- KADOKAWA (2023年12月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041141007
作品紹介・あらすじ
「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。
『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家族”小説。
みんなの感想まとめ
人との出会いが青年の心に変化をもたらす物語が描かれています。舞台は昭和の北海道、キャバレーでの共同生活を通じて、主人公の章介は、個性的な三人の芸人たちとの交流から「淋しさ」を思い出し、人生の意味を再発...
感想・レビュー・書評
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あなたは、『レディース&ジェントルメン ー』と始まる舞台を見たことがあるでしょうか?
昨今、リアルな体験にお金を払う人が増えていると言われています。コロナ禍の反動もあってか、ライブイベントはどこも盛況、このレビューを読んでくださっている方の中にも、読書も好き、でもライブも好きという方も決して少なくないと思います。
では、ここで一つの舞台の様子を見てみたいと思います。
『だから、オカマじゃないんだってば。シャンソン歌手よ。あたしのステージ、ちゃんと見ていってちょうだい。レコードだって出してるんだから』。
なんだか超個性的な人物のステージのようですね。これだけ読むと好き嫌いが分かれそうですが、何かしらのショーの舞台であることに違いはないようです。今の世の中、さまざまショーが日夜繰り広げられてもいるのです。
さてここに、『今夜の演し物は、マジック、歌謡ショー、ストリップの順に決まった』という『グランドキャバレー』を舞台に描く物語があります。作者の桜木紫乃さんお得意の釧路を舞台にしたこの作品。読んでいるだけで寒くもなってくる厳しい季節を描くこの作品。そしてそれは、そんな季節にも関わらず人のあたたかい温もりをそこかしこに感じさせる人と人との繋がりを描く物語です。
『久しぶりだな、父ちゃん ー』と、『解いた風呂敷包みから現れた箱に、とりあえず手を合わせてみる』のは主人公の名倉章介(なくら しょうすけ)。『盆明けに入院先に見舞いに行ったきり、通夜にも葬儀にも出なかった父親の、変わり果てた姿だ』、『人間、死ねばこんなに小さくなるのだと改めて感心する』章介は、『陽気な博打うちだった』父親のことを思います。『父ちゃん死んだ』、『葬式は三日後。あんた、来る?』と『電話をしてきた母親』の『来たって別にやることないけどさ』という言葉に『「じゃあ、行かない」と返した』章介。そんな章介は、『父ちゃんのこと、よろしく頼みます』と、『母からの手紙が載っ』た『骨壺』を受け取ることになりました。『十九歳のときに章介を身ごも』り、『父親の博打の資金を稼ぐために昼夜なく働いてきた母も、親の代から続いてきたという「博打うちの身内」からようやく解放されたのだ』と思う章介は、『なんでこんなのとずっと一緒にいたんだ、母ちゃんは』と思います。一方で、そんな『骨壺』を見る章介は、『すり切れた畳の上も、万年床の上も、置き場所としてはどうなんだろう』とも思います。『グランドキャバレー「パラダイス」の寮』という『八畳間が四室からなる平屋のアパート』に暮らす章介。『本来なら正社員とステージに立つタレントのためのものだが、老朽化が進み無人が続いていたので「住んでもいい」と言われ』た章介は、『家具もなく湿気った布団ひと組のただ寝るだけの部屋に』一人で暮らしています。しかし、そこは『水道は凍るので、数日に一度バケツに溜める水が頼りだ』と、『火の気がなくなるとものの五分で外気温と同じになる』状況です。『「寮完備・まかない付」の文字に惹かれ「パラダイス」の下働きに職を得たのが十六の時だった』という章介。
場面は変わり、『地元歌手の出演期間が終わり、いよいよ年末年始のかき入れ時へと突入だ』というある日、『「名倉くん」と章介を呼ぶ声が』し、『木崎が手すりから顔を出し』ます。『元ホステスを女房に持ちながらも、店の女の子たちにとっては「キザの木崎」と呼ばれる』マネージャーの木崎は、『優しい兄で友人で彼氏だった』という存在です。『名倉くん、お疲れさま。相変わらず、いい働きだねえ』と言う木崎は、『もう少し、楽器なんかを両端に寄せて、舞台のスペースを広げることは出来ないかな』と聞いてきます。『マジシャンと歌手とダンサーだからね』、『統一感のないショータイムにならなきゃいいけど』と言う木崎は、『そろそろ駅に着くころだと思うんだよね』と続けます。『誰がですが』と訊く章介に『マジシャンと歌手とダンサー』と答える木崎に、『今日から始まるステージのポスター』のことを思い出す章介。『「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」』と記された『惹句に続いて記されたどの名前も聞いたことがなかった』と思う章介に、『とにかく、今日からの三人で年末年始を走らなけりゃ』と木崎は語ります。
再度場面は変わり、『従業員ロッカーへ着替えに戻ろうと思ったところへ、遠くから壁を叩く音が聞こえ』、『通用口から外に出て店の前へと回り込んだ』章介は『「パラダイス」の前に、三つの人影がある』のを見ます。『ひとりがドアを叩きながら「凍えて死んじゃう、早く開けて」」と怒鳴っている』のを見た章介は『すみません、今日からのタレントさんですか』と訊きます。『駅に着いても誰も迎えに来ない、店に着けばドアが開いてない。ここの店は従業員にいったいどういう教育をしてるのかしら』と『章介も見上げるほど背の高い赤いオーバーの男』が『野太い声で女言葉を使って』怒鳴る横には、『明らかに女ではあるがタレントには見えそうもない人間がのっぺりとした薄暗い表情で突っ立ってい』ます。そして、『端のひとりは』『くたくたの背広に大きなトランクがふたつ』という『見事な小男』の姿がありました。『すみません、寒いので早くこちらに』と、『フロアへと案内する』章介は、事務室に顔を出すと『タレントさんたちが到着しました』と、声を掛けます。それに、『「おう、ありがとう」とフロアに出てきた』木崎でしたが、『三人を見て、普段はほとんど表情を曇らせるということのない彼の眉間に見事な縦皺が二本寄』ります。『失礼ですが ー』と『まるで「タレントさんはどちらに」と続くのを半ば期待してそれを遮るみたいに、大男が口を開』きます。『あたしがソコ・シャネル。こっちのおばさんがフラワーひとみ、このおじさんがチャーリー片西。今日から年明けまでこちらにお世話になります、よろしくね』。『グランドキャバレー「パラダイス」』で下働きする章介と、超個性的な三人の『タレントさん』たちのそれからの日々が描かれていきます。
“ギャンブルに溺れる父と働きづめの母から離れ、日々をなんとなく生きる二十歳の章介。北国のキャバレーで働きながら一人暮らしをする彼は、新しいショーの出演者と同居することになった。「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」…店に現れたのは、売り文句とは程遠いどん底タレント三人。だが、彼らと言い合いをしながらも笑いに満ちた一か月が、章介の生き方を変えていく”と内容紹介にうたわれるこの作品。『と』で四人の人物が並列に並べられた長い書名が微妙に覚えにくいと感じます(笑)。
さて、そんな長い書名のこの作品ですが、全編から感じるのは桜木紫乃さんらしい北海道の情景です。そして、この作品からは北国ならではの寒い季節の描写がリアルに伝わってきます。少し見てみましょう。
『外に出ると、途端に耳を削ぎそうな風が吹き付けてくる。この風が吹いている間は雪が降らない』。
『耳を削ぎそうな風』という時点でたまらなく寒そうです。今日は寒いね、とか言っている次元の寒さでないことがよくわかります。『この風が吹いている間は雪が降らない』というような地元民ならではの記述もリアル感を増すのに貢献しています。
『夕暮れの寒風が薄着に凍みて、鼻毛まで凍れそうになる。繁華街には気の早いネオンが瞬き始めていた』。
こちらは『凍みて(しみて)』というあまり耳慣れない表現を使って寒さを描写しています。『鼻毛まで凍れそう(しばれそう)』という表現もただただ寒々しいですね。
『ここは廊下が冷蔵庫ね。牛乳が凍らないように木箱に入れておくなんて、まるでシベリアよ』
これは台詞からの抜粋で、主人公が暮らす『「パラダイス」の寮』の内部の描写です。『廊下が冷蔵庫』という状況も凄いですが、『牛乳が凍らないように木箱に入れておく』というのはほとんど冗談のようです。この作品は暮れの北海道が描写されることからどこを切ってもこのような感じであり、暖かい光景が登場しません。一方で、そこにも人の暮らしが確かにあります。物語では、寒さを凌ぐためにさまざまな工夫をしながら生活を送る章介たちの姿が描かれていきますが、それはとにかくこの寒々しい描写あってのことです。そういう意味ではこの作品は北国のこの寒さあってこその物語と言えなくもないのかもしれません。
次に物語の舞台となる『パラダイス』がどんなところか見ておきましょう。
● 『グランドキャバレー「パラダイス」』ってどんな店?
・『釧路』にある『「パラダイス」の、建物一階は収容人数最大二百人のワンフロア。二階は吹き抜けの回廊造りで八十人収容の姉妹店「アダム&イブ」がある』
・『ショータイムが同時というのが最大の利点。加えて二階の照明を落とし気味にしているので客層はしっかり分かれている』
→ 二階の『アダム&イブ』には『多少の「おイタ」は仕方ない』という『暗黙の了解』がある
・『「パラダイス」のステージは床との段差が三十センチ』
・『毎年クリスマスはビッグスターのオンステージで、誰がやってくるのか当日まで発表にならない。チケットはひとり二万円』
・『クリスマスのシークレットステージでは、天井に設えた一人乗りのゴンドラを使う』。
かなり大きな規模のお店であることがわかりますが、その背景事情は厳しいものがあります。物語は、『グランドキャバレー「パラダイス」』を舞台に描いていく一方で、従業員の章介が暮らす『寮』についても味わい深く描かれていきます。こちらも見ておきましょう。
● 『寮』ってどんなところ?
・『八畳間が四室からなる平屋のアパート』
・『本来なら正社員とステージに立つタレントのためのものだが、老朽化が進み無人が続いて』おり、『章介以外の住人はいない』
・『火の気がなくなるとものの五分で外気温と同じになる』
・『開けても隣のモルタル壁しか見えない窓では、丈の短いカーテンの裾がカビで真っ黒』
・『ちいさな下駄箱の上には、過去の住人に宛てられた手紙や督促状が十センチの高さに積もっている』
・『何年も掃除をされたことのない男子用便器は、黄ばみのなかに陰毛が模様のようにこびりついている』
いやあこれまたキョーレツです。もうこれ以上抜き出したくもないレベルに薄暗く汚れた雰囲気感が伝わってきます。そこに寒々しさが加わるともう気が滅入るというレベルを超えていますね。物語では、そんな『寮』で公演の期間を過ごすことになった『タレントさん』たち三人と章介の暮らしぶりを描いていきます。建物はひどいというレベルを超えていますが、それが故にまるで運命共同体としてこのキョーレツさを凌いでいく四人の連帯感の高まりが物語に良い味を醸し出していきます。そしてまた、この暮らしがあってこその章介の気持ちの変化が説得力を増します。ある意味でこのシーンが物語の山場と言っても良いかもしれません。これから読まれる方には是非楽しみにしていただければと思います。
では、そんな物語に欠かせない3人の『タレントさん』たちをご紹介しておきましょう。
・チャーリー片西(師匠): 『見事な小男』、『自分から「師匠」を名乗る』、『ことごとく失敗するマジックで「世界的有名マジシャン」と「師匠」を名乗り、その失敗で飯を食うという肝の据わり方がこの男の芸』
→ 『世界的有名マジシャン』
・ソコ・シャネル(ブルーボーイ): 『男の顔で男の声で言葉と衣装は女もの』、『シャンソン歌手』。『章介も見上げるほど背』が高く、『額が後退気味』。『彼女の名の由来はどん底のソコ』。『変幻自在の歌声』
→ 『シャンソン界の大御所』
・フラワーひとみ(ストリッパー): 『ガラガラと低い、酒と煙草で潰しきったような声』、『素顔を想像もさせない、鼻の高さから目元の彫りの深さ、赤い唇も、客席にいるときは目立たないホステスだったものが、ライトを浴びるだけでフランス製のマネキンに変わった』
→ 『今世紀最大級の踊り子』
はい、三人はこのようなイメージです。なんだかキョーレツそうな面々です。最初に三人が現れた時にマネージャーの木崎が『惹句とは程遠い場末感』と表現するのもよくわかります。しかし、パッとの見た目とは異なり三人は物語の中でさまざま場を渡り歩いてきた者ならではの実力を見せてくれます。このあたりもとても興味深いです。そして、読めば読むほどに三人の魅力の虜になっていることに気づきます。そうです。この作品の「俺と師匠とブルーボーイとストリッパー」という長い書名は、この作品を読むまでは覚えられなくても一度読めば、この個性ある面々の印象が焼きつくことで決して忘れられなくなるのです(笑)。
さて、そんなキョーレツな個性の面々と対峙することになるのが、書名で『俺』と出てくる、主人公の章介です。物語は、冒頭、『久しぶりだな、父ちゃん ー』と、少し前に亡くなり『変わり果てた姿』で現れた父親の『骨壺』と対峙する章介の姿を描いていきます。『通夜にも葬式にも出なかった父親』は、『陽気な博打うち』であり、生前、母親もすっかり苦労の中にいたことが語られます。『中学を卒業して、半ば父に売られるようなかたちで左官屋に勤め定時制高校に通い出した』ものの『どちらも半年保たなかった』という先に、『「寮完備・まかない付」の文字に惹かれ「パラダイス」の下働きに職を得た』章介。物語では、そんな章介が『タレントさん』たち三人との出会いによって何かを感じていく物語が描かれていきます。
『ここで照明係として使いものになれば、居場所も増える』
前任者が突然姿を消したことから『タレントさん』たちが舞台に立つタイミングで『照明係』として働き始めた章介。上記した通り、そんな章介は『パラダイス』で三人に接するだけでなく『寮』においても彼らと深く関わっていきます。
『気づけば食事も風呂も、ほとんどの時間を四人で過ごしていた。片付けとミーティングで仕事が長引くときは、三人が楽屋で章介を待っていたりする。夜食も割り勘だ』。
当初、三人との暮らしに違和感しかなかった章介ですが、物語が進む中に彼らとの関係が深く、切り離せないものというレベルにまで深化してもいきます。そしてそんな物語が至る結末、そこには、”あの冬の1か月、たしかに僕らは家族だった”という日々を経験したからこそ訪れる章介の一つの転機を見る物語が描かれていました。
『章介は一日の出来事を振り返る。父の遺骨、照明係とナンバーワンの出奔、なんとか務めた照明 ー そして、師匠とブルーボーイとストリッパー』。
三人の『タレントさん』たちとの出会いの先に共同生活をスタートした主人公の章介。この作品にはそんな章介が人と人との関わり合いの先に変化していく心持ちを見る物語が描かれていました。北国の厳しい寒さが物語の背景を演出していくこの作品。そんな舞台の上に活き活きと動き回る『師匠とブルーボーイとストリッパー』の超個性がたまらなく愛おしくなるこの作品。
寒々とした物語の舞台だからこそ、人が人を思う温かさをより強く感じられる素晴らしい作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。
後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど)
みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。
先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。
別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。
ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。 -
桜木紫乃『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』角川文庫。
ちょっと変わったタイトルの1人の青年の再生の物語。ラストの余韻が素晴らしい。
人生というのは山あり谷あり。すんなりと山を登り切れないのが人生だ。静かに暮らそうとしても波風は必ず起きる。それが家族のことだったり、家庭のことだったり、仕事のことだったりと。しかし、何があっても家族の支えがあれば、大概のことは乗り切れるものだ。そして、そういう困難を乗り切る度に人は強くなれる。
昭和という古き善き時代の北海道が舞台。
母親から博打打ちの父親の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口を凌ぎながら、廃屋のような寮に帰って寝るだけという名倉章介の生活は一つも変わることはなかった。
しかし、年末に師匠と名乗るマジシャンのチャーリー片西、女言葉の男性シャンソン歌手のソコ・シャネル、ストリッパーのフラワーひとみの3人がキャバレーに出演し、章介が暮らす寮で奇妙な共同生活が始まる。
苦労の多い人生を送りながらも、毎夜キャバレーのステージを沸かす3人と触れ合ううちに章介の中で何かが少しずつ変わっていく。
時代は平成に変わり、章介は東京で働いていた……
本体価格740円
★★★★★ -
第13回新井賞受賞作
釧路のキャバレーで働く二十歳の青年
ギャンブルに堕ちていた「サソリのテツ」と呼ばれていた父親は亡くなった
葬儀にも出ず遺骨だけが彼の元へ
家族という存在に縁が薄かった青年は
「世界的有名マジシャン」の師匠
「シャンソン界の大御所」のブルーボーイ
「今世紀最大級の踊り子」のストリッパー
どさ回りの三人と 年を越す一カ月、キャバレーの寮で同居生活
社会からはみ出しているけれど、人としてなんだか暖かい人達
クセは強め 人情は厚め 後味が良い三人組
本当の家庭のような 一時の家族のような
彼らに出会った青年は、何かを求めて釧路を出ていく-
2024/06/19
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2024/06/19
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しずくさん こんばんは
桜木さん たくさん読んでますね
私もブルーボーンが特に好きです(^ ^)しずくさん こんばんは
桜木さん たくさん読んでますね
私もブルーボーンが特に好きです(^ ^)2024/06/19
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最高です!いやホントおもしろかった!
切なくて幸せで悲しくてほっこりする間合いが秀逸
久しぶりに本を読んで笑い声と涙が出た
スパイスの効いたロックでシャンソンなブルース-
ハピアワさん、はじめまして!
同じ作品のよさを分かり合えるって素晴らしいですね。とっても嬉しいです!
桜木紫乃さんはご本人のキャラも魅力的で...ハピアワさん、はじめまして!
同じ作品のよさを分かり合えるって素晴らしいですね。とっても嬉しいです!
桜木紫乃さんはご本人のキャラも魅力的ですよね!
もう一冊購入予定です2024/01/10 -
2024/01/11
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2024/01/11
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「ボンと師匠とソコ•シャネルとひとみさん」
ギャンブル好きの父親 苦労させられる母親の姿を見て育った章介。幼少期家族との思い出も…。
言われるがまま人情薄く気がつけばヒモと思われても仕方がない生活。そんな彼がパラダイスに雇われたタレント個性豊かな3人と出会い賑やかな生活で人との出会い、別れが近づく寂しさを感じる短い期間で体験した素敵な思い出。
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桜木さん作品にしては明るく楽しい作品でした。暗い背景を持つ主人公なのですが、出てくる人達が主人公を明るい方へ引っ張っていってくれる。
最後には良かった…
とほっこりする作品でした。 -
今年のベスト10ランクイン候補!
この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡
桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。
舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』
主人公はそこで下働きをしている青年:章介。
パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。
北東の果ての凍てつく土地の哀愁と、いろんな人生を背負った人たち。
タレント達と共同生活をする内に、章介も成長していくのだ。
ブルーボーイという表現を初めて知った。シャンソン歌手やストリッパー、マジシャンの海千山千の人生論に唸った。 -
題名に惹かれて読み始めた、初・桜木紫乃さん。読み終わりに「師匠〜」と章介の視線と重なって涙が出てしまった。
昭和の終わり、極寒の地、道東の港町にあるキャバレー「パラダイス」が舞台。
博打うちの父が亡くなりようやく解放された母から骨つぼを押し付けられ、綺麗好きなひとなら気絶しそうな寮で寝起きしているキャバレーの下働きの章介が主人公。
そんな折、月替わりゲストにやってきたのは、失敗ばかりするマジシャン、お寺の次男のシャンソン歌手ブルーボーイと自称28歳の口の悪いストリッパー。キャラ強めな三人となぜか一緒に住むことになって…というお話です。
読み進めるうちに当たり前だけど本のページが減ってきて、少なくなっていく本の左側の厚みに寂しい気持ちが募って、読み進めたいけど、読み終わりたくない…となってました。
あとがき…是非とも実現してほしい。シャネルのその後、ひとみさんのその後も短編でもいいから読みたいなぁ。 -
釧路のキャバレーで下働きをする、若い男が主人公。そのキャバレーへ余興に来た3人の芸人とのふれあいを描いた作品。その3人のキャラクターが個性的で、3人との絡みがめちゃくちゃ面白かった。
特に、自分の父親の遺骨を同じ名前の他人のお墓にこっそり納骨したシーンは、思いもしない発想で笑った。 -
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キャバレーで働く男のお話
マジシャン、歌手、踊り子の3人の芸人が
キャバレーで出るのでしばらく寮で暮らすことに
その生活、出来事の物語ですがとても楽しめました
3人の出番は年末までの期間限定なので
別れもくるのだけど・・・
読んでいてずっとこの4人の生活が続いて欲しいな
と感じました -
昭和の日本。
激しいのに何の規制もない日々。
人は一人ではないと。なんだか温かい気持ちになる。三島さんの後書きに企画があったように映画化を楽しみに、一人配役を妄想(笑)
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辛い経験、苦労した経験が多いと人は優しくなれる。
章介は腐る前にほんとにいい人たちに出会えたな。
周りにもハチャメチャでわがままなのにちっとも嫌じゃない人いるなあ。
色んな空気を読み取ってる繊細で優しい人なんだとこの本読んで思いました。 -
いいねえ。ほっこりした。
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北海道のキャバレーの下働き青年が、ドサ回りの出演者達と一時的に同居するお話
以下、公式のあらすじ
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「血のつながり」はなくても、そこには家族があった。
【第13回 新井賞受賞決定!】
切ない事情を持ち寄って、不器用な四人が始めた同居生活。
ギャンブルに溺れる父と働きづめの母から離れ、日々をなんとなく生きる二十歳の章介。北国のキャバレーで働きながら一人暮らしをする彼は、新しいショーの出演者と同居することになった。「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」……店に現れたのは、売り文句とは程遠いどん底タレント三人。だが、彼らと言い合いをしながらも笑いに満ちた一か月が、章介の生き方を変えていく。『ホテルローヤル』『家族じまい』著者が放つ圧巻の人間ドラマ! このラストシーンは、きっとあなたの希望になる。
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冒頭で、3億円事件の時効が云々とあるので、時代は昭和とわかる
それを前提に読み進めるわけだけれども、当時は小学生だったので大人の世界の時代感がよくわからない
ギャンブル狂の父親は亡くなり、母もまた離れて暮らしているし、キャバレーの寮となっている酷くボロいアパートで侘しい生活をしているという状況なわけだけれども
二十歳の青年 章介はそんなに孤独を感じていないように最初は思える
まるで人生を諦めているような達観した姿勢だろうか
ひょんな事から1ヶ月間同居することになったタレント達
世界的有名マジシャンのチャーリー片西
シャンソン界の大御所のソコ・シャネル
今世紀最大級の踊り子のフラワーひとみ
しかし、赤西はマジックをとちりまくり、ソコ・シャネルはブルーボーイで(ブルーボーイという単語を初めて知った)、フラワーひとみはストリッパーにしては歳を取りすぎている見た目
彼ら彼女らにもそうなった事情があり、章介も共に過ごしていく中で少しずつ過去がわかってくる
公式でも「あの冬の1か月、たしかに僕らは家族だった。」と
この4人の関係を家族のように捉えている人がいるみたいだけど
個人的には家族的かどうかは疑問
じゃあ何かと聞かれたら、この共同体に適した単語が思い浮かばないわけだけれどもね
確かに家族的な何らかの繋がりはあって
人がいることで、章介が無くしていた寂しさを思い出していく事になる
寂しいのは、すっと一人でいるときではなく、大人数から独りになったときという事でしょうね
でもなぁ、共同生活の終わりとともに、キャバレーという自分にとって最低限の居場所からの脱却という終わり方は良かった
あと、心に残ったのは、お墓について
「会えないことを確認するために在るんだから」
というのが納得した
とある小説で、幽霊が怖いのは、幽霊が実はいないからというのがあって
故人を思い出す役目とともに、会いたい人に会えないという状況の再認識という意味もあるのだろうなぁ
大竹まことが、桜木紫乃さんの出身地である釧路のキャバレーへ営業に行った昔話をした際に
「その時のメンバーが “俺と師匠とブルーボーイとストリッパー”だったんだよ」と語ったエピソードが執筆のきっかけだそうな
何と言うか、話してるときの口ぶりが目に浮かぶなぁ -
あぁ、ここでこうなるんだな、と思ったところから涙が。
人との関わりが、人を変えていきそうで、そうでもなくて。
いい小説を読みました。 -
普段さみしさってほとんど感じることがない感情だけど、
主人公に感情移入して、ものすごく寂しくなっちゃった
共感したのは、
住む土地とか仕事とか、しがらみのない人に対して羨ましく思う気持ち。
もちろん自分を大切にしてくれる場所があるのも
自分が大切にしたい場所があるのも、とっても幸せなことなんだけど、
それがない人を羨ましいと思ったことは、
これまでにあったから、わかるわかると頷いちゃった -
不器用だけど、それぞれ根本には優しさがある。
その優しさをもらって、優しくなれる。
あの小さな部屋には大きな愛があった。
なにもかも凍りつくような寒さが描かれることで、「家族」の温かさが一層際立っていたように思う。
心配してくれる人がいることがどれだけ幸せか。
章介を呼ぶ、3人の声が恋しい。 -
タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。
桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。
北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。
4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介の狭い部屋に集まるようになる。
そこで食事をしたりするのだけど、その描写がとてもいい。かるく揉めたり、ぐだぐだ言いながらもいつも楽しそう。
4人はみんな訳ありで、「こういう生き方しか出来ない」感が漂う。だけど誰にも迷惑をかけてはいない。それを奥底で解り合っている4人だからこその、絶妙な空気感がある。
お互いに余計な干渉はしないものの、章介が母親に託された(?)ままほったらかしにしていた父親の遺骨を、真冬の墓場に4人でこっそり埋葬に行くくだりがとても好きだった。やってることは全然正しくないんだけど(笑)、阿吽の呼吸でやり遂げるところが素晴らしくて。
私も夜の世界にいたから敢えて言うけど、一般的に夜の世界に生きる人たちって「底辺」扱いされがちだと思ってる。実際はそうではなくても、昼間の世界の人たちがそう思っていることをひしひしと感じる瞬間が私自身あったから。
そして、そんなことで傷ついているようでは、やっていけない世界でもある。
蔑まれることでお金になるならいくらでも蔑めばいい、くらいのマインドが必要だし、そんなことで、プライドはひとつも傷つかない。
シャネルもひとみも片西もプロフェッショナルで、ステージは毎日きちんと盛り上げる。
ショーの描写にはそこはかとない哀愁が漂うけれど(舞台が場末のキャバレーだからなのか)プロの仕事をしっかりやりこなす人たちは格好良い。
そして4人に別れの日が来るのだけど、店の女たちに可愛がられながら風来坊のように生きてきた章介は、ここがターニングポイントであり、その先わずかにある未来の描写がまた心憎い。うらぶれた世界とは違う、希望的な場面がまた、とてもよかった。
これまでの桜木さんの小説とは共通点もありつつ雰囲気はちょっと違った。ひとりひとりの人物像に迫りすぎていないから、なのか。
すぐ別れがくることを知りつつ関わる4人の姿が、刹那的で濃密なのになんかあっさりもしてて、夜で生きる者の正しい姿だ、と思った。
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桜木紫乃の作品
