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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041144329
作品紹介・あらすじ
~「本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10」時代小説1位に選ばれました(青木逸美・選)~
●東京新聞(2024年1月6日付)書評掲載(評者:理流)
●日経新聞(2024年1月25日付)書評掲載(評者:縄田一男)
●週刊現代(2024年1月27日号)書評掲載(評者:清原康正)
●山陰中央新報(2024年2月3日付)書評掲載
●上毛新聞(2024年2月18日付)新刊ガイド掲載
●小説現代(2024年3月号)書評掲載(評者:田口幹人)
●週刊文春(2024年3月7日号)書評掲載(評者:青木千恵)
天明の浅間焼け(大噴火)で土石流に襲われた鎌原村。村人の8割が死に、高台の観音堂に避難した者など93人だけが生き残った。現地に派遣された幕府勘定吟味役の根岸九郎左衛門は、残された村人を組み合わせて家族を作り直し、故郷を再建しようとするも、住民達の心の傷は大きく難航していた。出世頭の若き代官・原田清右衛門が進言するとおり、廃村と移住を選択すべきなのか、根岸は苦悩する。さらに幕府側にも不穏な動きが――。「故郷」と「生きる意味」を問い直す物語。
みんなの感想まとめ
テーマは、江戸時代の浅間山の大噴火によって壊滅した村の再建と、そこでの人間ドラマです。物語は、村人たちの心の傷と再生を描き、幕府の役人である根岸九郎左衛門が中心となり、村の復興に尽力する姿が描かれてい...
感想・レビュー・書評
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江戸時代の浅間山大噴火で消えた村の再建のお話。一つの村に肩入れしすぎでは…と思ったが、面白かった。
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浅間山の天明の大噴火で壊滅的な被害を受けた鎌原(かんばら)村が舞台。妖怪・奇談好きで、豪快で民の心に寄り添おうとする幕府の役人の根岸九郎左衛門と、かつて鎌原村を捨てて逃げた嫌われ者の音五郎の二人が主人公となっている。
大噴火がクライマックスかと思っていたら早々に大噴火が起こり、物語の大半は村の復興の話となっている。江戸幕府の上層部は、田畑が潰れ人口の8割以上が亡くなった鎌原村を廃村にして新天地で再出発させた方が生き残った村人のためになると考える。それも一理あるのだが、かつて自分が指揮をした御救普請(災害復興事業)で苦い後悔を負っていた根岸は村人たちによる自主的な鎌原村の復興を目指し、生き残ったはぐれ者同士の村人たちの必死の努力で村は少しずつ再建され、バラバラだった村人たちの心も徐々にひとつになっていく。
”御救普請は常に絶望から始まる。”(P.258)
噴火で途中まで埋まった鎌原観音堂の石段を実際に訪れたことがあり、何メートルも下に埋もれていた人骨が発見されたことは知っていた。そういった事実もからめ、かつて村を逃げ出した嫌われ者や噴火で家族を失った者、左遷をおそれず民のため奔走する役人、わざと悪人ぶる商人、保身だけを考える者など、さまざまな立場の登場人物たちは村の再建の中でそれぞれ立ち位置を与えられている。大災害を生き残った者の後ろめたさや、前を向いて生きることの大切さも描かれている。
それなのにストーリーの緩急がちぐはぐで中だるみを感じる場面もあり、せっかくの際立った登場人物たちの心情の変化も唐突なせいか、あまり感情移入できなかったのが残念。書き方によってはもっと傑作になっていたと思うのでもったいない。
本書はフィクションだが、読んでいくうちに現代の災害復興でも根岸くらい熱心に被災地に通って心血を注いでくれる役人や政治家がいて欲しいと思った。 -
人は強いな
自分だったら、家族を失い、家を失い、田畑を失ったら、希望を抱いて生きていけるだろうか
今は、無理な気がする
これが、今の正直な感想 -
主人公の根岸九郎左衛門は、後の南町奉行根岸肥前守鎮衛、怪談奇談集「耳嚢」の作者でした。
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