みしらぬ国戦争

  • KADOKAWA (2025年3月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784041149447

作品紹介・あらすじ

国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で、「交戦状態」となったこの国。2年間続く戦争に人々は飽き飽きし、数字だけで伝えられる戦況を他人事のように感じていた。海岸の漂着物を確認するという徴集業務に従事するユイも、そんな「日常」を送る1人。ユイの目的はただ1つ、両親の形見に刻まれた謎の文字を解明し、幼い頃失った記憶を取り戻すことだ。その文字の記された漂着物を拾い集める男性、文字と同じ言語の歌を歌う少女らと交流を深めながら、その秘密に迫ろうとするユイだったが――。
みしらぬ敵、みしらぬ文字、みしらぬ歌、みしらぬ戦争。全てが繋がるとき明らかになる、戦争の“真実”とは?

みんなの感想まとめ

現代社会の問題を鋭く描いた物語は、架空の国を舞台にしながらも、現実の既視感を呼び起こします。長引く戦争の中で、主人公ユイは両親の形見の謎を解明しようと奮闘し、漂着物を通じて人々と交流を深めながら、戦争...

感想・レビュー・書評

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  • 近未来ディストピア風SF、と纏めてはもったいないお話でした。この国には、こんな器用なことは出来ないような気がしますが、面白く読みました。

  • 現代社会の問題がてんこ盛りされた、
    (架空の?)日本が舞台。ほんとに架空でいいんだよね?と思わせる現実の既視感が漂う物語でした。

    ニュース見てても他人事だし、戦争は、
    「過去に起きた出来事か、よその国がやめたらいいのにやってること」なのかもしれない。

    情報に踊らされず、煽られず、
    正しく現実を見つめていけたらいいな。
    その正しくが難しいことなんだろうけど‥

  • ■「見えないこと」戦いから問う 〔評〕横尾和博(文芸評論家)
    <書評>「みしらぬ国戦争」三崎亜記著:北海道新聞デジタル 2025年3月30日
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1140768/

    読書感想『みしらぬ国戦争』三崎 亜記 |ヤギの本屋さん・テンガイ 2025年3月21日
    https://note.com/wakakusasyotenn/n/na54064896308

    三崎亜記が新刊「みしらぬ国戦争」真実の見えないなかで - 日本経済新聞 2025年3月24日会員限定記事
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0334T0T00C25A3000000/

    三崎亜記さん ミサキペディア|【西日本新聞me】登録会員記事
    https://www.nishinippon.co.jp/serialization/misakiaki_misakipedia/

    jyari(@jyarinoniwa) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/jyarinoniwa/?hl=ja

    jyariNOniwa
    https://jyari.tumblr.com/

    これは「現在の戦争」の物語。三崎亜記、作家生活20周年記念作品『みしらぬ国戦争』3月17日発売! | 株式会社KADOKAWAのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000016627.000007006.html

    「みしらぬ国戦争」三崎亜記 [文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322401000681/

  • あの思い出の一冊に、続編が出た。

    15年以上前のこと。
    友人に頼まれて、中学生数十人の前で話をすることになった。テーマは自由。

    そこで「読書」について話すことにした。
    家にあった読み終えた本を何冊か持参し、演題に並べて話し始めたものの、少年たちはあまり関心がなさそうだった。

    そのとき紹介したのが、三崎亜紀『となり町戦争』。

    公務員が、となり町との「戦争」の事務を淡々と処理していく──という、奇妙でリアルな物語。
    彼らの表情が変わった。本への興味を、確かに示してくれた。

    話のあと、お土産に、一人一冊以上、持参した本を配った。
    数十冊の本は、若き好奇心とともに、あっという間になくなった。

    その『となり町戦争』の「続編」が刊行された。
    タイトルは『見知らぬ国戦争』。

    この15年のあいだに、世界は大きく揺れた。
    東日本大震災、新型コロナウイルス、そしてSNSなど通信手段の異常な進化。
    だがその一方で、「事実」か「真実」かわからないことがあふれている。
    そして現実世界の戦争は、いまだ終わっていない。

    「新たな物語を書かないと、『となり町』から卒業できないと思っていました」
    ── 著者インタビューより(読売新聞)

    現実では「ありえない」ことを、リアルに描き切っていく三崎亜紀の物語は、今もなお、現在進行形。

  •  図書館で時間潰しに借りた本。面白かった。

     石持浅海氏の『煽動者』や『この国。』を思わせる、近未来の推理設定。ただ、石持氏のあくまで突き放した傍観者の文章とは違い、自分が当事者になったような引き込まれ方をした。

     トールキンのルーン文字やら、エスペラントやらを思わせる言語の設定も、戦時下の情報統制も、どこかで読んだことのある気もするが、視点人物を変えることで、わかりやすく目新しいイメージを持って読めた。
     しかし、国家百年の計とはいえ気の長い計画。所長のキャラが藤井太洋氏の『ジーンマッパー』や『オービタルクラウド』に出てきそうな怪しげな人物。自分がこの国を動かしているのだとばかりに、上から目線で人を見下す。いいね、こういうキャラが絡むと物語が引き立つ。

     三崎亜記、初めて読む作家さん。図書館にあったら、他の本も借りて見よう。

  • 衝撃を受けたデビュー作『となり町戦争(2005年発行)』から20年。
    あの「見えない戦争」に
    AIが導入され、デジタル化され、規模が町から国家に拡大されている~。

    コロナ禍を彷彿とさせる、見せかけの恐慌も取り入れられて、
    令和という時代ならではの説得力がある。

    現実って、リアルって、はたまた虚構って何なのだろうか。
    生きている世界の根底を揺さぶるこの感覚、相変わらず好きです。

  • 『となり町戦争』から20年!
    町単位だった戦争が「国」レベルになった。そしてその「みえなさ」加減が爆増している。
    未確認隣接国家(UNC)との戦争が2年も続いている。戦争が続いているといいつつ国民にはそのリアルが全く見えない。
    対外的には「ウィルス蔓延による国家封鎖」とされている見えない戦争。
    言語統制、思考統制、情報統制。毎日報告される戦死者の数。よくわからないけど毎日誰かが戦争によって死んでいるらしい。ミサイルで壊された町を通る時はカーテンを閉めて外を見ないようにする。戦争に関わる言葉は発しない。そんな日々の中で現れた「みしらぬ謎の言語」。
    どこか平和の国から流れ着いたその文字と歌に国民の心は揺さぶられていく…
    国が国を維持するために始めた「戦争事業」、ないものをあるものとすること、それに唯々諾々としたがう飼いならされた国民。
    これは近未来のこの国を描いたSFなのか。いや、もしかすると今もこの国のどこかで行われているリアルなんじゃないか。
    知らないだけで、見えないだけで、ないとは限らない。その怖さに満ちていた。

  • 「これ小説だよね?大丈夫だよね?」と読みながら何度も確認したくなった。国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で「交戦状態」となった国。作中で描かれる、見えない「敵」と戦う戦争に人々が次第に飽きて、数字のみ伝えられる戦況を他人事にしか捉えられない《日常》に怖くなり、他国の戦争のニュースを見てもどこか「遠くの国で起きている」他人事なこの空気感、現実世界でもあるなあと考えさせられる。情報に踊らされたり煽られたりせず、冷静に、正しいものを見極められるようになりたいと思うけど、その"正しさ”は誰の基準なんだろうか

  • 好きな作家の世界観がどの本でも好きになるとは限らない。ネットに踊らされている人々に知らない間に加担されている人など現実でも同じような事が三崎亜記氏の世界では戦争という表現で描いている。そして使われた事ないパンデミックという言葉もコロナによって日常会話に、三崎亜記氏世界でも違和感なく浸透。情報、政府に踊らされている警告とも言える。が世界に入る事が出来ず読むのに時間がかかってしまった。

  • 訳がわからず読み進めるが、ラスト意外と良かった。

  •  『となり町戦争』の著者が20年ぶりに筆を執った”Ver. 2.0”というコピーを目にして早速購入。どこか手応えのないまま戦争が遠ざかってしまっていた前作に比べ、3・11やパンデミックの経験が裏打ちされることで、国家の統制装置としての「戦争」がより明確に位置づけられたのは、この20年間の社会の変化ともかかわるか。
     メディア・テクノロジーを用いたプロパガンダ作戦の展開や、インフルエンサーを活用した対抗宣伝のシーンには読みごたえがあった。しかし、作品世界の設定にどこか得心がいかないままで読み進めたことも事実。おそらくその理由は、著者が主要人物以外の人びと(あるいは、登場する人物たちすべて)を容易に操作・洗脳される記号的な身体としか描いていないところにある。言い換えれば、作中の人びとはまさに「駒」以外ではない。国家の戦争プロジェクトを批判的に裏返していく奥崎と有希の二人が著者の傀儡であるようにである。
     
     もう一つの問題は、戦争を「国内」の統制装置としてしか描けなかったことにかかわる。帝国日本の日中戦争・アジア太平洋戦争の歴史を踏まえれば(そして、現在のロシアを踏まえれば)確かに戦争遂行は国家の統制権力を最高度まで押し上げる契機となる。しかし、国家とはつねに諸国家との関係性において存在している。他国との政治・経済的関係、ヒト・モノ・カネの往来なしに「戦争」のフィクションを演じ続けられるとは思えない。この作品世界には、「経済」の観点が決定的に欠けていると思われる。

  • 敵の姿が見えず、戦況が数字だけで伝えられる設定は、SNSやニュースの断片的な情報に振り回される現代人の姿を強く象徴している。
    方法としての“戦争”より情報としての“戦争”への視点が新鮮。新しい形の三崎ワールド。

  • 設定が、こんなことありえないと思うのだけれど、実際ありえたら恐ろしいと思った。
    政府が自分たちの支持率をあげるために、国民を誘導し、戦争がないのに侵略されていると国民に思い込ませる。ネットが普及した時代ならではの印象操作。国民がまるッとみんな騙されるとは思わないが、偽の情報、AIによる呟き、不都合な書き込みを自動で削除する仕組み、、徹底的に管理されたら国民みんなで同じ思考になるのかと、恐ろしくも感じた。
    小説なので、普通に面白かったが、現代ならではの話だなぁと思った。

  • 没入しきれぬまま、読了。しかし、三崎亜記の新作ということで、読むこちらの期待感ハードルも高かったし。
    災害、疫病、戦争、ネット社会など、暗喩していることがたくさんあって、もう少し発想の壁は下げても。ミシラヌ言語とか難しい設定で、伝わりづらい。
    登場人物も、似たような名前で複数人動かして、最後に同一人物の解き明かしでも。

  • あってもおかしくない怖さ

  • 『となり町戦争』を読んでから20年近く経ってることにもびっくりだし、“戦争”の質感も変わった感じ。未確認隣接国家と戦争するのにもリアリティがある時代になったな、と。またいつか読み直したいね。

  • なさそうであり得るかもしれない近未来。
    自粛警察や怪しげなネット情報に踊らされる風潮をみると
    行き着くところはこんな社会かもしれない。

    「国民の心に『無意識の呪縛』を生み出すことこそが、戦争事業の目的の一つだった」

    「与えられた幸福の枠内で満足できる、コントロールしやすい国民意識へと変化させるための戦争事業だったということですね」

    「今の自分も、誰かに誘導された偽りの記憶によって過去を都合よく塗り替えてしまってるんじゃないかって思えてくるよね」

    自分で考えること、選択することはともすれば困難を伴うし辛いこともある。
    与えられた「幸せ」を享受する〈コスパの良さ〉がもたらす危機…。
    でも「それって、どこが問題なの?。とりあえずちゃんと生活できるし、有り難くね。」的な事を言う人が現状でも多そうで。
    怖いな。

  • あらすじを書いちゃうとネタバレになるし、書かないと説明が難しいし、感想を書き辛い本です。
    ネット上のフェイクニュースの怖さや陰謀論的な国家活動など現代に合わせた設定に成って居るし、ストーリーも全く違うけど、デビュー作『となりまち戦争』のリメイクという印象。中心から少し離れた狭い範囲の人々や事件を描く事で、全体像を感じさせようとする手法の所為ですかね。
    読み始めてすぐに「多分、この戦争って、こういう状態だろうな」という想像はつきます。そしておおよそその予想通りに話が進む。終盤に入って、三崎さんだからエンディングは大ドンデン返しではなく中途半端にひっくり返すんだろうな~と思ったら、まあこれも予想の範囲で。
    そういう意味で三崎さんらしい物語。ただ、何となく予想がついてしまうだけに、個々の章でのメリ張りが乏しさや、ズルズル話が続く感じで、読むのがしんどい作品でした。キーアイデアは新言語なのでしょうが、それに三崎さんの他作品ほどの魅力を感じなかったせいかな。

  • 隣町との戦争からパワーアップ。人口減少や経済停滞から浮上し、国家に従順な国民意識の形成目的に、架空の戦争でっち上げ…その国民性からも日本がモデルとしか考えられないけど、こんなディストピア描ける指導者生み出せないことだけが救いかも。

  • 初読。図書館。久しぶりの三崎さん。独特の造語で構成された世界はファンタジーの世界のようでいて、今のこの国のようでもある、その浮遊感が三崎さんの世界らしくて好き。「お前は考えることを放棄していないか」と心奥を覗かれていて、衆愚たる自覚があり、胸を張れない後ろめたさで落ち着かない。でもそれが心地よい。また三崎さんの全作品を繰り返して読みたくなった。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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