日本ホラー小説大賞《短編賞》集成 (2) (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2023年11月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784041143834

作品紹介・あらすじ

日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちがまとめて読める! 町会館で見つけた、地域の怪異が記録された古本を手にしたら――。異色の怪談、朱雀門出の「寅淡語怪録」。その発想力を選考委員が絶賛した、「穴」に入らずにはいられない男のシュールすぎる1作、国広正人「穴らしきものに入る」など計6編。当時の選評からの一言も引用収録。決して他では味わえない、奇想天外な短編ホラーの世界へようこそ。

<収録作品>
吉岡暁「サンマイ崩れ」
曽根圭介「鼻」
雀野日名子「トンコ」
田辺青蛙「生き屏風」
朱雀門出「寅淡語怪録」(「今昔奇怪録」の原題) 
国広正人「穴らしきものに入る」

※本書は日本ホラー小説大賞の短編賞受賞作の中から6篇を収録したアンソロジーです。

みんなの感想まとめ

奇妙さと独自の発想が際立つ短編ホラー集で、異色の作品が揃っています。特に、豚の冒険を描いた「トンコ」は切ない幕切れが印象的で、怪奇を巧みに表現した「寅淡語怪録」や、思わず身体を捩じ込む「穴らしきものに...

感想・レビュー・書評

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  • 日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちがまとめて読める短編ホラーアンソロジー。


    日本ホラー小説大賞30周年記念、受賞作がまとめて読めるホラーアンソロジーです。
    既読の作品は曽根圭介『鼻』のみで、ほぼ初読みでした。

    どれも面白かったですが、個人的に気に入った作品をいくつか。

    まずは田辺青蛙『生き屏風』。屏風に取り憑いた奥方の相手を頼まれる妖鬼の話。全く怖くはないです。怖くはないですが、緩やかに共存する人と妖のいる世界観や、奥方の気高さ、妖気と奥方の友情など、心温まる素敵な話。

    朱雀門出『寅淡語会録』は、町会館で見つけた地域の古い怪異が載った本から始まる話。御当地怪談、因習、民俗学など色々考えながら楽しめておもしろいです。完全オリジナルなのか、アイデア元の怪異があるのか分からないですが、語られる怪異もあまり聞いたことがなく、かつ本当にどこかに伝わってきそうなリアリティがあり興味深い。

    吉岡暁『サンマイ崩れ』。精神科の病院を抜け出してボランティアに行く「僕」の話。
    オチに意外性があり良かったです。心を病んだ「僕」の、常に追い詰められているような語り口も、息苦しさがあって良い。
    ワタナベさんいい人。

  • ホラー小説大賞の集成1は、私には合わなかったため、期待せず読んだ。(1と2同時に買ってしまったので)
    でも、こちらの本はおもしろかった。「サンマイ崩れ」と「鼻」は、オチに驚いた。「トンコ」は、オチが切なかった。「生き屏風」はオチにほっこりした。「寅淡語怪録」は謎が多かった。(でもおもしろかったと思う)「穴らしきものに入る」はオチに笑った。

    ■サンマイ崩れ 吉岡 暁

    →ワタナベさーーん!!なんて素敵なご老人なんだ。元々いい人だったんだろうね。

    たまたま出会った「僕」のために、川を渡ってくれたんだ。てっきり、「僕」に悪霊か何かでもついているのかと思った。

    自殺未遂直後の記憶が全くなかったこと。ボランティアに来たと言ったのに、警察も役場の人も、何も言わなかったこと。アキやんは、ワタナベさんをあやしい、気をつけろと言うばかりで、僕には何も悪態をつかなかったこと。いつもは出る病気の症状が、何故かワタナベさん相手には出なかったこと。

    正直、文字も多いし、精神病を患っている「僕」
    視点では、読むのに苦労した。早く読み終わりたいと思いながら、1週間くらいかけて読んだ。
    でも、オチがすっごくよかった!!!!ワタナベさんの優しさに心打たれた。

    わざわざ病院を抜け出してボランティアに来た「僕」も、優しい人だったのかな?


    ■鼻 曽根圭介

    →どっちもどっちだね。通り魔が、ヒビノを襲わなかったら、こんなことにはならなかったのか?

    救国青年団の制服=私立の高校の制服?

    厨二病かよ〜。
    ヒビノといっしょにいた女は誰なんだ?それも自分の想像?

    どれが妄想でどれが真実なんだ!?


    ■トンコ 雀野日名子

    →トンコは人間から逃げているわけではなく、きょうだいたちの声がするほうへ移動している。

    豚は自分が食べられることに気づいているのかな。生姜焼きを見て、自分のきょうだいだって分かるのかな。

    場長が、トンコのかつてのきょうだいだった生姜焼きを丁寧に扱う様子はよかった。
    この話に出てくる人間はなんか嫌な感じ。公園でジャーキー(トンコのきょうだいだった)を巡って喧嘩した飼い主とか、豚を見たと子どもに報告されただけで、子どもが襲われそうになったと保健所にクレームいれる母親とか、なんか醜いと思った。
    トンコは、きょうだいたちの思い出がたくさんあり、きょうだいたちを求めて移動する様子が切ない。


    ■生き屏風 田辺青蛙

    →正直、ホラー小説か?と思った。怖い要素は何一つなかったような気がする。登場人物が、鬼と屏風に憑いた幽霊だから、一応ホラーなのかな?

    最後は、ふたりいっしょになってよかった!友情だね!


    ■寅淡語怪録 朱雀門 出

    →謎が残る。主人公は、本に選ばれたってことなのかな?
    結局、ぼうがんこぞうって何なの!?死体生け花の煉瓦屋敷とは!?
    世の中のどこかにありそうな話ではあるけど、謎が多すぎる。。


    ■穴らしきものに入る 国広正人

    →笑って読んだ。主人公の穴への執着には脱帽。他にはどんな穴に入れるんだろう。
    酸素ボンベは爆発するのかな?家が火事になったりする?主人公の遺体はコンセントサイズのままなのか?保険金は下りる?
    そもそもこれはホラー小説なの?主人公が穴ライフを満喫する姿はなんだか微笑ましかった。

  • 1度も読んでいない。小説が多いので買ったが、自分には合わなかった。

  • 面白かった。
    でも、トンコが切ない。

  • ホラー傑作選。豚の冒険「トンコ」(雀野日名子)は幕切れが切ない。「寅淡語怪録」(朱雀門出)は怪奇の滲ませ方が巧い。穴に身体を捩じ込む「穴らしきものに入る」(国広正人)は奇想ぶりに唖然。しかしベストは再読の「鼻」(曽根圭介)か。大満足の1冊。

  • 「トンコ」と「穴らしきものに入る」がサイコー。

    前者はブタ視点で描かれた不思議体験ができる。決して完全に擬人化されてるわけではなくなんかブタっぽい。
    後者は「なんでそんなこと思いついたんだ?」というところからはじまりまったくぶれない。理屈も理由もなくただ主人公の穴へのこだわりは面白かった。
    短編の良さが出てた。

  • ホラーというより奇妙さが際立つものが多かった。ありきたりなオチのものもあったけれど、鼻とか穴らしきものに入るはクセになりそうな感じ。トンコは可愛いに尽きる。ホラーか?と思ったが可哀想という割に豚肉食べる人間が一番ホラーだと思った。

  • 「生き屏風」の奥方から感じる妖艶さがとても好き。

    「穴らしきものに入る」の私曰く、
    "コンセントとは右の穴に入ってなんぼなのだ"
    らしい。
    笑ってしまった。なんだそれ。

  • 1に比べると恐怖感は薄い。まだまだ受賞作はあると思うので、いずれ全部まとめてほしい。
    『鼻』これが読みたくて買った。予想していたのと違う方向の衝撃。

  • 日本ホラー小説大賞・短編賞 受賞作を集めたアンソロジー、2冊目。

    収録されているのは、以下の6作品。
    ・吉岡暁『サンマイ崩れ』(2006年・第13回)
    ・曽根圭介『鼻』(2007年・第14回)
    ・雀野日名子『トンコ』(2008年・第15回)
    ・田辺青蛙『生き屏風』(2008年・第15回)
    ・朱雀門出『寅淡語怪録』(2009年・第16回)
    ・国広正人『穴らしきものに入る』(2011年・第18回)

    『サンマイ崩れ』は、作品としての出来は良いが、短編としての勢いが弱く、あまり記憶に残らない。

    『鼻』は、テキストが刺激的で展開もなかなか。個人的な欲を言えば、刑事側をもっとまともな人物にして、対称的な視点で魅せて欲しかった。

    『トンコ』は、「出荷される豚視点の物語」という設定自体は面白いのだが・・・や、ホラーじゃないよね?

    『生き屏風』は、"妖鬼"と"屏風に憑いた霊"との語らいを静かに描いた一作・・・これもホラーではないね。

    『寅淡語怪録』は、その土地の怪談を集めた"寅淡語怪録"に収録された逸話の真相を追う話。結末は面白いが、そこに至るまでの展開に繋がりが薄いのが難点。

    『穴らしきものに入る』だが、この荒唐無稽で勢いで描き切る話・・・好き。やはり短編は勢いが大事。読了後の「自分は一体何を見せられたんだろう」感が良き。ただ作品としての満足度はそこまで。

    今回は全て初見。一番良かったのは、敢えて言えば『穴らしき~』かな。とはいえ、前作「集成1」に収録されていた『玩具修理者』には及ばず。

    別の作品を読んでみたいと思えたのは、曽根圭介氏かな。またどこかの機会で当たってみよう。

  • 後半になるにつれ、インパクトは抑えてられていってる気がする。ただ、受賞作をまとめて読める意義は大きいと思う。収録作品は含めた本はほぼ絶版だし。未収録作品があるようなので、短編全集としていつか再刊してください。ついでに大賞受賞作全集もお願いします。

  • <収録作品>
    吉岡暁「サンマイ崩れ」
    曽根圭介「鼻」
    雀野日名子「トンコ」
    田辺青蛙「生き屏風」
    朱雀門出「寅淡語怪録」(「今昔奇怪録」の原題)
    国広正人「穴らしきものに入る」(アマゾン紹介文)

    短編集だけあって各話の方向性の揺れ幅がすごい。
    「サンマイ崩れ」は、おそらく著者の狙い通りに落とされたと思う。

  • 読みたかったのがこれで読めた。幸せです。生き屏風が特に好き

  • しばらくホラーから離れていた時期の受賞作なので「鼻」以外は初読。
    バリエーションが出てきたなって感じ。しかし、「穴らしきものに入る」のナンセンスさはすごい。

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