- KADOKAWA (2024年6月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041148556
作品紹介・あらすじ
出張先から帰れなくなり、幼い娘と毎日画面越しに会話する父親。
3年前に母を亡くし、新しいママと初めて迎えるお盆に戸惑う少年。
母の都合で転校をくり返しながら、ミックスルーツである自分へと向けられる言葉に悩む少女。
いじめを見て見ぬふりしていたことを、偶然出会ったおじさんに言い当てられてしまった中学生――。
ままならない現実を生きる人たちのさみしさを、ちょっとフシギなやさしさで包み込む、11の物語。
みんなの感想まとめ
さまざまなさびしさやかなしさを描いた短編集は、コロナ禍や戦時の閉塞感を背景に、登場人物たちの心の葛藤を優しさで包み込みます。各物語には、現実の厳しさを受け入れながらも絶望せず、希望を見出す力が感じられ...
感想・レビュー・書評
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いろいろなさびしさやかなしさが描かれている。
コロナ禍に書かれたもののようで、当時の暮らしが思い返された。
あの頃は本当に過ごしにくかった。
疑い合って傷つけ合ってウイルスより人の方が恐ろしかった。
最後の話がそれまでの話を上手くつなげていておもしろかった。
ただ入り込めない話もあり、読むのに時間がかかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コロナ禍での話であったり、戦時であったり閉塞感に迫られた短編集。仕方ないと諦める思いにやるせなくなるけど、それでも絶望する訳でない。
読むのがしんどい訳でないのだけど、さみしさの中に優しさを感じさせられる不思議を感じる。
最後の表題になる篇で救われた気持ちに。この作家さんは本人なのかと思わされた。他の作品でもそんなのを匂わされたのがあったので。
桃太郎の話は飛び抜けてブラックというかシュールな話だった。小さな悪まで徹底しなくはいけなかったのか?今の社会の在り方を問われているように感じた。
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コロナ禍の日本が舞台の作品が多く、
今となっては「あの時はこうだったよね」と
言えるのがなんだか嬉しいです。
短編集に収録されているどの作品も優しい。
だけど優しいだけではない。
どこか悲しく、寂しくもある。
それは表題にもなっている作品、
「かぞえきれない星の、その次の星」に
出てくるおじさんが語っている通り。
そしてそのおじさんは重松清さんご本人を
表しているのかなと思います。
こいのぼりの話や、カエルの鋳物の話など
ファンタジー要素のある作品もあります。
「花一輪」だけ少し色が違う。
だけど個人的には1番好きです。
読んだあとは人に優しくなれる、
そんな気がします。 -
11の短編集で、寓話的、童話的な話もあります。
コロナ禍に書かれた作品のようで、コロナ禍を意識した話もあります。
ちょっと変わった作品で、桃太郎のお伽噺を題材にした「花一輪」がとても面白かったです。
桃太郎が退治したという鬼の正体は、果たして何か?
「送り火のあとで」も良かったです。
児童文学的な話もあるので、小学生高学年くらいでも、意味を読み取れるかどうか分かりませんが、読むことはできると思います。 -
短編が重なってるからこそちょっと読むのに時間がかかった
一つ一つの話は面白いが、もう少し先を知りたいと言う物足りなさを感じた部分もあり
個人的には、原っぱに汽車が停まる夜がゾワっとくる感じと暖かさを感じられて好きだった
最後の話は、全体のまとまりを感じられて短編ながらもこの一冊で意味がある話しで面白いと思った -
「さみしい」って自分の中で3つくらいしか存在していなかったんだなと思わされました。ミステリーのようなスカッと感はないけれど、それぞれの主人公に感情移入して、自分の中のさみしいが広がりました。
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温かみのある短編集。(桃太郎はちょっと違うけど)
だけど今ひとつ私にはハマらなかった。
帯の『笑いながら泣いて、心の中では、もっと泣いていた。』に惹かれて買ったのだけれど、作中で『あ、そういうことね』という自分の予想とは違い少し肩透かし。 -
重松清さんの温かみのある世界、伝わります
一気に読んでしまいました!幾つもの物語の中に今の自分を映し出す言葉を見つけることができました。
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ちょっと不思議な世界観。
なんとなく悲しく淋しいけれど、
読後は優しさや温かさがじわ〜と心に沁みわたる。
コロナ禍で描かれた作品なので、
とくに子どもたちに寄り添った作品が中心で、
でも大人が読んでも色々考えさせられると思う。
『いじる』と『いじめる』の違い、
心の奥にある誰でも持っている鬼は
特に考えさせられたなぁ。
コロナ、震災、いじめ、虐待
この数年で本当にいろんな出来事がニュースになっていた。
その出来事ひとつひとつひ焦点を当て、
ちょっとファンタジー要素を絡めつつ、
心に傷を負った人に優しく寄り添ってくれる。
昔には考えられなかったようなことが
普通に起きるようになってきてる近年。
物語の中に
『この世界は前より良くなってると思うか?』
と問われる部分がある。
正直、良くはなってないと思うし、
この先どうなっていってしまうのかな〜とぼんやり思うことがある。
ただ、温かく思いやりのある世界になってほしいなぁ…とこの本を読んで心から思った。
それにはまず自分がそんな人にならねば。 -
刺さる一文
▪何を記憶に残し、何を捨て去るか、人間はその選び方がうまくない。
余計なことをしつこく覚えていてしまうし、忘れずにいたほうがいいことに限って、思い出すための鍵を無くしてしまう。
▪きみがいて、きみとしゃべっているきみがいて、それを少し離れたところから見ているきみがいる。
▪起きてしまったことを、無かったことに替えていく。そんなことはできない。わかっていても、俺たちはひっくり返す。
▪人間以外の生き物は嘘なんかつかない。
嘘をつきながら生きているのは人間だけだ。
▪数えきれないものを見れば、自分が小さくて世界が大きいことに気がつく。 -
しんみりと寂しさの募る短編。満天の星の一つにはたして会いたい人はいるのだろうか?
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コロナがあちこちで騒がれた時期に連載されていたものを再編集した短編集。いずれも子供でも読めるような童話のような不思議な世界観。全体的に物悲しさが漂う話が多かった。正直言うとお伽話のような話がいくつかあり、リアリティに乏しく、僕にはスーッと入ってこなかったかなあ。ファンタジーが好きな人なら面白いのかもしれない。
ただ小中学生の心情を書かせたらやはりすごいな、シゲマツ。
再婚した父親の新しく母となった女性との日々を女の子の目線で描いた『送り火のあとで』。
ブラジルと日本のハーフの女の子の心情を描いた『コスモス』。
コウキとシュウヘイ、2人の中1の男の子のやり取りから『いじめる』と『いじる』との微妙なニュアンスの違いを描いた表題作。
中高生の夏休みの読書感想文にはちょうど良いかもしれない。 -
久しぶりの重松さん。コロナ禍の話。最近コロナ禍の小説選ぶの多い。そういう気分なのかな
短編集で読みやすかった。ほっこり。重松さんの小説はあったかいっていうか包み込む感じが好きー。
詩みたいな感じかな。人のこと大事にしようねみたいなメッセージ込められた話が多かったかな。
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詩のような小説だった。こいのぼりの話はよく分からないけど、重松清さんの舞台や表現が時代とともに「アップデート」してる感じがした。ただ、昔の短編集の方がメッセージ性とインパクトがあって好きなんだよね。こういう人もいるよね、で終わってる感じがしてしまった。
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短編集。子どもが出てくる物語が多くて、寂しさや切なさを感じながらも、読み終わりはあたたかい気持ちになりました。
特にコスモスが好きです。子どもの成長を喜びつつ、自分から離れてしまうことの寂しさも感じる。私も子育てしている身なので、共感する部分がありました。この親子とコスモスの様子が目に浮かびます。 -
私には今一つでした。重松さんにしてはうるっとすることもほとんどなく、少し読みづらかったです
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こいのぼりのナイショの仕事/ともしび/天の川の両岸/
送り火のあとで/コスモス/原っぱに汽車が停まる夜/
かえる神社の年越し/花一輪/ウメさんの初恋/
こいのぼりのサイショの仕事/
数えきれない星の、その次の星
コロナ禍の時間に生まれた短い物語たち
かなしさやさみしさの多かった時にも
ほっとしたこと にっこりできたことがあったなぁと
思い出せたことがうれしい -
短篇集。ひとつひとつ別個のものかと読み進めていたら、ゆるやかにつながっていたと気付かされる。
全体を通して、さみしさと向き合ったり寄り添うものが多かった気がする。会えないさみしさ、見送る(看取る)さみしさ…でもさみしい悲しいだけではない、あたたかさが後に残る。
備忘録として
・コロナ禍の、今となっては思い出したくないあの感覚が、じんわり蘇ってきた感覚があった。
・ひな人形、お盆、桃太郎のお話が特に好き。
・星拾いのおじさんは著者自身のことなのかもしれない。
著者プロフィール
重松清の作品
