ひとりぼっちの私は、君を青春の亡霊にしない (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2024年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041143223

作品紹介・あらすじ

人目が気になり、いつも周囲に合わせがちな高1の亜胡。ある日、仲良しグループの中心にいた咲凛がはずされ、彼女がストレスが原因で心と表情をなくしてしまう「亡霊」になりかけていると知る。友達を救いたいけど、クラスで居場所をなくすのは怖い。人のストレスが視えるという佐木君と話すうち、昔片思いしていた気持ちと自分の本音に向き合うようになるが……。一緒だから踏み出せる一歩がある。共感度200%の青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • 自分の高校生活と重なって思い出して辛くなった。
    今の道がしんどい時、別の道を選ぶのも、同じ道で頑張り続けるのもどっちも正解なのかなって思った。みんな自分のことを守るのに精一杯で、人は見えてる面だけじゃない一面が絶対あるんだろうなって。だから人と比べすぎる必要はない、あくまでも評価基準は自分でありたいなと思った

  • 少しずつ贅沢に読めた時間が楽しく,倖せでした。

    仲違いしたお友達とは,結局,別れ別れになってしまうという終わり方がちょっとほろ苦くて,一度壊れた関係って修復するのが物凄く大変だし,自分の経験からしても,修復できたところで,その傷痕ってなかなか塞がることがないものだよなとは感じるので,そういった思春期特有の儚い人間関係が,リアリティを伴って押し寄せてくる読感が非常に良かったです。

    主人公である亜子ちゃんたちの,人生は他者と関わって生きていかなければならないからこそ,嫌われたくないと感じて自分を押し殺して他人に無理に合わせてしまう,あるいは我を貫き通すことで揉めごとに発展してしまうという,人との距離感に対する若さゆえの未熟さ・拙さみたいなものが,全編通してリアルで,自分も若い頃はこういうことで悩んでいたなあ…と,昔を振り返って懐かしく感じながら読めました。

    実を言うと,私は今でも趣味を通して若い人たちと接する機会がそれなりにあるのですけど,やはりイマドキの若い人たちも,私が若かった時の悩みと同じことで1番思い悩んでいるようなので,時代は変わっても,悩みの本質が変わることはないのだなあーと感じたりします。

    ただ,もうおじさんになってしまった身としては,作中で友達と揉める要因になるものが,マッチングアプリであったことには,時代の流れを感じて目を白黒させてしまいましたがね(笑)


    後半,やや展開が性急で唐突感が否めなかった面があったところと,本当は黒い影に覆われているのは主人公の方であるという転換が最初から読みやすすぎて先読みが容易く,サプライズとしては弱くて,少々物足りなさを感じた点は残念でしたが,心理描写の精緻さが素敵で心地良くて,最後までドキドキ期待しながら読むことができました。

    中盤に描かれていた,亜子ちゃんが咲凛ちゃんへ声を掛けるために,以前咲凛ちゃんからプレゼントしてもらったヘアオイルをつけて,その香りに勇気をもらって一歩を踏み出すところは,特にお気に入りです。
    読みながらちょっと目が潤みました。

    亜子ちゃんが最後にそう思えたように,自分がやりたいと思う好きなことをしながらも,他人から傷付けられることの痛みを知っているのだから,他者に対しては,優しくおおらかに生きていけたらよいですね。

    少なくとも,好きだなと思う人のこと,好きだなと思う人の好きなものは,否定せず,積極的に教えてもらって,"知る"ことができていけたら良いなあと思います。

    もはや中年になってしまった私ですが,こんな自分でも,亜子ちゃんたちの思春期特有の儚いきらめきや,傷みに寄り添いながら,人生のひと時を共に過ごしても良いんだよなと感じることができて嬉しかったです。

    作者の丸井とまと先生,素敵な作品をありがとうございました。

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著者プロフィール

青春もの、あやかしものを得意とする。『青くて、溺れる』(ビーズログ文庫)などを刊行。第1回魔法のiらんど大賞〈青春小説部門 特別賞〉受賞第5回野いちご大賞『青春ゲシュタルト崩壊』で〈大賞〉、『教えて、春日井くん』〈noicomi賞〉受賞。

「2021年 『君と過ごした透明な時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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