チョウセンアサガオの咲く夏 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2024年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041143247

作品紹介・あらすじ

米崎地検の検事・佐方貞人の事務官をつとめる増田陽二。高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会した増田は、同じく同級生の木戸とその夜旧交を温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったという伊達には、ある秘密があった……。(「ヒーロー」)
〈佐方貞人〉シリーズスピンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、著者初のオムニバス短編集。

みんなの感想まとめ

多様なテーマが織りなす短編集で、11編の物語がそれぞれ独自の視点で人間の深層に迫ります。柔道部の恩師の告別式をきっかけに再会した旧友との秘密を描く「ヒーロー」や、奉公先でのいじめに耐える少年の物語、さ...

感想・レビュー・書評

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  •  柚月先生の短編集では、泣き虫の八彦が瞽女の少女との出会いからこころのつよさを学んだ「泣き虫の鈴」、ペリリュー島を訪れていた青年が現地人から戦時中の日本兵との交流を語り聞く「サクラ・サクラ」、幼い盲目のチヨが瞽女として生きていくために修行のつらさと親方のハツエの優しさに触れた「影にそう」が好きな作品ですね。
     
     そして、「ヒーロー」はまだ「佐方貞人シリーズ」を未読の私にも、佐方貞人をもっと知りたいと思えるようなヒューマンドラマでした。

    次は「佐方貞人シリーズ」を読みたい。

    ・「誰がどう思うかではなく、自分がどう感じるかだ。」
    ・「自分に自身のあるやつなんていないよ。あったって、そんなの一時だ。自信がなくて、できるやつを羨んで、そんな自分が嫌で落ち込む。でも、時々、自分も捨てたもんじゃないって思うときがある。そして、またがんばる。その繰り返しだよ。」

  • オムニバス短編集ということで、本当に短い短編が11編。最後の短編のヒーローが一番長いか?そしてそれは、佐方貞人シリーズのスピンオフ作品。
    楽しめました。

    ■チョウセンアサガオの咲く夏
    暗い読後感
    実家で母親の介護を続ける女性は子供の頃、けがや体調不良が多かった。その真相は?

    ■泣き虫の鈴
    豪農に奉公に出された少年。奉公先でいじめられながらも耐え続ける毎日。そんなある日、その村に瞽女という盲目の女性の芸子達がやってきて、事件が..

    ■サクラ・サクラ
    パラオで出会った老人が話す太平洋戦争での日本軍の話。ちょっとぞくっときます。

    ■お薬増やしておきますね
    読み返してしまった。美人精神科医とその患者のカウンセリング。
    あれあれ?どっちがどっち?

    ■初孫
    ちょびっとブラック。
    子供が出来ない夫婦にようやく授かった男の子。
    夫が行ったDNA鑑定の結果は..

    ■原稿取り
    これ、コメディ?
    編集者が預かった原稿を盗まれてしまって、どうする?っていう展開。

    ■愛しのルナ
    猫を溺愛する女がネットに猫の動画を上げるのに飽き足らず、自分の姿も上げることに..
    これはブラックジョークというか..

    ■泣く猫
    ちょっと重い話
    亡くなった母親のアパートに弔問に来た女から聞いた母親の話。

    ■影にそう
    瞽女として生きる盲目の女の話。
    生きる厳しさを学びます。

    ■黙れおそ松
    これ、パロディ?
    大丈夫なの?おそ松君じゃん

    ■ヒーロー
    佐方貞人シリーズのスピンオフ
    佐方の事務官の増田は柔道部の恩師の告別式で高校時代の旧友の伊達と再会。大阪で警察官になったという伊達の話を聞いていると、違和感が..その秘密とは..
    うまくいかないことってありますよね。
    少し、前向きに一歩踏み出せる物語です。

    ということで、全部で11編
    サラリと読めてしまいます。

  • 久しぶりの柚月裕子さん!
    まぜこぜの短編集。

    ちょっと印象に残ったのを…

    「チョウセンアサガオの咲く夏」
    代理ミュンヒハウゼン症候群か…
    分からんでもないけど、キツいな…
    やはり、人には、繋がりが必要やねんな。

    「サクラ・サクラ」
    聞いた事があるような…
    日本贔屓の国では、良くあるような感じ。戦争などで、占領しても、現地の人に感謝されるような…
    自身もそうありたいな。

    「お薬増やしておきますね」
    妄想性パーソナリティ障害もキツいな。
    自身を女医と思ってる…
    診察、先生 vs 先生って感じに、話の内容からは思い浮かべてた。
    でも、実際に診察見たら凄い事に!

    「初孫」
    不妊症だったとは言え、初めて出来た子どもに不信感もなぁ。
    オチが、何かイヤらしい事思い浮かべる…

    「原稿取り」
    何か、ソフトの仕事を思い出した。
    記憶媒体で渡して、中を壊してたまま渡して…(^◇^;)

    「愛しのルナ」
    怖い〜!

    「泣く猫」
    どんな母親だったとしても…
    なんかな…
    思い出の一つや二つあるもんな。
    好きなだけ泣けば良いと思うけど…

    「黙れおそ松」
    おそ松くんや!(それだけか!www)

    「ヒーロー」
    佐方貞人シリーズのスピンオフになるんかな?
    事務官の増田さんの話。

    まぁ、学生時代の友達で、久しぶりに会うと色々あるわ。社会に揉まれて色々…
    聞いて欲しくない事もね。
    でも、これからも付き合いたいなら別。
    キツいけど、「嘘の先には、嘘しかありません。」(佐方さんの言葉)…

    そろそろ、佐方貞人シリーズも読みたいな。何か、連載中みたいやから、そのうち本になるかな?弁護士編みたい。

    • schieleさん
      これはwww大丈夫なんですねw
      ( ^∀^)
      これはwww大丈夫なんですねw
      ( ^∀^)
      2025/06/09
    • ultraman719さん
      出来れば、佐方貞人シリーズも読んで欲しいです!
      出来れば、佐方貞人シリーズも読んで欲しいです!
      2025/06/10
    • schieleさん
      佐方貞人シリーズですね
      _φ(・_・メモメモ
      佐方貞人シリーズですね
      _φ(・_・メモメモ
      2025/06/10
  • 柚月裕子『チョウセンアサガオの咲く夏』角川文庫。

    著者初のオムニバス短編集。柚月裕子の作家としての成長の過程が伺える11編を収録。


    『チョウセンアサガオの咲く夏』。表題作。イヤミスである。全ての真相が明らかにされた時、暗い気持ちになる。20代の頃から田舎町にある実家で母親の介護を続ける女性。老医師の往診だけが他人とのつながる時間で、それが心の支えでもあった。

    『泣き虫の鈴』。口減らしのための奉公など今では考えられないことだが、今は今で貧困に喘いで辛い思いをしている人たちがいる。山形と新潟の寒村から手広く養蚕業を営む豪農に口減らしのために奉公に出された少年の成長が描かれる。ある日、少年が働く村に瞽女たちがやって来る。

    『サクラ・サクラ』。既読作。今でも戦争という野蛮な行為は世界で行われている。戦時中の日本軍の美談を描いているが、他国を巻き込んだ野蛮な行為に美談など無い。仕事が嫌になり、パラオに旅行に来て、ダイビングを楽しむ青年。突然聞こえて来た日本の歌に興味を惹かれ、歌っていた現地の老人に声を掛ける。老人が話す太平洋戦争での日本軍の思い出。

    『お薬増やしておきますね』。既読作。最後にオチのあるユーモラスな短編。自分を優秀な女医と信じる患者を診察する美人精神科医。患者の病状は悪化の一途を辿っていた。

    『初孫』。これもイヤミスである。既読作。結末は想像が付いた。なかなか子供を授かることが出来ないでいる夫婦が不妊治療を受けると僅か1年で男の子を授かる。しかし、夫婦から生まれるはずではない血液型で、疑念を覚えた夫はDNA鑑定を行うと……

    『原稿取り』。既読作。こちらも結末は予想が付いた。連載小説の最終回の原稿をベテラン作家の元に取りに来た編集者は電車の中で大事な原稿をカバンごと盗まれてしまう。

    『愛しのルナ』。やはりイヤミスの一種かな。既読作。飼い主が犬猫を異常なまでに愛でる様子は端から見て不気味に思うことがある。子猫のルナを飼う女性が毎日ネットに動画を上げるが、ある日、ルナと一緒に自分の姿もネットで公開する。

    『泣く猫』。どんなに酷い仕打ちをされ、嫌な別れ方をしても、肉親は肉親。17年間も音信不通だった母親が亡くなり、母親が暮らしていたアパートを訪れた娘。そこに母親の同僚だったという女性が弔問に訪れた。

    『影にそう』。『泣き虫の鈴』にも登場した瞽女と類似した設定の短編。一度読んだ限りでは理解出来なかったのだが、もう一度読んでみると意味がよく解った。目の不自由な女性が三人で旅を続けながら、施しを受けて生きる厳しさ。

    『黙れおそ松』。変わったタイトルだなと思ったのだが、タイトル通りの漫画の『おそ松さん』の話だった。月刊誌『ダ・ヴィンチ』の企画短編らしい。

    『ヒーロー』。佐方貞人シリーズのスピンオフ短編。心に染みるような良い話だ。米崎地検の検事・佐方貞人の事務官をつとめる増田陽二は、高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会する。増田は伊達と同じく同級生の木戸の3人で居酒屋で旧交を温める。伊達は増田に柔道を続けさせてくれた恩人であり、ヒーローだった。大阪で警察官を務めているという伊達だったが何か秘密がありそうだった。

    本体価格680円
    ★★★★

  • 帯に書かれていた介護の話かと思いましたが短編集でした。
    どの作品もヒリットするようなお話でしたが、少し短くてその続きが気になりました。
    狐狼の血の作者さんだったのも初めて知りました。
    映画は観た事はあるので今度は本も読めたらなと。
    どの短編集も確かに映像化したら面白いかもと思いました。

  • 超短編&短編集で、サクッと一気に読めました。
    個人的には「チョウセンアサガオの咲く夏」と最後の「ヒーロー」が好きでした。
    佐方さんシリーズはまだ読んでないので、今後読もうと思います。

  •  人の心の密やかな内面を表現した短編が並んでいる。テラーや主人公の本音を知るとゾクゾクしたり感心したり様々な事情を垣間見れる。個人の飽くなき欲望が作る事実は誰かの要望の産物であることを誰も気づけない。気づいた時には嫌悪と許容の狭間で悩むかもしれない。
     佐方検事が登場すると、不思議とその一冊がピシッと締まる感じがする。
     タイトルは短編の一つですが、いずれも偏った欲望が生み出す物語かと感じました。

  • 佐方検事シリーズだと思い手に取ったが最後のヒーローだけでした。気楽に読める短編集でした。

  • 佐方貞夫シリーズの短編集かと思っていたら、それは最後の1編「ヒーロー」だけで、思惑はちょっと外れた。
    他の10編は、イヤミスあり、繊細な人間ドラマありで、著者のフィールドの広さを感じる。
    ほとんどが「5分で読める!」掌小説で、なかに赤塚不二夫のギャグ漫画『おそ松くん』を題材にしたスピンオフ小説もあり、楽しませてくれる。

  • 柚月さんには珍しいオムニバス短編11編。
    どれも味のある作品です。
    佐方検事の事務官である増田氏のショートストーリーもあります(ヒーロー)。
    様々なジャンルにわたる短編集です。

  • 米崎地検の検事・佐方貞人の事務官を務める増田陽二。高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会した増田は、マネージャーだった木戸と3人でその夜旧交を温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったという伊達には、ある秘密があった…(「ヒーロー」)。「佐方貞人」シリーズスビンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、著者初のオムニバス短編集。

  • 短編集はそれほど好きではないのですが、佐方シリーズの増田事務官の話が載っているということで読んだところ、他の作品もそれぞれ良さがありました。

    初出が『5分で読める!』や『10分間ミステリー』ということもあるのか、すぐ読めるものながらゾクッとするのもよかった。

    「泣く猫」は『猫が見ていた』で読んでいました。

  • 短編集。売れる前の作品もあったのかな。



  • 短編集。
    なんとなく寂しい結末やイヤミス系の話が多い中、最後の「ヒーロー」は清々しい感動がある佐方シリーズのスピンオフ。
    増田事務官、いい!
    佐方検事も増田事務官も誠実でまっすぐな人柄で、読んでいた私も思わず背筋が伸びた。

  • 柚月さんの短編集、全体的には残念でしたが、最後のヒーローは良かった!早く次の佐方検事シリーズが読みたい

  • 短篇集である。文字どおりの「短い篇」で、短い作品が11篇収まった一冊で、各篇を順次読んでいると何時の間にか読了に至るという感だ。何作品か読んでいる作者による短篇は、一味違うような感じで興味深かった。
    各作品は、何処か「怖い…」という要素を含む篇、少し古い時代を背景にしたヒューマンドラマ、何かの企画と見受けられる笑いを誘うようなモノと実に多彩だった。そして、少し知られているシリーズで主人公を補佐している人物のサイドストーリーというような篇も在るのだが、これはなかなかのヒューマンドラマであると思った。
    少し古い時代を背景にしたヒューマンドラマには「瞽女」(ごぜ)が登場する篇が2つ在った。盲目または視力が弱い女性が、三味線を奏でて歌うということをして各地を巡っているのだという。そういう人達自体の、またそういう人達と接した人の物語で、少し引き込まれた。
    何処か「怖い…」という要素を含む篇等に関しては、特段の事前情報の無いままに、そのまま読んで愉しむべきであろうから、ここで内容には言及しない。何となく、作者は「猫が好き?」というようには思ったのだが。
    少し知られているシリーズで主人公を補佐している人物のサイドストーリーというような篇である。これは検事が主役のシリーズに登場する検察事務官が主役になっているという篇だ。高校の恩師、柔道部の指導をしていた方が他界したということで告別式に出席し、柔道部時代のマネージャーや仲間と出くわし、夕食に出てみてという中での展開だ。なかなかに味わい深いと思った物語だ。
    時にはこういう感じの短篇小説集を紐解いてみるのも好いかもしれない。

  • 柚月さんの短編集。
    薄い本なのに、その中に5分で読めちゃうような短編がたくさん詰まってて、しかも、テイストも違うし時代もバラバラ。
    ちょっと不気味な話やブラックジョーク的なのもあって新鮮でした!

  • 題名の"チョウセンアサガオ"の毒性をどう物語にするか興味があり手に取ったけど、気を引いた割に短い話でもう少し掘り下げて欲しかったな。

    薄めの文庫本で短編11話。
    移動時間や待ち時間などにもさらッと読める。


    私が好きだったのは、
    ・泣き虫の鈴
    ・サクラサクラ
    ・泣く猫

    瞽女(ごぜ)という生業をはじめ知りました。

  • 全体:3.4
    佐方スピンオフ:4.3

    全て佐方シリーズのスピンオフだと思って読んでしまいました。

    佐方のスピンオフは最高でした。

    嘘の先には嘘しかない。
    本人だけは自分が嘘を吐いていると分かっている。

    という言葉は心に刺さりました。

    他の作品もつまらなくはないです、





  • 装丁の美しさとタイトルに惹かれて購入した
    「虎狼の血」の柚月裕子初の短編集

    ⑴チョウセンアサガオの咲く夏
    美しい花には毒がある。
    恐ろしいーっ

    ⑵泣き虫の鈴
    泣き虫八彦、大人の石段登る。

    ⑶サクラ・サクラ
    ペリリュー島の戦い
    フィクションとノンフィクションが交差する。
    この手の話には弱いのよ、泣ける。

    ⑷お薬増やしておきますね
    頭が混乱する。
    え?誰が患者?誰が医者?

    ⑸初孫
    想像していた通りの結末でワロタ
    くそ親父

    ⑹原稿取り
    高村先生、一本あり(笑)

    ⑺愛しのルナ
    怖っ
    「美」への執念?あぁSNSに下手なコメント
    したらダメよ、人の人生変えかねない

    ⑻泣く猫
    どんな毒親だったとしても、二度と会えない
    「死」と直面したら、楽しかった思い出と
    悲しさでいっぱいになるんだろうか。

    ⑼影にそう
    実親でなくても子を思い、子のために
    厳しく育てる親の愛を感じる

    (10)黙れおそ松
    ほんま、黙れ(笑)

    (11)ヒーロー
    男の友情物語って熱い
    その熱さが羨ましい。女にはないよね。
    素敵やーん。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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