タッグ (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2024年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041150214

作品紹介・あらすじ

コーナーの最上段から飛んで、リングに横たわる相手に体を浴びせる――得意技のバタフライ・プレスを武器に戦う、ベイビーフェイスのプロレスラー・戸部栄純。プロレス界のスターとしてリングに立ち続ける中、妻・美鶴が急逝した。残されたふたりの子どもを育てるため、プロレスを引退し居酒屋を始めた栄純。がむしゃらに生きているうちにあっという間に10年が過ぎ、子どもたちは親離れの時期を迎える――。大学入学、就活、そして親しい人との別れ。家族というチームから出て「これから」を探しはじめる戸部家の面々は、どんな人とタッグを組むのか。ひとり欠けた家族がそれぞれの道を歩き出す、まっすぐで優しい愛にあふれた物語。

感想・レビュー・書評

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  • 焼き鳥屋を営む元プロレスラーの家族小説。各章、父→娘→兄→母の目を通してそれぞれ「家族」としての成長を描いてます。「飛べ!衣麻」等、話に入り込めば目頭を刺激するセリフが所々に散りばめられてます。
    父の章の序盤、全日本プロレスの世界オープンタッグ選手権の最終戦、ザファンクスvsブッチャー&シークの一戦に触れてました。私が初めて心震わせた試合です。
    その一戦で主人公はプロレスラーになり、私はプロレスファンになりました。
    まさかの小野寺作品でその一戦を思い出させてもらえるとは思ってもみませんでした。

    今作は書き下ろしとありますが、いつの作品なのでしょうか?
    最近の小野寺作品は好きだった頃のクオリティが戻って来た様です。次回作も楽しみです。

  • ☆4

    久しぶりに小野寺史宜さんの作品を読了しました。
    小野寺さんの作品は、登場人物の会話がテンポ良く進んでいくので読みやすく、普段は本を読むのが遅い私でも気が付けば3分の1ほどをあっという間に読み終わっていてびっくりしました!

    今作ではいつもの読みやすい会話のテンポはもちろん、心温まる家族のリスタートの物語にほっこり優しい気持ちにさせて頂きました(*´˘`*)

    衣麻や雄大(あ!栄純さんも)のこれからがとっても気になるので…タッグ2が出るのをひっそりこっそり楽しみに待っていたいと思います❁⃘*.゚

    作中に登場する「しそ巻き」が美味しそうだったので…豚バラ肉としそを買ってきて真似して「しそ巻き風」を作ってみようと思いました!

  • あなたは守るべき人の為に地位を捨てられるか・・・
    プロレス界のスターが家族のために引退し、妻との約束の居酒屋を始める。

    4人の現状の視点から「タッグ」をテーマに話が繰り広げられます。
    最初は父、娘、息子、妻。
    各々の状況の視点から悩みを通してタッグする人見つける。

    戸部家の家族愛がとても心地よく読めました。
    こんな家族が周りに増えたら世界は幸福に包まれそうです。

    プロレスは個人的には分かりませんが、変な偏見を持つのは可能性を狭べる気がしました。常に新しいことを学ぶ貪欲さって必要ですね。

    小野寺史宜の小説は、まっすぐな優しい気持ちになれるので好きな小説家です。

  • 爽やかで、優しくて、とてもとても温かい物語。続編を書いて欲しい。この家族の今後がとても楽しみだから。

  • 心温まる優しい家族の物語でした☺️

    元プロレス界のスター 戸部栄純は10年前の奥さんの急逝を境に、プロレスラーを引退し二人の子供を育てるため居酒屋を始めます。

    奥さんをとても大切にしていた戸部栄純さん居酒屋も本当は奥さんと二人で営む約束でした。

    残された子供たちも少しずつ前を向いて歩き出し、いつしか親離れの時期を迎えます。

    父、娘、息子、母の生きる・生きてきた道をそれぞれの視点から物語は進みます( ᵕᴗᵕ )


    深い悲しみから支え合って生きてきた戸部家。でもみんな温かくて愛のある家族なんです☺️

    物語の展開が予想を超えて、一気に最後まで読んでしまいました!
    とても面白かったです!

  • 栄純と美鶴の真っ直ぐさが家族に伝わり衣麻と雄大が素直に育ったのがわかる。けどあまりに良い子になり過ぎかと。男手一つで苦労しているのはわかるがそのあたりが少し出来過ぎに感じてしまった。
    周りを取り巻く人達も感じ悪いのも居ないので気持ち良く読めた。

    飛べ、衣麻。
    生まれた時から本気で言いたかったこと。洒落でなく愛情をもって名付けたからこそだったんだろう。子供の事の将来を考えずに馬鹿なキラキラネームをつける親たちとは違うんだ。
    雄大の名前にも何か意味があるのを期待して続きを待ちたい。やっぱり少しボリュームが少なく感じてしまったので。

    終わりに美鶴のエピソードが来たのは良かったが、やはり寂しく悲しくなってしまった。

  • 読んだあと、とても清々しいというか。
    元レスラーの戸部と妻の美鶴の出会い〜結婚に至るまでを最後に持ってくるところが、なるほどだった。
    長男の就活、長女のお笑いコンビ結成への道…どれもありふれているようだけど、うなずけるところがある。

  • 小野寺氏らしい小説でとても好感が持てます。皆一生懸命、そして普通に生きていてすっと染み込んでいく感じです。終章で涙腺が・・・。

  • 小野寺さんの作品は空気感、読後感がとてもいい。この作品もワクワクする思いで読んだ。まず表紙がいい。プロレス好きの夫にも見せたら髙田延彦だと興奮していた。

    差し障りのない就活で苦戦していた長男の雄大だが、亡き母親の働いていた会社で働きたいとの思いが強くなり、気持ちの伝わる面接の志望動機を述べる場面に感動した。

    4章の「早田美鶴」のふたりのなれそめの話がなんともよく繰り返して読んで味わった。まだ付き合ってもいないのに「俺と結婚してくれないかな」、「何かおれ、わかったんだよね。早田さんとならうまくいくって」という栄純のストレートさがたまらない。お互いに縁ある人に惹かれ合う姿が尊い。数年したら、また読んでみたい。

  • いつも通り、どうでもいい人もフルネーム。
    良い居酒屋は近所に欲しい。

  • 小野寺さんだった。

  • 爽やか
    軽やか
    小野寺作品は、リズムが良くとても読みやすい
    今作も一文一文から音楽が流れてるようにスラスラ読めた
    短い文章で、うまく登場人物の性格を描くこの才能はすごいと思う

  • 父から始まり、母で終わる。
    家族の話だから、そりゃそうか。
    小野寺さんの話らしい、平熱の優しい話。

  • 元プロレスラーの戸部栄純、10年前に愛妻を亡くし今は居酒屋「とべ」の店主だ。
    いつも思うのだが小野寺作品の主人公に魅力があり過ぎて、ちょっと嫌なヤツとして登場する人物が、とっても嫌なヤツに見える。今回も最終章で登場する亡くなった奥さんの元カレが凄くカッコ悪く見える。
    それにしても栄純さん、素敵な奥さんを亡くしましたね。しかし新しい恋の予感も・・・
    小野寺先生、ぜひ続編をお願い致します。

  • 淡々進みながら、じわじわと盛り上がり、いつの間にかのめり込んでいました。
    最後のお母さんのエピソードが一番好きでした。

  • どの話も愛に溢れているけど
    6月 早田美鶴
    夫婦の馴れ初めエピソードが1番好き❤️

  • よかった、ほんとによかった
    元プロレスラーの父と兄妹の居酒屋の話
    すごくいいお店 行ってみたいなぁ
    居酒屋メニューって 魅力的ですよね

    1番読みたかった お母さん(早田美鶴)の章でわ 泣いてしまった 

  • 文体もあっさりしているせいか、どことなく物足りなかったが、それぞれが頑張っていて、家族愛のあるいい話だった。

  • 母・妻を亡くした家族の物語。
    書き下ろし。

    三月 戸部栄純
    四月 戸部衣麻
    五月 戸部雄大
    六月 早田美鶴

    妻・美鶴が急逝し、衣麻と雄大の為にプロレスラーを引退し、居酒屋を開いて十年。

    トップレスラーの栄純は、子供たちの為にひたすら頑張り、ようやく子育ても落ち着いてきた。
    衣麻はやりたいことが見つからないで悶々とし、雄大も就活の志望を迷うが、母の存在に助けれていく。

    決して器用ではない残された家族3人が、思いやりでそれぞれの三つへ進み始める感動ストーリー。

  • HKさんのおすすめ。

    何も始まらないし
    事件は起きないし、
    どこにも行きつかない。
    だが面白かった。

    「とべ」は元プロレスのスター選手が店主で料理人の居酒屋。
    妻の急死をきっかけに子供二人を育てるために選手を引退し、
    二ヶ月だけ修行をし、上に住める居酒屋を開く。
    プロレスラーだったことを売りにせず、
    なんとか十年、子どもを育てながらコロナも乗り切りやってきた。

    家族がそれぞれ主役となった話が連なり、
    店主は8年も毎週通ってきている女性客を思っていることに気がつき、
    娘は大学で同級生とお笑いコンビを組むことにして、
    息子は就職活動に迷いながら第一志望の会社を見つける。
    最後の主役が、亡くなった母親なのはちょっと反則技では。

    「家族」が主題だが会話のテンポが良くて、重苦しくない。
    もう一つのテーマであるプロレスの配合具合がちょうど良い感じ。
    試合で火を放たれてあせったとか、
    金属バットは気を使って腿や尻をたたいたとか、
    デビュー戦は一番弱いからだいたい負けるとか。

    でも一番面白かったのは、
    店主と妻が出会った飲み会の場面で話題になった、
    中学生がお楽しみ会で
    ミル・マスカラスとタイガー・ジェット・シンの試合をやっていた話。
    男子に流行ってたよね、プロレス。

    ただ一つ、残念なのは「とべ」のおすすめのひとつが、
    豚バラ肉のシソ巻きなこと。
    シソは好きじゃないんだよなー。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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