遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト 溺れる熱帯魚 (2) (角川文庫)
- KADOKAWA (2024年11月25日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041150160
作品紹介・あらすじ
クールな美貌と卓越した指先を持つ法医解剖医・加賀谷千夏。凄惨な現場でも、彼女の冷静な観察眼は揺るがない。京都の由緒ある寺で発見された住職の両手首切断の謎、閑静な住宅街で起きた女子高生刺殺事件の裏にある衝撃の事実、爆発テロに巻き込まれ腕しか残っていない遺体が伝える想い――。千夏のメスは、想像を超える死の真相を明らかにしていく。現役の解剖技官が、圧倒的な臨場感で人間の業を描き出す法医学ミステリ。
感想・レビュー・書評
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小松亜由美『遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト 溺れる熱帯魚』角川文庫。
シリーズ第2弾。医学部法医学教室で現役の解剖技官を務める著者による法医学ミステリー。4つの短編とプロローグを収録。
前作では、まるでノンフィクションのようなドラマ無き法医学ミステリーという感じの不思議な作品であると思ったのだが、自分の理解が浅かったようだ。
いずれの短編も面白いテーマであるのにも関わらず、主人公の加賀谷千夏は何時も事件の傍らに佇むだけで、ミステリーの核心にまでは斬り込まず、結末は尻切れトンボのように感じたのだが、本作は事件の背景にある人間模様を描いていることにようやく気付いた。
と、同時に主人公である加賀谷千夏の秋田の実家で起きた殺人事件の真相に迫ろうとしているのだろう。
『古刹の亡霊』。京都を舞台にしたミステリーと言えば、2023年に逝去した鏑木蓮の作品を思い出す。本作のゆったりとしたテンポや雰囲気は鏑木蓮の作品にも似ている。意外なラストには驚かされたが、真実を解き明かすのは主人公ではない。京都の由緒ある寺で発見された両手首を切断された住職の遺体。法医解剖医の加賀谷千夏がその死の謎に迫る。
『溺れる熱帯魚』。現代の世相を反映したような哀しい物語。アパートの一室で変死体となって発見された与那嶺遥海。沖縄から憧れの京都で大学生となった遥海は京都での暮らしに馴染めずに寂しさを紛らわすためにホストクラブへと足を踏み入れる。遥海がホストに騙されて、借金を抱え、僅か2年でキャバクラに堕ちる。
『爛れた罪』。何とも遣る瀬ない事件。しかし、現実に起きていてもおかしくない事件である。自宅で下腹部をめった刺しの状態で遺体となって発見された高校1年生の柴垣乙華。驚いたことに乙華は殺害される直前に流産していた。
『その腕で、もう一度』。余りの感動の結末に感涙。このシリーズは事件の背景にある人間模様を描いているのだとやっと気付いた。与島実禾は中華の料理人である松久保浩介との結婚を間近に控えていた。ある日、浩介は先輩の店のオープンの手伝いに行くが、その店に怨みを持つ男が店内でガソリンを撒いて放火する事件に巻き込まれる。
『エピローグ』。『その腕で、もう一度』のその後と加賀谷千夏が抱える過去の闇に触れる。
本体価格740円
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現役の解剖技官の小松亜由美さんが書く法医学ミステリーのシリーズ第二弾。
小松さんの書く法医学は静かに粛々と仕事をしている感じがリアルというか臨場感があるんですよね。余計なことはしない、ただ事実だけを追求する仕事人。
前作からシリーズ通しての最大の事件が少しずつ紐解かれる感じが今後どう展開していくのか楽しみです。 -
事件の真相を明らかにする為の検死ではあるけれど真相より被害者、そしてその背景に重きをおいてあるように感じた。解剖の描写は変わらず詳細。千夏の実家での事件が今後どのように関わってくるのか続きが楽しみ。
著者プロフィール
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