化け者心中 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年8月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041138823

作品紹介・あらすじ

ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す――。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の本質や欲望を探求する物語が展開され、読者を引き込む魅力があります。舞台は江戸時代、芝居の前読みの場で生首が転がり、鬼が役者に成り代わるという衝撃的な事件が発生します。元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎...

感想・レビュー・書評

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  • 蝉谷めぐ実さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
    評価は⭐️3としましたが、腹落ちせず、何とも言えないもやもや感を拭う事が出来ません。
    鬼探しというストーリー展開、魅力満載の主人公、人と鬼の違い・定義とは❓、ラストで明かされる真相と作品名『化け者心中』の整合性(化け物ではなく、化け者)など、読了後の感想は良かったのですが、どうしても⭐️4とはなりませんでした。
    恐らく、時代小説を読み慣れていない事と、そもそも本を読む力、楽しむ力が不足している事が大きな原因だったのでしょう。
    蝉谷さんの作家としての力量に間違いはないと感じましたので、続編である『化け者手本』を、少し間を設けてから読んでみようと思います。

  • <蝉谷めぐ実インタビュー>江戸で一番妖艶な、傾奇者たちの鬼探し。話題沸騰中の新世代作家、鮮烈デビューの舞台裏 電子版34号 | インタビュー・対談 - 本の話
    https://books.bunshun.jp/articles/-/5877

    「化け者心中」蝉谷めぐ実 [角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322303000882/

  • 久しぶりに時代小説を読みたくなり、手に取った。
    芝居の前読みの場で6人の役者の輪の中に生首が転げ落ち、鬼が役者の一人に成り代わっている。元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎が座元に請われ、鬼探しを始めるー

    鬼や生首という提示からもっとホラー味が強いのかと思っていたが、鬼探しの過程で明らかとなる役者の性や人間の欲の方が鬼の恐ろしさよりドロドロしていた。途中鬼という架空の化け物はいない、人間の方が化け物だったという話なのでは?と疑りながら読んでいたら、最後に鬼の存在は明かされた。でもその鬼が人を喰った理由はちょっと切なく、哀しいものだった。

    ただやっぱりこの小説は鬼が誰かという謎解きメインではなく、役者という生き方を通して見た人間の本質や、男と女、芝居と現実のあわいを生々しく描き出したところが真骨頂なのだろう。多少読みにくさを感じる部分はあったけど、人物描写や言葉づかいから生き生きした江戸の描写を感じられた。主役2人のコンビもいいなと思ったところで続編があるようなので、そちらもいずれ読んでみようと思う。

  • 表紙の妖艶さに心引かれ読むことにしました。
    本小説は鬼を探す物語となっております。
    途中まで鬼などいないだろうと思いながら読んで
    おりましたが、鬼が出てきて度肝を抜かれました。
    登場人物は途中まであまり馴染めませんでしたが、
    いつのまにか魚之助さんから目が離せなくなって
    おりました。
    魚之助さんには幸せになって欲しいです。
    魚之助さん以外にも芝居役者の人間性など生々しく
    書かれており面白く感じました。
    ところで最初しか登場しませんでしたが、
    おみよさんはどうなったのでしょうか。
    --------------------------
    ⭐あらすじ
    ときは文政、ところは江戸。
    芝居事さえ絡まなければおっとりした町、通油町。

    時は夜四つ、役者を集め前読みをしている時。
    ごろぅり。
    ぱきり、ぱきり、がじがじ、ちゅるりゅるり。
    突然、部屋に何かが落ちた後、不可解な音が続いた。
    音がなりやみ、ぼんやり明るくなった部屋を見渡すと
    そこには赤黒い染みが広がっていた。
    しかし、役者の人数は変わっていない。
    鬼が役者にすり変わったと思った座元は
    魚之助と藤九郞に鬼が誰なのか探して欲しいと依頼し。
    --------------------------

    読書期間 2023年11月25日

  • この装丁の絵を見て心が動かない事があろうか!!
    しかも読了後またわかりみが凄い。

    まだ私がこの文体に慣れてないから読むのに時間が掛かった。
    ストーリー自体はミステリーを期待してたからその落差があったけど、ただエピローグの「二項対立と二律背反のゆらぎの纏め方」綺麗で素晴らしかった。

  • なかなか修羅の世界

  • 生きている人のほうが怖い。
    役をいきるとは、その場面になんとしてでも演れるということ。
    自分にはやれんなぁと思ったことを思い出した。

    文体が途中でなれなくて、読むのが辛かった。
    後書に擬音語、擬態語が多いと書かれてて、なるほどと思った。
    好みの話だが。

  • 江戸時代を舞台にしたミステリー
    芝居小屋、今で言う歌舞伎の世界で起こる事件

    なんだか読みづらくて
    登場人物名前が覚えづらいのと場面展開に没入出来なかった。
    良いと思うのだ、古い時代物をいっぱい読んでいるから新作の時代物が個人的に駄目なんだろう

    70年前の本の方が読みやすい、、、、
    自分が年取ったのだろう

  • テーマよし、筆致よし、タイトルも装丁も文句なし、ストーリーには意外性もあって、現代のジェンダー問題にも通じるところがあるし、ミステリだけでなく怪奇小説・ファンタジー小説としても読める。これがデビュー作というのは確かに凄く、著者の力量の高さがうかがえる。
    それなのに私ときたら、この練りに練られた文章に乗り切れず、会話文や地の文で主語が何なのかが時々分からなくなる有様で、話の流れについていけなくなることが多々あった。
    自身の読解力の無さを棚に上げて書くのは気が引けるが、時間をかけた読書が要請される作品であることは重々承知しつつも、読みごたえが十二分にありすぎて、時代小説や芝居といった分野にさほど詳しくない読者にとっては敷居が高く、普通に読み進めるのにも結構苦労するのではないかと思った。
    一般の読者に広く受け入れられるには、もう少しリーダビリティがないと難しいんじゃないかなあ。大きなお世話かもしれないけど。

  • 幕末の江戸、歌舞伎役者の中に鬼が紛れ込んだ。鬼探しを依頼されたのは、元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎。魚之助は壊疽が原因で舞台を務められない。こういう話を読んだと思って調べたら実在の人物がモデル。(後書きにも書かれている。私が前に読んだのは「狂乱廿四孝」。他にも彼を描いた本はたくさんあるらしい。)
    役者の妬み嫉み、良い役が欲しい。全ては芸のため。一方で家柄だけと言われたくない。華やかな舞台の裏の嫌な部分が描かれる。演目が「曽根崎心中」で、少し前に見た「国宝」の映画にも出てきたので、場面が目に浮かぶ。
    探偵役が、仕方なく舞台から距離を置いている魚之助と、ほとんど歌舞伎のことを知らない藤九郎という組み合わせも良い。思うようにならない身体に癇癪を起こし、我儘に振る舞う魚之助。鳥以外は不器用な藤九郎。続編があるというので、彼らの活躍が楽しみ。個人的には、蘭方医見習いのメルにもうちょっと活躍してほしい。

  • めっちゃ良かった!!!
    魚之助の滴るような艶美さと藤九郎の一本芯の通った心根と純朴さ。
    鬼探しという謎解き要素を中心にはしてるけど、再生の物語だった。
    続編もあるみたいなので絶対読む!

  • デビュー作らしい勢いにあふれた一冊

  • 時代歌舞伎ミステリー?で面白かったです。

  • 役者は芝居に狂う化け物。
    何かに魂を捧げる業の描き方が凄いわ…
    終わり方も好き。
    芝居のことも、そこにかける業も何も知らないからこそ、魚之助は藤九郎がいいんだよ。
    面白かった

  • ハードカバー版あります。

  • 小説野性時代新人賞(第11回/2020年)
    日本歴史時代作家協会賞新人賞(第10回/2021年)
    中山義秀文学賞(第27回/2021年)

  • 面白かったけれども何故か情景が頭に入りにくく、ゆっくり読ませてもらいました。
    妖怪やホラー物、推理物として読んでしまうと少し弱く、人間の心情や関係性を楽しむ物語でした。
    個人的にはエピローグが一番好きかもしれません。
    魚がなぜ主人公を気に入ったのかのエピソードがあればもっとよかった。多分無かったかな、と。

  • 気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。
    その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。

    誰よりも人気が出たい。
    誰よりも上手くなりたい。
    芸のためなら人を陥れることも、殺めることもいとわない。

    そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。
    本当に鬼がいたんだろうか?

    そんな疑念が浮かびつつ読み進む。

    やっぱり鬼はいたんだな。
    でも、その鬼は悲しい。
    鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。

  • 足を失ったため、失意の中で、舞台から遠ざかった女形。それでも、女の装いと振る舞いを続ける。
    男と女との間で揺れる女形が、芝居小屋に潜んだ鬼を探る中で、芝居に対する血のにじむ努力、才能に対する葛藤が露わになる。
    男と女、人と鬼、善と悪、嘘と真の境界が揺れ動く。見る角度で境界が変わる。本当は、境界など無いのかもしれない。
    現実世界でも、二元論ではなく、多様な見方を意識していたい。

  • 歌舞伎の世界、初めて触れたから新鮮だった。
    ただ、イメージ通りドロドロしてた(笑)
    女形は特に色々ありそうだなと思っていたけど、やっぱりそうなんだなぁ。
    女形をやってるとやっぱり虐めは苛烈なんだな……。
    そして、女形だからやはり性的な嫌がらせも……。
    だけど、芸者だから男色になってしまうんだね。業が深いわ。

    八百吉と鬼は別物だよね…?
    ラストがいきなりファンタジー要素ガッツリ入って来てビックリした。
    本当に鬼が存在している設定なんだな。
    八百吉のことが好きになってしまったんだね、鬼は。
    皮肉なことに、鬼が八百吉の代わりに舞台に立つと評判が上がるという。
    今回、容疑者がそれぞれ嫉妬している相手に陰謀を働くから誰が鬼なのか全然分からなかった最後まで。
    面白かった。まさかの八百吉。

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著者プロフィール

1992年、大阪府生まれ。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。2020年、『化け者心中』で第11回小説 野性時代 新人賞を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。22年、『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞を受賞。

「2023年 『化け者心中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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