潮風テーブル (3) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041137581

作品紹介・あらすじ

守りたい居場所が、ここにある――
海果は、この夏最大のピンチを迎えていた。台風で家が大きな被害を受けた上、近所にパスタのチェーン店ができたのだ。端物の魚介類や、地元産の形が不揃いの野菜を使って原価を抑えても安さで負ける。落ち込む海果だが、相棒・愛の機転で新しい看板メニューが誕生。やがて、2軒の店をめぐる事態は思わぬ展開に……。葉山の海辺にある料理店を舞台に、素朴で実直な海果を取り巻く人間模様を描く。潮風が吹き抜ける感動の物語。

みんなの感想まとめ

心温まる物語が展開されるこの作品では、海果が経営する料理店の運命が台風や大手チェーン店の影響を受けながらも、仲間たちとの絆を通じて新たな道を見出す姿が描かれています。シリーズを追いかけてきた読者には、...

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
     海果の店の近くに、大手チェーンが経営するパスタ専門店がオープン。
     台風で家の壁が損傷を受け、その修繕費も用意しなければならないのに、売り上げに影響が出始める。
     一方で、野球選手として復帰するためのトレーニングを開始した一郎も、自分の進むべき道に迷いがあるようで。
     葉山を舞台に描かれる湘南キッチンシリーズ第三弾。

    【感想】
     今回は、STORY STORY YOKOHAMAさんから、特典付きのサイン本をお取り寄せ。
     この湘南キッチンシリーズはお気に入りで、本棚に並べておきたいので、サイン本で欲しかったのです。
     直接サインをいただいたこともあるのですけれどね(^^;;
     もともと喜多嶋さんの作品はメッセージ性の強いものが多いのですが、このシリーズは、かなり直球のストレート。
     何を恥ずかしいと思うか、何を誇りに思うか。それは人それぞれだとは思います。
     けど、私は喜多嶋さんが描く登場人物たちのように、自分に恥ずかしくないよう、背筋を伸ばして、自分の足で一歩一歩地面を踏み締めて、生きていきたい。
     このシリーズでは、1冊目から、貧困差や企業や政治家の不正問題を取り上げていて、今、何を考えるべきか、何を恥じるべきかということについて、考えさせられます。
     私は10代の頃に、喜多嶋さんの小説から「人生の流儀」という言葉を教わりました。
     人生は長く曲がりくねった道だけど、その道を歩く、自分の生きる流儀を決めるのは自分自身。
     哲学とか、政治とか、そんな難しい分野でなくても、身近なところから、考えることは出来ます。
     本作もそんなことを教えてくれる1冊になっていると思います。

  • シリーズものと気づかずこちらの本から読みましたが、特に不都合ありませんでした。
    独特の文体に慣れない部分もありましたが、真面目で懸命に生きていく主人公たちの姿が眩しかったです。

  • 連作だったんですね。いきなり3部から読んでしまった。
    葉山が舞台です。

  • 借金を残したまま母親が家を出て、一人になった18歳の海果

    母親が入院、父親が不在の中学1年生 愛と2人で築50年の小さな居酒屋〈つぼ屋〉を切り盛りしている

    その夏……台風で家が大きな被害を受けたうえ、近くにパスタのチェーン店が出店して売上が下がり大ピンチに

    プロ野球復帰の思いを秘める若い漁師の一郎
    左遷と離婚のピンチにある信金職員 葛城
    低農薬農家の息子 耕平と母子家庭の少女 小織
    選挙違反で父が逮捕された人気の若手俳優 慎

    葉山の小さな料理店を舞台に、魚市場ではじかれる魚やイカと同じ〈戦力外〉の、けれど素朴で実直な人たちの人間模様を描く“潮風が吹き抜ける感動の物語”

    《守りたい居場所が、ここにある》──帯のコピー

    『潮風キッチン』『潮風メニュー』に続く第3作、2023年9月刊

    カバーの写真にもなっている〈つぼ屋〉の新メニュー、食べてみたい

  • 今Melody Fairを聴きながら感想を書いています。
    目を閉じると海果と愛の笑い声が聞こえてくるような気がします。

    この小説は1本のCommercial FilmのようでありLong Movieのようでもあります。
    カメラワークを多彩に切り替え、読者を小説の中へ引きこむマジックを使う、著者、喜多嶋ディレクターが生み出す多彩な映像やセリフ、そしてコピーライティング。
    それらが重なりあった素朴な料理の様でもあり、不思議なカクテルのようでもある小説です。

    飽食の時代に、読者自身が自分を振り返り、警鐘に気づくような作品になっています。
    ※気づけない人もいますけど・・個人差ですから・・
    私は本書を読み進めるにあたって、5回泣きました。
    何処で泣いたか?、この本を手に取った皆さんと同じか否かはわかりませんが、何気ない平凡さ、その平凡を手に入れる事ですら必死に生きて、やっと手入れる幸、そんな、幸せを感じられるような作品に仕上がっています。
    ただ、読者の心を少しだけえぐり取る結果になるかもしれません。
    私はこれで、泣いてしまったのですけどね。

    さて、潮風シリーズの根底にあるのは、貧困と富裕のギャップ。
    日本でもそれは必ず存在しているという事。
    富裕層はそれを理解する事。
    貧困層と書くのははばかられますが、貧困層は前を向いて生きている限り、困った時には必ず助けてくれる人がいるということ。
    助けてもらう事は恥ではなく、前を向いて一生懸命に生きている限り、それは美しく、そして必ず幸せになれるという事。
    だから、何事もあきらめてほしくないというメッセージも込められています。

    全シリーズに、「一生懸命前を向いて生きる」そんな思いが込められていています。
    それを登場人物の生き様に置き換えて、ストーリーを組み立て、読者を感動の涙に誘う小説です。
    今回の「潮風テーブル」もまんまと著者:喜多嶋隆にしてやられた感が否めません。

    それは、のめり込めばのめり込むほど、いつしか登場人物が乗り移ったかのように、小説の中で起きる出来事を疑似体験している感覚に襲われます。
    だからこぞ、プっと笑ったり、涙がこぼれたりするのですよね。

    先にも書きましたけど、
    私も物語りを読み進めるうちに5回は泣いてしまいました。
    なので絶対に電車や会社で読まないほうが良いです。
    ご自宅でリラックスしながら、喜多嶋ワールドを堪能してください。
    そして、登場人物と一緒に、物語りを楽しんでほしいと思います。

    この感想を読む皆様に、もっともっと物語りを楽しんでほしいので、ネタバレは、もう少し経ってから公開する事にします。

    余談ですが、
    私の仲間達で以前、国際NGOチャイルドスポンサーシップや足長育英会に寄付をしていた事もありました。
    今回の慎のCMや、ドキュメンタリーが本当に実現すればよいと個人的には思いました。
    あ・・これはネタばれですね。(笑)

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著者プロフィール

東京・本郷生まれ。明治大学卒。学生時代からロックバンドでドラムスを担当。卒業後、広告業界に入りCMディレクターとして海外ロケに飛び回る。そんな中、ふとしたきっかけで応募した小説現代新人賞(講談社)を受賞。作家としてスタートを切る。「ポニー・テールは、ふり向かない」などの作品は次々と映像化され、リズム感と叙情性を両立させた作品世界は、読者からの熱い支持を得ている。その後、葉山の海辺に移り住む。潮風が吹き抜けるハワイや湘南を舞台に、人生で大切にしなければならないプライドや愛を爽やかに描き続けている。KADOKAWA、光文社、中央公論新社などからの著書多数。

「2024年 『夏物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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