美しく枯れる。

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  • KADOKAWA (2024年3月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041142219

作品紹介・あらすじ

【愛し愛され発売2カ月、重版4刷目決定!】

「50代を生きるって、とても大変で、難しい。
それでもオレは、美しく枯れていきたい」

前作『粋な男たち』から約5年半余りのときを経て、
著者・玉袋筋太郎を取り巻く環境は激変した。

2020年、オフィス北野から独立しフリーに。
兄弟弟子である「たけし軍団」から離れ、
「浅草キッド」の相棒である水道橋博士、
師匠であるビートたけしとの距離も遠のいた。

初孫という新しい命に喜びを感じながらも、
母親は認知症を患い施設に入った。
長年連れ添った妻は、ある朝、家から出て行った……。

仕事の人間関係、夫婦仲、家族構成にも変化が訪れる、
波乱万丈な50代――。
「時代遅れ」な昭和の粋芸人が語り尽くした、
悩めるすべての大人たちに捧ぐ、人生後半戦の歩き方。

●目次
はじめに――50代を迎えて、オレの人生は激変した
第1章 人間関係って大変だよな
第2章 「発酵」した50代の仕事観
第3章 夫婦ってなんだか難しい
第4章 新しい命と消えゆく命とともに
第5章 「人生」のこと、考えてみよっか
おわりに――美しく枯れるために

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい。ただ同じようなハナシの繰り返し、のような気がしないでもない(笑)

  • 50代になる頃にはいろいろある.それは確かにそう.で,どう心持でやっていくのかというエッセイ.身勝手に生きない,自分の価値観を大切にする,高望みをせず身の丈に合った生き方で生きていくというあたり,特に同感.「スナックは生きた勉強ができる絶好の学び舎」にある,スナック心得10箇条(https://www.snaren.jp/kokoroe/)は,スナック以外でも同じ,頭の隅に置いておくべき指針.意識的に「小さな幸せ探し」を心がけることも大切.

  • 本文より抜粋(P.209以降)

    『下手に若作りに必死になっているやつをみるとこっちが恥ずかしくなる。それだけじゃなく、金持ちを自慢したり、「仕事のできる男」をことさらアピールしたりしているようなやつを見ていると、「ああ、頑張り過ぎちゃってるな」「アイツ、やらかしちゃっているよ」って恥ずかしくなってくる。

    人ってのは自分を必要以上に大きく見せたがる生き物なんだよな。
    そして偽りの自分を演じているうちに、本当の自分を見失ってしまうものなのかもしれない。

    年相応でいいじゃない、身の丈に合った生き方でいいじゃない。

    イキリ過ぎることなく、やらかしすぎることなく、高望みもせずに。これからは、身の丈に合った生き方で歩いていきましょうや。』

    以上抜粋より。


    ここ10年ちょっとたまちゃんをMXテレビでよくお見掛けして実にいい感じのおじちゃんになったなあと応援してました。

    若い頃は他のたけし軍団のメンバーと一緒に、ツービートのたけしの単なる追っかけの若者が無謀にも・・・と私の目には写ったのだけれど。

    いやいや実に含蓄のある50代のたまちゃんならではの1冊でした。度々涙が零れました。
    生きることは本当に儘ならないことだらけ。

    「身の丈」という言葉を何度も引用しながら、たまちゃんが「生きること」の儚さや悦び、そして「老いること」への恐れや向き合いを飾り立てることなく、正直に言葉で紡いでいる文章に惹きつけられました。

    P.3より:
    どうしてこんなことになっちゃったのかな? 自分でもよくわからないよ。
    以上抜粋。

    表紙の裏側には『人間関係、仕事、夫婦、家族…。いろいろあるけどさ、「美しい枯れ方」を模索しながら、お互い楽しく生きていこうよ!』
    とあります。

    師と仰いだ北野武との距離や隔たり、苦楽を共にしてきたパートナー水道橋博士との離別、長年の連れ添った妻との別居。
    彼が心の中で咀嚼しきれぬ喪失感を押し沈めている寂しさを想うと涙が零れます。

    前著でも読んでいた父親の投身自殺、その引き金となった不安定な精神状態にある実の姉とその夫による金銭を巡る確執、母親の認知症。
    普段明るく振舞う彼の心の底に沈めた怒りや諦めが、乖離して表出しているかと思うと、多くの人は複層的であり奥行きもあるのだと再確認します。

    P.5より:

    自分を取り巻く環境が目まぐるしく変わり、「一生の仲間だ」と思っていた人たちが、自分の近くから離れていってしまった。もちろん、新たな出会いもあったし、新しい仕事にも恵まれたよ。けれども、予想できなかったことばかりが立て続けに起こって、正直にいえば当惑していたのも事実なんだよ。
    以上抜粋。

    まさか自分が失うとは思ってもみなかった日常や繋がりを人間は予期しない形で零れ落ちるように喪失していくことの連続です。同世代だから噛みしめています。

    今や情報が氾濫し、効率最優先。
    啓発本を読み漁り、口コミさえ精査すれば「失敗のない」「最短コース」での「ハズレのない人生の選択」をしていけるような錯覚に陥っていると感じます。

    そしてあちらでもこちらでも他者に承認されることに大きな価値が置かれ、自分を見つめることもなく、日々の刺激的な情報を消費する日常に違和感を禁じ得ません。


    溢れ返る刺激的な日常の情報に振り回されず、まずは身の丈を知り、少しばかりの喜び・悦び・歓び・慶びや幸せに気づくことのできる余裕や遊びを持ちながら、生き抜きたいと私も思いました。

    私も美しくはないと思うけれど、すがすがしく枯れたいなあ。失ったものにばかり拘泥せずに、受け入れ手放す勇気は大事にしたいもの。

  • p46 身の丈をわきまえて、それをまっとうすることも、それはそれでカッコいいことだと理解できた。

    p156 オレにはオレの人生があるように、せがれにはせがれの人生がある

    p157 自分なりに考えた結果、老獪なベテランぽくサーの距離感で子どもと接しよう。そんな結論に至った

    p158 子どもの人生、孫の人生に深入りしない。でも、温かい愛情は忘れない

    子どもや孫への愛情は、どうしても過干渉になってしまいがちなので、あえて距離を置こうと意識するぐらいでちょうどいいのかもしれない

    p194 孤独は怖くないけど、孤立はよくない

    p210 人ってのは自分を必要以上に大きく見せたがる生き物なんだよ
    そして、偽りの自分を演じているうちに、本当の自分を見失ってしまうものなのかもしれない。

    年相応でいいじゃない、身の丈にあった生き方でいいじゃない

  • 人にやさしく
    がっつくな、よだれをたらせ

  • ホモスナック
    じいさんのキンタマ袋のように

  • 自分が触れる機会が多い「新しい事、好きな事を始めていこう」とは逆の「新しい事は始めない、持っているもので勝負する」というのが興味深くて面白かった。芸能人の書籍、普段読むことはないけど、やっぱり買って良かった。町中華で飲ろうぜが本当に20年続くといいな。

  • 玉さんの人生振り返り。
    飾り気の無い独白。

  • 口語体で書かれているので、大変読みやすく玉さんの声で脳内再生されるので面白かった。
    事務所から離れ、浅草キッドの活動休止。奥様が出ていったり初孫が誕生したり…前作からコロナ禍を挟んで5年間、公私共に激変ばかりを詳らかに語っている。口述筆記なんだろうか、行間に瓶ビールやウーロンハイが見えていたような。

  • いやぁ~、それぞれの復活を待ってるよ。でも外野が言うことじゃないけどね。それでも言うけどね、だってそれを経てからの一冊ってのもまた読みたいじゃない、でしょ?

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著者プロフィール

1967(昭和42)年、東京生れ新宿育ち。高校卒業後、ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士とお笑いコンビ「浅草キッド」を結成。芸能活動のかたわら、多数の本を手がけ、小説デビュー。社団法人「全日本スナック連盟」を立ち上げ、自ら会長を務める。主な著作に『スナックの歩き方』 (イースト新書Q)、『痛快無比!プロレス取調室 ~ゴールデンタイム・スーパースター編~』(毎日新聞出版)、『新宿スペースインベーダー 昭和少年凸凹伝』(新潮文庫)などがある。

「2018年 『粋な男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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