株式会社シェフ工房 企画開発室 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2023年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041136645

作品紹介・あらすじ

札幌にあるキッチン用品メーカーに就職した新津。トング式ピーラー、計量お玉やメジャースプーン。ちょっと便利なアイディアグッズが人気の会社で、次なるヒット商品の開発に取り組むが……。製品知識のない営業マンや天才発明家の先輩、手厳しい製造担当など、一癖あるメンバーに囲まれて悪戦苦闘。やがて過去の挫折と向き合う中で自分を見つめ直していき――。読んで満腹、美味しいレシピ満載の絶品グルメ×お仕事小説!

みんなの感想まとめ

夢を追い求める主人公が、調理器具メーカーで成長していく姿を描いた物語は、挫折を乗り越えながら周囲の支えを受けて前進する様子が心温まります。若さゆえの潔さと苦悩が交錯し、読者に勇気を与える要素が詰まって...

感想・レビュー・書評

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  •  学生時代から親しんだキッチン用品メーカーに念願かなって採用された1人の女性が、よき上司や先輩とともに商品開発に携わる姿を描くお仕事小説。
              ◇
     新津七雪。ピカピカの新入社員だ。 
     生まれも育ちも長野県の七雪は、大学卒業まで地元を離れたことがなかった。 
     だが就職は迷わず札幌を選んだ。そこには株式会社シェフ工房があるからだ。

     七雪がシェフ工房を知ったのは、大学のスキー部時代だ。マネージャーをしていた七雪は、寮での食事作りを通してシェフ工房のキッチン用品に出会った。そして、その使い勝手のよさやしゃれたデザインに惚れ込み、シェフ工房の熱烈なファンになったのだった。

     やがて就活時期になり、シェフ工房の求人を見つけた七雪は躊躇なくエントリーして札幌に飛んだ。面接試験に臨んだ七雪は製品の長所を嬉々として語り、ここで働きたいという思いを熱く訴えてみごと合格。
     その熱意を認められて希望通り企画開発室に配属された七雪の、幸せいっぱいの社会人生活が始まった。 ( 第1話「かしわもちトングでジンギスカン」) ※全5話。

          * * * * *

     主人公の七雪。
     明るく意欲に溢れ度胸もあるし、上司や先輩のアドバイスを真摯に受け止めもするという、いい意味での体育会系気質です。
     おまけにマネージャー経験で培った要領や手際のよさも身につけています。

     そんな七雪がプランナーとしても人間としても成長していく姿を描くのが、この作品のテーマです。
     でも、その描き方が中途半端だったように感じました。理由は明白です。盛りだくさんに過ぎたからです。


     最大の要因は、七雪の恋物語まで描こうとしたことです。

     七雪は設定からして就職1年目で色恋に気を取られるようなタイプに見えないですし、なし崩し的に茨戸との距離を縮めるところも無警戒に過ぎるでしょう。
     さらに相手役の茨戸についての描写が薄っぺらで存在感に乏しいまま、七雪が自身の恋心に気づくという陳腐なラストはマイナスでしかありません。

     こんなことに紙数を割いたために、七雪というヒロインに人間としての奥行きを出させるところまで描けなかったのだろうと思われます。

     例えば、明るくポジティブに見える七雪には精神的な暗部があるのですが、それを克服することこそが、七雪の人間としての成長を描く柱だったはずです。
     腕の疲労骨折でスキー選手を断念せざるを得なかった屈託と、同期の友人でスキー選手として期待される円城寺晴へのコンプレックス。それらが七雪の精神的な暗部を作っています。
     そこを乗り越えることで七雪は成長していくのですが、その描写が通り一遍で七雪の苦悩があまり感じられませんでした。


     また、七雪のプランナーとしての成長を描くには企画開発室の個性的で魅力的な面々の支えの描写が必要になります。特にエースの出町かがりの存在が重要です。
     なのにかがりという天才プランナーの掘り下げ方が足りないため、七雪の製品開発に向けた精進や苦労がまったく感じられませんでした。

     さらに七雪の適性を見抜いた深町室長や年齢の近い五味についても描写が浅いままで、七雪の成長という作品の本筋を構成する要素をなおざりにしているように感じました。

     他には、製造部の忠海という、製品実用化への障壁となる人物も魅力的な設定なのに、あまり機能しているように見えないのも残念のひと言です。


     悪意ある人物が登場しない設定なのですから、七雪の前進するための苦悩をきちんと描くべきだったと思いました。
     若い女性には恋物語という図式は、そろそろなくしてもいい気がします。

  • スキー選手の夢を怪我で断念した後に出会った調理器具会社で夢を叶えて成長していく物語
    若いのに、、若いからこそ?、、とても前向きで潔い気持ちがある反面、自身の挫折から前に進めない苦悩の中で周りに支えられながら乗り越えていく姿は、年齢関係なく考えさせられると共に、もっと前向きに頑張ろうと背中を押してもらいました。

  • 読みやすく、ほっこり。
    しかしここまで主人公のように好きなものを仕事にできるのは凄いですよね。熱量が。
    どちらかというと営業くん寄りだからなぁ。営業くんは感化されて熱持つようになってるけど。

  • スキープレーヤーとしての選手生命を怪我で絶たれ、マネージャーとして出会った便利な調理グッズ。このグッズに惚れ込み、新卒募集があると知り、長野から北海道へ就職した新津七雪。
    このキッチングッズ愛が素晴らしく、新人ながら一目を置かれる…

    営業の茨戸とのじれったい関係にムズムズしていましたが、まだ付き合うまではいかなくて残念でした。
    アットホームな商品開発課のメンバー達の新津への可愛がりに、ほっこりしました。

    シリーズ化希望です!

  • 登場人物みんなに好感が持てて、安心して読める物語。仕事にまっすぐ向き合う主人公を応援したくなり、読後は心地よい余韻が残る一冊。

  • 新津の勢いが凄い。明るく元気で自社製品が大好きで、でもちゃんと周りが見えているので嫌な感じが全然無く、とにかく良いなと思える子で素敵。
    周りの皆へのリスペクトも凄くて本当に良い子だなと思う。料理もおいしそうだし、人間関係も良くて楽しそう。

  • 札幌が舞台になっているということで読んでみた本。
    大好きなキッチングッズメーカーに就職した女の子のお話で、すんなり3時間ほどで読み切れた。
    自分の知っている地域が出てくるとやはり嬉しいので、こういう作品はたまに読みたくなる。
    大きな事件は起きなくても、時間の流れの中で人間関係が少しずつ変化していくほっこりとしたお話だった。

  • こういう便利調理器具って欲しいなーと思いつつもなかなか手の出ない商品の1つかも。ポトフ食べたくなった。

  • アイデアを出してそれを形にし商品化する
    言葉にすると1行だけど沢山の人がかかわる
    ことによってよりよい商品を作る過程が
    大変ながらも楽しそうに感じるところが
    キッチンメーカを愛する新津がヒロイン
    だからかなと思ったし、ここの社員の人たちが
    みんな良い人ってところもあったかな?
    いやっほんと素敵な人しかいないじゃん。
    しかし商品開発って開発する当事者は大変かも
    しれないけどすごく面白ですね。

    新津の過去にも驚いたけどその事実を知って
    あぁ~それだったらこういう性格で仕事への
    熱量も半端ないだろうなぁ~と納得。

    作中に出てくる北海道グルメや元々あった
    キッチン用品や新商品発売前の試作品を
    使った料理なんかもどれも美味しそうで
    ちょっと北海道に行きたくなったし
    ちょこっと便利グッズを利用した
    料理なんかも試してみたくなった。
    そしてずっと忘れていた仕事に対する
    まっすぐな姿勢と熱量なんかを思い出した。

  • 出てくる食べ物が全部美味しそうですし、気軽にサクッと読めます。
    この本に出てくるキッチングッズたち、どれも魅力的で、料理をする人しない人関係なく、誰でもシェフの腕前になれるっていうコンセプトがとっても素敵。
    商品開発のお話やから、私たちが普段なにげなく使ってるものでも、販売までにたくさんの人が関わって、知恵を絞って改良を重ねて作ってくれてるんやなあ、と改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。モノづくりって、めちゃくちゃ大変やけど、自分の想いが形になったとき、誰かの元に届いた時、ほんまに嬉しくて、、私も企画開発部の一員になったつもりで読んじゃいました。
    このお話もシリーズ化してほしいな。新津さんの今後が気になるし、この世界にまた遊びに行きたい!

  • 北海道弁に笑ってしまいました(*^^*)楽しく読ませて頂きました♪

  • ほんわかと、ゆるゆると進んでいくストーリーが心地よい。

    主人公・新津が自分自身と向き合うと同時に周りの人たちもその姿に感化されていく感じとか、出てくる人たちも皆いい人だとか、本当にこんな会社があるならば、私も仲間になりたい!

  • 美味しさと温かさが共存していてとても良い。

  • 札幌のキッチン用品メーカー「シェフ工房」
    シェフ工房の調理器具を愛用する新津は熱望の末、新入社員として入職する
    個性的な同僚に囲まれ、多くの人の役に立つグッズを生み出すため新天地で奮闘していく
    社内の人がみんな優しい理想郷 製造部の鬼、忠海さんも神とおだてる様は微笑ましい
    便利キッチングッズで北海道の新鮮グルメをおうちで味わい尽くす!ホッキ貝など素晴らしい食材があればこそなので羨ましい限り。
    営業部の先輩、茨戸さんのアプローチが積極的、仕事に向けたポジティブコミュニケーションだけど今後の展開に希望。

  • 北海道にあるキッチン用品の会社に就職した新卒女性を主人公したお話で、深みはないが、ほんわかしていて気軽読める作品。

  • 札幌の調理器具メーカーの商品企画部に念願叶って就職した新津。
    ヒットメーカーだけど天然な先輩や、商品知識のない営業たちと関わりながら過ごす半年間。

    使いやすそうな調理器具と、北海道の美味しいごはんに料理がしたくなるような一冊だった。
    2段スチーマーを使った煮浸しうどんなんか美味しそうだったなあ。ふわかる泡立て器で作ったホタテのフリッターもどんな感じなんだろう。じゅるり。

    出身が長野なので、おやきも恋しくなった。おやきはごはんにもなるし、おやつにもなる便利な食べ物だよねえ。

    正直恋愛要素はいらないかなとは思ったけど、恋愛展開がほどほどな所で終わったので程よいスパイスになった。お互いを高め合える関係がつづきますように。

  • 自分が諦めた道で活躍する友達に対するモヤモヤした気持ちと、その気持ちのままでは会えないなと思う感覚に共感した。

    私も同じ部活やってた友達、職場の同期、異動する前の職場の同僚とどうしても比べてしまう。
    自分が努力してやっと辿り着くものを最初から持ってる人っている。反対に、きっと自分もその人が持ってないものを持ってるはずなんだけど、同じことをやろうとするとどうしてもその中での差が気になっちゃう。

    茨戸さんとの関係性の変化が気になるので続編読みたい!

  • 便利グッズを駆使して簡単美味しいお料理を作る様が楽しい。
    こんなふうに大好きな会社で楽しんで前向きに仕事が出来たら良いなぁと思う。

  • おやきはかぼちゃ。ナス味噌も野沢菜もすてがたい

  • キッチングッズへの愛が凄い主人公!
    読んでいてその勢いと熱量に読んでいて思わず笑いがこぼれた。
    周りを巻き込むほどのキッチングッズへの愛。ここから生まれるキッチングッズはきっと、いろんな人を助けて愛されるんだろうなあ。
    何気なく手に取っているキッチングッズは、こんなにたくさんの人の考えや思いが詰め込まれているんだよね。

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著者プロフィール

北海道函館市出身。
2010年『懸想する殿下の溜息』(イースト・プレス)でデビュー。2018年『総務課の播上君のお弁当 ひとくちもらえますか?(受賞時タイトル:ランチからディナーまで六年)』(宝島社)と『隣の席の佐藤さん』(一二三書房)で第6回ネット小説大賞を受賞。他の著書に『総務課の渋澤君のお弁当 ひとくち召し上がれ』(宝島社)など。

「2022年 『小料理屋の播上君のお弁当 皆さま召し上がれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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