- KADOKAWA (2023年9月22日発売)
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感想 : 10件
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041140864
作品紹介・あらすじ
東京で夫と穏やかな暮らしを送っていた由香にとって、悩みの種は夫の実家のことだった。
結婚当初「どうってことないうち」と言っていた夫の実家は、北関東にある河童市の由緒ある家柄で、祖父が元市長であり伯父は現職の市長だったのだ。
煩わしいことには関わらないと宣言していた由香だったが、夫の伯父である現職市長が病に倒れてから状況は一変。
地元に帰ることはないといっていた夫は、姑や伯父の懇願に負けてしまい、選挙に出ることを決意してしまう。
最初は別居して選挙と距離を置いていた由香だったが、次第に選挙をめぐる問題に巻き込まれていき――。
選挙を通じて描かれる、本音と建て前が渦巻く家族小説!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
選挙を通じて描かれる人間ドラマが、現実の政治の厳しさや家族の絆を浮き彫りにします。物語は、選挙という異常事態に巻き込まれた主人公の心の葛藤や、周囲の人々との関係が複雑に絡み合う様子を描写しています。選...
感想・レビュー・書評
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選挙は魔物ということがよく分かる小説。選挙という勝負がかかった異常事態に巻き込まれた人間が、ほぼ正気を失っていく様が怖くて愉快だった。
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林真理子さんの小説は面白くて、一気に読みました。選挙にのめり込んでいってしまう描写が秀逸、選挙のニュースなどでの支援者の熱狂ぶりになるほどと思えてしまう部分があった。そして、政治家はつねにハイテンションだから、欲求も強い、というくだりに妙に納得してしまった…。
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ミーハーなことを嫌う地味系の由香。図らずも夫が郷里で出馬することになり、嫌々ながらも仕事と東京を捨て北関東の田舎都市に移り住む。父親と兄が代々市長だという姑は選挙に前のめり。それを取り巻く口うるさい後援者たち。古いしきたりにがんじがらめになり、何を言っても何をやっても目立ってしまう立候補者の妻という立場が嫌すぎて、一時は離婚まで考えた由香だが‥。いざ選挙活動を始めて自分なりにやってみるとどんどん戦闘ムードになり姑と張り合う形になっていく。解説の酒井順子さん曰く「スタビライザー(飛行機などに付いている水平安定装置)が故障した状態」環境が変わり、いわばちょっとしたトランス状態になってしまったのだ。人間って底知れない可能性を秘めてるもんなのですね。由香はもう、平凡な東京の生活には戻れないでしょう。
しかし、地方の選挙ってほんとにそんなに一般人にお金をばら撒いてるんですかね。「選挙はお金がかかる」ってそういうこと?「金ばっかりじゃない。人にいろんなことを頼んで義理ができる。当選するっていうことは、そういう人たちに義理を果たすっていうことになるんだ。金の回収と義理を果たしてるうちに任期は終わるていう仕組み」とある。全くあり得ない話ではないと思う。 -
地方選挙に関わる人たちを冷めた目で眺めていた主人公。
夫が地方都市の市長選に立候補したことで特殊な世界に引きずり込まれ徐々に狂っていく様子が不気味で滑稽で…なんともリアル。
「関わっている人たちの脊髄からは非常事態ホルモンが分泌されている」という表現が、選挙戦の特殊性を言い表している…
関わるすべての人がそれぞれに壊れていく。
選挙は祭りであり戦であり、当事者にとってはともかく有事なのだ。そして部外者として眺める読者にはひたすら滑稽に映る。
政治と一般社会の乖離を実感させられる。
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人の気持ちってこんなふうに変化していくのか、と思わされる本
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小池さん、現実はなかなか小説のようにいかないですね。日大改革頑張ってください!
著者プロフィール
林真理子の作品
