来ると、扉に1枚の紙が貼られているのに気づいた。それには、
「罪人とともに法廷は閉ざされた。証拠の重要性は多言を要しないだろう。証言の重要性を担保するために、映像を記録することを勧める」
と書かれている。不審に思った僕たちが覗き窓から見たものは、証言台の前に横たわる恐竜の着ぐるみだった。
後ろから「どうした?」と言いながら近づいてくる父の手には鍵が握られている。貼り紙の「閉ざされた」ということばを確認した僕は、携帯のカメラを起動した。
( 第1話「密室法典」) ※全4話とプロローグおよびエピローグからなる。
* * * * *
前作よりもおもしろかった。内容を少し紹介しておきます。
第1話「密室法典」
「模擬法廷」として使われる教室で起きた傷害監禁事件。教室は施錠されていて密室状態だったことで学生たちの興味を引く。
さらに後日、犯人を名乗る人物が事件についてのコメントをツイッターに投稿。学部生はもちろん、外部の人たちの注目を集めることになり……。
☆急成長を遂げた美容整形クリニックの不適切な手術対応が問題として上がってきます。事件自体が大事にならないのは、この第1話が以後の物語の伏線として使われているからです。
第2話「今際伝言」
第1話で登場した美容整形クリニックの前身である形成外科病院の創始者が急死した。その手に握られていた便箋に記された奇妙な図形の意味。
そして亡くなるひと月前に故人が作成した相続人の異なる2通の遺言書の意味。
依頼を受けた行成と夏倫が、図形と遺言書という2種類のメッセージの謎に挑む。
☆依頼人は、クリニックの現院長の息子で行成の同級生です。医学部からロースクールに進んできた変わり種ですが、頭がよく義侠心に富んだ男で、今後は行成のよき理解者になりそうな気がします。
また、最近流行りの美容整形とともに出生前診断の是非や医療側の対応を問う物語になっていて、いろいろ考えさせられました。
第3話「閉鎖官庁」
霞山大学で行成と夏倫が事件と向き合っているとき、無法律のメンバーの1人である綾芽は就活で東京に来ており、霞が関で数日にわたり各省庁の面接を受けていた。
法学部では優等生の綾芽だが、行成ほどの法律オタクになれず、夏倫ほどの豊かな発想力も持たない自分に自信喪失気味だ。勉強好きなだけで将来の夢も特になく、官僚になりたいと思ったこともない。
体裁を整えただけの受け答えであることを1度目の面接で見抜かれるのか、控え室で待機していても2度目の面接に呼ばれることはなかった。
ため息をつく綾芽に話しかけてきたのは、高校3年時の同級生で東京の大学に通う澄野という男だった。澄野も中央省庁の面接に来たと言い、綾芽に私的な法律相談を持ちかけてきたのだが……。
☆澄野は性格的にこだわりが強くて偏りがあり、クラスでも浮いた存在になっていた男子生徒でした。ただ綾芽だけは優等生らしく澄野にも分け隔てなく接していたことが仇となり、澄野に依存されてしまいます。
卒業後、地元と東京に別れたことで綾芽は安心していたのですが、実はインスタなどのSNSで澄野は綾芽を追跡し続けていたのでした。( 怖い!)
行成なら、そして夏倫なら、この事態にどう対処するかを考える綾芽。綾芽の真の自立に繋がりそうな短編です。
最終話「毒入生誕祭」
舞台はコンセプトカフェ「ウィッチズ・ジュエル」。キャストのかりんは同僚のルナと一緒に、ノエルの誕生日イベントである「生誕祭」で披露されるシャンパンタワーに参加することになった。準備から盛り上げまでを手伝うのである。
シャンパンタワーを振る舞ってくれるのはノエル推しの宗雄さん。アルコールが苦手なノエルのために、ノンアルシャンパンでのタワーをオーダーしてくれたという。
小太りで人のよさそうな宗雄さんとノエルの前でグラスタワーにシャンパンが注がれていく。盛り上がる会場。すべてのグラスがピンク色の液体で満たされ、全員がグラスを手に取った。ノエルの乾杯の音頭でそれぞれのグラスが空いていく。
10分後、宗雄さんが激しく嘔吐し、救急搬送された。
☆夏倫のバイト先での事件かと思ったら……。
叙述トリックですが、よく読めば序盤にヒントが出ていました。
おもしろかったのは、アタマの軽そうなノエル ( 実は未成年の家出娘 ) が、本当はしたたかで立ち回りがうまかったことです。
「かりん」はよくやったと思います。
さて、前作と比べリーガルミステリーというほど法律が前面に出てこなくなってはいますが、それでも本作の魅力は、いくつかあります。
その1つは、ますます冴えを見せる夏倫の推理です。やはりキャラ的にすばらしい。完全に主役の行成を喰っていました。
2つ目は、行成の両親がともに登場したことです。前作で登場した兄よりも味がある。
父親のとぼけた味もいい雰囲気を醸していましたが、第3話で綾芽の面接を担当する母親の持つ人間的な深みはすばらしい。
綾芽の緊張を解きほぐし、沈みがちな気持ちを和らげ、綾芽が澄野から持ちかけられた事件についての分析も手伝ってくれます。
綾芽が憧れ目標とすべき人物として設定されているのではないかと、期待してしまうほどでした。
そして3つ目。エピローグがよかった。
夏倫がインターン先に選んだのは、なんと調査探偵事務所。若い女性探偵が1人でやっているところです。その探偵こそ、夏倫の父親違いの姉だったのです。はじめましての姉妹の顔合わせ。
ということで、続編が出ることがわかるこの心憎いエピローグ。姉の中塔玲ともども、3作目での夏倫の活躍が楽しみです。 -
五十嵐律人さんの代名詞的シリーズに成長する可能性は大いにあると思う
大いにあると思うけど、なんか全体的に惜しい
ということで大学を舞台にした「無法律シリーズ」
連作短編の仕様でいろんな法律を真ん中にして軽めのミステリーが展開します
舞台設定も軽い、ミステリーも軽い
もちろん軽いことは悪いことじゃない
だけど主要キャラ3人が全員重い
要するに陰キャなのよ
いやこの設定だったらひとりとことん陽キャがいないと持たんだろって思うんだけど、たぶん五十嵐律人さん陽キャ描くの苦手っぽいw
新キャラに期待しつつ次もたぶん読むな
可能性はすごく感じるのよね-
2024/07/04
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2024/07/04
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2024/07/04
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前作の六法推理がリーガル青春ミステリーという新しいジャンルで面白かったので、本作も手に取りました。リーガル感はあまりなくて、割とライトなミステリーだったかなと思います。
本作は短編ミステリー集で、登場人物が割と前作の設定を引き継いだままお話しが流れます。基本的なストーリーは、大学のサークル活動として無料で法律相談にのっている無法律の面々が相談を解決していくという内容。
前作の六法推理を読んでから、割と時間が経っていたので、登場人物のキャラクターがあまり掴めていなくて、前作読み返せば良かったなと少し反省しました。内容については日常ミステリーみたいな感じなので、ハマるかハマらないかは人それぞれなのかなと思います。 -
安定の面白さ。無法律相談。
古城、夏倫、綾芽。
途中、誰の就活話か、混乱しました。今回は綾芽の日常で起こることが中心。
まだみんな、未来の自分を模索中。
エピローグで始まる夏倫の未来。
続篇が待ち遠しいです。 -
ロースクール無料法律相談所の解決ミステリー。
「密室法典」密室模擬法廷で監禁事件。
医療訴訟で勝てない現実は厳しい。
相続欠格事由/失踪宣告と相続
法律は難しいが知らないと損。 -
※
『六法推理』から繋がる無料法律事務所(ゼミ)
シリーズ第二弾。
密室法典
今際言伝
閉鎖官庁
毒入生誕祭
エピローグ
ロースクール生で[無法律]の代表を務める
古城行成の豊富な法知識と戸賀夏倫の突拍子が
ないけれど鋭い閃き、冷静な頭脳派の矢野綾芽
の三人が、依頼者から寄せられる相談の解決に
法知識を絡めて推理を組み立てながら真相を
解き明かす学生法律ミステリー。
各話で登場人物三人が抱える問題が
小出しになった物語になっていて、
この本だけでも楽しめそうです。
エピローグでは、話が続きそうなニュアンスが
ちらりと見え次作に期待が膨らみます。 -
読みやすい、連作短編集。
官僚になるための入社試験があんなに長く拘束されるなんて、事実なら、やはり官僚は体力も求められるんだなーと再認識。
終わりの方にいきなり新キャラ投入で、続編も期待できそう。 -
大学内で無料法律相談所を運営する主人公たちが学校内や友人・知人の間で起きた事件を解決していく『六法推理』の続編で5編の物語が収録されている。
それぞれの物語の内容は複雑過ぎずシンプルなものでありながらも、個性的な登場人物たちの軽妙なやり取りやミスリードが展開され、著者の他の作品同様に法律知識や法律的思考、論理展開が繰り広げられ解決に向けて進んでいく。また、時勢に合わせたSNS絡みの事件も描かれている。
エピローグでは、主人公の相棒が別の人物とパートナーを組むエピソードが盛り込まれており、続編が示唆れていた。 -
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前作「六法推理」に続く、シリーズ2作目。
今回も面白かった。
「今際言伝」相続問題の話が一番面白かった。
次回も楽しみ。 -
『六法推理』の続編ですね。
『六法推理』の感想でも書いたかと思いますが、本作もがっつり法律もの、というわけではなく、軽いミステリーと言った感じでした。
読んでいて途中で犯人が分かってしまうような内容だったので、本格ミステリーのファンからすると物足りないでしょうが、軽く読みやすい本だと思いました。 -
古城行成と戸賀夏倫のお馴染みのメンバーに新たに矢野綾芽も加えた『無料法律相談所(無法律)』が持ち込まれる密室やダイイングメッセージが絡んだ法律が関係する事件を解決していくストーリーで、事件を解決していく上でそれぞれが自分の将来とも向き合う構図が面白かった。
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大学生の法律相談所による謎解き短編集。前作からの続編ということで、その相談所に属する主役級3名の成長譚でもあって、謎解きの「妙」より、それらキャラ毎の考え方の相違(令和の時代に即している)、その相違からくる相乗効果などが上手く描かれている。
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Amazonの紹介より
密室の謎を解き SNSでバズらせよ! 青春リーガルミステリの金字塔!
霞山大学の法学部から、同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成。古城が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)は、自称助手の経済学部四年、戸賀夏倫と、法学部四年、矢野綾芽を交わえ、持ち込まれた法律が関わる事件を解決する自主ゼミである。
密室状況にある模擬法廷の証言台の前で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件、2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎、官庁訪問の会場で相談された雪山での遭難事件などの経験を通じて、古城たちは少しずつ、法の真理と人間への洞察を深めていく。
どのエピソードも不可解な事件で興味を引く面白さがありましたが、それだけでなく、その背景にある法律が絡む要素も面白く、興味深かったです。
作者自身が現役の弁護士ということもあり、より法律を多く絡んでいました。
一般人にとっては、もしかしたら訪れるかもしれない話題なのですが、堅苦しいながらも少しずつ紐解いていくかのように丁寧に解説していくので、勉強になりました。
連作短編集で、このエピソードはここで終わり⁉と思うかのような中途半端さがあったのですが、次のエピソードで続きが紹介されていたので、そこは安心感がありました。
大きな盛り上がりという印象はなく、淡々とした時間の流れでしたが、登場人物の一癖二癖ある存在感が強く、良い調和になっているなと思いました。
不可解な事件としては面白かったですが、結果的に「なーんだ、そうなんだ」といった印象で、そんなに驚いたという印象ではなかったのですが、法律の知識を絡めた内容に勉強になりました。 -
前作を読んだのがだいぶ前だったので、それぞれのキャラの背景をあんまり覚えてなかったのが自分としては残念…
短編で読みやすかった。「閉鎖官庁」の話がいちばん面白かった。
やっぱり戸賀がいいキャラなので、続編も期待したい!!
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著者プロフィール
五十嵐律人の作品
