ゴッホの手紙 改版 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 35)
- KADOKAWA (1968年8月1日発売)
本棚登録 : 51人
感想 : 1件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041141069
感想・レビュー・書評
-
評論ですが、弟テオ宛の膨大な手紙からの引用が本文の大半を占めます。
ゴッホが何を思い絵を描いたのか。
狂気の合間に送られた手紙に書かれた、冷静な自己分析に驚かされる一方で、晩年のゴッホの絵から伝わってくるそっくりそのままの、恐ろしい不安と危機迫る情熱を読みとることができます。
彼は手紙の中で「成功や自信の有無は慰安にすぎない」と語ります。
私は趣味で絵を描くのですが、下手だ、ということを言い訳にしがちです。
でも上手いとか下手だとかいうのは、良い絵、とは全く異なる方向性の話でしょう。
ゴッホは技巧的に優れた画家ではありませんし、生前に一枚の絵も売れなかったというのは有名な話です。
世間に認められずとも、自分の画力の不足と向き合いながら描き続ける。
その覚悟と真摯な姿勢に心打たれ、また絵を描きたくなります。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示