100分間で楽しむ名作小説 人間椅子 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2024年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784041148129

作品紹介・あらすじ

職人の男が丹精込めて作った大型の肘掛け椅子。床すれすれまで革が張られ、背面も肘掛けも重厚に作られたその内部に、職人はちょっとした細工を施し、自らが身を隠せるようにしてしまった。椅子に潜んで機を狙い盗みを働こうとした男はやがて、椅子となった自分に革一枚隔てて身を任せた女性に対し、名状しがたい熱情を抱くようになる――。

感想・レビュー・書評

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  • 背筋がぞくりとする狂気が、でもすごくおもしろい。

  • 名だたる文豪は総じて読みにくいという私の感覚が見直されました。いやに句読点が多い部分がきになったが、とても読みやすかった。
    人間椅子はフワッとしか知らなかったので、理解出来る年になってからしっかり読めて良かった。
    不気味な感じから最後の種明かしは面白ろかったけど、いくらでも考察しがいがあるなと思った。実は本当のことなのではと思うくらいリアルな体験談だったな。

    目羅博士の話と押絵の話は初めて読んだが、2つともなんとも言えないイヤミスだった。
    ただ電車で旅に出たくなったな。

  • これは古典のうちに入るでしょうか。
    ぞくっとした怖さがあり古典に人間の普遍性があると読書家の方はおっしゃいますが
    これが人間の本質なら気持ち悪すぎです 笑

  • 表題作の『人間椅子』のほか、『目羅博士の不思議な犯罪』『押絵と旅する男』を収録した一冊。
    初めての乱歩でしたが、読みやすくてビックリ!
    言い回しや漢字は今と違うところもありますが全く気になりませんでした。(むしろ、こうゆう漢字を書いたんだと興味深かったです)
    語りかけてくる文章なので感情移入もしやすく、最後にあっと驚く展開が待っていて、どれも面白かったです。
    他の作品も読んでみたい。

  • カドカワの100分で楽しむ名作小説から。表題の<人間椅子>の他に<目羅博士の不思議な犯罪>と<押絵と旅する男>が編集されています。
    「芸術的狂気」、これは作中にあった言葉ですが、まさに乱歩の作品を一言でいうならばこの言葉が一番しっくりと収まるのではないでしょうか。
    不穏で不気味、ゾワゾワと鳥肌が立つような恐怖感があるのに、どこか耽美。その先が怖いと感じるのに視線を外せないような引力の強さ。あまりの気味悪さにふと自分の立ち位置が現実なのか異次元なのかわからなくなるような不安と動揺を掻き立てる世界観。完璧だなぁと溜息が出ます。
    日常が少し退屈になったら乱歩の人間椅子でじっとりとした恐怖を覗くのもたまには刺激的で良いかもしれませんね。

  • 変態みたいな話は聞いていたけど想像の倍くらい気持ち悪くて面白かった
    文豪って文章の美しさばかりで物語自体は微妙なイメージだったけどどんな結末が最後までわからなくてドキドキしながら読めた

  • ある女性の元へ届いた手紙、そこには職人の男が椅子を作りその中に入り込むことをしていることが綴られている話。江戸川乱歩初めて読んだんやけど、表題作の人間椅子めっちゃ面白くて。思わずゾワゾワしたし流石文豪やなってなった。他のも読んでみたくなる。

  • やっぱり『人間椅子』は何回読んでもキショくて最高。完成度高くて面白くて…リアルタイムで読んだ人たちはとんでもない衝撃を受けたのかなとか想像してしまう。『目羅博士の不思議な犯罪』『押絵と旅する男』は読んだことがなかったけれど、ばか面白かった。ほんと、発想が天才のそれだよねえ…。江戸川乱歩はなに読んでも面白くて困る。

  • 読後に残る不気味さがもはや心地良い

  • 人間椅子
    ぼんやりどんな話かは知っていたけれど結末は知らなかったのでなかなかいい作品だった。


    目羅博士の不思議な犯罪
    心理学?


    押絵と旅する男
    情景を想像するのが少し難しかった

  • のめり込みすぎて本と顔がくっついちゃった。

    江戸川乱歩初めて。人間椅子ってバンドいるなぁとか思いながら、なんとなく読み始めたら3編一気に読んでしまった。

    本能でしかわからないあの「あ、このひと変だ」という感覚。身体が静かにこわばり始めるあの感覚を文章からじわじわ感じた。なんて気持ち悪い人なんだろうか。

  • YouTubeチャンネルの出版区で、まなもんが人間椅子デビューします!と言って買ってたからワタスも初めて読みました。

    描写力が凄まじいからか、何十年も前に書かれたとは思えないほど、するすると読めたし、簡易な設定や優しい言葉を使っているわけじゃないのに非常に理解しやすかった。

    人間椅子を含めて3遍ほどの物語が載っており、短いストーリーだが読後感はもっと長編のストーリーを読んだような満足感がありました。

    100分で読む名作小説シリーズ、装丁も美しくて好きなのでもっと出してほしいなと思いました。

  • 人間椅子が特に面白かった
    どの作品も筆者にしか思い浮かばないような独特な世界で、読んでいて楽しかった

  • 可愛らしいデザインの角川文庫のもので読みました。
    『人間椅子』は乙女の本棚シリーズで読んでいたので再読。
    初読時はよくぞこんなニッチな異常性癖を…と楽しみましたが、あの『芋虫』を読んでしまった後はまだまだ振り切れていないなと。感覚器官欠損の美学として『芋虫』は『人間椅子』の強化版です(私見)。そして、最後の最後でリアリズムというか、著者の中の理智が勝ってしまったような葛藤が読み取れる。
    『目羅博士の不思議な犯罪』は鏡(模倣)の恐怖をテーマにしていて、怪奇短編『鏡地獄』が探偵小説寄りになったような感じか?これは両者引き分け。なんだかこの目羅博士、夢野久作の作品にも出てきそうな感じがする(笑)
    『押絵と旅する男』も人ならぬものに恋煩った男の話。これもどこか『人でなしの恋』とダブる。老化はやはり人生における最大の敵ですな。

  • 後輩に借りた本。人間椅子って名前からムカデ人間みたいなのをイメージしていた(人間を解体して繋げて作った椅子の話だと勝手に想像していた)から案外グロくなくて拍子抜けだった。ただしグロさは無かったけど気持ち悪かった。人間の気持ちの生々しさというかこの現実世界でも起きなくはなさそうなリアリティというか…送り手の作り話だったのか、それとも本当に送り手が椅子の中で生活していたのか…作り話にしてもぶっ飛んでる。
    押絵と旅する男は前も短編集で読んだけどやっぱり乱歩の中ではかなり好きな話。この話も人間椅子と同じで現実と幻想が曖昧になる。気持ち悪さや生々しさが無くてお伽噺みたいに読める。目羅博士の不思議な犯罪も良かった。ちょっと不気味だけど事件解決に繋がってくのが気持良い。他人の真似をすることの恐ろしさと人間心理について考えさせられる。乱歩、どの話も短いのにインパクトがすごい。

  • 江戸川乱歩、いい意味で変態だなと思いました。
    3編の中でも「人間椅子」の気持ち悪さが良かった。

  • 褪せない物語だよなぁ。

    短くて、本当にパッと読み終わるのにガツンとした衝撃のあるお話。
    僕には 愛 の話だと感じました。

    いろんな形の 愛 ってものがあって、ゾワワってする。いろんな色が混じってて単色じゃない感じがすごい。ウルトラQのオープニングくらい複雑な模様。そういう印象があります。

  • どれも奇妙で不気味なお話だった。
    昔の作品をはじめて読んだけど書き方も独特で良かった。

  • 100分間で楽しむ名作小説シリーズ(2024年第1期10冊)
    その2・人間椅子

    この本の紹介は「 100分間で楽しむ名作小説シリーズ(2024年第1期10冊)その1・蜘蛛の糸 」をご覧下さい。

    2025/06/24 更新

  • 気持ち悪さが鮮明に伝わる

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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