- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041151495
作品紹介・あらすじ
警視庁捜査一課に所属する花菱朝彦は、捜査で失敗を重ね、異動を命じられた。だが、異動先は朝彦の想像を遥かにこえた部署だった──「割烹課」という部署が警視庁の地下4階にあるというが……。
感想・レビュー・書評
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田中啓文『警視庁地下割烹』角川文庫。
三話からなる書き下ろしの連作形式の短編警察小説。
食と警察捜査を組み合わせた小説と言えば、福澤徹三の『侠飯』シリーズが非常に面白いので、本作にも大いに期待をしていた。しかし、斬れ味が悪く、可もなく不可もなくといった感じであった。
主人公が食の知識を生かして不可解な事件を一刀両断に解決するという爽快感は感じられず、ユーモアも中途半端なことが原因だろう。
警視庁捜査一課に所属する花菱朝彦は捜査で失敗を重ね、異動を命じられる。異動先は警視庁の地下4階にあるという刑事部割烹課という謎の部署。朝彦は、割烹『警視兆』に所属し、板前修業をすることになる。割烹課を仕切るのは『ささやき女将』こと森川春江警視正だった。
板前修業を終え、調理師免許とふぐ取扱責任者免許を取得した朝彦は、様々な食の場で起きた事件の捜査を行う。
『第一話 フグに当たった男』、『第二話 桜田門で桜鯛』、『第三話 二軒のラーメン屋』を収録。
本体価格880円
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笑いが絶えない一冊。
さすがの田中さん、お得意のとんでも設定で面白かった。
警視庁にある刑事部割烹課、その名も「警視兆」。そこに異動した花菱朝彦が料理人として、いや、刑事として職務をこなす警察小説はふふふ、くすくす状態。
KYドジ坊こと朝彦のずっこけぶりはもちろん、登場するみなさんのキャラとズレっぷりがさざなみのように打ち寄せてきて終始笑いが絶えない。
このまま緩く笑いをつまみながらのままかなと思いきや、とんでもない、ない。
きちんと事件捜査、解決までの意外にも美味しい味わいに思わず舌鼓。
これは…おかわりプリーズ。 -
タイトルに惹かれて読んでみました。
朝彦の天然ぶりでしくじりを重ねて、割烹課に異動した。料理店の潜入が主ですが、少しふんわりとした書き方であり非常にライトに読めます。
朝彦の執念が光る部分もあり、次作があれば読みたいと感じる作品だった。 -
警視庁捜査第一課の花菱は、しくじりを重ね、女将も
板前も警察官という割烹「警視兆」で板前修業を
することに。日々修行を続けた花菱は、ある日フグ
料理店への潜入捜査を命じられるが…。書き下ろし
警察小説。 -
はじめまして~の作家さん
本屋さんで目に入り、もうそのタイトルに心掴まれる!…(笑)
だって大好きな警察ものにお料理ですもん…
警視庁捜査一課の花菱朝彦はとにかく「よく刑事になれたわね」…ってくらい、ドジで空気読めない天然さん…
まぁそんなことだから失態を重ね、遂に異動を命じられる
異動先は、警視庁地下4階にある割烹『警視兆』
その存在は限られたごく一部のものしか知らず、なんとあの大阪船場の名店、料亭『失兆』の流れをくむのだ…(笑)
もちろん割烹課で働くのは皆刑事部所属の警察官
ささやき女将も警察官…
謎の部署、割烹『警視兆』の正体とは…?
…とまぁ、これまでにない設定!
とにかく花菱朝彦のボケボケぶりと、周りのキャラクターが強烈だ!
そして駄洒落というのか、親父ギャグというのか…
にニヤニヤしながらも
途中、ちょっとクドイで…
っと思ってしまったり…
でもちゃんとミステリーでなんやかんや花菱朝彦が一役買って??事件解決…(笑)
とにかくテンポよく、サクサク読めます
これはシリーズ化するのかな?
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ゆるかった。
あまり割烹課である必要性は感じないが…
警視庁の地下にはいろんな部署があるなぁ! -
田中さんのシリーズの中でも、好みのシリーズになりそうです!早く続きを出してほしいです。
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信じられないようなドジをやらかし異動を命じられた、捜査一課の花菱。彼の異動先は、警視庁の地下深くにある割烹「警視兆」だった。そこで板前修業をしながら捜査もするという、ツッコミどころ満載の楽しい警察ミステリです。
有能なのか無能なのかまったくわからない花菱。そしてなんで割烹なのか。笑いのネタもたっぷり仕込まれていて、そりゃもうどこから突っ込んでいいのかわからない楽しさです。もちろんミステリとしてもしっかり読めるし、楽しめる一冊です。
お気に入りは「二軒のラーメン屋」。真相はシンプルだけれど案外と気づけなかった……そしてこのラーメン屋が無駄に(笑)美味しそうな描写で印象に残ってしまいました。 -
ほーんと、田中啓文さんの設定のとんでもぶりには毎度楽しませてもらえる。
割烹警視兆って!
その目的が潜入って!!
配置された坊やのニックネームがドジ坊w
登場人物の名前もユニーク。
でも、ささやき女将は、若い人には伝わらないのではw
いやー、ドジ坊くん、刑事よりも料理人が向いてるよ。
あぁ、楽しかった。
著者プロフィール
田中啓文の作品





