化け者手本

  • KADOKAWA (2023年7月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041136362

作品紹介・あらすじ

「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」

ときは文政、ところは江戸。
心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。
舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。
演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。
真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。


『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説!

感想・レビュー・書評

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  • 「化け者」としたところに作者の想いが込められてるいるのだろう

    「死ぬほど好き」よく使われる表現だが、いったいどれだけの量を大きさをあるいは覚悟を指すのだろう
    そしてその大きさを示すために他人の命を秤に乗せてしまった時に化け者は化け物になってしまうのかもしれない

    それにしても魚之助と藤九郎のコンビは非常にバランスが悪い気がする
    もちろんあえてそうしているのだと思う
    とくに藤九郎は読者をも上回る勘の悪さを度々披露してるにも関わらず、さも当然、真っ当な行動だと思っていてもどかしい
    つまりは目が離せない
    うまいなぁと思う

    作中「化け者」は己全てを芸に捧げる役者のことを指しているが、なんだか小説家ってのも「化け者」のひとりなんかなぁと思ったり

    • みんみんさん
      おませさんって…若い子に通じるのか?
      声を大にしていいた〜い!わたしは腐女子です!!
      多様性の時代だ!!
      多様性って気に入らないけど笑
      おませさんって…若い子に通じるのか?
      声を大にしていいた〜い!わたしは腐女子です!!
      多様性の時代だ!!
      多様性って気に入らないけど笑
      2023/08/25
    • おびのりさん
      みんみんさんは、腐女子だったのですね。
      あら、まあ。
      みんみんさんは、腐女子だったのですね。
      あら、まあ。
      2023/08/25
    • みんみんさん
      いい塩梅に熟成しております(●︎´艸`)ムフフ
      いい塩梅に熟成しております(●︎´艸`)ムフフ
      2023/08/25
  • 魚之助・藤九郎コンビシリーズ第二作。
    続編が出たのは嬉しいが、今作は少し切なく苦かった。

    前作同様、芝居に現れる妖し探しが本筋だが、役者の業、恋に溺れる者の業が描かれる。
    魚之助は最初こそ前作同様の高飛車人間だが、途中から変化が出てくる。
    中村座のライバル市村座で立女形を務める円蝶の痛烈な皮肉、藤九郎との交流のなかで変わっていく自分、老いていくことへの不安…様々な葛藤が魚之助を襲う。

    一方の藤九郎はより魚之助を知ろう、寄り添おうと芝居の世界に浸かり魚之助の友人・花魁の蜥蜴に会いに吉原にも向かう。

    化け者になる恐ろしさ、化け者でなくなる怖さ、化け者に取り込まれる恐ろしさ、化け者にすらなろうとする怖さ。

    『好きという気持ちは、こんなにもおぞましく、煌びやかで、恐ろしい。
    そして役者というものは、その好きを一身に負っている』

    藤九郎の純粋さ優しさは、魚之助らにとってはある種の残酷さも感じるものなのかも知れない。
    だからこそ『相容れへん』『わかり合えねえ』ことに少し安心感を抱くのかも知れない。
    魚之助と藤九郎の関係性の面白さが分かってきた気がする。

    ※シリーズ作品
    ①「化け者心中」

  • 藤九郎と魚之助ふたたび。前作ではふたりの関係性に大きな変化があったので、今作ではどうなるのかと思いながら読み進める。中盤までなんとなく緩い空気感というか、人の感情よりも芝居に焦点が当てられているような話の進行にやや物足りなく感じていた。前作ではふたりの関係以外にも役者同士のひりつくような空気感が全編通して漂っていて刺激的だったため。だが、後半に進むにつれて合点がいく。芝居の筋だけでなく芝居に関わる色々な人とその感情を合わせて、最後の一行まで楽しめた。

    文政時代、江戸随一の芝居小屋中村座にて『仮名手本忠臣蔵』の演目を終えた客席から屍体が見つかる。その屍体は、首の骨を折られて両耳に棒が突き立てられていた。中村座座元は、鳥屋の藤九郎と元女形の魚之助に真相解明の依頼をする。話を聞くと、その屍体は実は2人目であった。

    藤九郎と魚之助以外にも、めるや蜥蜴は要所に登場する。だから、前作を読んでからのほうが人物の関係性は理解しやすい。読んでいなくても充分に楽しめるとは思うが、また別の葛藤が描かれているため、今までのことを分かっているほうがより良い。ヤキモキしながら読み進めた。

    そして、物語の結末ではなんともやり切れない気持ちを少し感じつつ、ある感情を貫くことで生まれる欲望や葛藤を強く意識した。魚之助が約束によって引き受けた心と、藤九郎が決意によって繋いだ心、やっぱり極上上吉なふたりだった。また次の物語が読めることを期待しておこう。

  • 【野性時代新人賞受賞作『化け者心中』 刊行記念師弟対談】児玉竜一(早稲田大学文学部教授)×蝉谷めぐ実/芸界の情念に手をつっこんで | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-(2020年10月20日)
    https://www.bookbang.jp/review/article/646254

    紗久楽さわ - pixiv
    https://www.pixiv.net/users/8333543

    「化け者手本」蝉谷めぐ実 [文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322212001340/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      <訪問>「化け者手本」を書いた 蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん:北海道新聞デジタル
      https://www.hokkaido-np.co...
      <訪問>「化け者手本」を書いた 蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん:北海道新聞デジタル
      https://www.hokkaido-np.co.jp/article/895651/
      2023/08/21
  • 魚之助&藤九郎のコンビが芝居小屋での事件に挑む、「化け者心中」の続編。今回も謎の変死体の発見から、芝居に絡む人間模様があぶり出されていく。

    前作の解説にはこの続編のテーマは「恋」とあったが、いかに恋が人を狂わせるかを見せられた。ときにそれは人の命をも軽く扱ってしまうくらい。

    時代特有の言葉遣いなど、読みづらさを感じていた部分は続けて読んだおかげかいくらか慣れてきた。

    魚之助と藤九郎の関係性も一層複雑になりつつ、深化している。相手のことを分かりたい、でも分かり合えない。変わることへの怖さ、化け者になること、化け物になれないことを恐れる気持ち。
    それぞれの人物が抱く想いの錯綜から、相手を想うこと、好きという気持ちの影の部分に触れるようだった。
    芝居については素人だけど、世界観に浸りながら読み終えた。

  • 『化け者心中』の続編、本作が出ていたことにしばらく気がついていなかった。出遅れたと思っていたけれど、図書館では予約がついていない上に、本の状態があまりにもキレイ。こんなに面白いのになぜ?
    残念に思えてならなかった。
    文体や言い回し、時代特有の名詞を苦手とされる方が多いのだろうか。

    私にとってこのシリーズは、特殊な設定にも関わらず、織り込まれている物語が魅力的で、ミステリーとしても良かった。知識としても嬉しい感じ。
    さらなる続編もぜひ書いてほしいと思う。

  • 魚之助さんと藤九郞さんとの関係性が化け物心中より濃密になっていて良かったです。

    --------------------------
    ⭐あらすじ
    ときは文政、ところは江戸。
    芝居事さえ絡まなければおっとりした町、通油町。

    中村屋で芝居が終わった後、桟敷番が枡席に男が倒れているのを発見する。話かけようと近くにいってみると男は両耳から棒が突き出ている状態で死んでいた。
    魚之助と藤九郞の元に中村屋 座長から此度の事件を解決して欲しいとの依頼が舞い込み。
    --------------------------

    読書期間 2023年11月28日~30日

  • 2023.10.3
    今回の表紙も艶やか
    この二人はもしや、藤九郎と魚々様?
    女子の打ち掛けに白抜きの魚紋がある
    違うのか?

    『いすか』という鳥が鍵
    隣の市場の女形が配る白粉は鶯ではない、いすかの糞を混ぜているのだと藤九郎が気付く。

    曽我物語の兄の妾、虎御前の悲しい仇討ち。

    おもしろかったけど、先に読んだ『化け物心中』のほうが良かったな


  • まず、引き続き、紗久楽さわ氏の絵。本当に本の世界感を丁度良く表してるし、引き込まれる。読む前に10分以上見てた。

    相変わらず女形な世界観は素晴らしい。
    OBが現役フルボッコ。

    ただ、やはり廓詞っていうか、文体が2作目でも慣れてないのか、恋愛物が苦手だから全編それが漂ってる事に拒否反応あるのかわからないけど自分には…

  • 前作『化け者心中』から3年ぶりの続編。
    紗久楽さわの装画も艶やかに、魚之助と藤九郎のコンビにまた会えて嬉しい。
    と、この二人、それぞれの胸中に微妙な変化が。

    魚之助にもっと近づこうと、己の頭の中に芝居の箪笥を拵え、自らも芝居者になろうとする藤九郎。
    年を取ること女形でなくなっていくこと、藤九郎の優しさが自分を変えてしまうことに怯える魚之助。

    二人がお互いをかけがえのない存在と思っているのは明らかなのに、そのために反って二人が傷ついていく姿が切ない。
    「わかり合えねぇのは良いことなんですか。俺はあなたとわかり合いたい」p219
    他者とわかり合えることの喜び、
    わかり合えてしまうことの悲しみ。

    何も知らない純真無垢さは確かに鋭い切れ味に違いないけれど、「相容れない」ものを知った後の綯い交ぜの強さというのは、より深みを増すのではないだろうか。

    「化け者」に見事戻った魚之助を、藤九郎と一緒に見届けたい。そこから、また二人の新たな関係が始まると信じたい。

  • 『化け者心中』に続くシリーズ第2弾。
    足を失った元女形の魚之助と、足代わりとなる飼い鳥屋の藤九郎のコンビが、歌舞伎界に起きた連続殺人事件の謎を解く。

    時代ミステリーであると同時にホラー味もある、ゴージャスなエンタメだ。

    1作目『化け者心中』よりも読みやすいと思った。
    それは私がこのシリーズの設定に慣れたからだろうが、それだけではなく、デビュー作から本作までの約3年で作者が急成長し、上手くなったからでもあろう(エラソーですみません)。

    かなりディープな歌舞伎ファン向けの作品でもある。
    歌舞伎ファンならニヤリとするくすぐりが随所にあるのだろうが、あいにく門外漢の私にはその多くがわからない。

  • 何故だかなかなか読み進められなかった…

  • 『化け者心中』の続編

    鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった魚之助のコンビ再び。
    人の命さえも手段にしてまでも芸道を突き詰めたいと思ってしまう「化け物」たち。
    芸に生きる人たちも怖いが、恋に目がくらんだ娘たちが一番怖かった。

  • 藤九郎と魚之助の物語がまた読めるとは…ありがてえ…。
    今回も紗久楽さわ先生手掛ける装丁画のあまりの美し恐ろしさから、憎からず思い合う二人の行く末を案じておりましたが、あらあら極楽ではなくとも、今のところは地獄の一本道ばかりではなさそうでほっと一息。
    魚之助には幸せになってほしいじゃないですか……できればその隣には鳥屋のご主人にいてほしいじゃないですか……ねえ……。

  • 「さあ、化けもん暴きの幕が開くで」。文学賞三冠「化け者」シリーズ!

    「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」

    ときは文政、ところは江戸。
    心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。
    舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。
    演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。
    真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。


    『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説!

  • ――

     とざい、とぉーざい!


     デビュー作よりも面白いものを書くのが最初のハードル、とはよく云われるけれどそれに輪を掛けて、この手の世界観や舞台設定がはっきりした小説というのは最初の、あの、物語世界にぐぅうっと引き込まれるどきどき感が強すぎて、心してその入口を潜る時点で感動は薄まったりするもの……なの、だけれど。

     おどれぇた…凄みが増してやがるぜ…
     朝方読了して気が狂いそうになった。唸り声で目が醒めたひと居たらごめんなさい。
     丸一日いろいろ考え続けているのだけれど、結局、面白すぎるのひとことしか出てこないのがもう恥ずかしくて恥ずかしくて…。


     前作が『曾根崎心中』をもとにして『化け物心中』とくれば、今作『化け物手本』はそれはまぁ、『仮名手本忠臣蔵』を題材にしていて。にしてもその本歌を、ここまで緻密に物語の骨格にするなんて。エンタメとして、ミステリとして一級なのは云うまでもなく、けれど、探偵ものが避けて通れないあの命題にも触れてくるとは。そしてその命題が、芝居の世界とこんなにもリンクするとは。
     特に今作は、舞台の上で展開する部分が多かったのもより楽しく読めました。
     にしても巧い。本当に、同じ時代で生きていたかのような描写力。リズム感や言葉遣いから、題材も相まって何処か落語や浄瑠璃でも観ているかのようなライブ感がありました。中村仲蔵を、演れる程に観といてよかった。

     文句無し。あるとすれば、いつか終わってしまうことくらいか。
     ☆4.8

  • 好きも過ぎると恐ろしい。芝居熱とともに魚之助と藤九郎の気持ちの揺れや距離の縮まる様が描かれ、この世界観にハマる。とと様の人間っぽいところが垣間見れ、もっと知りたいと思う藤九郎の気分。

  • 『化け者心中』の続編。
    江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。

    好きだわ、この世界観が。
    藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
    で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
    寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
    元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
    殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
    好きなシリーズだ。
    前回の『化け物心中』を読み直したくなった。

  • イマイチ、よく分からなかった
    多分読む人が読んだら面白いんだろうけど、言葉自体や言い回しが独特で、少し理解し難い

  • タイトルの手本は、仮名手本忠臣蔵から来ているらしい。なるほど前作は「化け者心中」で曽根崎心中が演じられていた。今回は忠臣蔵に加えてライバルの芝居小屋で演じられている助六廓櫻賑(くるわのはなみどき)も題材になっている。知らなくても、芝居噺に疎い藤九郎に誰かが教えてくれる場面が用意されているから大丈夫。タイトルと言えば化け物ではなく化け者になっているのは、舞台の上で化ける役者の意味もあったのだと、今更ながら気づいた次第。
    前作からの興味で言えば、魚之助がどうなっているかと楽しみだったけど、立場としては元女形から変わらず。どちらかと言えば藤九郎の方が、芝居の世界を知ろうとして変わった様子。二人の気持ちだったり、関係だったりがどうなるのか、続編が出てほしい。

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著者プロフィール

1992年、大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。2020年、『化け者心中』で第11回小説 野性時代 新人賞を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。22年、『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞を受賞。

「2023年 『化け者心中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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