- KADOKAWA (2024年2月22日発売)
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感想 : 82件
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041143742
作品紹介・あらすじ
このお店の味が食べたくて、普通の日も特別な日も行きたくなる〈洋食屋オリオン〉。両親を失った少女と叔父の心をつなぐトマトソースオムライス。キャバクラでナンバーワンの女性が、素の自分に戻るためのカルボナーラ。高校時代、友人と夢を語りながら食べた煮込みハンバーグ。シェフのくるみが作る料理は、祖母から受け継いだ味を守りながら、今日も常連客たちを温かい幸せで満たす。人生のほろ苦さと喜びを丁寧に紡ぐ物語。
感想・レビュー・書評
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丘の上の一番見晴らしのいい晴ヶ丘五丁目に『洋食屋オリオン」は建っている。濃いオレンジの瓦屋根と薄いオレンジの塗り壁、木枠の出窓に木製のドア。南欧の建築を参考にしたらしいオリオンの外観は、絵本の中の建物みたいだ。
最初のお話は、ちょうどこの時季にピッタリなお話。
6歳のときに、交通事故で両親を亡くした女の子が、18歳の春、大学に合格して晴ヶ丘を離れることになりました。
12年間、彼女を育ててくれたのは、父親の弟、叔父さんです。
彼女が最初に外食に連れてきてもらったのが、この洋食屋オリオンでした。そのとき食べたオムライスが、彼女にとって世界一のオムライスとなりました。
彼女は、家を出るこの機会に、叔父さんにあるプレゼントを企画します。それは。。。
ほんわか暖かくて、お料理のいい匂いがする洋食屋オリオンのお話は、幸せな気持ちをくれます。
洋食屋さんって、いいですね♡ -
おばあちゃんから受け継いだ丘の上の『洋食屋オリオン』。
オーナーシェフのくるみは、ホール兼スイーツ担当の真湖ちゃん、高校生アルバイトの蒼くん、そして看板猫のネロといっしょに、絵本の中から出てきたような可愛らしい建物の洋食屋さんをのんびりと営んでいます。
『洋食屋オリオン』は何か特別なメニューがあるわけではなく、とっても素朴な洋食屋さんなのだけれど、特別な思いを持つ地元のお客さんたちに長く親しまれているのです。
両親を亡くして叔父さんと暮らしている潤、キャバクラでナンバーワンのカオル、お嫁さんになりたいという夢を叶えた専業主婦の由紀、母と二人きりの生活を送る小学生の美和。
この町に住む常連さんたちがオリオンのお気に入りの料理を食べると、まるで魔法がかけられたみたいに、誰もが素直な自分に戻って夢に向かって進んでいけるよう。
お客さんたちだけではなく、オリオンで働く人たちもみんなが幸せを共有できるような、温かさに満ちあふれた物語です。 -
お腹すいた〜。
でも、ほんわか 満たされた。
どの話も良かった。
私のお気に入りは、第1話と第4話。
まさしく『誰も寂しくならないお店』の話だった。
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沖田円さん好き〜(^^)
号泣とまではいかなくてもジーンとする温かいお話しばかり。
4話目の話しが好きだな。
美味しい料理には幸せになる魔法がかかってる、くるみさんのオムライス食べてみたい〜
落ち込んだ時は是非、この本と美味しい料理を❢ -
すべて心暖まるストーリーでとっても良かった。トマトソースオムライスのお話はウルッときた。親子の形って色々あるよね。
あずきさんの「誰も寂しくならないお店」を今もくるみさんが引き継いで大切にしていることがわかる。
みんな落ち込んだ時や寂しくなった時に訪れて癒されていた。ネロも救われたひとり。今では看板猫でしっかり店員してた。
ストーリーに出てくる料理はどれも美味しそう。オムライスも煮込みハンバーグなどのメインの他にも、サラダやデザートまで主役を張って登場するので、お腹が減った。
オリオンみたいな暖かいお店があれば常連になっていたなー。 -
とーっても幸せな気分になれる素敵な作品。
オススメです!
どれも素敵な物語りで、それぞれの主人公達が努力している姿が垣間見えます。
誰のことも傷つけないし、読んでる私も『良かったね』って言ってあげたくなる場面がたくさん。
年末の殺伐とした毎日に、ひと時の癒しになりました♪ -
表紙のイラストがとっても素敵。美味しそう。
誰も寂しくならないお店「洋食屋オリオン」。
料理にまつわる5話のお話。私は1話から泣きました。私も疲れたな、しんどいなぁと感じたら美味しい料理を食べよう。
沖田円さん、初めましての作家さんでした。とても読みやすかったので、また読んでみよう。 -
あたたかい優しいおだやかな気持ちになれる本でした。いろんな方にとってここの喫茶店が心の拠り所になれる、お店の方たちも店名をオリオンにした理由、すてきでした。
わたしは、単身親同士の子のおはなしがすごく好きでした。ちょっとせつなかったけど。昔のおさななじみを重ねて懐かしい気持ちになって、心が晴れた気がしました。
わたしもいつか馴染みのお店があったり、思い出の味があるお店ができる日がきてほしいなぁ…♬ -
心が暖かくなるお話だった。丘の上にある『洋食屋オリオン』は、人々の思い出の食事と何度でも帰ってきたくなる故郷みたいな場所だった。お店の従業員のキャラクターも好きだな。おばあちゃんからお店を受け継いだ、『くるみ』は従業員の『真湖』とバイトの『蒼くん』と猫の『ネロ』と共にこれからも『洋食屋オリオン』で美味しい料理と癒しを提供し続ける。こんなお店が近くにあったらいいなぁ。
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人生に寄り添ってくれる優しい料理たち。心の栄養になる料理、お店の人と猫。はいつまでも愛され続ける。
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本屋さんで買おうと思っていた同じ発売日の小説の隣に、たまたま並んでいたので買いました。
電車の移動時間に読んでいたのですが、温かくて優しいお話ばかりでうるっと来てしまいました。第1章の最後、『窓の外には桜が咲きはじめている。春本番はすぐそこまで来ている。』という文を読んだ瞬間に電車の窓いっぱいに桜並木が見え、思わずため息が漏れました。
また本棚にお気に入りの1冊が増えました。 -
街の洋食屋さんオリオン数十年前間あずきさんが一人で切り盛りしていた店を孫娘のくるみが継いで続けている味もおもてなしも抜群のお店。
短編集だがどのお話もお帰りなさいと言ってくれるような温かい料理とエピソードでほっこりできる。1話目のオムライスが美味しそすぎた。 -
誰もが幸せな気持ちになれるストーリーで、どれも良かった(* ´ ` *)ᐝ
こういう類の小説は、ほっとしたい時や疲れた時にピッタリ!
おいしいものを食べる=幸せな気持ちになり満たされる。
私にもこういう場所が見つかったら嬉しいな⟡.·*. -
すべての話が心地よくずっと浸っていたい小説。
丘の上の洋食屋さんが繰り広げる心優しい物語でとても満足しました。
そして、お腹も満足しました。
すべての話がセコイぐらいいい話でした。
正直すべての話が良く選べないぐらいおすすめです。
甘酸っぱさ、ほろ苦さ、微笑ましいなど、すべての要素がこの小説に含まれている気がします。
少し読む物に悩んでいる方には、良きです。 -
晴れた休日に読みたい作品☀️
出てくる登場人物、ネガティブな人がいないからこそ常に明るい気持ちで読み進めることができる。
私も近所にこんな素敵な洋食屋さんがあればいいな〜、、とついつい思いました。
ほんわか素敵な気持ちになれました。^^ -
誰も寂しくならないお店、か。
オリオンを訪れる四人のお客さんと、シェフのくるみを描いた短編集。どの話も優しくて、あたたかい。不穏な展開にはならず安心して読めるお話だった。出てくる料理もおいしそうで食べたくなった。
「世界で一番のトマトソースオムライス」
叔父と暮らす少女の物語。両親が亡くなってから育ててくれた叔父さんへのプレゼントが素敵。お互いがお互いを必要としてて、大切にしてるのがわかる。素敵な関係。
「わたしとカリカリパンチェッタのカルボナーラ」
かっこいい!このお話好きだ。頑張ってる自分も胸張れる自分も本物だけど、カルボナーラを食べてる自分も間違いなく自分なんだろうな。登場人物たちもカラッとしてる感じで好印象だった。
「過ぎた日の煮込みハンバーグ」
毎日いっしょに過ごしてた子とか、部活がいっしょだった子とは別で、なぜか印象に残ってる子っていたりするよな〜。何をするかは自由で個人のこだわりでしかない。これでいいのか?なんて案外みんな考えてるのかも。
「きみとベビーリーフのシーザーサラダ」
小学生以来の再会…!お互いの存在が生きていく中でしっかりとあったんだろうな。『きみが初恋だった』『わたしも』素敵な終わり方だった。
「三つ星のレシピとぼくらの話」
シェフのくるみと祖母のあずきさん、そしてオリオンを黒猫ネロの目線で語った最終章。みんなみんな優しくて、私もオリオンに行きたくなった。 -
温かい空気漂う洋食屋さんで垣間見える大切な人たちのやり取りが幸せでいい。
美味しそうなご飯に温かい店の人たちが揃ったオリオンは現実に存在したら絶対行きたいお店になると思う。
猫が人語を解するのはとてもファンタジーだったけど、可愛いからよし。 -
美味しいものを食べて、笑顔になって、そしてまた前を向く。
読んでてすごくすごくおなかすくぅ!w( ˘q˘ ) -
行ってみたい洋食屋さん。
温かさと懐かしさで心が満たされる。
美味しい料理は心の栄養になり、懐かしい何かを思い出させてくれ、救われるのだ。
料理は人もつなげてくれる。料理を作る人たちも魅力的。続きが読みたくなる。美味しそうな表紙で選んだ本だけど最高。
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みんなが寂しくならないためのお店。
ほっとして温かい気持ちになれる料理。
癒し系の猫ちゃん。
煮込みハンバーグとサラダが食べたくなった。
著者プロフィール
沖田円の作品

いつも、優しいね。
いつも、優しいね。