- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041142233
感想・レビュー・書評
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流石ですね〜!イヤミスの女王たるや!
本作は蝶を題材にしていることもあり、全体的にとてつもなく綺麗な作品でした。何でしょうか、登場してくるもの全てにおいて、私は『美』と『品格』を感じました。そして、時間を忘れて読み耽ってしまい、夢中にさせてくれる作品でした。
感想を出そうとするとネタバレしそうなのでやめておきます。是非、実際に読んでもらってこの感覚を皆様にも体感して頂きたいです。苦しい。キツい。あぁ⤵︎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芸術なのか犯罪なのか… 潔い異常性と不快な愛情を表現した、美しさ溢れる絶望ミステリー #人間標本
■きっと読みたくなるレビュー
不愉快さと美しさで満ち溢れてますね~
文章芸としてもプロの技でして、この変態的な物語ですら、すっと体内に入ってくる。さすがは湊かなえ先生と唸らせる作品でした。
今回は新しい見せ方、プロットにも挑戦されてますね。手記や小説投稿サイトなどのドキュメントを主体に物語が進行していく。章立てのタイトルだけ見ると、なんかよくわからん物語な気がするのですが、読み終わってからあらためて見てみると、納得の章立てなんですよね。結果、ミステリーやエンタメ度を高めるだけでなく、文学性も、読者が感じる不快感も豊かになっていました。
そして書籍を開けてすぐ口絵が強烈。美しい人間標本が精神に来ますね…色使いも表現も不愉快なのに、何故か見れば見るほど心が奪われてしまうんです。
本作一番の推しどころは、やっぱり登場人物の異常性。決して知能が低い者の行為ではなく、むしろ優秀で心の優しい人たちばかり。ただ芸術性と愛情がありすぎると、どんなことになってしまうのか…
中盤、ネットでの無責任な事件分析やコメントが綴られるのですが、むしろこっちのほうが健全で正しい世界なんじゃない? と思ってしまうほど。人に優しい世界なんて全く見当たらないという、絶望を感じさせていただきました。
■ぜっさん推しポイント
全く持って私には動機が理解できない事件。ただの芸術じゃん、絵じゃん…って思っちゃうんですが、深いところにある動機を知った時、腹に落ちてしまいました。人間も蝶も、この世に生を受けたひとつの生命。不愉快な事件の中にも感じるものがあるでしょう。
なお本作を読んで気に入った方は、アメリカのサスペンスミステリー、ドッチ・ハチソンの『蝶のいた庭』をおすすめします。あまり知られてないかもですが、こちらも超(蝶)名作なのでぜひぜひ。 -
久々の湊かなえさん
調べたら読むの5年ぶりやった。。笑
ブクログに感想も書いてない頃で
ノートに感想書いてたなぁ。。懐かし。
湊かなえさんは
『告白』読んだ時は衝撃だったし、
その後も面白い作品はあったんですが
イヤミス感が苦手なのか
ちょっと手が伸びずにいて。。
そんな中久しぶりに借りてみました。
『人間標本』
もう題名から不穏。
でも美しい。
序盤は猟奇的な空間に感覚が麻痺してくる感じ。
そんな自分もこわい。
不思議な感覚でした。
そこから急に現実にひゅっと戻され
物語は進んでいきます
内容的になかなか進まないかなと思いきや、読ませるんですよねー。すごい。
もう何を書いてもネタバレになりそうなんで
ぜひ手に取ってみて欲しいです!
久々の湊かなえさんにやられました!!!
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アールグレイさん
こんにちは(^^)
読んでしまいました…!
ずっと読んでなかったけど
なんだか導かれるように図書館で予約してました笑
...アールグレイさん
こんにちは(^^)
読んでしまいました…!
ずっと読んでなかったけど
なんだか導かれるように図書館で予約してました笑
さすが湊かなえさん!でしたね!2024/03/17 -
どんぐりさま
前半はあれ?って感じでしたが、後半が怒涛の湊さんでした。
なんか気分悪い。スッキリしないわ~。どんぐりさま
前半はあれ?って感じでしたが、後半が怒涛の湊さんでした。
なんか気分悪い。スッキリしないわ~。2024/05/25 -
しんたろうさん
読まれましたか!!!
さすがの展開だけど、スッキリはしませんね笑
これぞイヤミス!!でした笑しんたろうさん
読まれましたか!!!
さすがの展開だけど、スッキリはしませんね笑
これぞイヤミス!!でした笑2024/05/25
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救いがなさすぎ。。
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本書を読みながら、斜線堂有紀さんの『本の背骨が最後に残る』を想起したのは私だけでしょうか?
作品(短編集)の残酷でグロテスク、甘美で刺激的な描写に、斜線堂さんの優れた想像力と表現力を感じましたが、本作や如何に‥?
湊かなえさんの本作は、もちろん斜線堂作品とは似て非なるもので、手記から始まるミステリー形式で物語は進みます。終盤に至る構成の巧みさと読後のモヤモヤ感へ導く表現力は、湊さんの〝イヤミス女王〟の所以たる証左だと、改めて実感しました。
知的好奇心と猟奇的嗜好が同居し、読み手は人間標本(作品)の口絵とその詳細説明を併せて鑑賞させられ、芸術の極みと狂気の境界が曖昧になります。
さらに後半、まさかの展開に困惑しながら、一層の狂気と負の連鎖に襲われ、おぞましさの極みの感覚になります。
衝撃の〝犯罪者の二重三重‥の告白〟? 狂気の意味が二転三転‥! 本当の真実は何なのか! 等々、ハンパない引き込み感で、終盤は一気読み必至です。
本作は、蝶がもつ種々の不思議な特性をモチーフにし、人間と蝶の見える世界を見事に融合させて、ミステリー仕立てにした力作と言えるでしょう。
人間の心の奥底にある身勝手さ、おぞましさを十分過ぎるほど見せつける、湊かなえさんの怪作でした。 -
ということで、「人間標本」です。なんとも不穏なタイトルと、この鮮やかな表紙、そして、口絵のぉ…怖いっ!!めっちゃ、怖い作品でしたが、読む手はとまりませんでしたね!でもなんてレビューしたらいいんだろ?わかんなくなっちゃうくらい、あとを引きます…。
蝶に魅せられた主人公が、人間もいちばん美しい時期を標本に…というなんとも不穏な展開に…。
もう最初から犯行を認めているんだからねぇ…と、この後どんな展開になるのか全く予想もできていなかっただけに、衝撃的なエンディングでした。親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ち…どこで歪んでしまったのか…。今まで読んできた湊かなえさんの作品とはまた違った感じが、私には面白かったです。-
1Q84O1さん、湊かなえさんの作品は未読でしたか?
ちょっと意外でした!
と、いう私も何冊か読んでいる程度、ですよ…。
同じ作家さん...1Q84O1さん、湊かなえさんの作品は未読でしたか?
ちょっと意外でした!
と、いう私も何冊か読んでいる程度、ですよ…。
同じ作家さんの作品、フルコンプ
全部読みましたっていうの、ここまでいろんな作品読んでるけど、
ないんですよねぇ(^-^;2024/01/26 -
なぜだかタイミングを逃して読んだことがないまま現在に至りますw
フルコンプしている作家さんは貴志祐介さん!
昔から大好きですが最近の作品は残...なぜだかタイミングを逃して読んだことがないまま現在に至りますw
フルコンプしている作家さんは貴志祐介さん!
昔から大好きですが最近の作品は残念続きです…(-_-;)
あと、作品数は少ないですが佐藤究さん!
この人の作品も好きですね^_^2024/01/26 -
1Q84O1さん、こんばんは!
フルコンプ、素晴らしいっ(∩´∀`)∩
あ…そういえば、佐藤究さんはまだ未読でした!!
貴志祐介さんは...1Q84O1さん、こんばんは!
フルコンプ、素晴らしいっ(∩´∀`)∩
あ…そういえば、佐藤究さんはまだ未読でした!!
貴志祐介さんは、何冊か読んでいるけれど…
ちょっと、図書館にあるのかどうか、検索してみますねっ♪
ありがとうございます。2024/01/27
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湊かなえさんの最新作ということで、本作も発売日に即購入し、すぐさま一気読みしました。物語の序盤から引き込まれる展開で、主人公の狂気性にゾクゾクするとともに、この作品にどういうオチがつくのかと楽しく読み進めることが出来ました。
物語は1つの手記「人間標本」から始まります。主人公は芸術家の父を持つ、蝶の研究をする教授。第1章では、その生い立ちが説明されるとともに、蝶の芸術性に魅せられた経緯が描かれます。そして、蝶の芸術性に魅せられた教授は次第に、とある願望を抱くようになるというストーリー。
こういう芸術に心酔する猟奇殺人者って個人的には好みで、すごく期待値が高かっただけに、後半が失速したかなぁって感じました。展開としては湊かなえさんっぽいんですが、序盤が読めない展開だけに期待感が過剰に増幅したかなぁと。
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ネモさん★こんばんは
返信ありがとう!
湊かなえさんは読書を始めた頃に「告白」を読んだのが最初でした。
息子が小学生、一緒に図書館に行き見つ...ネモさん★こんばんは
返信ありがとう!
湊かなえさんは読書を始めた頃に「告白」を読んだのが最初でした。
息子が小学生、一緒に図書館に行き見つけたのです。それが湊さんとの出会いと言いましょうか。
・・・・さぁ、リカバリーカバヒコのレビューが終わったので、昨日図書館で借りてきた本をこれから読むところです。777で~す(^▽^)2023/12/14 -
アールグレイさん、こんばんは
777もマリアビートル同様、エンターテイメント作品として素晴らしいので、ぜひご堪能ください!
感想を拝見するの...アールグレイさん、こんばんは
777もマリアビートル同様、エンターテイメント作品として素晴らしいので、ぜひご堪能ください!
感想を拝見するのを楽しみにしております2023/12/15 -
2023/12/15
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本当に久しぶりに湊さんを読む。
待ちに待ったというところで…この本。
表紙のブルーの蝶がインパクト大。
カラーの口絵がなんとも言えない…美しいというより異様で少し苦手。
人間標本とは、このことなんだろうと読み始めて気がつく。
蝶に魅せられた少年が、美しい標本を作りやがて大人になり…。
そうだろうなと思いながらも読み進めると二転三転し…あれれ⁈
なんだ、なんだと…もう一度振り返って読む。
誰の標本なのだ…となる。
今までの湊さんをどう感じて読んでたのか?
うーん。
自分のなかで思っていたイヤミスとは違って、深くて暗い怖さがあった。
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久々の湊かなえさん。
レポートのような形式がメインで話が進んできき、あまり物語感はない。
グロテスクな描写が淡々と書かれているのもあり、前半はなかなか読むのが進まず。
後半標本の本当の部分が分かりだしてからは、さらに「嫌だな…」という気持ちになり、最後まで微妙な気持ちで読んでしまいました。
やっぱり私って、物語に没頭したい人間なんだな〜〜!!(笑)
でも、真相がなかなか読めないように作られていてさすが(^^)