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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041136690
作品紹介・あらすじ
考古学会の新進として注目されていたZ大助教授・江村宗三は、松山の老舗商店に嫁いだ元兄嫁の美奈子と度々逢瀬を重ねていた。しかし、2 人で計画した瀬戸内海旅行の中で、美奈子は宗三に妊娠を告げる。「もう松山には戻れないわ。あなたなしには生きてゆかれなくなったわ」……子を産む決意だというが、それは宗三の学界からの追放を意味した。宗三は美奈子の殺害を計画するが――。男女の愛憎心理を鋭くえぐる松本清張の傑作長編推理。ほか一遍収録。
みんなの感想まとめ
男女の愛憎と身勝手な欲望が交錯する物語。考古学助教授の江村宗三は、元兄嫁の美奈子との不倫関係を続ける中で、彼女の妊娠を告げられ、自己保身から彼女の殺害を計画する。物語は、肉欲に溺れた男の短絡的な思考と...
感想・レビュー・書評
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松本清張『内海の輪 新装版』角川文庫。
50年前の1973年に刊行された作品。表題作の『内海の輪』と『死んだ馬』の2編を収録。2編とも、男女の爛れた不倫関係が凶悪犯罪を生み出し、完全犯罪が僅かな綻びから破綻していくプロセスが描かれる。
『内海の輪』。
さすがに時代を感じる描写が多い。スマホも無いこの時代、秘密裏に不倫関係を続けるというのは相当の苦労があったことだろう。しかし、50年前も今も男女の不倫が生み出す凶悪犯罪という構図は変わらない。
読み所は、犯人の江村宗三の完全犯罪が破綻する最終盤のプロセスである。まさか、そんなことからということが現実でも起こり得るのだろう。
14年前。当時、大学院生だった江村宗三の兄の寿夫は美奈子という女性と結婚するが、兄はキャバレーで働く女性との関係が止められず、実家を出て、その女性と新潟に暮らす。
宗三は両親から頼まれ、美奈子と兄の元に女性と別れるように説得に行くが、説得には応じず、美奈子と離婚することになる。その帰途、宗三は美奈子と同じ宿に泊まり、求められるままに美奈子と肉体関係を結ぶ。
その後、美奈子は実家に戻り、その後、20歳上の松山の老舗商店の主人と再婚し、商店を切り盛りしていた。
14年後、考古学の助教授である宗三は銀座で、偶然、美奈子と再会し、再び肉体関係を結び、ただならぬ関係になり、度々の逢瀬を重ねる。
しかし、2人で計画した瀬戸内旅行の最中、宗三は美奈子から妊娠したことを告げられる。このことが大学で発覚したら教授への道が絶たれると危惧した宗三は美奈子を蓬来峡に連れ出して殺害し、その死体を山中に遺棄する。
2年後、何時、警察が尋ねて来るかと怯えながらも教授に昇格した宗三だったが……
★★★★
『死んだ馬』。
『内海の輪』と同様に男女の不倫関係が凶悪犯罪を生み出し、僅かな綻びを切っ掛けに完全犯罪が破綻していくプロセスが描かれる。
和風建築の第一人者、63歳の池野典也は、30歳下のバーのマダムの石上三沙子と再婚する。2年後、池野の衰えは明らかになり、三沙子は池野の建築会社を我が物にしようと従業員で最もセンスのある秋岡辰夫を誘惑する。三沙子は逢瀬を重ねる中で、秋岡に池野の殺害を仄めかしたのだ。
そんな時、池野の自宅に強盗が入り、三沙子は無事だったが、池野は強盗に殺害される。警察は捜査本部を立ち上げ、大がかりな捜査をするが、犯人の手掛かりが無く、事件は迷宮入りする。
しかし……
★★★★
本体価格720円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不倫&殺人を描いた中編2作収録。どちらも相手の女性は歳上で夫側はかなり歳上、そしてダブル不倫という特色。
表題作の方は元兄の嫁さんで兄もなかなかの屑だったが弟の方も肉欲不倫を楽しんで相手を妊娠させて困ると殺害という短絡的かつ身勝手な男である。本書に限らずだが松本清張の作品では男は愛人を持っているのがデフォルトみたいなのが多い。多分昭和の価値観で男尊女卑の感が強い。
『死んだ馬』の方は美しい夫人の方が見た目劣化していくだけでなく目をつけた青年の金に吸い付くヒルの様でタイトルが秀逸。犯人側に同情もしたくなるが…。 -
考古学助教授の江村宗三は、元兄嫁美奈子と関係を持っていた。男女の愛憎、肉欲に溺れた江村の感情、年上の夫に愛情のない美奈子の江村に対する愛情が描かれており、妊娠したと告白した美奈子に対し殺意を抱く江村。用意周到に殺人を実行する。このまま迷宮入りになるかと思いきや、ひょんなことから警察が動き始める。悪いことはできない。お天道様は全てお見通しなのだと思う。それにしても警察の諦めない姿勢はすごい。収録された「死んだ馬」も男女の愛憎に絡む短編。清張さん 男女のドロドロの関係から地獄に向かって進む人間の身勝手さをリアルに描きます。2023年10月1日読了。
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人に見せちゃだめだろ。
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宗三は元兄嫁の美奈子と不倫関係を続けていた。妊娠を告げられた宗三は保身の為、美奈子の殺害を計画するが…。前半は具体的官能シーンが無い官能小説と言っていい程読者にいやらしい想像を掻き立てるが、それが後半の宗三の転落との落差を生んで効いてくる。
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怖いもの見たさでページを繰る手が止まらなかった。松本清張らしさ全開。
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「作品紹介」文中の「ほか一遍」は、「一編」か「一篇」でしょうな
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