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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784041148617
作品紹介・あらすじ
『光秀の定理』で歴史小説に革命を起こした著者、最長1800枚!
悪とは、善とは何か?
梟雄・宇喜多直家の真実
天文年間、小土豪が群雄割拠する中国地方で没落した宇喜多家の嫡男・八郎は、その器量を見込まれ、豪商・阿部善定のもとで父母とともに居候していた。やがて成長した八郎は、直家と名乗り宇喜多家を再興、近隣の浦上家や三村家と鍔迫り合いをしながら備前一国に覇を唱える。武芸よりも商人としての感覚が勝る異色の武将は、いかにして成り上がったのか? 『光秀の定理』で歴史小説に革命を起こした著者が描く、歴史超大作!
感想・レビュー・書評
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垣根涼介さんの歴史小説が大好きです!
明智光秀、織田信長、応仁の乱前夜ときて、まさかの宇喜多直家!!!?
【黒牢城】は荒木村重、【じんかん】は松永久秀、そして本作【涅槃】が宇喜多直家!!!
最近、世の中の流行りかSランク、Aランクの武将を抑えてBランク以上Aランク未満の武将を題材とした歴史小説が多くなってきてるような気がします!
ゲームや漫画で主人公になりにくい武将達のブームが来ているのでしょうか?
そして、垣根涼介の歴史小説といえば何らかの達人の成長譚も見どころです!本作の宇喜多直家は最初、武芸に励んでいたのですが まさかの・・・
幼き時に城を失った八郎は商人の家で養われていた!?
武士でありながら武士のルールに囚われず成長し国を広げていく宇喜多直家!!!!
ワンピースのように仲間が増え、東京リベンジャーズのように勢力が大きくなっていくのがワクワクします!
下巻が楽しみです!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新年早々で読了。
確か大河ドラマの軍師官兵衛では陣内孝則が演じており謀略家なイメージがある宇喜多直家。
幼少期から一国の主にまでなる青年期にあたる上巻で、垣根涼介の筆力で読ませる。
珍しいのは男女の営みをかなりの粘度と頁を割いて書かれており、ある意味合戦の殺し合いよりも生々しい。
ビジネスリーダー像として戦国武将はよく取り上げられ、確かに通じる点もあるだろうが、実際はもっと短絡的で殺伐とした世だったのだろう。
『この時代、人は形而上的な学識―物事の考え方や捉え方も、人の重要な価値基準であるという認識を持つ者がほとんどいなかったので、大半の者はその見た目のみで相手を判断する。』 -
室町無頼で直木賞作家垣根涼介の本なので読んでみた。宇喜多直家が没落した幼少期から大名になる話。無名な登場人物ばかりだが、黒田官兵衛が出てくるので読んでみた。
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宇喜田家について名前は聞いたことある程度だったが、直家の頃の様子が知れて面白い。下巻も楽しみ。
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なかなかの面白さ。艱難辛苦を悩みながら乗り越えていく八郎の姿に感情移入しきり。
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2025.1.25 5
垣根涼介素晴らしい。何回も言うけど素晴らしい。
生き方を突きつけられる。自分の人生に重ね合わせられる。選んだ主人公。涅槃。
性描写がよかった。奥の壺。 -
街道と大河を交わらせた交通の要衝に、商人と武士が融合した城郭都市を築く。そのような意味での城下町という概念は、日ノ本では宇喜多直家が初めて具現化した。この新しく普請した石山城が、のちの岡山城である。さらに言えば現在の岡山県の商業発展の基盤となった。
次に城下町をも内包した城が出来たのは、これより五年後、近江国に着工した安土城である。むろん、その城主は織田信長であった。
本書は、その宇喜多直家の物語である。
武力とはすなわち財力である。それを直家は実践していく。
乱世に生きる上での人知の深さは、その当人に、悪の要素が多少なりとも入っていることから生まれる。正確には、悪とは何かを充分に知りながらも善人である必要がある。何が悪かを充分にわきまえつつも、基本的にはなるだけ善人としての行いを心掛けている必要があるということだ。それが、表も裏もないまるっきりの善人では、この世が激しくうごめく動乱の世にあって、人の上に立っていくことなど到底できない。
人間は、その風向き次第では、ごくごく普通の性質でも、必要に迫られればいとも簡単に悪人になることもでき、また、利害の絡まぬ状況次第では、すぐに善人に成り代わることもできる。
山野の獣というものは、強いから生き残っていくのではない。その用心深さで生き残っていくのだ。
生きておる冥利とは、好ましい相手に当てにされることである。つまり自分の生は、自分一人でこしらえたものではない。自分がこれまで関わってきた数多の人々の、無数の生の断片で成り立っている。その断片の連なりの上に漂い、時に枝分かれし、時に戸惑い、笑い苦しんだ結果、今の自分がいる。いわば、今の自分とは、それら断片の集積だ。そしてその断片は、これからも生きていく限り、自分の中に落ち葉のようにさらに積み重なり、発酵していく。どこかへと自分を誘っていく。それは、場所ではない。まだ見ぬ心のどこかへだ。
直家という男は目的さえ達せられれば、そのやり方には一向に頓着しないようであった。
戦の心得は、
いつさつたしょう
「一殺多生」
であると、直家本人がしばしば家臣たちに公言していた。予め敵の威力を削ぎ、なるべく味方の損傷を経ず戦に勝つには、奇策はいくらでも弄してよい。卑怯と世間でそしられようが一向に構わない。武士道とはそもそもが畜生道であり、この世界にあっては、目的は手段を正当化するのだ、という意味のことも、折に触れて口にしていた。
宇喜多直家は臆病だからこそ、先々のことに対しても先回りし、あれこれと手を尽くす。遠方の織田家のことも調べる。そもそも武門の知恵とは、その根を洗えば臆病さから発酵するものではなかろうか。だからこそ宇喜多家もこのように大きくなった。
この世に絶対などということはない。もしあるとするならば、人はいつかは死ぬということだ
無慈悲に踏み付けられるのが嫌なら、大なる者が襲い掛かってくる前に、自らがその攻撃に耐え得るくらいに大きくなっておくしか仕方ないのだ。その大きくなった分だけ、相手はこちらに気を遣う。
自分の人生は、存外に自分では決められない。たとえ自分がこうであれかしと願っていても、それまで自分と関わってきた人々との流れ、つまりは世間が決めることなのだ。自分の生き方の在りようは、世間の関わりと、自分のこれまでの来し方の因果によって、思わぬところへ定められる。人は生まれながらにして、岩肌を伝う水のようなものだ、と。ある方向に向かおうと必死になってあがいても、不感もなく流れゆく方向を岩の起伏によって変えられ、遮られてしまう。人が唯一決められることは、その立っている岩肌の舞台から降りていくことだけなのだ。退く自由しかない。
人はたとえ互いに好き合っていても、それぞれの過去の重みには、自らが一人で耐えていくしかない。夫が、妻の来し方を背負うわけにはいかない。自分一人で過去に折り合いをつけ、持ち越していくしかない。そこで示せるのは安易な同情ではなく、相手に黙って寄り添うことだけだ。
人は基本、損得で生きるものだが、常にそれだけではつまらない
長い目で見て物事の得手不得手は、そのことを好むか、気が乗るかどうかで決まる。好まぬままやっていれば、いつかは心が破れ、自滅する。つまりかとは、気性のことなのだ
何かを得ようとするなら、何かは手放す。生きるとは、その痛みを伴う分かれ道の連続なのだ。 -
宇喜田直家の新しい人物像。松永久秀と言い、どれが本当の姿なのか?
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宇喜多直家の心情はしっかりと寄り添った素晴らしい作品
凄く面白い! -
幼少期のことがあまりわかっていない宇喜多直家が主人公。
エロ要素も少しあり、時代物娯楽小説として楽しめる。 -
宇喜田直家と言う、かなり地味な人物を描いた長編歴史小説。決してつまらなくはないが、合計1000ページを超える物語としては盛り上がりにかけ、最後は読むのが苦痛だった
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名前は聞いたことあるけれど、生き様は知らなかった。でも、読む手が止まらないほど面白かったです。宗教・哲学的な思考も併せて描かれていて楽しかった。下巻も楽しみ!
※性描写は生々しいので苦手な人は注意かもしれないです。辛く重いシーンではなかったのでわたしは楽しく読みました! -
性描写が生々しく、引き込まれます。
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何を読まされているんだ、という描写が続き辟易したが、それを補って余りあるストーリーにページを繰る手が止まらなかった。直家を導く年長者たちの温情とそれに応える直家の敬慕。戦国武将の駆け引きを商人の目線で描いているところも新鮮で面白かった。どなたかのレビューにもあったが新たな直家像の大河が観たい!
著者プロフィール
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