罪びとの手 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2024年8月23日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041151556

作品紹介・あらすじ

川崎区の廃ビルで発見された身許不明の中年男性の遺体。
事件性なしと判断されるが、刑事の滝沢圭は死亡推定日時と遺品の壊れた腕時計が示す日付とのズレに事件性を疑っていた。
そんな中、遺体を引き取りに来た葬儀屋・御木本悠司が、これは自分の父親だと申し出る。
奇妙な偶然と遺体を目にした悠司が呟いた「殺したか」という言葉に疑念を抱いた滝沢は、独自に捜査を始めるが――疑惑と伏線が絡み合う社会派ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 天祢涼『罪びとの手』角川文庫。

    初読み作家。警察ミステリー。

    どうにもこうにも、川崎少女連続殺人事件と無理矢理、中年男性の遺体発見事件と結び付けたような展開が不自然過ぎる。大体、刑事にたまたま葬儀屋の同級生が居て、事件に巻き込まれるなどあり得ない。その刑事の父親も警察官で、川崎少女連続殺人事件の捜査に関わり、左遷されていたとなると、開いた口が塞がらない。僅かな偶然なら承知出来るが、結末ありきの余りにも強引過ぎる展開では、ミステリーとしては成立しない。


    川崎区の廃ビルで身許不明の中年男性の遺体が発見される。検死の結果、事件性なしと判断されるが、刑事の滝沢圭は死亡推定日時と遺品の壊れた腕時計が示す日付とのズレに事件性を疑っていた。そんな中、遺体を引き取りに来た葬儀屋の御木本悠司が、遺体は自分の父親だと申し出る。

    しかし、遺体を目にした悠司が呟いた「殺したか」という一言に疑念を抱いた滝沢が独自に捜査を行ううちに明らかになった事件の真相。

    本体価格800円
    ★★★

  • 葬儀xミステリーの組み合わせは珍しい。と思い、手に取ってみた。読み進めていくと、お前が犯人か!?いや、この人も怪しい。と思わせる登場人物がそこここにいて、更に先が読めない展開に読むスピードをあげた。

    最後のタネ明かしの部分にきて、さぞかしトリッキーで読み手が驚くような結末なのかと思ったが、こういうオチ、他のミステリーでもあったよねぇ。という感想が真っ先にきてしまった。
    期待しただけに、最後が弱いイメージだったのが残念。

  • 結末はそんなに突拍子もないものではなく、一昔前の設定だったらそうかもなと言う結末。
    ただ、ストーリー展開は面白く読みやすかった。
    ぜひ他の作品も読んでみたい。

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    《あらすじ》
    ある事件で見つかった身元不明の遺体。
    それを引取にきた葬儀屋が自分の父親だと言うところから謎がはじまる。

    葬儀屋(息子)が父親と認めたが、不審な点も多く何かを隠している様子。また生前『自分の葬式はしないで欲しい』という父親の意思を無視して葬儀をあげようとする息子には理由があって…。

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  • 親子、兄弟といった家族の絆、
    仕事を介した縁、人と人を繋ぐ想いやしがらみを
    良い意味でも良くない意味でも考えさせられる
    物語でした。

    一つの事件を糸口にして、思いがけず
    過去の事件にまで派生してくる複雑な絡みが
    読み応えあり。

  • ---------------------------------------------------
    身許不明の遺体の謎。葬式を強行する葬儀屋。
    過去の少女連続殺人事件との因果。

    刑事vs.葬儀屋

    火葬まで96時間。すべての真実を暴き出せ。
    ---------------------------------------------------
    天祢さんは「希望が死んだ夜に」で好きになり、
    作家買いしたくなる方のおひとりです。

    身許不明の遺体は父だと言い、火葬を進める息子。
    その遺体は兄ではないという、弟。

    一体、この遺体は誰なのか?

    不穏と違和感に包まれるなか。
    刑事の滝沢圭は不審に思い、
    捜査を進める…。

    一気読みでした!

    謎が明かされる場面は、
    エンターテイメントのように、
    役者は全員揃った、
    という感じでした。

  • 事件性なしと判断された遺体。
    だが、刑事の滝沢は死亡推定時刻と
    遺体が身に着けていた時計の時間に
    ズレがあり事件性を疑う。
    一方、遺体を引取りに来た葬儀屋の御木本は
    遺体を見て「自分の父親だ」と申し出る。

    事件性を疑い捜査する刑事。
    何故かお葬式を強行する葬儀屋。
    刑事VS葬儀屋の物語です。

    最後まで動機やトリックが読めず、
    過去に起きた少女連続殺人事件との
    関連もいまいち分からず、
    謎のまま進んでいきました。

    全てを回収するラストが良かったです。
    文章も読みやすく、サクサクと
    読み進められました。

  • 物語の展開についていけずアリエナイの連続 他作品はちょっと読む気がしないです

  • 為書きしてもらったにも関わらず、ずっと積んでいました。
    すごく好きな作家さんなので楽しみにしていたのですが、あまり好みの構成ではなかったかも。

    葬儀がテーマということもあり、終始気持ちのいい話ではありませんし……語り手に好感が持てず、読むのが苦痛な部分もありました。
    謎の伏線となる描写も、天祢さん作品の中では露骨にわかりやすい方なのでは?

  • どこかの巻末広告で見かけて手に取った本。

    人様の死を扱う仕事だから『殺す』なんて口にするなとたった一度だけ息子を殴るような人間ということを描写しておきながら、殺人鬼である双子の兄を殺したことを肯定するような感動的なラストにモヤモヤが残る。

    良い人が悪い人を殺すのは許される、みたいな空気感。

    ただ自分の葬儀について考えるきっかけになった。
    葬式はせずにどこかに散骨してほしいと思っていたが、葬式は残された人のためのグリーフケアの意味合いが強いとのことなので、その頃にどれだけ知り合いが生きているかで考えようかな。

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著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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