- KADOKAWA (2025年5月23日発売)
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感想 : 17件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041147436
作品紹介・あらすじ
WOMEN TALKING
by Miriam Toews,2018
「これは必読!『侍女の物語』から抜けだしてきたよう」マーガレット・アトウッド(←NHK Eテレ「100分de名著」で話題)
「私たちは子どもを守りたい」
教団で起きた大量レイプ事件。「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされてきたが、実は身内による犯行だった。実話にもとづくサスペンス!
あるキリスト教系団体の村(コロニー)で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業(しわざ)」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。実話にもとづくサスペンス。マーガレット・アトウッドが「必読」と絶賛。第95回アカデミー賞脚色賞映画、原作!
「これは必読! この驚異的で、悲しく、衝撃的にして心を打つ小説は現実の事件を元にしており、まるで『侍女の物語』から抜けだしてきたようだ」M・アトウッド
「痛烈……悪の本質、自由意志の問題、集団的責任、文化決定論、そして何よりも赦しについてふれる」ニューヨーク・タイムズ
カバーイラスト/千海博美
カバーデザイン/鈴木成一デザイン室
みんなの感想まとめ
深刻なテーマを扱ったこの作品は、教団で起きた大量レイプ事件を背景に、女性たちが未来を選ぶための会議を繰り広げる姿を描いています。文字の読めない女性たちが、身内の男たちによる犯行を受けて、何もしないか、...
感想・レビュー・書評
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ミリアム・テイヴズ『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』角川文庫。
映画原作の実話に基づいたフィクション小説。物語というよりも、女たちだけの2日間に亘る会議の内容が、書記として会議に出席した唯一の男であるオーガストの視点で綴られる。
正直言って、退屈な作品だった。深刻なテーマだけにもっと大きな展開を期待したのだが、宗教的でもなく、哲学的でもなく、余りにも平坦な展開にがっかりした。
ボリビアにあるプロテスタントのキリスト教団体のコロニーで起きた大量レイプ事件。被害者は最年少が3歳という極悪非道ぶりであった。朝を迎えて、身体の痛みや出血を訴える女性たち。それは『悪魔の仕業』『作り話』とされたが、実はコロニーの身内である8人の男たちの犯行だった。
彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間、女たちは子どもを守るために未来を選ぶことになる。このまま何もしないか、男たちと闘うのか、村を出ていくのかを決めるために、言葉だけで文字の読めない女たちの会議が始まる。
本体価格1,380円
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一昨年、映画を見た。
当時は翻訳されておらず洋書は諦めた...。
2年を経て念願の原作!
2005年~2009年に、ボリビアにあるメノナイト(非暴力、無抵抗を主張するプロテスタント)の宗教コロニーで起きた事件をもとに書かれた小説。
コロニーの女性たちは朝起きると体にあざや傷ができている。それを男性たちは罪によるものだとか、悪魔の仕業だと言う。ところがある女性が夜中に事件の現場を発見し、男性たちは警察に拘留されることに。
この小説は、男性たちがコロニーを留守にしている2日間で行われた女性たちの話し合いの議事録となっている。ちなみに女性は文字の読み書きができないので、オーガスト(教師。コロニーでは弱者男性)が書記を務める。()で書かれているオーガストの心の声がたまに面白い。
1.何もしない
2.残って戦う
3.出ていく
という選択肢についての話し合いは、個性豊かな面々が、信仰とは、愛とは、平和とは…みたいなことについて激論を交わしているので、現場は平和とは言い難く(笑)しょっちゅう話が脱線する。でも時々的を射た発言ではっとする場面もある。
「人は自分が知らないものほど堅く信じられる」
「ふつうの女たちが暴力をふるってきたのは…ほかでもない自分たちの魂に対して」などなど。
話し合いの内容は、無駄話が多いように見えるけどそんなことなくて、すべて決断するために必要なものだったと、読み終わって感じた。
終盤、女性たちが初めて聖書を自分たちで解釈する場面も良かったな。 -
タイトルのとおり「女同士でおしゃべりをしている」場面がほとんどなので始めはちょっと冗長な気がしてページをめくる手が進まず、リタイアしてしまうかと思ったけれども途中から目が離せなくなってきた。
他の方の感想を見ると、面白かったというのと期待外れだったというのの半々に分かれているけれども、実際にボリビアで起きた事件のショッキングさと比べて本作でのwomen talkingがただ繰り広げられるだけなのがそうさせるのかも。自分はその家族・親戚間でのおしゃべりでひたすら交わされる真剣で侃侃諤諤な話と親戚ならではのカジュアルな話の緩急が面白く、むしら映画ではなくて小説の方を先に読めてよかったと思いました。途中で挫折しそうになっても最後まで読んでほしいです。
そして自分自身オーガストのような気質があるのでそれにも感情移入しつつオーナとの関係やナイチャ・オーチャを見守りながら読んでいました。
音楽好きな自分としては「夢のカリフォルニア」の歌詞やジョン・ケージがストーリー全体を暗喩しているようでそれも面白かったです。
まだ映画の方を観たいからどうかはわからないけれども、これが舞台劇だったら絶対に観たいとは思いました。 -
なんか難しい
海外文学は好きなんだけど
文学というより議事録って感じなので
淡々と読み進めて途中断念した
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ノンフィクション分類している感想があるが、完全なる創作であり小説です。
女性が文字を教えられてない文化圏なので、男性が+英語で議事録を取っているという二重のフィルターが存在する設定なのがキモ。(聖書との重ね)
語りの主体である女性たちのキャラクターが立っていて面白かった。話が達者で頭が回る「本家」的な2家からの選抜メンバーなのでみんな話す話す。
実際的な問題を期限付きで語り合っているにも関わらず、宗教的観念の解釈の問題に多くの時間を割かれるのが、メノナイトという舞台の機能で、それが現代的な価値観から出た言葉ではなく彼女たち自身の持つ言葉でで解決されていくのがいい。いままで神に従って生きてきた生活上の疑念や価値観そのものが、決議される(だが会話の中で流れるように)
最終的には寓話的かつ揺らぎのある結末に落とし込まれるが、ここはちょっと作為的すぎない?と感じなくもない。あまりソフィスティケートされていないというか。
アトウッドを好む人には間違いのなくハマる小説です。 -
実際に起きた閉鎖コミュニティーにおける集団レイプ事件に着想を得た本作。衝撃的な話だが、事件そのものではなく被害者やその親族の女性らが、コロニーを支配する男性陣が外出している間に今後の対応策(何もしない、闘う、去る)を話し合う(ウーマン・トーキング)ことが主眼となっている。
個人的には展開が遅くて文学的すぎる印象だった。
なお、本書はある理由から幼い頃一度コミュニティーを離れた男性(それにより男性陣から下に扱われている)が書き留めたノート、という形式を取っている。女性たちは教育を受けられず文字が書けないからである。小説の最終部近くで軽く振れられているコロニーを追われた理由も罪深く考察を深めるポイントだった。 -
あるキリスト教系団体の村で起きた大量レイプ事件。最年少の被害者は3歳の少女。それは「悪魔の仕業」「作り話」とされたが、実は身内の8人の男による犯行だった。彼らを保釈させようと村の男たちが外出する2日間。女たちは子どもを守るために未来を選ばねばならない。何もしないか、闘うか、村を出ていくか。文字の読めない女たちの会議(ウーマン・トーキング)が始まる。
2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。彼等はメノナイトという集団で暮らしており、自らの規律で生活できる土地を求めて放浪していた。ボリビアは熟練の農夫たちとして彼等を受け入れ、教育や福祉、自治体、紛争解決、財産所有の面で自治権を認めた。
ところがある晩、女性たちが悪魔に襲われるという事件が起こる。目が覚めたら女性たちが傷つけられており、割れるような頭痛と倦怠感に悩まされていた。普通に考えたら「薬を盛られて乱暴された」という解にたどり着く。ところが監視カメラなどないので証拠がない。誠意あるボリビア人が夜景に立ったが、なかなか捕まらない。やっと2,009年に犯人が捕まった。男性や少年の被害者もいたようだ。
本作では女性たちが語っているが、実際は事件について語られることはほとんどない。忌まわしい出来事として、罪が裁かれたのだから忘れてしまうのが一番だ、とばかりに、被害者へのカウンセリングも碌に行われていない。常に被害者だけがトラウマと心身に受けた傷に苦しみ、加害者たちはいずれ忘れてしまう。殺人事件が起こった場合を除いて、ボリビア政府は彼らに犯罪の報告を義務付けていらず、いわば一種の自治国家のような扱いになっている。
女性たちは教育からも排除されている。また「罪びとたちを許さなければあなたは天国にいられない」という誤った教義をも押し付けられている。これほど窮屈な世界が、現実に存在しているのである。本作の女性たちの時に過激な発言は、フィクションだから許されている。
2018年に出版され、NEW YORK TIMESブックレビュー誌の年間最優秀書籍に選ばれた。女優でもあるサラ・ポーリーにより映画化され、アカデミー脚色賞受賞。 -
実話をもとにした小説であり、『侍女の物語』の著者であるマーガレット・アトウッドも絶賛したという作品。
外界から隔絶された宗教コロニーで、夜ごと繰り返される性的暴行。犯人は、被害者たちの親族や知人たちだった。彼らが勾留され、一時的にコロニーからいなくなったそのあいだに、女性たちは3つの選択肢を突き付けられる。なにもしない・戦う・去る。
この作品が素晴らしいのは、被害の後、女性たちが何を選ぼうとするのかに徹底して焦点を当てている点だ。コロニーでは、女性たちは読み書きを学ぶことを禁じられてきた。そのため、話し合いの内容は、同じく周縁化された男性オーガストが「書記」として書き留める議事録として綴られている。
信仰と正義の両立は可能なのか。話し合いのなかで女性たちは、自分たちが聖書を読むこと、解釈することから疎外されてきた事実に気づく。そして、初めて自分たち自身の言葉で教えを解釈しようとする。その瞬間は静かで地味ではあるが、胸を打つ瞬間だった。 -
静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓
https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=R49h83v1O1f1vwnwZKvzTA%3D%3D -
小説ではあるが、実際の事件の被害者の聞き取りという形をとっているため、ノンフィクションに分類。
その宗教団体は、外界から完全に切り離したところに、独自のコロニーを築き、主に農耕などをして暮らしている。そこでは、完全な家父長制がしかれ、女は子供を産み、家事をする道具として所有されている状態であり、よって、一切の教育はされず、読み書きができるものはいない。言語も、ほとんど消えかかっているマイナー言語で、発達していない。ゆえに、彼女らは自分の気持ちや考えなどを、正確に言い表すことも出来ない。そこで起こった事件とは、朝、起きた少女と女性たちが、だるさや痛みを感じ、体にアザや出血が見つかるということ。初めは、亡霊や悪鬼のしわざだとされた。その女たち自身が、罪を犯したため、神や悪魔によって裁かれているのだとも、言われた。ところが実際は、コロニー内の8人の男たちによって、家畜用の麻酔薬を使って昏睡させられ、レイプされていた。2005年から2008年の間に、百数十人。何度も、繰り返し。被害者の中には、三歳の幼児もいた。
女たちは、決断を迫られる。何事もなかったかのように、ここで暮らすか。男たちと闘うか。それとも、このコロニーを出て行くか。
女たちが縛られているのは、ここを出てしまったら天国に行けないのじゃないかという、宗教的思想、それから、家族が引き裂かれることへの罪悪感。自分たちが出て行けば、別のものが犠牲になるだけなのではという危惧。読み書きも出来ない、近辺の地図さえ持たない自分たちが外へ出て、何ができるのかという不安。女たちは話し合ううちに、ある考えを取り戻してゆく。それは、自分を大事にするということ。それほどまでに、コロニーでの女の扱いは、道具化していて、女たちの思考もそう、強制されている。
レイプ発覚の場面や、女たちの扱いなど、エグいシーンもあった。これが現実に起こったこと、しかも2000年代にと思うと、ぞっとする。 -
映画を観て衝撃を受けたので原作小説に興味がありました。
アトウッドも絶賛していたので更に惹かれていたのです。
ボリビアで実際にあった事件。
そこから着想を得たという今作品は、女性たちが話し合う2日間の議事録がメイン。
残念ながら、
映画とは違い、衝撃は感じず緊張感もなかった。
ただ、ウーマン•トーキングというタイトルは秀逸である。
そのままでありながら、そのことがどれほど重要で、価値あることかを教えてくれる。
