本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041147306
作品紹介・あらすじ
「こんなところにいたくない」――希和が見つけた短冊は、息子・晴基の字にそっくりだった。“こんなところ”は家なのか学校なのか。知りたい、でも知りたくない。モヤモヤを抱えつつ、希和は晴基が出入りしている民間学童で働き始める。保護者のLINEグループ、学童で出会う息子の同級生たち、そして夫との関係。ままならない日々の中、希和は自身の声を探し続ける。呼吸することが少し楽になる、あなたのための物語。
感想・レビュー・書評
-
自分が育った小さな町で小学四年の息子を育てる主人公希和。
息子の学校の保護者達とはあまり上手く付き合えない。
夫にも不満はあるのに声に出せない。
自分の言いたい事が言えない。
そんな中で民間の託児所で働くことになり、少し浮世離れした感じのオーナーの要と出会う。
希和の真面目で正直な感じに好感が持てた。
生きづらいだろうな、とも、
潔くてカッコいいな、とも、思った。
長いものに巻かれがちな保護者同士の関係に、巻かれることなく1人でいることは容易なことではないと思うから。
思えば、子供達が小学生の時が1番大変だったような気がする。
物理的な時間は全然ないし、子供達の変化も激しい、子供同士のいざこざや、保護者同士の軋轢。。
そんな時期に「要」のような存在の人がいてくれるのは、ありがたいだろうなぁ。
その時期にこの本を読んでたら、心が軽くなったに違いない。
子育てのヒントにもなっただろうな。
もっと子供達といられる時間を噛み締めて過ごしたかもしれない。
自分の気持ちを言語化して話す、この私の苦手な分野を意識していこうと思った話でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
202504読了
感想つけるのに時間がかかって読了と投稿にかなりの差が、、、。
寺地はるなさんブームが止まらず、ローリング中。
どの作品も本当に共感できる内容ばかりで、そうすると作品を読み進めるほど、デジャヴ感が出てきそうな気もするが、不思議とそういうことはなく、どの作品もキャラクターと伝えたいメッセージが書き分けられている。
◆あらすじ
生まれてからずっと同じ地で生きてきて、妻となり、母となり、いつしか自分の"声"=発言する勇気を失っていたことに気づいた希和。ある日、幼馴染の弟 要が開業した学童支援のスクールで働くことを決意。要や、スクールの子どもたち、息子のママ友との関係性の中で、今まで飲み込んできた言葉を徐々に発信していくように…。
◆感想
・美亜ちゃんのお母さんの子育てに対する辛さの吐露が、かなり具現化されていて思わず感心してしまった。
・要のような大人は意外と少なくて、貴重な存在だ。でも、これが実現できるのはお金の力なんだなとも思う。本作はその部分が美化されてなくて潔くて良い。
・子育て経験のない私でも、子育ての辛さに感情移入してしまうのだから、今子育てで辛い思いをしている親は、読んだら泣いてしまうんじゃないかと思う。 -
自分が違和感を抱いたことや、考えたことに対して、あいまいに流さず、自分と向き合った上で言葉を紡ぐこと。
波風を立てないことを優先して、いつの間にか自分の言葉を口にできないと気付く希和。
彼女が働き始めた民間の学童保育で働く要とその姉の、自分の考えに真摯に向き合い、自然に言葉を紡いでいく姿に、少しずつ声をあげていけるようになる。
自分の思いをしがらみなく言葉にして、相手に伝えることで、お互いの誤解が溶けることもある。
人間同士である以上、100%お互いを理解することは難しいが、実直に言葉を重ねていきたい。それが、自分自身で腹落ちして生きていくことにもつながると思う。 -
最近は、言葉を発する前に考えることがおおいですよね。こんなこと言ったらどうなるかなって、想像してみたりしないとね。一方で、めんどくせーって思ってる自分もいる。そのひとつひとつを、言い当てられたようなお話でした。はぁーって、ため息でます。
-
#読みたい本
文庫化されたならそれなりに面白そうなので読んでみようかな、になる。しかし、本作は文庫での内容紹介が短すぎて、機会があったら読もうかな、となってしまったが、単行本の内容紹介をみて読んでみたい!になった
#声の在りか(文庫)
#寺地はるな
24/8/23出版
https://amzn.to/3AGyx1v -
主人公・希和のような気持ちになることあるな、と思いながら読んでいた。
日々の中で感じる様々なことを、自分の言葉で存分に語ることはとても難しくて、自分の思いを言えなかったり、言っても何かが違うように感じたり、そしてそれによって人とすれ違ってしまったり…希和が作中で抱く思いには、多々共感させられる。
でも、自分の声を探して、少しずつ変わっていく希和の姿に、私も励まされるような気がした。
激しさはないけれど、静かに心に伝わってくるよい読後感でした。 -
主人公の気持ちに共感するところが多かった。自分や周りの人の行動に考えを巡らせて時に苦しくなる。不器用、繊細、生きづらい性格のようだけど、自分とうまく付き合っていくために受け入れて変化していく姿、羨ましく思います。
-
日常で感じる小さなモヤモヤを言語化してくれた小説。私は子どもがいないので親の立場はわからないけれど、それでも「あ〜これ、会話を終えたあとで言いたいことが言語化される時あるよな」と共感する場面がたくさんあった。自分の感情を抑えてしまうと言葉を放出させることが難しくなってしまう。自分の声を発すること、そして声に気付くことが大事であると教えてくれた。
-
子どもができたら読み返したい本No. 1です!
私は保育士ですが、保育関係に携わる者としても、胸に刻みたい言葉が沢山ありました。
著者プロフィール
寺地はるなの作品





